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 林弟が牢に連れて行かれたものの、林さんが居る間に刑を執行する事になった。流石に主君への明確な裏切りだ。言わなきゃ逃げ切れたかもしれないが、自分から言ってしまっている以上は絶対に逃げられない。


 俺が言わせた訳なんだけど、【白痴】は自分の知っている事をペラペラ喋るようになるだけなので、嘘を吐かせる事は不可能だ。つまり、林弟が言った事は全て真実である。証拠も無しに云々というのは、戦国時代には通用しない。


 そもそも基本的人権など無い時代や世界に対して、何を言っても無駄だ。だからこそ、こういう時代には勘違いされるような行動や言動は慎む必要がある。そうでなければ無実の罪を押し付けられる可能性は否定出来ない。


 もちろん、あからさまに怪しい場合は調べてもらえたりするが、問題のある権力者だといきなり処刑という事があり得る。恐い時代だと思わなくもないが、科学捜査の手法が無い時代はこんなものだ。現代だって自白の強要とか普通にあったしな。


 ナコヤの外に連れて来られた林弟は、猿轡をされたまま「ウー、ウー」唸っているが誰も聞く気は無いのでそのままだ。素早く磔用の木が組まれるが、高くまで上げる物じゃないな。磔って高さがあるものだと思ってた。


 地面に立たせたまま、十字架みたいな物に手足を括り付けられている。そんな中、槍を持った兵が居るので、彼等が刺して終わりなんだろう。後は死ぬまで放置される。磔刑とはそういう処刑方法らしい。


 まあ、槍を刺されたぐらいでは直ぐに死んだりはしないわな。苦しんだ末に死ぬ事になる。だからこそ腹を切る方がマシと言える訳だ。腹を切るのも辛いが、あれはその後すぐに首を落としてもらえる。


 おっと、考えていたら刑が執行される事になった。その状況になって信秀さんと林さんが俺達の方に歩いて来る。何かあったのかね?。



 「何かがあったという訳ではないのだがな、刑を執行する段になって思い出したのだ。あの愚か者がそなた等も愚弄した以上、そなた等にも聞いておかねばならん」


 「この度は愚弟が申し訳御座いませんでした。もし、自分の手でされるというのであれば、こちらは構いませぬ。どうしますか?」



 俺は女性陣と顔を見合わせたが、女性陣はどうでもいいという感じだ。俺も……待てよ。ヒュドラーの毒ナイフと山羊角の杭を同時に使ったらどうなるんだ? その実験はしていない。せっかくだから、実験させてもらおうかな。


 俺は信秀さんと林さんに実験の許可をもらう為、ヒュドラーの毒ナイフと山羊角の杭の効果を説明する。その効果を知った信秀さんも林さんも顔を引き攣らせていた。特に山羊角の杭が恐いらしい。……そっちか?。


 俺は気を取り直して、ふんどし一丁で磔にされている林弟に近付くと、俺を必死に睨んで喚いてきた。俺は無視して毒ナイフで浅く切った後、山羊角の杭を少し刺す。果たして、その効果は?。


 どちらの効果も確認してから下がると、効果は劇的に現れた。激しすぎる痛みに痙攣しながらも、股間が屹立するという異常な光景が目の前で起きている。それどころか痙攣しながらも呻き続け、3分ほどしたらジワリと褌が濡れてきた。


 その光景に、周りに居る者の殆どはドン引きしている。俺と女性陣に、信秀さんと林さんは冷静に見ているのだが、周りの武士は駄目だな。何かあったら、慌てて役に立たなさそうな感じだ。


 こういう事も上司から見られているんだがな……。ま、俺達には関係無いからどうでもいいけど。俺は十分に実験できたので、【神聖八重浄化】を使いながら【浄化】の権能で毒などの効果を全て消す。


 痛みと性欲から解放された林弟は、俺を見るなり怯えて喚いている。猿轡をされているので何を言っているのか分からないが、ようやく自分が敵に回した者を多少は理解できたらしいな。もう、遅いが。


 俺は実験の終了を2人に言い、皆の下へと戻った。信秀さんは改めて刑の執行を申し渡し、林弟は槍を突き立てられる。これ以上は見る意味も無いので俺達は帰る事にした。結局、相談に乗る筈がグダグダになったな。


