1174
「あれ? 土岐と今川って確かアルドがボッコボコにしたよね? 土岐は斉藤を攻めたけど、稲葉山城を攻めきれずに追い返されたし。今川は西三河を攻めたけど、何故か武士だけ大量に死んだよね?」
「「「「「………」」」」」
どうやら東で何が起きているかは知らなかったらしい。土岐がやった事と今川がやった事を聞いて憤慨しているなぁ。ついでに吉良がやった事を話したら、呆れて何も言わなくなったよ。家柄がある程、碌な事をしないからな。
クツキはそこまでの家柄ではないが、何人か公家の娘を娶った事があるらしく、名が微妙に売れて困っているそうだ。頼りにされても、然したる領地も無い自分達には重荷だとの事。まあ、将軍の避難所とされれば大変だわな。
俺は持っている皮を革に変えていき、クツキの当主にあげる事にした。向こうは恐縮していたが、割と強力な魔物の革なので色々な事に使えるだろう。俺達は使う事など無く余っている物なので、遠慮無く持っていくといい。
そう言って皮を革にして押し付けた。クリムゾンクラブの殻は穴を掘って捨てて【粉砕】しておく。その後に色々話をしていると、当主の槍が欠けて困っているという話を家臣がしていた。何でも魔物を狩った際に骨に当たったそうだ。
なので超魔鉄を取り出して、どんな槍が良いか聞いていく。またもや恐縮していたが気にする必要も無い。これも余っている物だしな。そう言って聞いていくと、大身槍を使っていると聞き出せたので早速作っていく。
大身槍ではあるものの、穂先自体は素槍と変わらない物だとの事で、穂先55センチで断面が菱形の素槍を作った。ブラッドウッドを取り出して柄を作り、石突を作ったら後は組み立てるだけ。完成したのをクツキの当主に渡す。
当主は何度も振るっては突き、感触を確かめているが気に入ったようだ。本当に良いのか聞いてきたが、俺達の武器はそれ以上だから気にするなと言っておく。そもそも神の金属だったり、神石や神木なんだから当然ではある。言えないけど。
試しに武器強化で突いたら木の幹を貫通したのだが、それ以上の物を持っていると聞いて、何とも言えない顔になった。とはいえ、受け取って喜んでいるので放っておこう。
お開きになった後、残っている物を穴に捨て【粉砕】したら埋める。焼き網などを綺麗に【浄化】したら回収し、焼き場などを壊す。側近連中や側仕えを起こし、屋敷に入って寝るように言った。手間のかかる奴等だな。
俺達も屋敷の一室を借りて、そこで寝る事にした。ディル以外は泥酔しているので寝かせ、ディルはキメて寝かせる。部屋と皆を綺麗に【浄化】し、<浄化の三道具>を取り出して邪気を吸引していく。
結構な量の邪気を吸引したが、問題なく全てを【浄化】する事が出来た。他の部屋を綺麗にする必要も無いだろうと思ったが、一応【探知】と【空間把握】で確認したものの、どの部屋も問題は無し。
将軍夫婦は寝ていたし、側近連中と側仕えと千歳丸も問題ない。藤達の部屋では、いつも通りシェンが跳ねているだけだ。メトムは大丈夫だろうか? ただでさえエルフは性的にそこまで強くないんだけど……。
でも、今まで何も言ってこないって事は大丈夫なんだろう。邪生の心臓も食べさせているし、そういった部分も強くなっていると思っておく。適当な考えだが、そこまで間違って無い気がするのが何とも……。
下らない事を考えてないで、さっさと寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界545日目>
おはようございます。護衛は昨日で終わりましたので、今日からは尾張に戻ります。朝の日課を終わらせたら、さっさと台所に行き朝食を作ろう。今日の朝は面倒なのでタコスモドキでいいか。
将軍の分も作らなきゃいけないっぽいけど、適当な庶民料理と言って誤魔化そう。地球の庶民料理ではあるんだから間違ってはいない。モドキだから、タコスの国の人には怒られるだろうけど。
グレイトシープの肉を味噌と灰持酒と甜菜糖を混ぜたタレに漬けて焼く。冷凍していた根菜を解凍してから千切りにし、神水にさらしておく。寸胴鍋に神水を入れ、細かく【粉砕】したかす肉を入れて【加熱】。
