1151
朝食後、俺はさっさと後片付けをし、皆はゆっくりと休んでいる。全て片付け終わり、焼き場やカマクラを壊して準備を整えたら、迷宮紋に乗りダンジョンへと入る。
1層は林が疎らにある平原だった。【探知】と【空間把握】を使いながら調べていくが、魔物以外が見つからない。その魔物も、地面の下からの反応が多い。おそらくミミズ系の魔物とモグラ系の魔物だと思う。
自然界ならモグラはミミズを食べる筈だが、ダンジョンだからかそんな事は無い。皆も地面の下の反応を確認しているので、両方の魔物に気付いているようだ。これなら奇襲をされずに済むだろう。
円を描くようにウロウロしていると、北西に転移紋を発見した。俺達は速やかに転移紋へと向かい、2層へと進む。ちなみに、身体強化で移動しているので地面の下から奇襲は受けていない。俺達の移動速度が速いからだろう。
2層目も同じ林のある平原だったので、真っ直ぐ北西へと向かう。しかしながら、その途中で北に転移門を発見した。どうやら地形に関係なく、1層毎に転移紋の位置がズレるらしい。北の転移紋から3層へ。
3層も同じ地形だったので、北東から4層に進む。到着した4層は山の地形だった。東へと向かっている最中に銅を発見したが、必要ないので転移紋から5層へ進む。5層、6層も銅しかなかったので7層へ。
7層は草原ではあるものの、丈の長い草が多く生えていた。そんな中、南西へと向かっていく。魔物としては小角鹿や小狼ぐらいなので、特に魔物が強い訳ではない。皆が敵を蹴散らしているが、誰1人持って帰ろうとしないのが答えだ。
俺は<浄化の三道具>を使って【浄化】しながら進んでいる。おかげでダンジョンモンスターは大して強くない。皆の練習にはならないが、ダンジョン内の邪気を【浄化】するにはコレが1番だ。
8層も同じなので西へと向かい9層へと進む。9層も同じなので北西へ。10層に到着すると、平原だったが川が流れている地形だった。去年、京の都のダンジョンにあった地形だ。この面倒なのが出てくるとは。
魔物は大した事が無く、上空から襲ってくるワイルドスワローなどと、川の中に魚の魔物が居るくらいだ。この地形もさっさと抜けよう。10層を北、11層は北東、12層を東へと進み、転移紋から13層に進む。
13層の地形は山の地形だったが、魔物も大した事はないので一気に進んで行く。13層を南東、14層は南、15層は南西だったのだが、ここでは進路上に鉄があったので【魔術】で掘り返して入手した。その後16層へ。
16層は出てくると思っていた洞窟だった。転移紋の方向は分かっているので西へと向かって進んで行く。コウモリは少なく、代わりに毒蜘蛛と毒サソリが出てきた。サソリねぇ……魔物としても、モンスターとしても珍しいんだよな。
そう思っていると、進路上にまたもや鉄を発見したので掘っていく。17層でも鉄を掘ってから北西へ、18層でも鉄を掘ってから北へと向かう。19層に到着すると、そこは洞窟だった。また、このパターンかと思ったが、諦めて頑張ろう。
19層は北東に向かいながら、途中で銀を掘って進む。20層も東に向かいながら銀を掘り、21層でも南東に向かいながら銀を掘る。もしかしたらそろそろ金が出てくるんだろうか? 出ても出なくても、俺としてはどっちでもいいが……。
22層に到着すると山の地形だったので、一旦ここで昼食とする。洞窟が続いたので昼食のタイミングを逃していたんだが、流石にそろそろお腹が空いた。皆も賛成だったので、脱出紋近くで料理を開始する。
全粒粉に米粉を混ぜて、塩と神水で練っていく。メルにはシルバーボアとイビルラビットの唐揚げを、フォルには骨で出汁をとった野菜と乾燥椎茸のスープを作ってもらっている。よし、生地が練り終わった。
いつも通りチャパティにして焼いていくのだが、今日は横から少し竜の脂を貰い、揚げ焼きみたいな形にしていく。上手くいけば竜の脂が染み込んで美味しくなると思うんだが……。よし、焼けた。皿に盛っていき、食べていってもらう。
