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1171




 サカシタの町を更に北へと進んで行くが、もともと近江という国は南の方が発展していて、北の方はそこまで豊かではない。北側は雪深くなる事もあるし、寒くなる事が多いからだ。


 それに東山道とも東海道ともズレているし、北陸道からも外れている。そんな微妙な場所が高島群、つまりクツキがある場所だ。特に朽木谷は攻め難い場所であり、守りやすい。将軍の避難場所としては丁度良いんだろう。


 そんな所を目指して進んでいる訳だが、今は琵琶湖沿いを進んでいるので景色は良い。俺も元の世界で琵琶湖を自分の目で見た事はあるが、ここまでじっくり見た事は無かった。


 何より、外来魚で汚染されていない、日本の原風景みたいな琵琶湖を見るのは初めてだ。ヤシマの国とはいえ、ちょっとした感動はあるな。そんな事は表情に出さず、移動を続けていく。


 昼になり、焼き場やテーブルと椅子を作ったら料理を開始する。いつもの4人には、全粒粉と米粉と塩と神水を渡して練ってもらう。その間にグレイトシープの肉を一口大に【分離】し、調味液に漬けていく。


 今回の調味液は味噌と灰持酒とハチミツを混ぜた物で、【浸透】を使い味を染み込ませたら表面を焼いていく。ある程度焼けたら皿に上げ、生地で包んでいき饅頭を作る。フォルには干し肉と野菜のスープを頼んだ。


 饅頭を蒸篭で蒸していき、出来上がったらさっさと渡していく。4個の蒸篭をフル活用しているので、1度に全員に行き渡る量が蒸せた。いつも通り2度目を蒸しながら食べよう。



 「これが大陸の料理とは……うむ、美味い。我が国の料理が遅れておるというのも分からなくもない。娘が言うには、麦などは粥にするぐらいしかしておらぬと聞いた。大陸では、このような料理を庶民が食うておるとは……」


 「確かにそうですが、大陸でも最近作られるようになった料理ですからな。ヤシマの国に伝わるにしても時が掛かりましょう。それは仕方なき事です」



 そういえば、この世界は地域ごとに文化度がバラバラだなぁ。確かに3世紀~5世紀の所もあれば、ヤシマの国みたいに戦国時代っぽい所もある。中国っぽい所は割れてるけど、何故か饅頭が出来たのは最近。


 まあ、地球と同じだと考えるのがそもそもの間違いだ、と言えばそれで終わるんだけど。それに、この星が全体的に発展していない以上は、この戦国っぽい時代が続くか、誰かが纏めるんだろうけどさ。


 仮に纏めて江戸時代っぽくなっても、それが江戸時代より長く続くだけだろう。日本の江戸時代だって、結局は日本だけで近代化なんて出来なかった。近代化した国を学んで、近代化したからな。


 おそらくヤシマの国も同じだと思う。だから近代化した国が出てくるまで、戦国や江戸っぽい時代が続くんだろう。……おっと、2度目が蒸しあがった。皿に乗せていこう。


 それにしても、よく食うな。2個目だというのに当たり前のように食べている。俺の作る饅頭は結構大きめに作ってあるんだが、意に介さず食べていく。流石に千歳丸は多少しか食べてないけどな。


 まだ3歳の子供だし、別にどうこうと言う気は無いが、足利将軍家に止めを刺すのはこの子だろうと思っている。とはいえ、もしかしたらグダグダになるのかもしれない。少なくとも、織田家にヤシマの国を纏める気が無いからな。


 食事も終わったし、焼き場などを壊して出発しよう。再び北へと向かって移動をしていく。朽木谷って遠いけど、その代わりに安全度が高いから仕方ない。とにかく移動を続けよう。


 先程の事だが、このままグダグダと続いていっても悪くは無い気もする。そもそも戦国時代と違い、小競り合いも多くない。尾張は豊かになったから妙に狙われているが、元々は小競り合いさえ少ないんだ。


 周りの国も迂闊に攻められなくなったし、軒並み凹まされて弱体化している。北伊勢、美濃、遠江と駿河。これからは平穏がある程度続くだろう。その間に尾張は豊かになり強固に纏まると思う。