松茸と椎茸を切って入れて、解凍した野菜を薄切りにして入れて煮込めばスープの完成。全粒粉を塩と神水で練ったら、【熟成】を使った後で休ませる。準備は完了したし、少しゆっくりするか。
そう思ったら皆が起きてきたので、朝の挨拶をしてから料理を作っていく。チャパティを焼いて具を乗せたら、スープも含めて自分で持って行かせる。藤達も来たのでカサーラとメトムにも手伝わせ、さっさと作っていこう。
流石に人数が人数なので、タコスモドキでも時間が掛かるなー。やっと俺達も食べられる。
「5人とも、お疲れさん。昨日で護衛も終わりだし、今日はどうするんだい? アタシとしては京のダンジョンに美味しい肉を獲りに行きたいところなんだけど、どうかな?」
「私もダナの意見に賛成です。昨日は私達のアイテムバッグの肉も出しましたからね。アルドの様に干し肉にして保存しておくのも良いと思いましたし、出来れば肉を獲りに行きたいですね」
「流石に干し肉もアルドに任せる訳にはいかないから、燻製にするのが良いでしょうね。京の都のダンジョンが変わってなければ良いけど、コレばっかりは祈るしか出来ないわ」
「そうだね。地形が変わっていても、何処かに美味しい肉の魔物は居るだろうから探せばいいだけさ。20層近くまで行けば見つかるだろう」
「それよりも、京の都まで帰るのにどれぐらい掛かるのだろうか? おそらく私達なら今日中に戻れるとは思うのだが……」
「問題なく戻れるだろう。私達だけなら<若狭街道>が使えるからな。邪魔をしてくる者が居れば蹴散らせばいいだけだ。近江からの大回りとは違い、ほぼ真っ直ぐに京まで戻れるだろう」
朝食後、将軍に呼ばれたので部屋に行くと、金貨1枚が渡された。俺はそれを受け取って、粛々と部屋を出ていく。本来なら外国の者とはいえ、こんなものだ。旅の最中は、あまりにも自由にし過ぎだったと言えるしな。
俺達はクツキを後にし、南へと街道を走って行く。全員が身体強化を使える為、昼を回った頃には京の都に到着した。……早くない? 南にほぼ真っ直ぐだから、確かに楽ではあったけどさ。それにしても早いな。
こんな程度の距離でも、お荷物が居るとあんなに遅くなるんだなぁ……と、しみじみ思う。それはともかく、京の都に辿り着いたので平氏の屋敷に厄介になろう。そう思い、清常さんの所へ行く。
家人に取り次ぎをしてもらい中に入ると、清常さんと知らない人が居た。その人物はこちらを睨んでいるが俺達が不老長寿だという事と、藤が居る事を伝えると平身低頭に謝罪を始めたので直ぐに許す。
清常さんに「早く言え」と文句を言っているが、この人は平清澄と言うらしい。つまり、清常さんの兄だ。何でここに居るのかと思ったら、当主である平清貴から京の都の様子を見てくるように言われたとの事。
様子って……と思ったら、将軍と管領の関わりなどを調べる為に来たそうだ。あっさり言ったが大丈夫か? とも思ったが、どうやら色んな勢力が調べているので大丈夫らしい。藤も「いつもの事だ」と言っている。
まあ、将軍と管領の仲を探っておくのは、家にとって大事な事なんだろう。なので、将軍がクツキに行った事も、管領の指を落としておいた事も暴露した。清澄さんは半信半疑な顔をしているが、清常さんは「アチャー」という顔をしている。
その顔を見て、清澄さんも事実だと理解したらしい。今まで細川の阿呆に手を出されていたので返しただけだと言うと、何故か凄く微妙な顔をされた。
詳しく聞くと、不老長寿に手を出せば管領といえども指が落とされる。そう溜息を吐きながら説明された。別に管領だからじゃない、将軍だろうが公卿や公家だろうが、俺は容赦なく指や首を落とす。
そう言うと唖然とした後に、首を左右に振られた。……なんで?。
▽▽▽▽▽
1174終了時点
大白金貨46枚
白金貨219枚
大金貨747枚
金貨656枚
大銀貨539枚
銀貨541枚
大銅貨1539枚
銅貨25枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




