1141
那古野城を後にした俺達は、温泉地の屋敷に帰って一旦休む事にした。屋敷の部屋で俺は、残っている超魔鉄を使い弓を作っていく。当然ながら作ったのは和弓であり、弦も超魔鉄を細く【変形】し3本を撚り合わせた。
それを作った後、近くの林へ行き木を伐ってくる。【圧縮】と【変形】を使って矢軸を作り、シルバーチキンの羽根を矢羽とした。最後に超魔鉄の鏃を取り付ければ完成だ。矢は10本作ったので、藤に試させる。
「まさか鉄で出来た弓……いや、魔鉄の弓を使う事になろうとはな。それにしても、身体強化と武器強化をすると、これ程の威力が出るのか。もちろん威力がある事は良いのだが、ここまでだと普段使いは出来んな」
俺が【魔術】で作った、厚さ1メートルの土の壁を貫通したからな。あれ、一応【圧縮】してあるんだが、藤でもこれぐらいは出来るようになったか。まあ、距離が10メートルほどしかないから出来たのかもしれない。
俺が今作っているのは、ラオとシェンとカサーラの弓だ。3人とも同じで、いわゆる上下対称の小弓が良いらしい。なので超魔鉄を使い作り上げた後、試射をさせた。その結果、矢が土壁に深く突き刺さっている。
あの小さな弓でも、それなりの威力はあるらしい。そう思っていたら3人が興奮しているので聞くと、弓としては威力が異常に高いとの事。とはいえ、身体強化をする前提の弓なんだから当然だろう。そう言うと、3人とも理解した。
弓はこれで良いらしいので、後は矢を量産するだけか。前回で慣れたのか、矢の量産はそこまで苦労せずに済んだ。1人につき50本、全部で200本を作り終えた時には夕日が出ていた。そろそろ夕食を作らないと。
台所に行き、小麦粉を練って饅頭を作っていく。その間にシルバーボアの唐揚げをメルに頼み、貝と野菜の味噌汁をフォルに頼んだ。2人とも慣れているので手間取ったりはしない。カサーラとメトムには小麦粉を練ってもらっている。
饅頭を成形したら蒸篭を使って蒸していくのだが、4個纏めて使い一気に蒸しあげていく。唐揚げの良い匂いと蒸気で台所は大変だが、残りのメンバーは酒をチビチビ飲みながら待っている。
饅頭の1回目が蒸しあがったので持って行ってもらい、2回目の蒸しに入る。酒飲み連中は、変わらず酒を飲みながら食事をしているようだ。2回目が蒸しあがったので俺達も食事にする。
酒飲みどもが盛り上がっていたのだが、どうやら海戦を如何にして勝つかという事だった。今回はおそらくだが、尾張中央神殿の邪魔を受けたりはしないだろう。アイツ等は資金が無いので、まともな活動も難しくなっているし。
というより、無理矢理に寄付とかさせて争いになり、始末されたりしているそうだからな。そもそも村人だって好きに奪わせたりしない。神官だろうが武士だろうが、自分達から奪う奴等とは戦う。当たり前の事だが。
その所為か、急速に尾張の神殿の力は衰えているらしい。元々尾張は、ツシマとアツタの神社以外は然して強い勢力の神社がないので、織田家は楽に治められるようになったそうだ。藤達はそんな話を信秀さんから聞いたと言っている。
藤達が那古野城に居た理由だが、単に戦に参陣する為の話し合いに行っただけだった。伊勢が不穏だという噂を聞いたらしく、その事を確かめる事と、事実なら参陣する為の話を通しておきたかったみたいだ。
夕食も終わり、順番に風呂に入っていってもらう。俺達は一旦部屋に戻って休んでいるが、北伊勢が攻めて来る時期を予想して遊んでいる。明日とかいう適当な意見も出たが、大体は準備が十分整ってからになるだろうとの予想だった。
具体的には水の季節に入ってからじゃないかという予想なのだが、早植えをして奇襲してきた奴等だしなぁ。今回も奇襲してくる可能性が否定出来ないというのと、ツシマを狙われると色々マズイという事がある。
アツタはともかくツシマはクワナに近い。つまり伊勢に近いという事は隣国が近いという事だ。この時代は隣国が敵国になるなんて事は当たり前で、常に警戒しているのが当然の対応となる。
