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 港に引き上げた武士は全部で3名だが、それ以外は海に沈むか魔法で殺されたらしい。向こうも諦め顔で項垂れている。だったら最初から攻めてくんなと言いたい。お前らの自業自得だとしか思えないのは、至極当たり前の事だろう。


 港から多少離れた所まで連れて来て、それから本格的に聞くのだが、先に焼き場などを作って昼食を作る。メルとフォルに任せたら、リューとエリアも手伝ってくれる様なので尋問を開始しよう。


 と言っても槍の穂先を取り出して【融合】しながら話を聞いている。【白痴】を使っているのでペラペラ喋っているが、拒む気力も無いらしく聞いていない事まで喋ってくれた。


 それによると、北伊勢の神殿がクワナに銭を出し、それを使って尾張を攻めさせたのが真相のようだ。この3名は西松、小串、片岡という家だそうだが、全く聞いた事が無いぞ? 元の世界でも無名な家なんだろう。


 そもそも北伊勢なんて千種とか梅戸とかしか知らないから、聞いても分からん。中伊勢辺りだと神戸とか関とか楠木とか居るのにね。北伊勢って無名な奴等が乱立してるんだよな、困った事に。


 確か、ここの奴等も内部争いしている癖に、外敵が来ると纏まるんだよ。凄い面倒な奴等で、確か信長が苦労した筈。そんな面倒な奴等とはいえ、攻めてきた以上は報復しなきゃならないんだが……どうするのかね?。


 兵を輸送するって言っても絶対に面倒な事になるだろうし、クワナを抑えないと攻める事も出来ないと思う。面倒だから攻めないってなる……かな? 難しいところだ。


 報復しないと舐められるし、舐められるといつまでも攻めてくる。いちいち面倒なのが戦国時代の特徴だが、こんな事ばっかりやってるから貧しくなるんだよ。貧乏なら大人しくしてろ! そう言いたくなる。


 槍の穂先を【融合】で纏め、精錬してからテーブルの上に置いていく。情報を吐かせた3人は、小早1つを渡して自力で帰らせた。俺達が送ってやる義理も無いしな。えっちらおっちら漕ぎながら進んでいったから大丈夫だろう。


 昼食が出来たようなので配膳を手伝うんだが、珍しく料理をしなかったな。たまには皆の手料理を食べるのも悪くない。フラットブレッドと溶かしたチーズ、野菜と干し肉のスープの昼食だ。


 早速2人の子供は食べていて、熱々のチーズをつけて美味しそうに食べている。俺も考えてないで頂こう。



 「うん! 熱々のチーズが美味しいねぇ。偶にはチーズとパンも悪くない。改めて美味しさが分かるってもんさ。それにしても、昨日は帰ってこなかったけど、いったい何をしてたんだい?」


 「昨日はダンジョンに行って、その後2人に心臓を食べさせたんだ。美濃で戦があるっていうから2人を連れて北部城に文を届けて、そのまま稲葉山城へ。そこで土岐の兵を叩き返してたな」


 「いったい何故そんな事になったのかは置いておくとして、何故危険な場所に子供を連れて行ったんですか? 確かにアルドなら守れるでしょうが、危険でしょうに」


 「守れるし、怪我の1つもしてないよ。それに子供達が望んだ事でもある。親が危険な状況でジッとしてろっていうのもなぁ……。俺としては、あんまり良い事とは思えないんだよ」


 「まあ、そうね。色々とやきもきするし、子供なら我慢は無理でしょう。それで、土岐という者を追い返す事は出来たのよね?」


 「追い返すというか、イノグチの町の神殿が土岐を引き入れたみたいなんだ。だから浄化魔法の使えない腐れ神官どもを皆殺しにして、土岐頼芸は神殿の敷地内で串刺しにしておいたよ。今ごろ死体が見つかってるんじゃないかな?」


 「「「「「「「「串刺し……」」」」」」」」


 「丸太槍みたいなので、裸にした相手を生きたまま串刺しにするんだよ。それを<串刺し刑>と言ってな、街道に串刺しにされた者を並べたのがブラド三世と言われる人物だ。苦労をした人物でもあるが、苛烈な性格でもあったらしい」


