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 <異世界536日目>



 おはようございます。今日も特にやるべき事はありません。ゆっくり休んでおきたいところだが、米を採って来る事はしないとなぁ。肉類はあるから帰りに野菜を買ってくるか。それにしても、今日も小雨が降っている。


 昨日に続き今日もだけど、雨足は強くないのでそこまでではない。移動しなきゃいけない人は、蓑を被って移動しそうだ。昔の人は器用に藁を編んでいたらしいけど、この世界では見た事が無いんだよな。蓑は見た事あるのに。


 まあ、普通の人は家でやるから、見る機会が無いのは仕方がないか。そんな事より朝の日課も終わったし、そろそろ台所に行って朝食を作ろう。


 土鍋に米と押し麦を半分ずつ入れ、神水を入れて炊いていく。全粒粉の時は良いんだが、米の時は白米を食べている。流石に白米は江戸時代中期から後期以降、脚気の元になったからな。何とかしたかったんだ。


 チーズや蘇を思い出した時に、それ以外も色々思い出したので、押し麦を加えて栄養バランスをとる事にした。不老長寿といえども健康バランスを崩せば病気になるし、その病気が元で死ぬかもしれないので注意しないと。


 贅沢は敵というより、偏った食事は敵としなければ長生き出来ない。せっかく長生き出来る肉体なのに、不摂生で死ぬなんて勘弁してほしいからな。シルバーチキンの骨で出汁をとった野菜スープの完成っと。


 メインは味噌と灰持酒とハチミツを混ぜた調味液に漬け込んだ、ブラックゴートの肉だ。十分に【浸透】と【熟成】を使ったら焼いていく。すると、匂いの所為なのか2匹が起きてきた。早速足元にじゃれついてきたので朝の挨拶をする。


 そんなにじゃれついても料理が早く終わる訳じゃないんだが……。2匹は起きてきた皆に連れて行かれたが、もう少し大人しくしてほしいところだ。食事前は特にああいう風になりやすい。お腹減ってるからかね?。


 御飯が炊けた頃に丁度焼き終わったので、土鍋と肉の皿を【念動】で運ぶ。寸胴鍋は既に運んでもらっていたので、後は入れて食べるだけだ。………それじゃあ、いただきます。



 「味噌に漬けたお肉は久々だけど、これも美味しいね。味噌の香りがして美味しいし、焦げてる所の香りがなかなか良いんだよ。今日のは何だか甘い気がするけど、これはこれで面白い味だと思う」


 「それはいいんですけど、米と一緒に入っているこれは何ですか? 別にマズくはないんですけど、もしかして……」


 「これって昨夜アルドが中身を取り出してた大麦じゃないの? 米と一緒に炊く事も出来たのね。私はアクセントになるから、こっちの方が好きかもしれないわ」


 「米と言っても精白しない玄米ならまだしも、精白した白米は脚気という病気の元になりやすいんだ。今までも小麦は全粒粉で使ったりしてたろ? あれも病気を防ぐ意味でやってるんだ」


 「病気になりやすいというのは怖いね。私達は不老長寿だけど、それでも病気や怪我が元で死ぬんだ。その病気になりやすい食事というのは、流石に気を付けないといけない」


 「いわゆる<贅沢病>と呼ばれるヤツだ。精白した小麦や米は美味しい反面、体にはあまり良くない。ふすまや糠が残っていると体に良いんだが、あまり美味しくない。麦飯だって美味しくないけど、玄米よりはマシだろうと思ってさ」


 「これは麦飯と言うのか。まあ、アルドと会う前に食べていたパン等と比べれば遥かに美味しいのだから、私は特に文句など無い。それに、病気になりたくはないからな」


 「それは誰だってそうだよ。それに僕も特に問題ないし不味くはないよ。不味くないっていうより、こういう物って感じかなぁ。セン麦のパンより100倍以上マシだからね」


 「アレに比べれば殆どの物はマシだと思いますよ。固いし、ボソボソだし、酸っぱいですからね。あの三重苦のパンは、どうしても食べなければいけない時以外、もう食べたくありません」


 「そうなのかい? あたしはサーサが普通だったからさ、パンなんて殆ど食べた事が無かったんだよね。小麦の方が高いし。商人の荷物に小麦があっても、大抵は売ってお金にしてたよ」


 「まあ、盗賊なら普通はそうだろうな。もしくは自分達で料理するかだ。それよりも、麦飯でも特に問題なさそうだな。どうしても合わないなら、俺だけにしようかと思ってたんだが」


 「流石にね。コレ以上マズい物も食べてきてるし、昔のパンなんて小麦を使ってるのにボソボソパサパサだったんだから、それに比べれば遥かにマシだよ。アタシだって病気になりたくないしねぇ」


