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1143




 俺は2人の前に皿を出し、その上に心臓を出したら【分離】で薄くスライスしていく。その横でタレを2種類ほど作り好きに食べさせる。2人とも不味いという顔はしていないが、この後の痛みが嫌なのだろう。


 黒い奴の心臓を食べたとしても必ず痛む訳では無いのだが、何となくだけど今回も痛む気がする。2人は頑張って食べきったが痛みがやってこない。そう思ったのかホッとした後に激痛がやってきたらしい。


 痛みで呻く2人を励ましながら、耐えてもらう。これに関しては、それ以外に方法が無いとしか言えない。5分ほど耐えていたら治まった様なので安堵したが、【空間把握】で確認すると体が最適化された感じがする。


 どう言えばいいか分からないが、無駄な物が無くなったと言うか、綺麗に再配置された感じだ。説明し難いものの、今後の成長に結構な影響が出そうな感じ。それと、子供に似つかわしくない頑強さと闘気と魔力を持っている。


 ようやく痛みが治まった子供達に、これで心臓を食べるのは終わりだという事と、よく頑張って耐えたとして毛皮を渡す。最初はキョトンとしていた子供達だが、纏うと温かいからか喜んでいる。


 平手さんが疑問符の付きそうな表情をしているので、並の刀や槍では傷1つ付かない毛皮だと言うと唖然としていた。実際には鉄製や鋼製の武器程度だと傷1つ付かないだろう。とはいえ衝撃は逃がせないから、そこまで凄い物ではない。


 そもそも赤鬼と青鬼が腰に巻いていた物だしな。2人の子供はマントみたいに羽織っているが。2人の目の前でチャパティを作り焼いていく。心臓を食べているので多くは入らないだろうが、小さな物なら大丈夫だろう。


 小さなチャパティを1つ焼き、上に魔豊蜂のハチミツを塗って出してやる。最初はキョトンとしていたが、一口サイズに【分離】してやるとおずおずと食べ始めた。甘くて美味しいからだろう、今は笑顔で喜んでいる。


 そんな2人を見ながら平手さんに、クワナから攻めてきている事を聞いてみた。



 「騒いでおるものは居るが、まだ戦にはなっておらんよ。クワナに北伊勢の武士が集結しておるという報せがあっての、此度は殿が直接出ると仰せになったので、それで出陣なされた。本来の戦は時間が掛かるものだ」


 「つまり、敵さんとの睨み合いなんかも含めて、それなりの時間が掛かるって訳ですか。何となくウチの女性陣もツシマに行ってるっぽいんで、俺はゆっくりしておきますよ。女性陣がいれば負けは無いでしょうし」


 「まあ、お前さんの仲間である女性達は強すぎるからの。それでも、そなたが戦に出んのは何か理由があるのか?」


 「俺が居ると好きに出来てしまうんで、戦が簡単に終わるんですよ。前にも功をあげさせないと五月蝿い連中が居るって聞きましたしね。今回は黙っとこうかと思いまして」


 「ああ、成る程な。確かに、そなたが居れば好き勝手に出来るであろう。呆れてしまうが、事実でもあるので何とも言えんな」



 そんな話をしていたら、突然部屋に人が来て大きな声で話し始めた。



 「平手様! 美濃の稲葉山城が、土岐の者達に奇襲されましてございます。我等コウカ者が見張っておったのですが、斉藤家の中に土岐の者が紛れ込んでいたようで、奇襲を察知できませんでした」


 「つまり、現在斉藤側は稲葉山城に篭っておるという訳か。それと、土岐はどこじゃ。進軍中か? それともイノグチの町を攻めておるのか?」


 「既にイノグチの町を手に入れておるようですが、略奪は一応禁じておるそうです。稲葉山城を攻める為にはイノグチの町が必要ですので。あそこを荒らしてしまうと、稲葉山城攻めが出来ません」


 「確かに。しかしこちらは北伊勢の連中から……まさか、土岐が北伊勢の連中を煽ってはおるまいな。当たっているならば面倒な事になるぞ。このままで済めば良いが、あそこは六角と関わりのある家もある」


 「北伊勢の連中をブチ殺すと六角家がしゃしゃり出てくる可能性がある……という事ですか。面倒な事ですね。とはいえ、こちらは攻められている側であって、攻めている訳じゃないんですけど?」


