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 「お尋ねいたしますが、織田家の使者の方でしょうか?」


 「ああ、そうだ。某は織田信光。兄上である、織田尾張守信秀様より使者の任を賜ってきた。尾張守様の文をお持ちした故に、斉藤美濃介利政様にお伝え願いたい」


 「畏まりましてございます。……開門! 開門!」



 誰か分からない子供が「開門!」と叫ぶと、門が開き、中へと案内された。その途中で聞いてみたんだが、この子供の名前は斉藤正義と言うらしい。近衛植家の庶子じゃないか。間違い無く、高貴な血筋だぞ。そりゃ門番も緊張するわ。


 しかし、斉藤正義がいつ利政の養子になったかは知らないんだよな。こんな子供の頃からだったのか、それともヤシマの国だからなのか。まあ、目の前に居るんだから元の世界の事を考えるのは止めよう。


 俺達は案内された所で休んでいると、信光さん達は正装? に着替え始めた。なんだか面倒臭そうだなぁ、と思って見ていると「これに着替えるのは面倒でな……」と愚痴を零された。やっぱり面倒臭いんだな。


 林さんなんかはさっさと着替えを終えて、今は予行練習をしている。文を渡す際の礼儀とかマナーとか1つ1つ確認して、恥を掻かないようにしないと織田家の名が落ちるからな。林さんも大変だ。


 俺達がゆっくりと待っていると、何やら武士がやってきて「正使者と副使者、並びに大陸の男が来るように」。そう言って、さっさと行ってしまった。どういう事だ? ……マムシと呼ばれる男が、こんな事をするのか?。



 「何か変だな? マムシと呼ばれるような男が、こんなつまらん謀をするか? オレなら絶対せんぞ。……となると、回りの連中が勝手な事をしているな」


 「どう致しますか? 本来の礼儀や習わしでは、正副の使者と護衛1人の筈。そこにアルド殿を入れる理由が分かりません。そもそも、大陸の礼儀がヤシマの国の礼儀と同じではありませんし……」


 「そうやって礼儀を知らないヤツを連れてきて、恥を掻かせようって魂胆じゃないの? 俺は行ってもいいよ。ガイアルム王国でも同じ事をされて、王や王太子を脅したし、鬱陶しい貴族の手足を刎ねたりもしたしな」


 「「「「「「「………」」」」」」」


 「その時にも言ったんだが、不老長寿にも面目というものはある。それを傷つけた以上、謝罪が無いなら戦しかない。互いに死ぬまでやり合うだけだ。と言っても、相手の一族を皆殺しにすれば終わるけどね」


 「「「「「「「………」」」」」」」


 「まあ、こんな事を喋っていてもしょうがないし、行こうか」


 「あ、ああ………そうだな」


 「ですな」



 案内の者が部屋の外に居たので、その者に案内してもらう。俺は左腰にヒュドラーの毒ナイフ、棒手裏剣を差す所に山羊角の杭、右腰にキマイラの短剣を持っている。アイテムバッグは部屋に置いてきた。短い得物なら護身用として持っていても良いらしい。


 会談用の広間には左右に武士が整列しており、中央の奥には数段高い場所にオッサンが居る。アレが<美濃のマムシ>か……。人の良さそうな顔の、40歳ぐらいの普通のオッサンにしか見えないな。まあ、顔は関係無いか。



 「織田尾張守信秀様よりの使者、織田信光でございまする。この度は我が主君より、先頃ありました斉藤美濃介利政様よりの文の、返し文を持参いたしましてございます」



 そう言って、信光さんは近寄ってきた側近であろう武士に文を渡した。その武士は、中に妙な物が入っていないか調べた後、マムシさんに渡しに行った。正式な作法なんだろうが、いちいち時間が掛かって面倒臭いな。


 そのマムシさんは手紙を読んだ後、ジッと考え込んでいる。何となくだが、答えはあるのに焦らしている感じがするな。回りにも目を配っているし、どちらかと言うと家臣の事を考えて焦らしているのかね?。


 信光さんは泰然自若としていて意に介していない。林さんはジッとしているだけ。俺は一切の興味が無い。マジでどうでもいいし、欠片も興味が持てないんだよ。何故なら、俺は全く関係無いから。


 この状態で興味を持てと言う方が無茶だ。俺は信長と帰蝶の婚姻フラグが立てば良いなと思っただけで、それ以上は今を生きる人がやるべき事なので介入する気が無い。だから早くしてくれよ、マムシさん。決まってるんだろ?。