 「そうですね。それに、食べていると慣れてきたのか、そこまで気にはなりません。最初に違いが強くきたから気になったくらいです。まあ、考えてみれば、大麦の粥を食べる事もあったのを忘れてました」


 「私は直ぐに思い出したわね。大麦の粥を食べる事は多かったし、小麦に比べれば安いから多く食べられるのよ。だからパンより食べる機会は多かったわね」



 皆、色々な思い出を語っているが、そのどれもが興味深いというか昔の人の生活を知る貴重な記憶だ。元の世界じゃ数百年も生きる人なんて居ないから、昔の事は本なんかで知るくらいしか出来ないんだよな。


 この世界じゃ数百年前を実体験として語れる人が居る。それは元の世界には絶対に無い事だ。結局、危惧していた事は無く、麦飯だったが残る事は無かった。卓袱台返しをされたら……と考えていたのは内緒にしとこう。


 朝食の後片付けを終え、皆に一言伝えてから家を出る。一気に走ってダンジョンまで行き、13層~15層で米を収穫して帰る。今日はツシマへ行き、大橋さんの所で大麦と野菜を大銀貨1枚ずつ購入して、ツシマを後にした。


 帰る途中、いきなり襲ってきた奴等が居たので手足を折り、1人ずつ【白痴】で吐かせていく。なお、ヴァジュラを使わなかったのは雨が降っているからだ。俺まで喰らったら目も当てられない。


 【白痴】を使っている以上は、嘘を吐く事など当然不可能だ。最初に信秀さんに頼まれたと言い出したが、再度聞くと管領だと言った。襲撃に失敗して問われたら、信秀さんの名を出すように命令されていたらしい。


 4人居るのだが、全員を引き摺りながら那古野城まで連れて行く。門番には驚かれたが中に通してもらい、玄関で服などを【乾燥】する。その後、4人を玄関に転がしておき、やって来た信秀さんに事情を説明した。


 信秀さんは大変イイ笑顔で勝家君に命じると、他の武士と共に拷問をしに行くようだ。さて帰ろうかと思っていたら、吉法師と帰蝶に会っていってくれと頼まれたので、お邪魔する事にした。


 通された奥の部屋には吉法師と帰蝶と平手さんが居て、何やら小難しい本を読み聞かせている。子供に読み聞かせるものか? とも思うが、こんな時代だと言い回しが硬いものしかないんだろう。娯楽も殆ど無いしな。


 吉法師と帰蝶が退屈しているので、リバーシを出してやり遊ばせる。最初はよく分かってなかったが直ぐに理解し、その後は2人で遊んでいるので放っておく。平手さんは安堵の息を吐いたが、どういう事だ?。



 「若様には下手な遊びなぞを教える訳にはいかんのだ。既に勉学の刻は終わっておるが、生憎ワシは遊びなどは不得意でな。何をしてもらえば良いか分からんのだ。正直に言って助かった」



 そんな言葉を聞いたので、余っていた木でジ○ンガを作る。木を【圧縮】して札を作り、裏に○や×等の記号を書いたりした。これは神経衰弱用の木札だ。トランプよりも分厚いが、そこは諦めてもらおう。


 それでも平手さんを交えて楽しくやっている。………平手さんは記憶力が良くないと言うより、1つの事しか出来ないタイプだった。そろそろ昼なので、吉法師と帰蝶の料理だけ作って帰るか。そう思ったのだが、甘かった。


 結局、大人数の分を作る羽目になっている。米はダンジョン産だから良いが、大麦は金出して買ってきてるんだけどなぁ。まあ、さっさと作って帰ろう。


 シルバーチキンの骨から出汁をとり、魚醤や灰持酒やハチミツ等を混ぜて火にかける。アルコール分を飛ばしたら、出汁と混ぜて麦飯を炊いていく。野菜と出汁のスープを作り、その横でシルバーチキンの肉を揚げていく。


 全粒粉をつけて揚げているが、横に居る料理人達が質問をしてくるので1つ1つ答えている。正直、料理よりそっちの方が大変だ。ちなみに、お子様達と平手さんは台所近くでスタンバイしている。それって、いいのか?。


 そう思っていたら女性が数人来て、吉法師の横に座ったぞ? もしかして土田御前かな? まあ、今は気にしないで料理を続けよう。全て出来あがったので、膳に乗せて運ぶ。俺達はテーブルで食べるからアレだが、普通は膳なんだよな。


 あれって食べ難いんだけど、この時代の人にとっては疑問も持たない事なんだろう。



 ▽▽▽▽▽


 1159終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨747枚

 金貨657枚

 大銀貨541枚

 銀貨545枚

 大銅貨1551枚

 銅貨25枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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