 「生きたままって、それはもう刑罰を超えてるんじゃないかな? つまり苦しめ続けるって事だろう? 幾らなんでも滅茶苦茶過ぎる」


 「ブラド三世の領地というか国であるワラキアは、土着の豪族が強い力を持つ国だったんだ。だからこそ、君主の強さと見せしめの為にやったとされている。当時は串刺し刑は普通だったらしいが、あくまでも農民用の刑罰だったそうだ。それを貴族に対してまでやったのがブラド三世なんだよ」


 「愚かな貴族が串刺しにされるなら分かるが、農民相手に行う刑罰だとは思えんな。まあ、そういう時代だったんだろうが……。で、アルドも生きたまま串刺しにしたのか?」


 「いや、ブラド三世はヴァンパイアのモデルになった人物だからな、土岐の心臓を串刺しにしておいた。ヴァンパイアは白木の杭を心臓に刺されると死ぬらしいからさ」


 「そんな事されたら、殆どの生き物は死ぬと思うけど?」


 「うん……まあ、そうなんだけどな。ヴァンパイアって人の血を吸い尽くす悪魔みたいに描かれる者で、永遠の命と不滅の肉体を持つとされている想像上の存在なんだ。現実には居ないんで、何とも言えない」


 「成る程、そういう伝説があるという事ですね。それはともかく、子供達が持っていた角は何ですか? アレっておそらくダンジョンで手に入れた物ですよね? 神木製の狼もありましたし」


 「あの角は<爆音の角笛>と名前を付けたよ。分かりやすい方がいいし。その名の通り、爆音で相手を気絶させる角笛だ。結構な魔力を消費するんで、意外に消耗が激しい。2人にはダンジョンで出てきた、呪いに塗れていた奴等の心臓を食べさせたから大丈夫だけど」


 「そんなに魔力を消費するのかい? でも敵が一撃で気絶していたところを見ると使い勝手は良さそうだね。何より、魔力があれば子供でも使えるのは大きいよ。普通の奴は使えないだろうけど」


 「そもそも魔力を篭めないと、ただの角笛だ。そのうえ、魔力が足りないと発動もしない。間違いなく魔神のイタズラグッズの1つだ。気絶させるだけで、それ以上の害は無いしな」


 「「「「「「「「………」」」」」」」」



 そんな話をしている間にも食べていた2人の子供は、満腹になったからかウトウトし始めた。仕方ないので焼き場やテーブルを壊し、木像3つを出して乗り、ツシマへと移動する。2人の子供は俺が両腕で抱えていこう。


 ツシマに着いた頃、ちょうど町が沸き立っており、信秀さん達が凱旋してきたようだ。俺達が町の中に入り港に近づくと、信秀さんがこっちを向いて何やら言っている。近付いてみると、慌てているようだ。



 「子供達はどうした!? 何故ぐったりしている!!」


 「いや、ぐったりしてるんじゃなくて、昼食を食べて満腹になったから寝てるんですよ。さっきまでカニガワの港に居たんで」


 「……そういえば、ワシ等も何も食うておらなんだな。屋敷に戻って何か食べるか」


 「ハッ! 報せを出しておきます!」



 勝家君が走って織田家の屋敷まで行ったが、そこまで急ぐ事でも無いと思う。俺達もゆっくりと移動するが、藤達が先に昼食を食べたのはズルいと言ってきた。「知らんがな」と言いそうになったが堪え、後で食材を出す約束をした。ついでにツシマで野菜を買って帰るか。


 織田家の屋敷に上がると、信秀さん達は具足を外し始めた。俺達はとっくに脱いでいるので問題無いが、1人で着れる鎧とはいえ大変だな。藤達はさっさと脱いでしまっている。俺が作ったのは簡単に脱ぎ着が出来る物ばかりだからなぁ。こういうところで違いが出る。


 俺は吉法師と帰蝶を部屋の床に寝かせておき、カニガワの南の港にも敵が来ていた事、叩き潰して尋問をした事などを話していく。



 「やはり他の所にも行っておったか。事前の情報と舟の数が合わなんだから、おかしいと思ったのだ。まあ、根こそぎ舟を奪ってやったからこそ、分かった事でもあるのだがな」



 どうやら関船のような舟も奪ってきたらしく、佐治家が大喜びしていたそうだ。



 ▽▽▽▽▽


 1148終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨745枚

 金貨658枚

 大銀貨546枚

 銀貨235枚

 大銅貨1560枚

 銅貨525枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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