最近面倒でフライパンを使っていない事もある。【念動】で浮かし、【加熱】で直接熱を加えれば料理は可能だからな。知り合い以外には見せられないが、コレが楽なのも間違い無い。さて、俺も食べるか。
「ここのダンジョンは色々面倒だね。今までは地形と転移紋の方角は同じだったのに、1層毎に変わるのは久しぶりだよ。適当な方角じゃないのが助かるけど」
「そうですね。1層毎に適当な方角に転移紋を作られると、簡単には先に進めなくなってしまいます。ですが流石にシステムでも、そんな事はしないのでは? 嫌がらせが多いですけど、システム的には攻略してもらわないと困るでしょうし」
「まあ、最奥まで行けば、その分多くの邪気を浄化出来るものね。システムとしても、少なくとも私達には攻略してほしい筈よ。アルドが1層毎に吸い込んで浄化しているから、その量はかなり多い筈」
「アレは凄いよね。物凄い速度で吸い込むし、ダンジョンモンスターは弱るしで、これでいいのか分からないけども……」
「別に良いんじゃないかな。悪い事をしてる訳じゃないし、むしろ邪気が減るっていう良い事をしてるんだからさ。その良い事の結果、勝手にダンジョンモンスターが弱っていくだけだよ」
「そうだな。確かに結果として弱っているだけだ。まあ、浄化自体はアルドの神命だから当然なんだが、弱っている魔物とはいえ、殺して【浄炎】で焼くのは少々手間ではある」
「それは仕方がありませんよ。それでもしない訳にはいきませんし、練習にもなります。私も慣れてきたのか、魔法の使い方が上達したくらいですから。無駄にはなりませんよ」
「あたしも上手くなってたね。アルドが言う事だけど、日々使わないと上達しないのは間違い無いよ。せっかくだから金属を掘るのもやってみたいんだけど、1度攻略した後にした方が良さそうだ」
「魔法としての難易度はそこまで高くないが、上手く出来ないと崩落させたりしてしまうからな。魔法で金属を掘る際には、掘りすぎる事を気を付けなきゃいけない。普通の魔法使いからしたら、贅沢な悩みになるんだろうが」
そんな話をしながらの昼食は終わり、今は後片付けの最中だ。これが終わったら出発となるが、少しゆっくりしてから進もう。連続の洞窟でストレスが溜まっている筈だからな。それにしても山の地形か。
美濃のダンジョンだから多いのは分かるが、ここはいつもの山の地形とは違う気がする。切り立った崖みたいになってるのが見えてるし、転移紋が妙な位置にある事も考えて行動しよう。そろそろ皆も動けそうだな。出発するか。
22層を南に向かって移動していくのだが、結構な量の銀と石英があるので掘り出して進んでいる。石英は水晶玉にしながら進み、南の転移紋から23層へ。それにしてもこのダンジョン、美味しい肉の魔物が出ないな。
山の地形だっていうのに、出てくるのはブラックスパイダーや毒百足に鋼鉄蟷螂だけだ。何と言うか、本当に嫌なダンジョンだ。それでも厭らしさが無い分、京の都の1回目よりはマシだけど。アレは酷かったからなぁ。
23層も南西に向かいながら採掘、24層も西に向かいながら採掘していき、25層へと到着した。まさかの海の地形に驚くが、ここが最奥のようなので全員に声をかける。
「ここが最奥で、上から来るぞ! 全員戦闘準備!!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「ニャー」 「………」
空から来るなら、何で海の地形なんだよ。色々おかしい気がするが、こちらに飛んで来ているのはハルピュイアだ。ハーピーとも言われるが、食い散らかした上に糞を落とす汚い怪物。それがハーピーとなる。
俺が言ったとはいえ、神様達は何でそんな奴を創ったんだろうか?。
▽▽▽▽▽
1151終了時点
大白金貨46枚
白金貨219枚
大金貨745枚
金貨655枚
大銀貨546枚
銀貨235枚
大銅貨1551枚
銅貨25枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




