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0116




 王城に着いたんだが、何気に王城に来るのは初めてだ。遠くからも近くからも浄化してたりするが、正規の手順で城に入った事は1度も無い。まぁ、入る用事も無いしな。


 俺達が連れて来られたのは城の大きな庭だ。来客に見せる為の庭だな、これは。豪華絢爛で左右対称の庭。いわゆる西洋式庭園と言われる様式だ。



 「田舎者が厚かましくやってきたか」


 「これが王太子殿下の名を利用した下民か?」


 「どうやら下民は、この場の意味が分かっていないらしいな」


 「貴族主義の連中か? 貴族主義だという事は、帝国の手先であるという事も分かってないのか?」


 「「「「なっ!?」」」」


 「ん? まさか俺が知らないとでも思ったのか? 手先の諸君」


 「「「「………」」」」


 「上の方々が誰を処分するべきか見てるっていうのに、バカはやっぱりバカだな」


 「「「「!!!」」」」


 「えっ!? 言われるまで、気が付かなかったのか? 幾ら何でも頭が悪過ぎるだろうよ」


 「そこまでにしてくれ。それ以上言われると処刑が上手く行かなくなる」


 「申し訳御座いません」


 「いや、そこまでにしてくれれば良い」



 バカの牽制はこれで良いな。それにしても、一応は助けに来たか王太子。……となると、今回のは王が嘴突っ込んできたのが正解か? 向こうから偉そうなのが来たな、アレが王か。


 なんか全員が片膝をつくので俺もする。面倒臭い……、いちいちしゃしゃり出てくんなよな。表情を変えずに悪態吐くのも楽じゃないよ、全く。



 「今回は陛下の御前での武器の品評である! 全力を尽くすように!」


 「まずは装飾である。双方用意した物を出せ!」



 用意なんてしてる訳ないだろ。こっちを見てニヤニヤしやがって、今すぐ威圧で黙らせてやろうか? このクソどもが。カチンとくるが、殺すなら終わってからだと思い直す。


 俺はアダマンタイトの小烏丸を持って行く。当然だが、装飾などはしていない。強いて言えば、硬木の艶が良いアクセントになってるくらいか?。



 「この勝負比べるまでもなく、鍛冶師組合の勝ちである」


 「ハハハハハッ! 当然だな! 素人の出る幕なぞ無い」


 「装飾が鍛冶師の本分か? 情けない奴等だな」


 「何だとっ!? キサマッ!!」


 「止めぬか! 次は性能である! 双方用意した物を出せ!」



 俺はそのままだが、向こうは別の剣を出してきた。あれは………マナリアか? それにしても質の悪いマナリアの剣だなぁ……。あんなのマナリアの無駄使いだろ、もうちょっと頑張れよ。



 「あっ!? あれ、アタシが昔使ってた剣じゃないか!?」


 「本当ですね……。また随分と懐かしい物を出してきましたね」


 「ふんっ! 我々が何を持って来ようと、我々の勝手だろう!」


 「性能は、互いの用意した物で鉄板を切る事である!」



 どうも斬る人間は決まっているらしく、ライブルだった。ライブルは片刃の曲刀を使った事があるのか? 適当に叩きつけるんじゃないぞ、雑に扱うなよ?。


 向こうのマナリアの剣は、5センチ程の厚みのある鉄板の3分の1まで食い込んだ。次は俺の小烏丸だが………どうやらライブルは多少は使えるらしい。あの程度使えれば十分だ。



 「おぉっ! 何と素晴らしい斬れ味だ!」


 「これは凄い。鉄の板があれほど綺麗に斬れるとは……」


 「アルドさんの持ち物ですから、ああなるでしょうね」


 「ほう、そうなのか?」


 「はい、陛下」



 おいおい、献上しろとか言い出すなよ。それにしても、鍛冶師どもが何も言い出してこないのが気になるな。どういう事だ? 何を考えている?。



 「これは、素晴らしい物ですなぁ」


 「ですな。これは、どこまで耐えられるかを試すべきでは?」


 「我々はこうなる事も考えて、ハンマーを用意しておりますぞ?」


 「やるなら両方やれよ。お前等の持って来たマナリアの剣もだ」


 「何だと!? キサマ如きが口を出すな!」


 「ふむ。そなたが申す事は当然の事よな。双方の耐久を調べよ」


 「ハハッ! これより耐久試験を行う!」


 「ちょ、ちょっとお待ちを! 何故我等が用意した剣まで!」


 「さっさと始めよ」


 「ハッ! これより試験を始める!」



 試験は剣を台に置き、上からハンマーで叩きつけるというものだった。マナリアの剣が置かれて……あーあ、ボッキリいったな。まぁ、質の悪いマナリアだったから仕方ない結果だ。