 元の世界の日本でだって、信長が<天下布武>とか言い出さなきゃ、地方の大名程度で終わっていた筈なんだ。尾張一国で止まっていた可能性もあった。その場合、他の誰かが日本を纏め上げただろうけど。


 そん……。俺は全員の前に出て、前方を確認する。槍を持っている奴が5人に、刀を持っている奴が10人。弓持ちが5人に、何も持っていない奴が2人居る。


 俺は藤にそれを伝えたが、何も持ってない奴の事を詳しく聞く。藤は、おそらく術士だろうと言っていて、将軍の顔がかなり険しくなった。普通ヤシマの国では、暗殺をするのに術士を使ったりはしない様だ。


 にも関わらず術士を出してきた。管領が元々用意していたのか、それともクツキに行く事が何処かから漏れたのか。情報漏れの場合、誰が用意したか判断がつかない。神殿勢力の可能性もあるらしい。


 将軍は摂津の石山が後ろに居るのかもしれないと言っているが、石山って本願寺のあった所か? あそこを神殿が牛耳ってるって事は、水運なんかで儲けてやがるな?。


 日本でも信長に暗殺者を送ったりしてるけど、本当に宗教関係は碌な事をしない。俺達が前に出ながら進んで行くと、前を囲むように武器を持った奴等が現れた。その瞬間、俺は大きな声で「戦闘開始!」と皆に指示を出す。


 ディルには爆音の角笛を、アルメアにはヴァジュラを渡してあり、ダナには懐中電灯の魔道具を渡した。シュラ以外には牽制を頼み、シュラには殴らせている。ウチのメンバーが次々と襲って気絶させていくので、敵は慌てて逃げていく。


 特に1番後ろに居た、何も持たない奴等は直ぐに逃げ出した。俺は身体強化で素早く近付き、背中を蹴り飛ばして倒したら、手枷と足枷を付けて引き摺っていく。将軍も御台所も千歳丸も、誰も傷付いてはいない様で何よりだ。


 さっそく一纏めにしたら拷問を開始する。まずは刀を持っていた連中だが、殴っても喋らないので指を落としてやった。王角竜のハサミで切った後、【浄炎】で焼く。それを繰り返した結果、何も言わなくても喋るようになった。


 それでも俺は、【白痴】を使いながら全ての指を落としていく。そもそも将軍暗殺を企むような奴等に慈悲など要らん。そう言うと、藤が激しく頷いていた。色々な所に行って、人間種の本質を見たかな?。


 刀持ちと槍持ちの両手両足の指を落としたので、次は弓持ちだ。既に泣いて許しを乞うているが、許す事など無い。指を切り落としながら【浄炎】で焼いて止血する。それを繰り返したが、同じ事しか言わない。


 それは、何も持っていない2人に雇われたという事だけだ。弓持ちの指も全て落としたので。最後の術士っぽい奴等へと移る。手枷と足枷をしているので逃げられないが、既に錯乱気味だ。


 【心静】を使い強制的に落ちつかせたら、拷問を始める。ちなみにだが、1人目への拷問で将軍以外は全員ドン引きした。戦国時代の人の割には弱い気がするが、気の所為か? ウチのメンバーや藤達も、全く動揺なんてしてないぞ。


 拷問の結果、この術士2人は石山の神殿の者だったと判明。つまり摂津中央神殿だ。石山の場合、全国に名が知れ渡っているので、<石山神殿>という名で通っているそうだ。まあ、分かりやすくて助かる。


 将軍は厳しい顔をしているが、それは石山が管領に協力しているという事実に対してだ。先ほど考えた通り、石山は相当の金銭を貯め込んでいるので、管領の味方をされると極めて厄介な事になる。


 石山と足利将軍家とは良好な関係を築いていた筈なのに、この仕打ちだ。乱世は裏切りや謀反が当たり前とはいえ、遣る瀬無いところはあるんだろう。俺達にとったら、神殿など信じるのが間違いだとしか思わないがね。


 民衆を煽って、欲望の限りを尽くすクズどもだからな。奴等に対する慈悲など必要ない。徹底的に潰したうえ、奴等の悪行を全国に流布してやるぐらいでいいんだよ。



 ▽▽▽▽▽


 1171終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨747枚

 金貨655枚

 大銀貨539枚

 銀貨541枚

 大銅貨1539枚

 銅貨25枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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