だからこそ相手が攻めてくる前に情報を得られると思うのだが、本当に奇襲が成功した場合が厄介だ。ツシマが人質にとられるのは間違い無いし、せっかく上手くいっていたのに、ツシマと織田家の間に亀裂が走るかもしれない。
まあ、全ては事が起きてからか……風呂入ってこようっと。それなりに肌寒くなってきたので、風呂が心地良く感じる季節が近付いてきているな。寒すぎてもアレだけど……。
ふう、いい湯だった。ホカホカしたまま部屋に戻ると、皆は既にウトウトしていた。風呂が心地良かったから良い気分なんだろう。ダリアとフヨウも良い気分らしく、布団を敷いてやると直ぐに横になり目を瞑ってしまう。
そのまま眠ってしまったのだが、皆の方も限界らしく、1人1人布団に入れて寝かせていく。久しぶりにゆっくりと眠れそうなので、<浄化の三道具>を使って邪気を浄化したら、おやすみなさい。
<異世界531日目>
おはようございます。今日は何も無い日ですので、ダンジョンに行ってこようと思います。米も大分食べられたし、補充しておかないと危険だ。まずは朝の日課を終わらせて、それから朝食の準備だな。
さっさと朝の日課を終わらせた俺は、台所に行き土鍋で御飯を炊く。今日のおかずは焼き魚と豚汁だ。ちょっと肉が余り気味なので減らしたい。使う肉はデスボーアとクレイジーバッファローだ。これでようやく使い切る事が出来る。
肉から臭味が出ないように念入りに【浄化】した後、少し焼いてから投入する。あまり早くから入れると肉が硬くなるからな。そうやって朝食を作っていると、皆が起きてきた。
「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャア!」 「………」
「朝から魚だとテンション高いね、ダリアは。あれ? 今日のスープは昨日と違って肉が入ってるけど、何かあったのかい?」
「いや、特に何も無いけど? そろそろデスボーアとクレイジーバッファローの肉を終わらせたかっただけだよ。久しぶりに豚汁も悪くないかと思ってさ」
「これは豚汁というんですね。具沢山なスープですか、味噌の香りの所為か重そうな感じはしませんね。どのみち沢山食べても太らないんですが」
「限度はあるから気を付けなければ駄目よ。どれだけ食べても絶対に太らない、なんて事は無いんだから」
「それよりも、そろそろ完成するって事は私達が起きるのは遅かったのかな? 昨夜は無かったから早く起きたと思ったんだけれど……」
「何か昨夜は一気に眠たくなったね。お風呂で温まったからだろうけど、抗えないぐらいにウトウトしてきたのを覚えてるよ」
「そろそろアルドが作り終わるから、せめて配膳を手伝うくらいはしよう」
ディルの一言で、皆が手伝ってくれたので早く終わった。丁度そのタイミングで藤達が台所に来たので、全員で朝食を食べる。今日はダンジョンに行って、米を採ってくる事を皆に伝えておいた。
誰も来ないだろうが、用事がある者が来たら言っておいてほしい。伊勢が攻めてくる事も無いと思うし。藤達は近くの林か森に行き、弓の練習をしてくるそうだ。昨日は屋敷の庭で、近い的に射っただけだしな。
舟の上だと不安定だし、なかなか思うようには命中しないだろう。練習するのはいいが、矢を全部壊さないでくれよ。肝心な海戦の時に使えませんって言われても困るぞ。まあ、矢ぐらい貸してくれそうな気もするが。
自分達で木を伐って作るっていうのは無理か……。色々材料も足りないし、お前さん達じゃ怪しい物しか出来ないな。弓が使えても矢が作れる訳じゃないし。
征夷大将軍様や英雄様が、矢の作り方を知っている訳が無いわな。カサーラは作れるみたいだけど。
▽▽▽▽▽
1141終了時点
大白金貨46枚
白金貨219枚
大金貨694枚
金貨596枚
大銀貨546枚
銀貨598枚
大銅貨1331枚
銅貨469枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




