1167
将軍からクツキへの護衛を頼まれたが、どうするべきか? 将来の義昭も居るが、コイツには足利家に止めを刺してもらわないといけない。となると、生かさなきゃいけないわけで……。
「護衛に関してだが、請けても構わない。ただし条件がある。それは、護衛の俺達に迷惑をかけない事だ。特にその辺りに座っている奴等が邪魔をした場合、すまんが容赦なく殺す」
「「………」」
「不老長寿の方の邪魔をするのだ、始末されても文句など言えん。それに、殺された者の実家が下らぬ事をすれば、その家も滅ぶだけよ。それは私も見てきたからな」
「「「「「………」」」」」
どうやら、俺に護衛を頼む事の意味を理解したようだな。確実に命は助けてやるが、邪魔をする奴に容赦なんてする気は無い。何より、この中に細川につながっている奴が必ず居る筈だ。
そいつが動かないようにする訳じゃない。そいつが動いても俺が潰せるようにしているだけだ。正しくは、護衛のついでに俺に手を出した細川の力を削ごうぜ! という作戦をする為の要求となる。
ちなみに藤には【念話】で伝えており、大変に乗り気なようなので協力をお願いした。最近、【念話】を受けながらも表情に出さなくなったな。無駄なところのレベルアップを果たしてないか?。
「父上、如何致します? 不老長寿の方に頼む以上は、こちらの都合良くなどあり得ませぬ。確実に父上や義母上に弟の命はお守り下さいましょうが、他の者が何ぞ企めば、その者は容赦なく首を刎ねられますぞ?」
「うむ……。お願い致そう。我等の理が通じる方ではないのは分かっておる。ただ、命を守ってクツキまで逃れるには、お頼みするしかない。宜しく、お願い致す」
「分かった。なら、俺達は確実に護衛をしよう。出発はいつになる? 悠長にしていると、頭のおかしな奴がまた誰かを嗾けてくるかもしれないが?」
「そうだな。明日の朝から動こう。急がねば細川めが何かしてくるであろうからな。馬の用意も含めて、そなた達に任せる」
「「「「「ハッ!」」」」」
慌てたように側近連中が出て行ったが、何人か俺に対して悪意と敵意を向けてきたな。実に都合が良い状況になっている。俺達は京の都にある宿にでも泊まろうと思い藤に聞くと、そのまま武衛陣に泊まっていくように言ってきた。
どうやら「今日の夜にも手を出してくる者が出かねん」との事だ。俺が脅しておいたにも関わらず早速出るのかー……随分俺にとって都合がいい奴だな。褒めてやればいいのかね?。
武衛陣に泊まる事が決まったので、俺は台所に行って料理をしてくると言い、部屋を後にした。台所に着いた俺は、鍋に神水を入れてシルバーチキンの骨で出汁をとる。
土鍋に米と押し麦を半々にして入れ、先ほどの出汁とシルバーチキンの肉を入れて炊いていく。魚を焼いていき、乾燥椎茸の粉と貝の味噌汁を作れば完成だ。そこまで難しい物なんて作らないっての。
台所の者達が敵意と悪意を向けてきたが、知った事じゃない。俺はメルとフォルにも料理を運んでもらいながら、宛がわれた部屋に移動しようとしたら藤に呼ばれた。仕方なくついていくと、何故かさっきの部屋に入る羽目に。
どうやら自分達の分もあると勝手に思ったらしい。いや、多めに作ってはいるけどさー。……まあ、いいか。椀などを出した藤は、早速炊きこみ御飯をよそって、貝の味噌汁を入れている。
魚は半身を分けてやったので、それでいいそうだ。まあ、先に言ってたら用意していたんだが、後で勝手に持っていってるだけだからな。余程ここの食事が合わなかったんだろうけど。
「相変わらず美味いな! 久しぶりにコレを食べたが、師は今ごろ如何致しておるであろうか? また満腹になるまで食しておられねばよいが……」
「そういえば、そんな事もあったな。1人で3合近く食べて動き難そうにしてたけど、流石に慣れたんじゃないか? もしくは俺のような味が出ないって言って、そっちの修練をしてたりしてな」
