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1176




 京の都のダンジョンに入ると、1層目は川がある山だった。前に入った時は草原だったから、中の構造は変わっているようだ。人の流れは時間が時間なので分からない。ただ、川で釣りをしている人が多いな。


 山といっても1層目なので、なだらかな山だし木が多くない。御蔭で長閑な風景なんだが、本当にダンジョン内なんだよな?。


 そんな中で公卿や公家が釣りに興じているという、何ともおかしな風景になっている。まあ、下らない争いをするよりはマシかな。


 ウロウロとしていると、南に転移紋を発見したので2層へと進む。2層、3層と進み、4層目は草原だった。そこかしこにネイルラビット居るのは分かるのだが、普通の人に混じって公卿や公家がいるぞ?。


 弓を持ってネイルラビットを狩っているみたいだ。そういえば公卿や公家って弓や刀を使えるんだよな。そういった武力が剥奪されたのは江戸時代になってからで、それまでは普通に弓や刀が使えたとかなんとか、そんな記事を読んだ記憶がある。


 弓の鍛錬という建前でウサギを獲っているのかね? お付きの人が褒めながら血抜きなんかをしている。「自分で触らなければ、穢れがどうとかは良いのかよ」と思うが、問題視していないみたいだ。都合がいいねえ。


 元々ウサギの数え方が1羽という言い方なのは、食べてもいいグループにウサギを入れていたから。何ていう説があったのを、ふと思い出した。鳥とか2本足の生き物は食べても良く、4つ足の生き物を禁じていたらしい。


 ウサギは2本足で立っているので、鳥の仲間として1羽、2羽と数えるようになったという話だ。当然ながら本当かどうかは知らない。分かるのは、ウサギは食べてもいいグループに属していたという事だけだ。


 自分達の都合でコロコロ意見を変えるのは、公家や貴族のあるあるなんだけど、この世界に来て本当にそれを強く感じる。とはいえ、上から命じられて無理矢理ひねり出した理屈だから、破綻するのも仕方ないんだろう。


 下らない事を考えていたら西に転移門を発見したので、そこから5層へと進む。5層、6層と進み、7層目は荒地だった。出てくるのは狐や狸らしい。成る程、化かし合いをしている都には相応しいな。


 俺達にはどうでもいい相手なので、真っ直ぐ北東に行く。どっちかだろうと予想して進んだが、当たりだったらしい。北に転移紋を発見したのでそちらに進む。この層は美味しい肉のモンスターが居ないからか、殆ど人が居ない。


 7層~9層を突破し、10層に着いた。周囲は再びの山となっているが、今度は森が濃い山だ。そんな中を東へ行き、10層~12層を進む。13層に着くと、今度は海の地形だった。


 俺は木馬に乗り、海産物をどんどんと収穫していったのだが、その間に大きな鮫に3度襲われたのでゲットした。今は殺して凍らせてある。


 あと、大きな甲羅を持つ手足の長い亀も襲ってきたので、コイツも殺して凍らせた。何故かコイツは7匹も襲ってきたが。


 貝や魚もゲットしたので、意気揚々と次の層への転移紋を探す。南に向かって進んだ結果、南東に転移門を発見したので乗って次の層へ。13~15層を移動し、16層へと進むと森の地形だった。


 ここで森か……時間も時間なのでどうしよう? そう考えていると、この層には猪系の魔物しか居ない事が判明した。ビッグボーア、ダッシュボーア。スマッシュボーア、デスボーア。それ以外にも銀色と金色の猪がいるぞ?。


 俺は皆に猪系のモンスターしか居ない事を伝え、肉をゲットしてから帰る事を伝える。皆も諸手を挙げて賛成し、素早く銀色と金色をゲットしに行く。ただしこっちが近付くと、素早く銀と金の猪は逃げて行ってしまう。


 仕方なく皆をその場で待機させ、隠密の4つの技を駆使して猪に近付いていく。流石に隠密の4つの技は感知出来なかったらしいので、気付かれる前に素早く首を落とす事に成功した。


 まさか逃げるダンジョンモンスターが居るなんて思わなかったので、本当に驚いたよ。


 血抜きなどの処理をした後で皆の所に戻ったが、皆も驚いたらしい。気配が探れないと見つける事も逃げる事も分からなかっただろう。だが、その反面美味しさには期待出来る。他にも居ないか探しているが、レアなのか見つからない。