 そう思っていると、改めて部屋へと連れて行かれそうになったので、城の庭で料理をしながら聞く事にした。もうすぐ昼だっていうのに、また話し合いをさせられてもね。昼食の後にしてほしい。


 焼き場を作り焼き網を置いて料理をするのだが、野菜が無かったのを忘れていた。朝から呼ばれたから買えてなかったんだ。料理を皆に任せて、俺は慌てて野菜を買いに走る。アツタまで行こう。


 アツタで大銀貨1枚分の野菜を買い、冷凍してからアイテムバッグに収納し全力で走って戻った。まだ料理中だったので、俺は干し肉と野菜と乾燥椎茸のスープを作る。


 メルには御飯を、フォルにはシルバーチキンの唐揚げを頼んでいたんだが、両方とも上手く出来ているようだ。メルは【加熱】の火加減が本当に上手くなったな。火加減の維持は大変だが、それだけ制御力が上がっている証拠だ。


 俺の方は大して時間も掛からずに終わったので、今の内にテーブルとか椅子などを作っておく。縁側のような所で信秀さんと林さんと勝家君が話しているんだが、チラチラこっちを見てくるんだよ。


 台所の料理番から面倒な事を言われるとか嫌だぞ、本当に。そんな事を思いながらも料理が出来たので、盛り付けていく。結局チラチラ面倒な3人の分も配膳し、椅子に座って食べよう。



 「うむ。相変わらず、そなた等の料理は美味いな。米も美味いが肉も美味い。ダンジョンから肉は手に入るようになったが、やはり処理の仕方が下手なのか、そなた等の料理ほどにはならんな」


 「仕方ありませぬ。我等では出来ぬ事をされての肉ですので……。それでも出来得る限り早く血を抜き、冷やしておるのですが」


 「分かっておる。最初の頃に比べれば遥かに良くなったのだ。最初の方は、焼いている最中から妙な臭いがしておったからな。血生臭い事もあったし、アレに比べれば食える物が出てくるようになったのだ。随分良くなった」


 「ダンジョンに入る武士よりも、町や村の者の方が真剣に血抜きや解体をしておりますな。正直に申しあげますと、武士の方は手抜きと申しますか、こんなもので良いだろうと思っておるようで……」


 「何と愚かな者どもだ。そやつ等が文句を言ったり暴れるようであればワシに言え、性根を叩き直してくれるわ。それでも直らねば尾張から叩き出してやろうぞ」



 そんな話をしながらの食事中に近付いてくる者が居た。別に武器を持っている訳でもないのでスルーしたのだが、信秀さんに耳打ちしたら去っていく。何かあったんだろうなぁ、溜息吐いてるよ。



 「土岐の愚か者が動いたらしいわ。美濃の北部におったが少し南下したらしく、美濃の西側に居るようだ。だが、そこからしつこく文を送っておる。今度は六角にな。六角殿も面倒で困り果てておろう」


 「土岐と管領殿ですか……。そんな両者をなんとか宥めねばならぬとは、いったい何の苦行なのでしょうな? 我等でなくて本当に良かったとしか思えませぬ。ずっと田舎者と思うて、こちらに来ねば良いのですが」


 「まったくだな。だが……そうもいくまい。奴等は己に都合が良ければ、今までの事もアッサリ無かった事にする連中ぞ。都の公卿や公家もそうだがな。だからこそ信用などできん。奴等の言う事に耳を貸すは阿呆よ。適当に聞き流しておけばよい」


 「そういう意味でも、あの弟には理解できなんだのでしょう。いったいどれほど苦労をして、西部織田家が今の地位にあると思っておるのか……。周りから攻められた時など、アルド殿達がおらねば我等は滅んでおったかもしれぬというのに」



 自分で戦って得たものじゃないから、あって当たり前なんて思うんだろう。自分で苦労をすれば、どれほど大変だったか覚えているものだけど、あるのが当たり前の連中には思い出が無い。その差だろうな。


 それを抜きにしても、アレが阿呆だったのは間違い無いけどね。



 ▽▽▽▽▽


 1129終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨694枚

 金貨596枚

 大銀貨546枚

 銀貨598枚

 大銅貨1377枚

 銅貨469枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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