 「……うわっ! あ、危なかった」


 「何と! ハンマーの方が斬れるとは!」


 「とんでもないな。叩きつけたハンマーが綺麗に斬れるとは」


 「まぁ、何となく予想は出来ていましたが……」


 「そんな馬鹿な事があるか! 魔鉄で出来たハンマーが斬れるなどあり得ないだろう!」


 「そうだ! これは我等が負けるようにされた茶番だ!」


 「ほう。余がそのような事をしたと?」


 「あ、い、いえ、それは……その………」


 「あ、あいつに武器を御与えになったのでは……」


 「そのような事をしたと……そう、申すのか?」


 「「………」」


 「まぁ、雑魚どもじゃ分からんのはしょうがない。……ホレ、これで分かるか?」



 俺は小烏丸の塗装だった鉄を【分離】して、本当の中身を見せてやる。アダマンタイトの綺麗な緑金色が出ているが、奴等分かってないのか? 何故かキョトンとしてやがる。



 「これで分かるとはどういう事だ!」


 「意味の分からん事を! 頭でも狂ったか!?」


 「お前等さぁ……アダマンタイトを見た事が無いのかよ」


 「アダマンタイトはそんな色ではない!」


 「そりゃお前等の精錬技術が未熟なだけだろ。低品質のアダマンタイトと一緒にすんな」


 「苦し紛れの嘘を吐くなっ!」


 「苦しく無いうえ、嘘を吐く必要も無いな。ライブルさんよ、そのマナリアの剣に斬りつけてみれば分かるよ」


 「うむ。分かった」



 マナリアの剣はあっさりと斬り飛ばされた。あんな低品質のマナリアじゃあ、最高品質の俺の小烏丸に耐えられる筈が無い。戦いにおいても同じ結果になるのは間違いない事だ。



 「それにしても、恐ろしい斬れ味ですな。これ程の剣ならば、鎧ごとバッサリと斬り捨てられるでしょう」


 「アタシが使ってた剣も、あんなものだったんだね」


 「仕方ありませんよ。今の私達の装備はとんでもない物ですから」


 「よく考えたら、同じレベルの装備を持ってる人なんて居ないわよね」


 「そうなのですか?」


 「例えばコレですかね?」



 そう言ってシュラが取り出したのは、持って行かれたウォーハンマーだった。ちょっと待て、なんでこんな所で出すんだ。余計な事になるから止めなさい。



 「これ、ハンマーですか?」


 「ウォーハンマーと言うそうですよ。それはマナリアで出来ていますが」


 「ウォーハンマーですか。これなら重装歩兵でも叩き潰せそうですね」


 「鎚頭の先端部分に円錐の突起が付いているのですか……なかなかに凶悪ですな。喰らったら一撃で死ぬでしょう、コレは」


 「あーあー。これ、ビックリする程の質の悪さだな。これでマナリアとかボッタクリだろうよ。ギリギリでマナリアと言えなくもないってところか」


 「そんなに質が悪いのかい? 昔使ってたんだけど」


 「そうだな……マナリアという名の魔銀と言えば分かりやすいか?」


 「そこまでだったのかい。手放して良かったのかもね」



 手放して良かっただろうな。幾らなんでも質が悪過ぎる。昔だから仕方ないのかもしれないが、これならソードグリズリーの素材の方が、まだマシなんじゃないかと思うレベルだ。


 間違いなく希少金属の溶融に必要な炉を使っていない。それに精錬も満足に出来ていなければ、不純物も多過ぎる。挙句の果てには魔力金属だ。


 これじゃあ駄目だし、こんな物を出してくる奴等が1番駄目だ。



 ▽▽▽▽▽


 0116終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨13枚

 金貨50枚

 大銀貨38枚

 銀貨14枚

 大銅貨32枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 オリハルコンの苦無

 アダマンタイトの十手

 王角竜の分銅鎖

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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