0114
「良い仕事があったのかい?」
「ああ、俺達が泊まってる宿の清掃だ」
「え!? それは低ランクの仕事でしょう?」
「宿全体の浄化をしてほしい様だな」
「宿全体となると結構広いわ。だから高ランクの仕事なんでしょうね」
「俺もそう思う。多少は普通の依頼も達成しておきたいし、これは手頃そうで丁度良いと思う」
結局、今日も早々に宿に帰る事になったが仕事を請けた。宿といっても、敷地面積だと貴族の屋敷と同じくらいにデカいので、普通なら大変な仕事だが俺なら今日中に終わるだろう。
宿の部屋に戻り装備を外した後、1階の受付に居るラーファンさんに事情を聞きに行く。
「宿の浄化ですか……? 確かにギルドに依頼しましたが、宜しいのですか?」
「宜しいも何も、既に依頼は請けていますよ」
「そうですか。シュライア様方がお泊りの部屋以外は、日中は居ませんので浄化は出来ます。まずは客室からお願いします」
「分かりました」
1階の部屋から始めていくが、ラーファンさんはついてくる気らしい。まぁ、宿泊者が居る部屋もあるし、荷物が置いてある場合盗まれると困るだろう。だからついてくるのは分かる。
だが3人がついてきても、しょうがないと思うんだが……。まぁ、邪魔しないなら別に良いけど。【聖浄四重浄化】を使いながら、こっそり【浄化】の権能も使って綺麗にしていく。
どんどん綺麗にしていき、2階の俺達の部屋はスルーして次の部屋に行く。すると、ベッドの上に特徴的な鎧が置いてあった。どう見てもビキニアーマーだな、アレ。
「あの者達の部屋ですか……随分散らかってますね」
「まぁ、大体の傭兵はこんなものじゃないかい?」
「そうですね。私の昔のチームメンバーも、半数はこうでした」
「片付けに関しては、する奴としない奴にハッキリと分かれるよな」
「お客さんだと、片付けない方が殆どですね。むしろ全員がキチンと片付ける、シュライア様のチームが珍しいと思いますよ」
部屋の浄化は終わったな。次は……裏庭ね、了解。広い場所は個別にやらなくて良いから助かる。俺の場合は一気に広い場所を浄化出来るから、1度で済む分裏庭の方が楽だ。
2度の浄化で終わったので、最後は従業員の休憩スペースや住み込みの部屋だ。これらも順番に1つずつ綺麗に浄化していき、昼前に全て終わった。
「まさか朝から始めて、お昼前に終わるなんて……。しかもこんなに綺麗に!」
「当然でしょう? 私達が泊まっている部屋はこれ以上だったでしょうに」
「まぁ、毎日せっせとアルドが浄化してるからねぇ……」
「汚いより綺麗な方が良いですよ。色々な汚れも綺麗にして頂けますし……」
「アタシ達の所為でもあるからね! 綺麗にしてもらえないと色々困るから!」
「特にダナはアレですからねー」
「アレって言うんじゃないよ!」
「恥ずかしいけど、嬉しいですから。私も気持ちはわかります」
「そうなんだよ! ああなっても仕方ないんだよ!」
「私だって女ですから良く分かります。でも3人の中でダナが1番でしょう?」
「あのー、皆さん。宿の中でそういう話しは御遠慮下さい。部屋に行って話して下さい」
とりあえず昼飯食いに食堂へ行くか。宿を出て隣の食堂へ行き大銅貨6枚を支払う。ゆっくり水を飲んで待っていたら、ビキニアーマーズが近くの席に来た。
昼食もきたので受け取り食べ始めると、2人が話し掛けてきたぞ?。
「少しお聞きしたいんですけど、良いですか?」
「構わないけど、何かあったのかい?」
「いえ、良い素材が売ってたので買ったんですけど、加工費が高くて」
「ああ、俺か。そこまで手間賃取ったりしないが、装飾は殆ど出来ない。それでも良いなら作るが?」
「装飾は問題ありません。それよりも加工出来る者が少ないので困っています」
「どんな素材なんだ。そこまでの言い方なら希少金属か?」
「そんなの高くて買えないよ。アタシ等が買ったのは、サイクロプスの骨さ」
「サイクロプスの素材……我々が売った物ですかね?」
「どうかしら? 13層なら、行ける傭兵も多少は居るのでは?」
