1153
俺は身体強化を使い素早く接近すると、まずは安藤守就の方にヴァジュラを押し当てて魔力を流す。その瞬間「バチィッ!」と音が鳴り、一瞬硬直すると倒れて気を失った。突然の攻撃に安藤父は反応出来ない。
横に居た安藤父の方にも素早くヴァジュラを押し当てて魔力を流し、気絶させる事に成功。周りを見渡すと既に殆ど殲滅されていた。皆の武器を【浄化】しながら穴を掘り、全てを剥ぎ取った後で死体を穴に捨てていく。
死体を【浄炎】で焼いていると、また誰かがやって来た。鬱陶しいが確認すると、斉藤正義君だった。彼がここに何しに来るんだ? そう思いながら処理をしていると、慌てて俺達に近付いてくる。
「あの! この状況はいったい何でしょう!? 何故、安藤殿親子は倒れており、この者達は殺されているのでしょうか?」
「こいつらは俺達を捕縛、または殺害しようとしたからだ。俺達は後ろにある穢門、つまりダンジョンに入っていたんだが、こいつらがケチをつけて来たんだよ。斉藤家の領地にあるダンジョンに勝手に入ってるってな」
「それは……間違っていないのでは? 確かにこの辺りは斉藤家の御領地ですし、領地にある物は領地を持っている方のものです」
そんな事を正義君と話していると、今度はマムシさんがやってきた。また最初からかと思いながら、先ほどの正義君と同じところまで話していった。マムシさんも安藤親子が間違っていないと言う。普通ならそうなんだよ、普通なら。
「確かに普通なら2人の言っている事は正しい、普通ならな。ただ、俺には穢門に入る許可状がある。正義君これだ、君が読んでみるといい」
「えっと………何人もこれを妨げる事許さず……。これ、帝の許可状じゃないですか! 何でこんな物を持ってるんです!?」
「俺な、先帝の<大喪の礼>と、今上帝の<即位の礼>の為に金貨400枚を献金したんだよ。その時にこの許可状を貰ってるんだ。だから誰の領地であってもダンジョンに入って問題無いし、いちいち許可を得る必要も無い」
「それは、そうであろう。帝の許可があるのであれば、我等は文句の付けようもない。むしろ妨げたこの者どもが悪いわ。殺されても文句は言えんぞ。碌な事をせんの、こ奴等は」
「1つ聞きたいんだが、安藤家ってクソガキしか後継者が居ないのか? 居るのなら始末したいんだが、駄目かね?」
「下に弟がいますよ。兄と違って真面目そうでしたけど、あまり強さは感じませんね。戦よりも政が得意そうでした。僕も会って話した事があります」
「そうか、ならコイツ等は生きている価値が無いな。さっさと始末するか。何より、この国の帝の命に従わない奴等だし、そんな奴は始末しておかなきゃ駄目だろう?」
そう言って、俺は気を取り戻していた動けない安藤親子に近寄りヴァジュラを喰らわせる。再度気絶した親子にヒュドラーの毒ナイフと山羊角の杭を浅く刺し、褌一丁を残して剥いだら放置する事にした。マムシさんも正義君も困惑しているが、気にしてはいけない。
3分ほど経つとジワジワ褌が濡れてきた。ふむ、効果は殆ど差が無いのだろうか? でも、最初に使った犯罪者の姉弟は撒き散らす事はなかったしなぁ……。まあ、アレは山羊角の杭だけだったから微妙なところか。
「コレはいったいどういう事だ? 幾らなんでも、おかしいぞ。その……あんなに屹立したり、勝手に出たりなど普通はせんだろう? どうなったら、ああなるのだ。さっき刺しておった物の所為か?」
「この山羊角の杭を刺されると股間が屹立して治まらなくなり、このヒュドラーの毒ナイフも追加で刺されると、何故か勝手に出すようになるみたいだ。ちなみに毒ナイフの方は、耐えられない激痛を受け続ける」
それを聞いたマムシさんと正義君がドン引きしているが、治せるのが俺だけだと確かに恐怖だろう。実験の推移を見ながらも、淡々と死体を処理している俺も怖いと言われた。これは単に慣れているだけなんだが。
安藤親子は体が未だに痺れているので動けないが、そもそも激痛を受け続けているので動く事は出来ない。こいつらは適当に放置しておけばいいとして、これからの事をマムシさんに話していく。
「ここに来る時に分かったろうけど、堀は俺達が勝手に掘っておいたから、後はそっちで色々やってくれ。ちなみに褒美云々は要らないから。そもそも俺達が安全に寝泊りする為に作っただけだし」