 「ふむ。返答は決まっておるのだが、1つ聞きたい事がある。何故、織田家は大陸の者と通じておるのだ? 今の尾張が豊かになったところを見るに、大陸の者の助力があったのであろう。しかし、危険ではないかな?」


 「さて? 某に聞かれても困りまする。尾張を如何様にされるかは尾張守様がお決めになる事でございますれば、その事を文に認めてくだされ。さすれば尾張守様に届きましょう」


 「ふふふふ、確かにそうじゃな。ならば、そこの大陸の男はどうじゃ? そなたはヤシマの国を狙う尖兵ではないのか? 美濃の者からすれば、そういう疑いが拭えぬのだが……如何思う?」


 「知らんがな」


 「………はぁ?」


 「お前ら如きがどう思おうが興味が無い。何より……何でも己の都合良く解釈する阿呆に、いちいち構ってやる義理も無い。一言だけ言うなら、寝言は寝てから言え」


 「「ぷっ………」」



 どうやら信光さんと林さんのツボに入ったらしい。顔を横に向けて笑いを堪えてるよ。マムシさんはジッとこっちを見ているだけだ。別に腹も立てていないんだろう。俺を見極めようとしている。


 だが、左右の奴等は額に青筋を立ててプルプルしているぞ? どうするんだ? マムシさんよ。このままでは会談がおかしな流れになるぞ。圧倒的に有利なのは尾張であり、美濃じゃないからな。


 ついに我慢の限界を越えたんだろう。左右の武士が刀を抜こうと膝立ちになる。



 「おのれ、礼儀も知らぬ蛮族が!! その素っ首、今すぐ落としてくれるわ!!!」



 だが、直ぐにマムシさんが止めた。



 「止めよ!! 勝手な疑いをかけたは此方だ。その分は引いて考えねばならぬ、座れ! ………それにしても、ワシが止めると読んでおったのであろうが、些か危ないと思わぬか?」



 そうマムシが言った瞬間に、威圧系奥義の【幻死】を最低出力で部屋の中に撒き散らす。もちろん信光さんも林さんも喰らっている。まあ、後で謝っとこう。



 「調子に乗るなよクソどもが!! ここで死にたいなら今すぐ殺してやる! どうするかさっさと決めろ!!!」



 俺はそう言って【幻死】を解除した。部屋の中の俺以外、全員が腰を抜かして失禁している。信光さんも林さんもゴメンね。馬鹿は1度潰されないと理解しないからさ。



 「此度の事、某の責でございまする。どうか、お許しを……」


 「俺は不老長寿だ。その俺の面目を潰した以上、謝罪が無ければ戦しかない。謝ったので今回は許してやるが、次は無い。阿呆どもも、その足りない頭でよく覚えておけ」


 「「「「「「「「………」」」」」」」」



 左右の馬鹿どもは、必死になって顔をコクコクとしているので理解したらしい。しかし流石はマムシ、直ぐに動いて謝罪してきたな。漏らしたものの素早く動けたのは評価する。



 「申し訳ないが、一旦仕切り直し……」



 ズドォーーンッ!!!。



 今度は何だよー。何か物凄い音がしたけど、音の方向は俺達が通された部屋の方だぞ。おそらくだけど、ウチの女性陣だろうな。いったい何が原因だ? この場に居た奴等が慌てて走って行ったので、俺も行くか。


 信光さんと林さんに【神聖八重浄化】を使いながら【浄化】し、音がした方へ歩いていく。綺麗になったからか感謝されたが、やったのは俺なので申し訳ないと謝罪した。ただ2人とも、美濃勢を凹ませる為にやった事は分かっていたらしい。


 「御蔭でこれからの交渉は楽になりそうだ」と言われた。すぐに利点を探すのは西部織田家の血筋かな? そんな事を考えながら現場に着くと、庭に2人ほど気絶している奴等が居た。



 「安藤めは何故利尚と共に気を失っておるのだ? そもそも此度の事に安藤は関わりないうえ、ワシは呼んでおらんぞ? どういう事だ」



 美濃の安藤って、安藤守就か? 稲葉山城を竹中半兵衛と一緒に乗っ取った奴だが……何でここに?。



 ▽▽▽▽▽


 1136終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨694枚

 金貨596枚

 大銀貨546枚

 銀貨598枚

 大銅貨1377枚

 銅貨469枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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