1162
家に戻り2匹と一緒にゆっくりしていると、ウトウトしてきたらしく2匹は眠ってしまった。そんな2匹を見ながら俺もゆっくりと過ごす。持っている普通の木を全て灰にして、細かく【粉砕】したら壺に入れて収納する。
ブラッドウッドの木は未だに残っているが、使い道が無い。諦めて眠らせておくか、それとも大島さんの弓に使ってもらおう。他には金属が多いんだが、希少金属がそれなりにあって表に出せない。
そんな事を考えていると、夕方にはちょっと早いが皆が帰ってきた。汗を掻いたからか風呂に入ってくるらしいので見送り、俺は夕食の用意を始める事にした。
米と押し麦を半々で炊き、ヘビーブルのステーキを切り出す。当然、分厚く切り出して皆が満足する大きさにする。ステーキ肉は香辛料を塗して寝かせておき、寸胴鍋に乾燥椎茸を【粉砕】して入れ野菜を煮込んでいく。
ある程度火が通ったら完成だ。シャキシャキの食感を残したいので、グズグズになるまで煮込んだりはしない。皆が風呂から上がってきたので【浄化】し、体を拭いた布を【乾燥】していく。
御飯が炊けたので、早速ステーキを焼いていこう。ゆっくりと中から【加熱】し、決して焦がさないような熱量で焼いていく。強すぎても弱すぎても駄目なので、丁度いい温度を保ったまま”内側”から焼いていく。
十分に焼けたら各自の皿に乗せていき、皆には食べていってもらう。既に御飯もスープも自分達で入れて準備していたらしく、ステーキが焼きあがると直ぐに食べ始めた。待たされている女性陣が、”早くしろ”と目で訴えてくる。
1度に焼けるのは5人分だからしょうがない。これでも全力を使っているんだが、細かく制御しなければならないので簡単じゃないんだけどね。出来得る限り肉の旨味を閉じ込めるように焼いているので、思っているよりも難しいんだよ。
本来、肉を焼くのにこんな高度な事はしない。最新家電のAI制御を超える事をやっているんだから当然なんだけどさ。とはいえ、本当に大変だ。ここまでの事はメルにだって出来やしない。アンクを使っても、おそらく無理だろう。
………やっと全員分焼けたぞ。さて、俺もそろそろ食べよう。既に最初に食べた女性陣は食事を終えているぐらいだからな。それじゃあ、いただきます。
「うん、上手く焼けてるな。丁度いい肉汁の量だし、ちゃんと旨味が出てる。総じて言えば、十分に及第点がとれる焼き加減だ。これ以上は料理人じゃないと無理だな」
「ここまで美味しいのに、まだ上があるのかい!? ここまで重いのに、こんなに軽く食べられた肉は無いよ。肉を焼くっていうシンプルな事を、ここまで突き詰めてるのに上があるって……凄いねぇ」
「まあ、変態魔改造民族と言われるぐらいだ。1度こだわり始めると、意味不明なレベルでこだわるからなぁ。だからこそ、斜め上に突き抜けてるって言われるんだけど」
「そこまでなんですね……。何となく、アルドが言いよどむのも分かります。自国の同じ国民ですけど、誇らしく恥ずかしいのでしょう。気持ちは多少分かります」
「どうして私を見ながら言うんだろうね、この愚妹は。私の方こそシュライアに対してはそうさ。どうしてこうなのかと、何度も思った事があるんだけど?」
「………」
「相手を攻めたら自分に返ってくるなんて、考えたら分かりそうなものだけど……。それにしても美味しいわ。アルドが1度に5枚しか焼けないっていう筈よ。ここまでのステーキだもの、相当集中しないと無理よ」
皆がうんうん頷いてるって事は、ここまでの肉を食べた事は無いんだな。俺も今までは割と普通に焼いてたから、ここまでのステーキじゃなかったんだろう。内側から焼く事はしてたんだけどな。今回は特に気合いを入れたし。
夕食後、片付けを終えた俺は風呂に入る。2匹は大変満足して寝転がっていたので、綺麗に【浄化】して放ってきた。今日は晴れているので、ゆっくりと温泉に浸かりながら夜空を眺められる。
この星から見える星空は、当然ながら元の世界とは違うので、ある意味では新鮮な気持ちで見られる。元の世界だと星座が云々なんて話す人が居るが、満天の星空を見ていると無粋に感じてしまう。
十分に堪能したので風呂から上がり、【凝水】で体に付いている水分を取り払う。後は服を着れば、拭く必要も無い。さっさと部屋に戻るか。
