表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1174/1948

1173




 野営地の前の川を越え、その次の川も越えて進んでいる。この辺りは辺鄙な所だからか、待ち伏せ以外に人に会う事は殆ど無い。そもそも町など無く、村が点々とあるだけなので当然ではあるのだが……。


 ちょっと拍子抜けしたというのが正直なところだ。それとも昨日に比べて急いでいるからだろうか? 刺客を差し向けられた事で、こちら側からクツキに向かっても危険である事が分かったので、なるべく急ぐ事になったんだ。


 3つ目の川が見えてきたので、それを見ながら西へと向かう。街道っぽいのはある為、それを目印に進んでいる。どんどんと進んで行くのだが、途中で昼になったので、焼き場やテーブルを作って昼食を作ろう。


 メルには御飯を、カサーラとメトムに唐揚げを、フォルに味噌汁を頼み、俺は馬達に【生命活性】を使って疲労を回復しておいた。後は塩をあげて、神水を飲ませておくだけだ。馬達は喜んでいる……気がする。


 馬の回復が終わったので料理に戻り、手伝ったりしながら昼食を完成させた。食事をしながら話すも、ここまで来たらクツキは近いとの事。どれだけ時間が掛かっても、夕方には辿り着けるようだ。


 昼食後、焼き場やテーブルなどを壊して先へと進む。馬達も回復したので、再び速度を上げて進んで行く。道が分かれている所へ来たので、南へと向かい進んで行くとクツキに到着した。


 夕方よりは少し早い時間ではあったものの、クツキの者達が出迎えてくれたので、その後はスムーズに移動する事が出来た。クツキの者は木馬と木牛を見て驚いていたが、将軍の滞在する館に着くと降ろして収納する。


 その事にも驚いていたが、俺達は気にしていない。将軍を館に預けたら、これで俺達の護衛は終了だ。どうするかと考えていると、一晩泊まっていったらどうだと藤が言い、将軍も了承したので泊まる事になってしまった。


 なんか有耶無耶のままに護衛を続ける羽目になりそうで嫌なのだが、善意で言っているのが分かるので仕方ない。諦めて世話になろう。ただ、俺達は将軍に庭を借りる事を伝える。


 どうも女性陣は酒が飲みたいらしいので、庭を借りてバーベキューをする事にしたんだ。流石に将軍が食べるものでもないので庭を借りる事になったのだが、何故か将軍も御台所も千歳丸も乗り気なんだけど?。


 お前さん達はクツキの接待を受けなきゃ駄目な立場でしょうよ? そう言うと、クツキの当主もやってきて、将軍から説明を受けると楽しそうな顔をしている。何だろう? 新しい玩具を前にした子供みたいになってるぞ? なんでだよ。



 「いやぁ、ここクツキは田舎と申しますか、なかなか新しいものは入って来る事もなく……。正直に言って、新しいものと聞くと楽しみでしょうがないですな」



 この人、本心から笑ってるよ。敵意も悪意も一切無いのが【探知】で分かる。しょうがないなと思い、焼き場を作り焼き網を乗せたら、まずは御飯を炊く。


 米と押し麦を半々で炊くのをメルに任せ、貝と椎茸と松茸の味噌汁をフォルに任せる。カサーラとメトムにはシルバーバッファローとグレイトシープの肉を切っていってもらう。その横で、俺はタレ作りとタレの漬け込み作業だ。


 半分の肉を漬け込み、もう半分の肉は香辛料を振っておく。少し置いて馴染ませたら、超魔鉄の大きなフォークなどを貸し出し、皆に焼いていってもらう。ウチの女性陣が待ってましたと言わんばかりに肉を焼いていく。


 その横で藤達も焼いているが、他の人達はよく分かっていない。魚醤をメインで使ったタレ、味噌をメインで使ったタレ、竜の脂をメインで使ったタレの3種類を用意したので楽しめるだろう。


 ウチの女性陣は酒を取り出して飲みながら、肉を焼いて貪っている。ようやくバーベキューがどういうものか理解したらしく、将軍もおずおずと自分で焼き始めた。自分の好きな焼き加減で食べればいいので、色々試せばいい。


 そんな事を藤から聞き、3種類のタレも試しながら酒を飲み始める。御台所も飲んだり食べたりし始め、千歳丸は最初から藤の所で食べている。姉弟仲が悪い訳ではない様だが、良くもない感じか。


