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 <異世界546日目>



 おはようございます。昨日は神血を飲ませるのを忘れていたので、皆を早く起こす必要があります。朝の日課を素早く終わらせてっと……よし、皆を【覚醒】で起こそう。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」


 「今日は何だか早い気がするけど、もしかしてアルドが起こしたのかい? 珍しい事だけど、起こす理由があったかな?」


 「昨日言っておいた神血だよ。寝る前に飲ませようと思って、すっかり忘れてたんだ。昨夜は九条の屋敷に侵入する事を考えていて、神血の事が頭から抜け落ちていた」


 「忘れてくれていても良かったんだよ? 別に飲みたくない訳じゃないんだけどさ、何と言うか……。仕方ない、諦めようか」



 ダナも分かってくれたところで神血の樽を取り出す。飲む量はお猪口一杯分というところだ。別に大量に飲む物でもないし、飲んでも効果は上がったりしないので意味が無い。それに才能が開花するだけで、後は努力するしかない。


 才能が開花すれば何でも出来るようになる訳じゃなく、結局は努力して伸ばしていかないと意味は無い。ただ、少なくとも悪い方の才能などは無くなる筈だ。シュラの料理とか。


 そう聞いたシュラは即座に神血を飲み干した。それはもう一気飲みでも遅いというレベルの速さで、無駄に身体強化を使っていたくらいだ。そこまで自分の料理の才能の無さが嫌だったんだな。初めて知った。


 ダリアやフヨウも含めて全員に飲ませたが、特に何も起こらない。当たり前だが邪生の心臓とは違うので、痛みとかが起こる物でもないしな。神血が肉体に取り込まれてから才能が開花するまで、どれぐらい時間が掛かるか知らないからなぁ。


 まあ、気長に待とう。おそらく1日は掛からないと思う。半日ぐらいで済むと思うんだが、その辺りは聞いただけなんで分からない。こんな物、下界じゃ材料不足で絶対に作れないし。


 神鳥の鶏冠だったり、神獣の内臓だったり、神竜の心臓が必要な時点で無理だっての。っていうか何処に行けば居るんだよ、そいつら。ダンジョンで出てくるのは聞いたが、俺でも出てこないという事はシャレにならない強さなんだろ?。


 そんな奴等には遭いたくもない。特に神竜。それは横に置いといて、何も起こらないので肩透かしを受けたようだ。ちなみに味は美味しくない。一応俺も飲んだんだけど、美味しくない物を飲んだだけだった。


 口直しに神水を出し、飲んだ後で藤達とクニを【覚醒】で起こす。【念話】を使って俺達の部屋に来るように言い、来たので神血を飲ませていく。ウチの女性陣には<出雲の阿国>の話はしてあるので、飲ませる理由は分かっている。


 藤達にもクニにも飲ませた後で、ネタバラシをしていく。全ての才能が開花すると聞いたからか呆然としているが、努力の事も伝えると納得した。才能そのものも、本人が持っていないと開花も何も無い。


 持っていないものは開花する事も無いので、結局はもともと自分の持っていたものとなる。だから卑怯な事などではない。その辺りの正しい情報も伝えておく。勘違いされても困るし、神血も万能な物じゃない。



 「それでも己の持つ才が全て花開くなど、反則も良いところだと思うがな。まあ、確かに己の持つものだ。卑怯でも何でもないと言われれば、そうなのかもしれんが……」


 「そもそも君等は不老長寿じゃないんだ。ずっと生きられるなら様々な事に挑戦するのも良いが、時が限られている者が無駄な時を使うのもなぁ……。正しいとは思えないんだが?」


 「確かにそうかもしれませんが……。まあ才能なんて有っても1つか2つでしょうし、そこまで気にするものでもありませんね。自分も知らない才能があったりして、面白そうではあります」


