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1166




 <異世界541日目>



 おはようございます。今日も特に何も無い日だと思います。長く何も無い日が続くと、嫌な予感が膨らんでくるのは何故だろう。何か面倒な事が、俺がいない所で進行している気になってくる。今まで色々な事があったからなぁ。


 藤達も帰ってこないうえ、官位とか官職の話をしていたし、面倒な事に巻き込まれやしないだろうか。不安になっていても仕方がないので、朝の日課を終わらせてさっさと朝食を作ろう。<浄化の三道具>も使わないと。


 全て終わらせて台所に行き、朝食作りを始める。米と押し麦を半々で炊き、ブラックゴートとグレイトシープのハンバーグに、シルバーチキンの骨で出汁をとった野菜スープだ。パパッと作ろう。


 メルとフォルにも多少手伝ってもらい、素早く作り終わったら食べていく。朝から重いかなと思っていたが、皆はまったく気にしていない。流石は小麦と肉の文化圏の生まれだ。俺とエリアは違うけど。


 そんな俺とエリアも食べているんだから、問題がある訳ないか。朝食を終えて後片付けた後、今日は何をしようかと考えていたら千代女が慌ててやって来た。流石に慌てすぎだろう、落ちつけ。



 「大変です! 管領の細川が、上様に暗殺者を嗾けました!! それは藤さん達が退けたそうですが、上様は守りきれず重傷を負われたそうです。現在は寝たきりの状態だそうで、皆さんに京の都まで来てほしいとラオさんが来られました」


 「すみません。私達が居ながら、多勢に無勢で守りきれませんでした。どうやら遠くに弓で狙っていた者が居たらしく、その者に射られてしまい……。幸い肩に受けただけなので命を失う事にはなりませんでしたが、左腕が動かないそうなんです」


 「それで俺達に京の都まで来て守れって? 流石にあの地は無理だぞ。あれほど守りに向かない土地は無い。正直に言って、どこか他所に移すべきだろうが……どのみち裏切り者を抱えそうだしなぁ」


 「とりあえず、考えるよりも先に京に行くべきじゃないかい? ここでウダウダ話してても始まらないよ?」


 「そうだな。戸締りだけして、さっさと移動するか。道中の邪魔をする奴等は皆殺しだな」


 「「皆殺し……」」



 そうと決まれば、さっさと動くか。それにしても足利義晴が暗殺未遂ねぇ……それ、本来は義輝だろう? 俺達が介入したからなのか、元々ヤシマの国ではこうなのか。そこら辺が分からないから、今後の流れも分からないな。


 義輝が暗殺された後は平島公方家と足利宗家で揉めるんだが、その足利宗家が義秋こと足利義昭だ。最後の将軍であり、放逐された事で有名な奴。放逐以後も生き残っているので、足利政権は崩壊していないと言う人も居るらしい。


 最高権力者が転げ落ちた時点で、足利政権は崩壊してるっての。戦国時代なんていう時代では、転げ落ちた者は殆ど這い上がれない。落ちたらそこで終わりだ。生きている事と、権力を維持している事は別なんだよ。


 学者っていうのは、そういうところは分からないらしい。誰もが軽んじるようになったら、事実上そこで終わりだ。新しい者が出てくるしかない。そもそも義輝時代から既に軽んじられていたけどな。


 一気に走ってツシマまで行き、金貨1枚払って舟に乗る。クワナとは敵対中だが金貨を渡して乗せてもらった。クワナに降ろすだけなら問題ない筈だし、クワナの商人もコソッとツシマに買いに来ているそうだ。


 まあ、攻められたから大々的な商売は許していないそうだけど。当たり前と言えば当たり前だが、負けた方の末路ぐらい分かるだろうに。神殿に言われて逆らえなかったか、逆らえないフリで許されるとでも思ったのか。


 クワナの近くに上陸し、さっさと走って行く。スズカ峠まで最短距離で進み、一気にコウカを抜けてクサツまで来た。町に入り、大銅貨12枚を支払って遅い昼食を食べたら、再び京まで走り出す。


 京には夕方前には辿り着いた。前よりも早くなっているが、皆も効率よく身体強化が使えるようになったみたいだ。ラオは汗だくで疲れきっているが……。【生命活性】を使って回復した後で綺麗に【浄化】し、歩いて京に入る。