 皆は森の中で山菜などを採っていたらしく、渡してくれたので収納して移動する。おそらく南西だろうと予想して移動するも、まさか南だとは思わなかった。それでも見つかったのだから良いかと思い、南の転移紋から17層へ。


 17層でも銀と金の猪を倒してゲットして処理していたら、突然突っ込んでくるモンスターが現れた。それも邪気と呪い塗れの奴だ。素早く【浄化】の権能を使い動きを鈍らせ、<浄化の三道具>で完全に【浄化】した。


 死体が邪気になって襲ってくるも、全て【浄化】して終わらせる。それにしてもデカイ猪だったなー。皆を待たせておいて良かったよ。血抜きを含めた処理が終わったので、死体の後に残されていた小型のアイテムバッグを調べる。


 すると、中には3つの樽が入っていて、それぞれ白色と金色と赤色の液体が入っていた。


 ………これを下界に下ろすとか、何を考えているんでしょうね? 永遠にアイテムバッグに封印するしかないだろう!! 本当に頭がおかしいんですかねぇ!!


 皆の下に戻りながら考えを纏めよう。白色の液体は神酒であり、神様が飲んでいたのを見た事がある。ちなみに俺は飲んでないが、酒だったから飲む気にならなかったんだ。話すと女性陣が五月蝿そうだなー。


 次の金色は神薬だ。あれは死亡以外の全てを治せるという反則の薬であり、持っているのがバレたら絶対に面倒な事になる。殺してでも奪い取るという奴が、行列を為して襲ってくるだろうな。


 そして最後の赤色が、1番の問題児である神血だ。本当に神様の血という訳じゃないんだが、アレは肉体の可能性を極限まで引き出せるようになる物。つまり一口飲めば、全ての才能が開花する。


 たったその一言で、究極にマズいのが分かってもらえると思う。あれは本来、この世にあって良い物じゃない。何でそんな物を俺にとはいえ、下界に下ろすんだ? 意味が分からない。しかもウチの女性陣に飲ませても、全体の1割も減らないんですけど?。


 マジで訳が分からないし勘弁してほしいんだが、神様がこんな危険物を何の意味も無く下ろす筈が無いんだよなー。コレ使わなきゃいけない何かが起こるって事なのか? よく分からないが、厳重に保管しておこう。


 皆の所に戻った俺は、その話をしながら脱出紋に向かう。皆は神酒も含めて顔が引き攣りっぱなしだった。そりゃ、そうだろうとしか思わない。流石に神酒を飲みたいとも言えないようだ。



 「当たり前だろう。神様の飲むお酒なんて逆に怖いよ、何があるか分かりゃしないんだ。その神血? だって飲むのは嫌なのにさ。お酒まで飲もうとは思わないよ」


 「しかし、全ての才能が開花する飲み物ですか? あまりにも怖ろし過ぎますね。正に神の血を取り込む様なものでしょう。私達は不老長寿ですから良いですけど、普通の人には猛毒なのでは?」


 「そんな事は無いよ。これを飲む以上は、下らない事をすれば介入されるだけさ。体の中の神血を操作され、根こそぎ力を失うぐらいじゃないかな? その後、どうやって生きていくのかは知らないけど」


 「「「「「「「「………」」」」」」」」



 悪い事をしなけりゃ何も問題は無いんだから、気にしなくていいのにな。とりあえず外に出て、平氏の屋敷で夕食を作ろう。神血を飲ませるのは夜になってからだ。効果は知っているが、何が起こるか分からないからな。迂闊な事はしない。


 脱出紋で外に出て、平氏の屋敷への道を歩いていると、突然襲われた。相手の攻撃を逸らしヒュドラーの毒ナイフで切りつけたが、倒れた相手は見知らぬ女だ。いったい誰だ、コイツ?。


 困った俺は【浄化】をした後で【白痴】を使い尋問すると、出雲という国から出てきた巫女のクニと言う女だと分かった。……<出雲の阿国>って、マジ?。



 ▽▽▽▽▽


 1176終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨747枚

 金貨656枚

 大銀貨539枚

 銀貨541枚

 大銅貨1539枚

 銅貨25枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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