部屋に戻ったが、今日は誰も酒を飲まないらしい。お腹がいっぱいで既に寝そうなダリアと、もう寝てるんじゃないかというフヨウが、部屋の真ん中に居る。布団を敷いて寝かせてやると、更に眠気が強くなったようだ。
その後、5分もしない内に寝てしまったので、早速とばかりに連れて行かれた。【房中術】と【精気】のみで相手をし、大満足させて寝かせてやる。皆を綺麗に【浄化】したら、今日は<浄化の三道具>を使って邪気を【浄化】した。
今までも綺麗にしていたので、大して吸い込む事も無かったな。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界538日目>
おはようございます。今日も何も無い日です。昨日は本当に何も無かったから、今日も昨日と同じようにお願いしますよ。……誰に言っているのか分からないが、きっと届いた筈だ。
朝の日課を終わらせた俺は、台所に行き朝食の用意を始める。米と押し麦を半々で炊き、ある程度が炊けるまではゆっくり待つ。蒸らしに入ったので、寸胴鍋で鍋物を作る。神水を入れシルバーチキンの骨で出汁をとったら、根菜類から入れていく。
その後、表面を湯通しした魚の身と、表面を多少焼いたブラックゴートの肉も入れて煮込んでいく。鍋の匂いが広がるからだろう、2匹が先に来たが皆も起きてきた。
朝の挨拶を終え、完成した鍋の具を椀に入れて食べていく。寸胴鍋は置いてあるので、好きにおかわりしてほしい。そうやって食べていると、次郎君と蒼がやってきた。ついでに千代女も。
仕方なく同じ朝食を出してやると喜んで食べ始めたが、いったい何しに来たんだ? 俺は昨日と同じ平穏で良いんだけど?。
「ムグ……モグ……ゴクン。すみません。実はですね、美濃の土岐頼芸が神殿の敷地内で死んでいたそうです。何故か裸で、大きくて長い木槍で串刺しにされていたらしいんですけど、下手人は不明で何も分かっていません。それはいいのですが、後継者で揉めています」
「何でも斉藤美濃介殿の庶長子である斉藤利尚殿は、実は土岐頼芸の子供だったという噂が流されているんです。深芳野という側室は、土岐頼芸の子供を孕んだまま下賜されたと……」
「何だか、胸糞悪い話だねぇ。で、マムシはいったい何て言ってるんだい? その噂を流す最有力は、あのマムシだろう?」
「それが、斉藤美濃介殿は自分の子であって、頼芸とは関係無いと言っているらしいんです。生まれた時期は怪しいものの、斉藤美濃介殿の子の可能性も十分ありますから」
「うん? マムシさんは土岐の家を乗っ取る気が無いのか……。となると、斉藤家を紅衆にする事を狙っている? 尾張と同じで、既存の紅衆の家を無くす気か」
「まあ、土岐氏も散々内輪揉めを繰り返してきましたからね。美濃では内輪揉めの一族と思われているのかもしれません。斉藤家の方が良いという意見は、美濃には根強くありますし」
「そこまで嫌われるのも、なかなか難しい筈なんだけどね。ヤシマの国特有の事情だろう。普通ならそこまで嫌われれば、押し込みやら何やらで潰される筈さ。怒り狂った民衆ほど怖いものはないよ」
「僕達コウカの方でも掴みきれていませんが、どうやら土岐の残党が噂を流してるっぽいです。尾張と手を結んだ斉藤は美濃を売り渡した、という噂もあるそうですので」
「ちなみに、美濃の民は塩が安くなったので、耳を傾ける者は殆ど居ないそうです。まあ、暮らしが楽になるなら誰だっていいのは当然ですからね。コウカだって、六角家の当主なんて誰でもいいですし」
「まあねえ。私達の扱いが変わる訳じゃないし、今さら忠義なんて求められてもね。鼻で笑うくらいかしら。もちろん、六角家の方の目の前でやったりしないけど」
生活の方が大事なのは、誰も変わらないさ。
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1162終了時点
大白金貨46枚
白金貨219枚
大金貨747枚
金貨657枚
大銀貨540枚
銀貨545枚
大銅貨1551枚
銅貨25枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




