1164
夕食後、風呂に入って上がり、今は縁側で涼んでいる。2匹も一緒でゆったりした時間が流れているが、長続きはしないようだ。皆が呼ぶ声がするので部屋へと戻ろうか。2匹も渋々といった感じでついてくる。
部屋に入ると皆は酒を飲んでいて、俺にツマミを出してほしくて呼んだ事が分かった。酒飲みはコレだから……と思ったが、顔には出さず適当に酒の肴を出す。特に何かを作った訳でもないので、蘇を中心に食べ始めた。
干し肉もそろそろ残り少ないし、シルバーバッファローとかを狩って干し肉を作っておいた方が良いかな? 皆に聞くと、多くて悪い事は無いんじゃないかという意見だった。そりゃ、そうだけどさ……まあ、いいか。
2匹が眠る頃には大半が酒に呑まれており、残っているのはディルとエリアだけだった。なので両者を満足させて撃沈し、布団に寝かせてから【浄化】する。その後、<浄化の三道具>で邪気を【浄化】したら、おやすみなさい。
<異世界539日目>
おはようございます。よく考えれば、まだ土の季節だったんですね。去年ヤシマの国に来た時は、ちょうど水の季節に入った日だったのを思い出した。どうりで感覚がズレている筈だ。
結構長く居る気がしていたが、来た時季が早かった所為だった。まだ戦のシーズンとも言える、水の季節にもなっていなかったんだなぁ。その割には伊勢も美濃も動いていたが、それだけ纏まった尾張に危機感を持っているんだろう。
分裂している隣国なんて弱いと思うかもしれないが、纏まったら厄介だからな。まあ、美濃も伊勢も纏まっているとは言い難いし、それは近江も変わらない。
近江は北と南で割れているし、伊勢は北と中央と南で分かれている。美濃は土岐と斉藤で分かれているけど、土岐の力はもう殆ど無い。この3国では美濃が1番纏まりそうではある。……俺が介入した所為か?。
まあ、斉藤家はおそらく尾張に手を出したりはしないだろう。狙うなら近江か越前だろうし。尾張が欲しかったのは塩の事があるからだが、織田家と斉藤家が縁戚になる事で塩は安く供給してるみたいだからな。
ここら辺は信秀さんが上手くやったみたいだ。ダンジョンから手に入る木を炭にして、塩作りに生かしているから年中塩が作れる。佐治家も頑張っているみたいだし、知多半島が裕福になる日も遠くないんじゃないかな。
おっと朝食がおざなりになっていた気がする、ちゃんと作ろう。今日の朝は麦飯に野菜の味噌汁、魚の一夜干しを焼いた物に玉子焼きだ。そろそろ卵が無くなってきたが、食べれば無くなるのでしょうがない。諦めよう。
既に皆とは朝の挨拶も終えていて、朝食を待っている状態だ。早く作って持っていこう。メルとフォルも手伝ってくれているが、思考していた所為で遅れている。
やっと出来たので配膳して食べよう。それじゃあ、いただきます。
「今日は朝食がゆっくりだったけど、何かあったのかい? 疲れてるなら休んだ方がいいよ。まあ、おそらく何か考えていただけなんだろうけど」
「まあな。尾張の周辺で、尾張に攻めて来る国がどれほどあるかと考えていたんだ。近江は南北に分かれている。伊勢は北と中央と南。美濃は斉藤と土岐。それぞれ分かれて争っているが、去年とは逆の構図だ」
「去年は尾張が苦しかったですからね。その反動で、周辺国が去年の尾張の状況に陥っている訳ですか。周りから攻められている訳ではありませんが、国の中で争い合っていると……」
「でも、近江は関係ないんじゃないの? 伊勢は去年も手を出してきたけど、近江は何もやっていないわ。あそこは厄介な人物である管領が逃げ込んだだけでしょう」
「元の世界とヤシマの国がどう違うかは分からないが、近江の六角家は北伊勢に対してかなりの影響力を持っていたと言われている。つまり……」
「北伊勢の侵略の裏に神殿があり、その裏に六角家がいるかもしれない……そういう事だね。神殿の中でも権力争いをしているし、頭の良いのが当主らしいし。六角家が表に出ない形でやっていても不思議じゃないか」
「裏から嗾ける訳か……そういえばアルドが、六角とやらも海を求めていると言っていたな。おそらくその辺りが理由かもしれない。嗾けて敗れれば、自分達の影響力を強められるだろうしな」