「………何だろうな? 今、物凄く納得出来てしまったのだが、それは弟子として一応否定しておこうか。一応でしかないがな」
「ふむ。その飯に何か秘密でもあるのかな? 何かが入っている様ではあるが……」
藤が目線で聞いてくるので俺が頷くと、藤は予備の椀に炊きこみ御飯を入れて将軍に出していた。借りた箸も使って口に入れた瞬間、将軍は固まってしまい、周りに居た側近が騒ぎ始めた。
「ただ味わっておるだけだというのに、いちいち騒ぐな! ……まったく、無粋な者らだ。しかし、それにしても美味いな。これは鳥の肉であろうか? それに、この出汁も鳥なのであろう。実に美味い」
藤は横についていた御台所にも、椀と箸を貸して食べさせていた。そちらも驚きながらも美味しそうに食べている。貝の味噌汁は余っているので好きにしたらいい。そう言ったのだが、干していない貝なので仰天していた。
京の都は内陸なので、当然だが海の食材は殆どが干物となる。貝も干物であり、魚も干物だ。冷凍保存する技術が無い以上は当たり前なんだが、俺は普通に冷凍できるからな。問題なく食べられる。
「他の国にもそんな事が出来る者は居ませんでしたな。まあ、アルド殿達は不老長寿ですので、他の者とは違っていて当たり前ではあるのですが。肉料理に関しては、ヤシマの国は大きく劣っておると言わざるを得ませぬ」
「何と……左様であったか。料理と言っても侮る訳にはいかぬ。かつて義満公は様々な物を大陸より取り入れたが、あれも島国の田舎者と侮られぬ為だ。料理も当然その中に入る。入るのだが……軽視されやすいのは間違い無い」
「そういえば、鳥の出汁で味が付いているのは良いのですが、米に混ざっているのは麦ですか? ……ああ、やっぱり。私達の里でも似た様な事をしていたので、気付いたのですよ」
またも側近連中が騒ぎ始めたが、将軍に一喝されて黙らされていた。そもそも将軍が食事中に騒ぎ立てるという無作法を、なぜ側近がやらかすのか理解できん。そう言うと、悔しそうに俯いた。一部の奴は、相変わらず悪意と敵意を向けてきているけど。
「そもそも麦がどうこうと言う奴はいるが、白米ばかり食べていると脚気になりやすいから押し麦を混ぜる事にしたんだ。詳しくは俺も知らんが、糠などに含まれている栄養が無いと脚気になるらしい」
それを言うと、控えていた医者と御台所が仰天していた。ヤシマの国では脚気は知られた病気らしいが、治しようが無い不治の病だった。ところが、俺が脚気になる理由を知っていたので仰天したのが、医者の言っている事になる。
御台所に関しては、脚気で亡くなる公卿や公家は結構多いらしく、その所為で滅んだ家もあるらしい。特に公卿からは恐れられている病であり、熱心に神に祈っている者も居るそうだ。祈っても、あの方々は助けてくれないぞ? 当然、言えないけど。
皆からジト目が飛んできているが、気を取り直して教えていく。糠に含まれている栄養が、脚気を防ぐのに重要な事。だから庶民には脚気になる者が少ないというか、殆どいない事などを言うと理解したらしい。
麦にも糠と同じで脚気を防ぐ栄養が含まれている事を話すと、なぜ米に混ぜたのか分かったようだ。ついでに押し麦の作り方も教えておく。殻を外して中身を取り出して蒸す。蒸して柔らかくなっている間に、押し潰して平たくする。その後、乾燥させれば出来上がりだ。
それが面倒なら、食堂で雑穀の粥でも食べればいい。俺は米の混ざった麦飯の方が良いので食べているだけだし、体に良くても続けられないんじゃ意味が無い。とはいえ、麦も混ぜて食べると体に良いから俺はお薦めするが、無理をしない範囲で続ければいい。
医者も御台所も深く頷いているが、俺は何故こんな所で講義しているんだろう?。
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