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 クニという女はこちらを睨んでいるが、立たされてウチの女性陣に囲まれている。【白痴】を使っているので嘘は吐けないが、どうも悪逆非道な事をして京の都を荒らしている大陸の者が居ると教えられたらしい。


 俺は皆にそのままクニを平氏の屋敷まで連れて行くように言い、近くで見張っていた奴の元に素早く近付いてヴァジュラを喰らわせた。少なくとも、俺が気絶させた奴以外に見張っている奴は居なかったと思う。


 俺はそいつを担ぎ皆の後を追う。とりあえず平氏の屋敷で聞きだそう。途中で皆と合流し一緒に平氏の屋敷へと行くが、クニという女は見張られていた事を知り、少し微妙な顔をしている。自分のやった事を冷静に考え始めたようだ。


 平氏の屋敷に着き堂々と入っていく俺達を見て、流石に自分が騙されたのでは? と思い始めたのか顔色が悪い。中に入り台所に行くと藤達が居たので、クニと捕まえた男の話をする。



 「アルド殿を狙わせるように仕向けた奴が居るのか……。細川か? それとも伊勢か? どのみち愚か者であろう。そもそも人殺しを唆している時点で、まともな者ではない」



 そう言われたクニは微妙な顔をした後、頭を下げて謝ってきた。まあ、俺以上に皆が怒ってるんで、頑張って許してもらうといい。そう言うと、藤が可哀想なものを見る目で見ていた。


 俺は担いできた奴の痺れがマシになっているのを確認したら、尋問をしていく。当然何も喋ろうとしないので、ヒュドラーの毒ナイフで浅く切りつける。痛みで痙攣し始めたが放っておき、料理を作り始めた。


 金銀の猪を獲っている最中にデスボーアも獲っていたので、今日はデスボーアを解体して料理する。メルに米と押し麦を、フォルにスープを任せ、俺は角煮を作っていく。デスボーア半頭分を角煮にするので大変だ。


 【錬金術】や【錬成術】を使えば簡単だとはいえ、量が量なので時間が掛かる。その間に皆はクニから事情を聞き出していた。その最中に台所に清常さんと清澄さんも来て、クニの事を聞き厳しい表情をしている。


 大陸の、それも不老長寿を狙ったとなれば、首が落ちるのは当然だと言われ顔が真っ青になってしまった。クニ自身は、出雲大社に対する勧進を求めて都に来たらしく、悪逆非道な者を倒せば勧進を貰えると思ったそうだ。


 勧進とは神社に対する寄付の事だが、神社の経営も厳しいからな。全国に勧進行脚に出ている巫女や神官も居るらしい。特に大きい神社は維持するのが大変で、その所為で勧進も沢山必要になってくる。


 小さい神社であればそこまででもないので、大きい神社ほど大変になってくるそうだ。特に3つも4つも社を抱えていると、それぞれの修繕などをしなければいけない為、大量に勧進が無いと潰れるまで放っておくしかなくなる。


 実際、朽ちかけている社などもあるらしい。この時代、巫女なども当たり前のように体を売っているので、そういう事をしながら勧進を集めているそうだ。<出雲の阿国>も大変だなぁ。


 夕食が出来たので、クニにも食べさせながら更に事情を聞いていく。京の都で勧進を頼み歩いていたら声を掛けられ、都で悪逆非道をやっている者が居て、そいつを何とかすれば勧進が集まるんじゃないかと言われた。


 そして言ってきた奴は、俺が担いできた奴ではないとの事。唆した奴と監視していた奴は別か。俺達は痛みで痙攣している奴を見ながら、アイツが情報を持っているかを考える。可能性はありそうだが、唆した奴まで届くだろうか?。


 そう考えながらも食事を終え、痙攣している奴に手枷と足枷を嵌めてから【浄化】し尋問を開始する。【白痴】を使っているのでペラペラ喋るが、コイツは痛みに怯えきっているので使わなくても喋っただろう。


 コイツ自身は九条家の下人らしく、クニを見張っておけと言われたそうだ。それ以外に一切聞かされていないらしく、全く分からなかった。【白痴】を使っても駄目だという事は、本当に聞かされていないのだろう。


 俺はコイツを外に放り出した後、ヒュドラーの毒ナイフと山羊角の杭を取り出して浅く刺した。5秒で屹立し、30秒で恥を晒す。どうやらコイツも<早く漏れる人>だったらしい。