「「13層……」」
「そこは横に置いて、作る物はなんだ?」
「アタシは片手で使える威力のある物で」
「私は出来れば長柄の武器で」
「もうちょっと詳しく決めてくれないと困るんだがな……」
食事は終わっていたので飲み物を頼み、飲みながら話しを聞く。鬼人族のエイルズは、雑に使っても大丈夫な武器が良いとの事だ。だからメイスを使ってたのか。
吸血鬼族のザラは、グレイブよりも手数のある長柄の武器が欲しいらしい。グレイブって長い棒の先に鉈が付いてるような武器だからな。こっちも何となく方向性は見えてきたな。
2人は小型のアイテムバッグを持ってるらしく材料は持ったままなので、このまま部屋に戻る。自分達の部屋の隣だと知って驚く2人と色々話し武器が決まった。
「まずは、アタシの武器だね! 斧を使うのは初めてだから楽しみだよ!」
エイルズの武器は長さ120センチの戦斧だ。俺の戦斧を渡して試させたが、もう少し長めと注文を受けた以外は問題ないようだ。斧の刃を薄めにして作り、手持ちの硬木で柄を作る。
三日月形の刃なので使いやすいだろう。早速片手で振っているが、重さも問題なく使えるようで嬉しそうに振っている。
「次は私の武器ですね。十字槍でしたか?」
ザラの武器は十字槍だ。穂の形は剣十字とも呼ばれている、逆さの十字架の形をした物になる。これを吸血鬼に持たせる……まぁ、地球じゃないから何も言われないだろう。
刃長は20センチ、横刃8センチで刃の断面は菱形。大体こんなものだろう。横向きにしてピッケルみたいに使う事も出来る。柄は2メートルだから全長220センチとなるな。
こちらも出来て直ぐに振って突いているが。感触は良いようだ。そういえば、ビキニアーマーズは傭兵ランク幾つ何だろう?。
「2人は傭兵ランクは高いのか?」
「「???」」
「いや、俺が作った石製の武器を買ってたからな。あれ、低ランク向けの武器だからさ」
「アタシ等2人とも、ランクは5だよ」
「それなり……ではありますね」
「元々私達は、<剣の踊り子>と<血狂い>と呼ばれる御二人に憧れて傭兵になりましたので……」
「ランク云々はあんまり考えてないんだ」
「お金はそれなりに稼いでいますが、あの武器は優秀だったので購入したんです」
「アルドは普通の傭兵が持ってる武器って、見た事あるかい?」
「普通の傭兵ねぇ……ルタの武器は見たなぁ。あれはどのレベルなんだっけ?」
「あれが普通のレベルです」
「じゃあ、普通の傭兵って相当質の悪い武器で戦ってるんだな」
「アルドからすれば、こうなのよ」
「ホントにねぇ……皆あれぐらいの武器で戦ってるんだ。だから低ランク用の武器を作ってもらったのさ」
「しかし、あんな質の悪い武器に命を懸けるのか? ガルドルさんの武器は、それなりに質が良かったが……」
「あのねぇ……。ガルドルは”名工”と呼ばれてるんだよ?」
「えっ!? 本当に?」
「嘘を吐く訳がないだろ?」
今分かる衝撃の事実。ガルドルさんって名工だったのか……。あの腕って言ったら怒られるが、あの腕で名工って事は普通の鍛冶師って鍛冶師モドキか?。
ああ、だから王太子は俺に頼んできたのか。あれ? それって面倒臭い鍛冶師に絡まれたりしないか? ……ちゃんと止めてくれよ、頼むぞ王太子。こっちに押し付けんなよ?。
でもなー、嫌な予感がするんだよなー。何か鬱陶しいのが「ニャー」押し掛け……ってダリアもそう思うか? やっぱり? ………はぁ。
▽▽▽▽▽
0114終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨13枚
金貨50枚
大銀貨32枚
銀貨14枚
大銅貨44枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
オリハルコンの苦無
アダマンタイトの十手
王角竜の分銅鎖
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