 揉め事になっても問題だからか、藤は千歳丸と関わらないようにしていたらしいので、仕方がないんだろう。今は特に気にする必要も無いからか、好きにしているらしい。


 そういえば藤とメトムの関係とか良いのかね? と思って聞いてみたら、何と御台所が答えてくれた。公卿や公家の家でも、女性当主が若い少年を囲う事は普通にあるらしく、子供さえ作らねば特に問題は無いらしい。


 近衛家の場合、祖先の女性当主が12人の少年を囲っていた事があるらしく、当時の帝から叱責された事があるそうだ。常に少年を侍らせて暇があればシていたという祖先の記録は、戒めの為に近衛家に残されていると聞いて、周りの全員が呆れていた。


 流石にそれは……という空気の中、メルが<伝説の魔女>の話をブッ込んできた。まあ、確かに近衛家の古い当主でさえ勝てない、ある意味では最強の女性とも言えるけどさ。わざわざここで出していいのか?。


 今度は逆に御台所が唖然としているけども……。いや、それだけじゃない、周りの連中も唖然としている。まあ、3万もの男を喰い、20人以上の子供を産んだ<伝説の魔女>だからなぁ。


 生涯において3~4人ほどが平均な魔女族において、20人以上の子供を産むって並大抵の努力じゃ無理だから、驚くのは当然なんだけど。安心安全な避妊薬を作った人でもあるし……。


 御台所が言うには、ヤシマの国にも避妊薬はあるらしい。昔の比叡山の仙女が、当時の朝廷の要望に応えて作ったのが始まりみたいだ。ちなみに発注したのは<蘇我>っていうらしいよ?。


 色々言いたくなるが全力でスルーし、食事を続けた。ウチの女性陣や藤達、更には俺からも酒を出したので、飲まない奴以外は泥酔している。特に側近連中と側仕えどもなのは、何とも言えないところだ。


 なお、将軍と御台所はさっさと部屋で休みにいった。藤がブラックコブラの事を言い。御台所が興味本位で食べたのが原因だ。激しく疼いたらしく、将軍を引っ張って行ってしまった。良いのかね? あれ。


 藤は「放っておけ」と言うだけだし、そもそも俺も邪魔する気なんてないけどさ。何か急にはっちゃけてないか? 御台所。



 「義母上は元々ああいう方らしい。今までは御台所として、足利と近衛をつなぐ為に気を張っていたらしいが、不老長寿の方が一時的とはいえ味方についてくれたのだ。おそらくだが、気が抜けたのであろう」


 「ああ、成る程ね。それで素が出てきたと。昔から、<貴族の女といえど、裸になれば唯の女>。そう言うんだけど、それはヤシマの国でも全く変わらないねぇ」


 「まあ、貞淑さとは無縁の連中ですからね。澄ました顔をしていても、下半身の事情で首を刎ねられた者も居ます。時が経っても変わらない事は沢山ありますよ」


 「男は男でアレだけど、堂々とやるか貞淑なフリをしているかの違いしか無いのよね~。貴族って結局、どこが貴いのか全く理解出来ない人達だわ」


 「そりゃあね。遡れば、成り上がりの血筋なんだからそんなものさ。前に主様が仰っていたけど、成り上がりでないのは建国した者だけなんだ。後は建国した者に取り立てられた者だからね」


 「確かにそんな事を言っていたな。今の貴族も何処かの時点で成り上がっただけ。新しい者を成り上がりと見下すのは、自分の祖先を見下す事と何も変わらない」


 「「「「「「「………」」」」」」」



 クツキの当主や家臣が黙ってしまったが、思うところがあるのかね? クツキも将軍家に使われている様なものだからな。とはいえ、クツキぐらい小さいと抵抗も出来ないんだろうけどさ。



 「まあ、見下すのは既存の権力者や権威者。ヤシマの国で言うと公卿とか公家、もしくは足利の関係者ぐらいでしょ? 特に細川京兆とかじゃないの?」


 「それだけではありません。京の都の伊勢家や、三管領の斯波や畠山も同じです。四職の赤松、一色、京極、山名。更に土岐と今川もそうでしょうか。とにかく、我等の様な者を見下すのが好きな連中です」



 四職って侍所の奴だっけ?。



 ▽▽▽▽▽


 1173終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨747枚

 金貨655枚

 大銀貨539枚

 銀貨541枚

 大銅貨1539枚

 銅貨25枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