 「私も飲んで良かったのでしょうか? 何か絶対に駄目な物を飲んだ気がするのですが……」


 「気にするな。クニのような普通の者に飲ませたらどうなるかという実験だ。気にせず効果を受ければいい。もしかしたら楽器とか踊りとかに才能があったりしてな」


 「それはそれで面白そうだね。楽器を演奏したりして、都を練り歩きながら勧進? だったかを求めれば、案外儲かるかもしれないよ?」


 「それは……。確かに笛を吹いたりなどは出来ますし、巫女として神楽を習ったりもしていますので、出来ない訳ではありませんが……」


 「どっかで聞いたが、異性の服を着てやる芝居があるらしいから、それでもやってみたら? 男が女の服を着て女役を、女が男の服を着て男役をするらしい」


 「ほう! それは面白そうだな! そなた、やってみたらどうだ? 別に神楽をせよと言うておる訳ではない。新たな踊りや芝居を作れば良いのだ。それならば誰も文句を言うまい」


 「ついでだから、余っていた布袋と大銀貨と大金貨を10枚ずつやろう。勧進じゃないが、それを元手に頑張ってみるといい。ついでに革のジャケットとズボンをつくってやるから待ってろ」



 そう言って、俺はデスボーアの皮を革にし、クニのジャケットとズボンを作っていく。困惑しているが、普通の革とは比べ物にならない程の防御力を誇るので、着ていた方がいいと言っておく。


 俺の暗殺に失敗したんだ、口封じの為に殺されるかもしれん。そう言うと、クニは顔を真っ青にしている。当然と言えば当然なんだが、そこまでの汚さは知らなかったんだろう。都の恐さを改めて知ったらしい。


 とにかくジャケットを常に着ておくように言い、迂闊に他人を信用しない事を説明すると、藤達が言い聞かせておくと言ってくれた。藤達もちょっと危なそうだと思ったらしく、見ていてくれるそうだ。


 俺達は昨日と同じくダンジョンに出発し、迷宮紋からダンジョンに入る。昨日と同じ16層まで行き、再び金銀の猪を狩っていく。シルバーボーアやゴールドボーアは毛がそれぞれの色をしているだけで、目まで同じ色ではないそうだ。


 この金銀の猪は新種のようなものなので、名前が無い。<グリンブルスティ>とかは駄目だろうから、名前を考えないといけないんだが……。面倒なので金牙、銀牙で良いんじゃないかな? 流れ星じゃないし、犬でもないけど。


 そんな事を考えながら18層で金牙と銀牙を狩っていると、またもや邪気と呪い塗れの奴が来た。今度はデカイ象だったんだが、おかしくない? 何で猪地帯に象が出るんだよ。あと体高10メートルを超えてませんか?。


 ああ、邪気で大きくなっているだけか。<浄化の三道具>も使って一気に【浄化】すると、真っ白な木になって動かなくなった。これって木像……じゃなくて木象か。もしかして、また乗り物か?。


 そう思って乗って魔力を流すと簡単に動く。体高3メートルぐらいなので、体を下げさせれば乗れない事もない。俺達の場合は身体強化をして飛び乗った方が早いけど。


 昼も過ぎているので、そろそろ平氏の屋敷に帰って昼食にしよう。猪肉も十分獲れたので、後は尾張に帰って牛肉をゲットすればいい。アジロのダンジョンで鶏肉を獲ったら、肉はコンプリートだな。


 そんな話をしながら脱出紋で出ると、周りに居た奴等が一斉に槍を突きつけてきた。どういう事だと思ったら、目の前に九条家の当主が居るぞ?。



 「我が屋敷に忍び込み、我が妻をおかしくした罪で貴様等を始末する! 覚悟せよ!!」


 「そもそもクニを唆して俺を暗殺しようとしたのは、お前の妻だろうが。それよりも不老長寿の俺達に槍を突きつけてるんだ、死ぬ覚悟は出来ているんだろうな?」


 「殺せ!!!」



 後ろと左右から向かってくる阿呆どもを、皆は徹底的に皆殺しにしている。そんな中で俺は、高位魔法である【獄炎】と上級魔法である【烈風】を使い、阿鼻叫喚の地獄絵図を作り出す。


 目の前には5000度を超えるフィールドが形成され、全ての熱風を相手の方に吹き飛ばす。阿鼻叫喚の地獄絵図とは正にこの事だろう。既に九条家の当主は焼け死んでいるが知った事ではない。


 俺を殺すというならば、全員死ね。



 ▽▽▽▽▽


 1178終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨737枚

 金貨656枚

 大銀貨529枚

 銀貨541枚

 大銅貨1539枚

 銅貨25枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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