「そういう強かさはありそう。確か名門なんでしょ、六角家って。名門の当主が頭が良いんじゃ、帝国みたいな事やってきそうだよね。で、派手に失敗したうえ、厄介な人物が勝手に来たと」
「私は居ませんでしたが、聞いていると、本当に幸と不幸が逆転していますね。何と言うか、不幸の方が強過ぎる気がしますが……」
「近江って京の都に近いから、とにかく将軍とか管領が逃げ込んでくるんだよ。その度に出兵を命じられて疲弊するんだ。六角家が1番嫌気が差してるだろうな。だから領地を豊かにしようとするんだけど、それが元で余計に逃げてくる」
「豊かだからかい? 最悪だね。自分達の為に豊かにしたのに、足利とか細川とかいう奴等の所為で貧しくなるなんて。よく叛旗を翻さないもんだと思うよ」
「そんな事をすると周りの国々に手紙を送って、六角を成敗しろって喚くぞ? 結果、周りの国々から攻められて奪われる。どうやったって貧しくなる形なんだよ、足利家の最後の方は」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
皆はもう口を開きたくもないらしい。気持ちは痛いほどよく分かる。だからこそ三英傑が現れて、名門上位の世の中を引っ繰り返すんだ。そうしないと変われなかったんだよ。長い歴史の積み重ねの所為で、動く事さえ儘ならなかった世の中を動かした。
三英傑の誰かを大した事はないと言う人が居たりするが、そんな事は無い。宗教勢力を黙らせた織田信長、庶民から刀を取り上げた豊臣秀吉、その後の江戸時代の基礎を築いた徳川家康。ただ、三英傑の中で1番苦労をしたのは、俺は織田信長だろうと思っているだけだ。
特に当時の宗教勢力は、大名以上の集金力と動員力を持っていた。それは一向宗を黙らせるのにさえ、10年ほど掛かった事でもよく分かる。最後は正親町天皇からの講和の勅命だったが、それでも巨大宗教勢力に敗北の二字を刻んだ功績はあまりに大きい。
当時の宗教勢力は、武士以上のヤ○ザかマ○ィアと言える存在だ。そんな奴等に敗北の二字を刻むのは並大抵の事では無理だったろう。そういうところを鑑みると、1番大変だったのは信長で間違い無い。
「まあ、神殿の奴等を見ていると、奴等を黙らせるのがどれほど大変かはよく分かるよ。しかも足利とか細川が邪魔してくる中、何とか頑張って叩き潰したんだろ? そりゃあ、英傑と言われる筈さ」
「京の都の公卿や公家、周りの大名、更には一向宗に利用されていた民衆。すべてが信長の敵だったと言っても過言じゃない。そんな中でだからな、その大変さは想像を絶すると俺は思う」
「尋常じゃないですね。むしろ、よく勝ったと思いますよ。次に同じ事をしても、たぶん無理なんじゃありませんか?」
「俺は無理だろうと思ってる。信長包囲網と呼ばれるものは2度あったが、2度とも相手の病死で乗り切っているんだ。1度目は武田信玄こと武田晴信、2度目は上杉謙信こと長尾景虎」
「えっ!? あの2人なの? ……ああ。そういえば、そんな事を前に言ってたわね。それにしても、あの2人が……」
「武田信玄は、死ぬ前から血を吐いていたと記録にあるんだが……。もう1人の阿呆は、酒の飲み過ぎが原因で死んでる」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
うん。何となくだが、皆が想像して納得したのが分かる。だから酒の飲み過ぎは危険なんだ。謙信の場合は若い頃から大酒飲みで、1度倒れているにも関わらず酒を飲んでいたらしいからな。そりゃ、死ぬわ。
当時は酒が原因かなんて、何となくでしか分からないだろうし、謙信が酒を求めれば用意せざるを得なかっただろう。たとえ体に悪いと知っていても。
だからこそ、謙信の自業自得だ。
▽▽▽▽▽
1164終了時点
大白金貨46枚
白金貨219枚
大金貨747枚
金貨657枚
大銀貨540枚
銀貨545枚
大銅貨1551枚
銅貨25枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