「はぁ……まあ、分かった。安藤どもを安藤家に一応返しておき、弟に後を継ぐように言っておくか。帝の許可を持つ者の邪魔をしたと言えば、何故弟に家督を継がせるか理解するであろうよ」
「そうですね……でも、安藤殿は許可状の事を聞かなかったのですか? 何か理由があるか聞けば、こんな事にはなっていないと思うのですが」
「最初に来たのはクソガキの方だよ。こっちの話も聞かずに襲って来ようとしたので殺そうと思ったら、父親に助けを求めたって訳だ。父親の方はクソガキの話しか聞かなかったな」
俺も意図的に言うのを遅らせたが、そもそもクソガキは聞こうともしなかった。それに、このまま放っておけば、この親子から意図的に言わなかった事が洩れる心配は無い。
一度は許してやったが、俺は”俺の女”に手を出そうとした事を無かった事になどしない。次に何かあったら殺す気だったんだよ。
「碌なものではないが、守利にはそういったところがあった。我が子可愛さと言えば聞こえは良いのだろうが、己の家を傾けかねん事を平気でやるのはどうかと思うわ。この乱世、いつ家が傾いてもおかしくはないのだぞ」
「まあ、俺達はもう行くよ。家に戻りたいし、そっちは穢門ことダンジョンを探してたんだろう? そこにあるから、後は頑張ってな。ただ、中には死兵と変わらない連中が居るから注意してくれ」
そう言って3つの木像を出したら全員騎乗する。ダリアとフヨウは俺にくっ付いているので、俺に乗っている形だ。今回は後ろにシュラとアルメアが居る。最後まで残った、何故かじゃんけんに弱い姉妹。
一気に川を下って行き、温泉地まで戻ってきた。外で木像を降りて収納し、中に入って屋敷まで進み門を開ける。どうやら藤達は屋敷に居るらしい。もしかしたら1日中ダラダラしていたんだろうか?。
それもどうなのかと思うが、休みをどう過ごすかは本人達の勝手だからなぁ。とりあえず台所に行き、ブラックゴートの肉と野菜を【破砕】して混ぜ合わせる。小麦粉に米粉を混ぜて練ったら、小さな生地を円状に延ばす。
それにタネを包んでいってもらいつつ、俺は鍋にシルバーチキンの骨で出汁をとる。後は多少の野菜や干し肉、乾燥椎茸で味を整えてスープの出来上がりだ。冷凍野菜を解凍し、少量の塩で揉んで【熟成】すれば漬物の出来上がり。
鍋で餃子を茹でていき、茹で終わったらスープを入れた椀の中に入れて完成。さっさと配膳し食べていってもらおう。皆は久しぶりの餃子を美味しそうに食べているようだ。俺も早く食べたい。
やっと全員分が終わったので、俺も食事を始める。久しぶりの餃子はどんな感じかな?。
「初めてブラックゴートの肉を食べるが、それなりに美味しいな。しかし、そろそろダンジョンで肉を調達しないとマズい。多く残っているのがブラックゴートとブラックコブラだけだ。アレの肉は色々と駄目なんで食べないとして……」
「うん? どうしてその、ブラックコブラという奴の肉は駄目なのだ? 持っているという事は食えるのだろう? しかし、食べると色々と駄目……意味が分からんな」
藤が突っ込んで聞いてきた後、女性陣がブラックコブラの効能を暴露してしまった。すると、大変イイ笑顔で寄越せと言わんばかりに見てくる。仕方がないので、「焼いておくから風呂から上がった後で食え」と言っておいた。
藤達もそうだが、どうしてそこまで何だろうな? 性欲が強いというか、娯楽が少ないからなのか? そもそも征夷大将軍の家柄だという自覚は……もう無さそうだな。でも暗殺されるよりは幸せか。
そういえば、三好はどうしたんだろう? 今は京を制圧中だとは思うが、あんな面倒な奴しかいない所を欲しがるのもどうかと思う。俺なら京の周りだけ手に入れて、京は意図的に放置するけどな。
ゲームじゃないんだからさ、現実だと公卿や公家に、神社や神殿が五月蝿くて面倒なだけだと思う。いちいち口出ししてくる奴等は多そうだし。
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1153終了時点
大白金貨46枚
白金貨219枚
大金貨745枚
金貨655枚
大銀貨546枚
銀貨235枚
大銅貨1551枚
銅貨25枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