 「六角家は強大な家であり、家柄もすこぶる良い。だが、あそこは家臣が力を持っておる家だ。その家臣に言われると出てくる可能性はある。何より、六角家は海を望んでおるからな。理由は美濃と同じく塩だ」


 「ああ、北伊勢の支配を強める為にも出てくる可能性があると。本当に面倒だな、ヤシマの国は。あっちこっちに血縁とか作りすぎなんだよ。おまけに因縁もあっちこっちに作ってるし」


 「それよりも美濃への救援をどうするのか決めねばならん。留守居を任されておる以上、何もせん訳にもいかんのでな。と言っても、文で頼んで動いてもらうしかあるまい。まずは書かねば」


 「信康さんに動いてもらうんですか? 何だったら、その手紙を届けてもいいですよ。暇なんで」


 「まあ、そうだな。頼めるか? どの者よりも確実に早く届けてくれるであろうからな。………よし、こんな物であろう。包んで、と。では、北部の城に居られる信康様に頼む。私は今の内に城の中の物資を確認しておく」


 「了解」



 そう言って平手さんは部屋から出て行ったのだが、2人の子供はジッと俺の方を見てくる。これは、どうやら連れて行けと言いたいんだろう。仕方ないな。


 俺はアイテムバッグから紙を出し、連れて行けと五月蝿いから連れて行く事にした。そう書置きを置いておく。


 2人に確認すると、帰蝶は父親が心配だから連れて行ってほしいと言い、吉法師は帰蝶が不安そうなので自分が何とかしてやりたいと言っている。どうせ連れて行かないと五月蝿いだろうから、さっさと連れて行くか。


 2人を抱えてから、隠密の4つの技を使い那古野城を出る。ある程度離れたら、木馬に乗せて一気に進んで行く。北部城に着いたので、2人はそのまま木馬に乗せておき、門番に手紙を持って来た事を話す。


 門番は俺の顔を覚えていたので直ぐに中に入れてくれた。武士が出てきて用件を聞いてきたので、平手さんから信康さんへの手紙を預かっていると言ったのだが、「見せろ」と言ってきたので蹴り飛ばした。


 2人を木馬から降ろして収納し、そのまま中へと入っていく。途中で武士が邪魔をしてきたので、全て蹴り飛ばして信康さんの居る部屋へと辿り着いた。


 中に入ると、信康さんと盛豊さんに刀と槍を突きつけられたが、俺だと知ると2人とも安堵している。ちなみに吉法師と帰蝶は何故かまったく不安そうにしていないし、怯えもしていない。大物だなぁ。



 「そなただったのか……。しかし、なぜ私の部屋にまで押し入って来たのだ? 案内の者に言えばいいであろうに」


 「門番は直ぐに通してくれたんだが、その後に武士っぽいのが出てきて、平手さんから預かった手紙を見せろと言ってきたんだよ。だから蹴り飛ばした。手紙の中を読もうなんて、美濃の犬としか思えなかったんでな」


 「うん? 平手殿からか? 何故、平手殿から私に文が来るんだ? それに、そこに居るのは吉法師と……おそらくは斉藤の帰蝶であろう。訳が分からん」


 「美濃では斉藤家が土岐の奇襲を受けて、稲葉山城に篭っているらしい。その救援の為の文を俺が持ってきたんだよ。許婚とはいえ関わりがある以上は、救援を出さないと恥になるからさ」


 「ああ、成る程。そういう事か……。それにしても、こちらに文を出すという事は、美濃への救援はこちらでやれと……どうやら北部が動く事になるが、褒美は兄上の方で出してくれるそうだ」


 「そうでしたか、ありがたい事です。南の塩の援助で楽にはなりましたが、まだまだ自立出来るほどの蓄えはありませんからな。それでも獣を駆除したりして、昔よりも糧を得られておるので楽になりましたが」



 北部は山が多いからな。とはいえ、山が多いという事は食べる物も多いと思うんだが……。



 ▽▽▽▽▽


 1143終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨694枚

 金貨596枚

 大銀貨546枚

 銀貨598枚

 大銅貨1331枚

 銅貨469枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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