 相変わらずボロボロの屋敷が多いが、気にしてはいられない。真っ直ぐ武衛陣まで行き、門番に呼ばれてきた事を告げる。訝し気にされたものの中に聞きに行ったら、門番と藤が一緒に出てきた。


 訝し気にしていた門番は縮こまっているが、俺達はスルーして中に入っていく。そのまま将軍の寝所まで通されたが、側近連中が五月蝿い。藤が一喝して黙らせたが、こんな奴等じゃ信頼されんわな。


 近くに医者も居たが、どうやら殆ど何も出来ずに見守る事しか出来なかったらしい。傷を見せてもらうが、鏃の傷から膿んでいるのは分かるが、矢に毒でも塗られていたのかもしれない。薬が効かなかったそうだ。


 グズグズになっているので【神聖八重浄化】を使いながら【浄化】の権能を使い、続けて【生命活性】と【黄泉帰り】を使う。慎重に使ったからか、みるみる傷は回復し元の肌と変わらなくなった。


 それでも左腕がある程度動くぐらいにしか回復しなかったが。まあ、筋肉が千切れていたりすれば、こうなるのは仕方ない。これ以上に治すなら邪生の心臓を食べさせるしかないが、それは断る。その事を【念話】で藤に伝えておいた。



 「すまぬ、助かった。矢傷が元で父上が死ぬかもしれなんだのでな、助けられる者を私は1人しか知らぬ。本当にありがとう」



 そう言って藤が丁寧に頭を下げたので、慌てて側近連中も頭を下げた。それを冷めた目で見ている将軍。まあ、思うところは当然あるよなぁ。既に痛みも無く回復しており、今は奥さんに支えられて体を起こしている。


 あれが慶寿院か……いたって普通の女性だな? 小見の方とか土田御前の方がオーラがあったが、公卿の娘ってこんなものなのか。まあ、多くを知らない俺が考えてもしょうがない。



 「すまぬ。ワシからも礼を……。そなたが傷を治してくれねば、このまま死ぬかもしれなんだ。鏃が錆びておったのか、それとも毒が塗られておったのかは分からぬが、傷を受けてから酷くなる一方でな。本当に感謝する」


 「ありがとうございます」



 将軍と御台所が頭を下げたので、再び側近連中も頭を下げる。将軍と御台所は頭を上げた後、ポツポツと話し始めた。



 「このまま京の都に居っては、いつ命を狙われるか分からぬ。かと言って、ワシに行ける所は近江だけじゃが……。やはり、アレが居ると言ってもクツキに逃れるしかないか」


 「仕方ありませぬ。あそこならば守りやすいですが、京の都はあまりにも守り辛く……。かつて京の都を支配した方は皆、守り難さに苦しんできております」


 「そうじゃの。献上があった<大量鞄>に詰められるだけ詰めて、クツキへと行く。すまぬが文を書かねばならぬ故、誰か筆と紙を持て」


 「ハッ!」



 部屋から辞した側近が筆と紙を取りに行くのを見送り、俺達はそろそろ帰ろうと思うのだが、言い出せる雰囲気じゃないのが面倒だ。治した礼とかどうでもいいから、さっさと帰らせろと言いたい。


 筆を取り、紙にクツキに逗留する旨を書いていく。流石は将軍、字は綺麗だ。こういうところは教養を見せるところだからな、流石と言わざるを得ない。とはいえ、字で言うと藤の方が綺麗なのだが……。


 ちなみにウチで1番綺麗な字を書くのはアルメアで、次が俺だ。そしてメル、ダナ、リューと下がっていく。俺の場合は魔神や浄神にしつこく修正させられたから綺麗に書けるが、それ以上のアルメアは素直に凄いと思う。


 そして妹のシュラよ、お前さんはどうしてエリアと最下位争いをするんだろうな? そんな事を考えていると、文を持たせた側近が部屋を出て行った。俺達の方を向いたって事は何かあるのか?。



 「申し訳ない。クツキまでの道中、護衛をしていただけぬであろうか?」



 ほら、来た! 厄介事だ。



 ▽▽▽▽▽


 1166終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨747枚

 金貨656枚

 大銀貨540枚

 銀貨545枚

 大銅貨1539枚

 銅貨25枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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