 まあ、どうでもいい事だし、俺としては実験が出来ればそれでいい。女性陣や藤達が色々言っているが、俺には聞こえないし聞く気も無い。


 その後、台所に戻ったが皆は考え込んでいた。九条家が何かしら関わっているのは間違い無いだろうが、公卿の家は複雑怪奇なので難しい。家臣が勝手にやったのか、それとも九条自身がやったのかは判断がつかない。


 場合によっては正妻が、九条家に罪を擦り付ける為にやった可能性もある。それ程までに複雑怪奇なのが公卿の家の中らしい。これが公家だと多少マシらしいが……。クニとしては何とも言えないらしく、微妙な顔をしている。


 騙されていたとはいえ、人の命を狙ったんだから大きな罪には間違い無い。ただ、思っていた以上に”汚れた”場所が都である事に、何とも言えなくなった様だ。都会に対する幻想が壊れた感じかな?。



 「何か勘違いしておるようだが、都と同じぐらい汚れておるのは他の国の都しかないぞ? 何処の国でも都が1番汚れておるものよ。それはヤシマの国も、大陸の国も変わらぬ」


 「そうなのですか……。勧進を求めに都に行けと言われた時は嬉しかったのですが、出雲大社の神官達は知っていたのでしょう。中には心配してくれた者も居ましたので……」


 「まあ、無理矢理に行けと言われた訳ではない様ですから、何とも言えませんね。多くの者が集まる。それも権威や権力のある者が集まっていると、それだけ汚い事も多くあります。当たり前の事ですよ」



 藤とラオから都が汚れているのは当たり前だと言われ、現実を理解したらしいクニは、深く頭を下げて謝罪してきた。なので許したうえで、今度からは簡単に騙されないように言っておく。


 話も終わったのでクニにシルバーバッファローとレッドカウの皮を渡し、これでも被って寝るように言っておく。余っている皮だから持っていけと言うと、恐縮しながらも受け取った。


 俺達は部屋に戻ったが、<防音の魔道具>を使い早速聞いてくる。それは、九条家に行くのかどうかだ。俺は「当然行く」と皆に答える。ここで反撃しないと、永遠に下らない事をしてくるからな。


 だからこそ、一切の容赦なくやる。そこまでやられないと気付かないのだろう。結局は細川晴元と同じだ。自分は害されないと思っているから下らない事をする。


 こういう馬鹿は、手を出せば反撃されるという当たり前の事を教えてやるしかない。その身に刻み込む形で教えてやらないとな。俺はバカどもに容赦する気など欠片も無い。それが例え、五摂家であろうともだ。


 そんな話をしているとダリアとフヨウが寝ていたので、皆も幸せにしてさっさと寝かせておく。全員を綺麗に【浄化】したら、隠密の4つの技を使って屋敷の外に出た。尋問した際に九条家の屋敷の場所は聞いているので迷う事は無い。


 素早く忍び込むと、家の中の者は全員寝ていたので、更に【昏睡】を叩き込んでおく。完全に眠らせたら素早く当主の部屋らしい所に入り、中で寝ている奴に【白痴】と【人形】を使って起こす。


 詳しく話を聞くと、九条の当主は何も知らない事が分かった。なので再び寝かせて【忘却】と【昏睡】を叩き込む。その後は正妻の部屋らしき所に行き、同じ様に【白痴】と【人形】を使って起こす。


 すると、実家の為に九条を利用する形で、俺に恩を売ろうとした事が分かった。クニの実力では殺せないのは分かっていたので、逃げたクニを殺して恩を売るつもりだったらしい。


 もしクニが殺されたら、適当な賊を殺してソイツの所為にし、俺達に接触するつもりだったそうだ。つまり賊を捕まえて拷問をしたら、クニを嗾けたと判明したといった風に。


 正直に言って穴だらけの策で心底呆れてしまうが、頭の悪い奴はこんなものかと思う。「賊に襲われて大変ですね」とでも言う気か? その賊を嗾けたのはお前だろうが!! という話だ。バカバカしい。


 俺はキマイラの短剣で浅く切った後、その傷を【生命活性】で治して寝かせた。更に【忘却】と【昏睡】を叩き込んで深く寝かせると、九条家の屋敷を出る。色々聞いたが、他には大した情報も持っていなかった。


 ちなみに、狙っていたのは俺が持つ金らしい。金貨400枚と大金貨400枚をポンと出す奴だ、さぞかし都合の良い金蔓にでも思えたんだろう。バカすぎる。情報を集めれば……と思ったが、バカは情報を集めたりしないな。


 さっさと帰って寝よう。



 ▽▽▽▽▽


 1177終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨747枚

 金貨656枚

 大銀貨539枚

 銀貨541枚

 大銅貨1539枚

 銅貨25枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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