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 「殿、ここは思い切って土岐の救援をし、美濃の斉藤を倒してしまえば良いのではありませぬか? その後に土岐も捻れば、美濃は殿のものになりましょう!」



 さて、どうするか? と、この場に居る武士達も頭を悩ませていたのだが、そんな中で自信満々に阿呆な事を言い出したのはガキだ。俺を睨んでいた奴なんだが、何故か今はドヤ顔をしている。こんな事も思いつかないのか? って感じか。


 それは下らない事だから放っておけばいいんだが、周りの武士が呆れている事ぐらいは気付けよ。そもそも、そんなに上手くいく筈がないし、美濃を得て統治するとなれば今以上に忙殺されるんだぞ?。



 「通具、お前は戦も知らんのか? もし土岐を助けて斉藤を倒したとしても、今度は奴が北畠や今川を嗾けてくるわ。土岐は助けても恩など感じず、それが当たり前と思う様な奴ぞ」


 「それどころか、殿は助ける事を1度拒んでおる。まあ、忙しいのが理由だがな。既に断っておるというのに、どうやって助けるというのだ? 少しは頭を使って考えろ」


 「そうだ。そもそも戦となれば建前も整えねばならん。それさえせぬならば四方八方を敵に回すぞ。ただでさえ尾張は豊かになってきておるのだ。周囲の国が獣の如く襲ってくるわ」


 「場合によっては近江の六角まで出てきかねぬ。そんな事になったら、今の斉藤以上に苦しくなってしまうわ。お前の浅知恵程度で上手くいく事などない」



 周りの武士からボロクソに言われているが、正論なので信秀さんも黙ってるな。っていうか、通具って林兄弟の弟じゃないか。つまり秀貞さんの弟なんだが、頭が悪そうな奴だなー。そのうえ言われた事が気に入らないのか、不機嫌な顔を隠そうともしていない。


 そもそも内容が悪いうえに、周りも言っている通り1度信秀さんは拒否している。にも関わらず、急に助けるなんて言っても怪しまれるだけだ。何というか、コイツは相手が感情を持つと理解していない。盤上の駒みたいに考えている。


 歩で金を取るような感じで、土岐と斉藤に勝てると考えているんだろう。戦の準備すら大変で、実際の戦も命掛けだという事を理解しているようには見えない。バラ色の人生を夢想している感じか。



 「ならば斉藤の救援でもしてやって、土岐を倒せば良いでしょう。その後に斉藤も倒せばいいのです! それで美濃は殿のものになる!」


 「何を寝惚けた事を言うておる! 斉藤は尾張を手に入れんと裏で画策し、斯波の御家まで滅んでしもうたのだぞ。何故そのような奴を助けねばならんのだ!」


 「そうだ! 南部の殿は家を終わらせる事を選ばれ、北部の家は斉藤と、それに踊らされた坂井めの所為で当主と嫡男殿が討ち死にだぞ! おのれはそんな事も知らんのか!」


 「今の尾張の紅衆は殿ではありませぬか。北部だ南部だなどと言っても意味などありますまい。それよりも美濃を獲る事を考えて具申するのが、家臣の務めでございましょう?」



 林弟はドヤ顔をして語っているが、内容が夢想の域を出ていない。というか、どっぷり夢想に浸かっている感じだな。林弟って、ここまでお花畑だったのか。そりゃ信長を裏切っても上手くいかないし、信長も林秀貞を助命する筈だ。要らないのはこっちか。



 「ほう、家臣の務めな。ならば通具、そなたは出仕せずともよい。ワシが良いと言うまで謹慎しておれ。尾張の置かれた状況も、新たな領地を得るという事の意味も分かっておらんのだからな。林家の家臣に学んでくるがいい」


 「なっ!? 殿、美濃を獲る好機ではありませぬか!? 何故そんな奴の言う事には耳を傾けられ、某の言う事は切り捨てられるのです! 納得がいきません!!」



 何故か俺を指差して喚くが、他の武士も呆れて言葉が出ないらしい。そもそも俺の意見が聞かれてるのは、信秀さんが俺の意見を求めているからだ。俺は聞かれたから答えているに過ぎない。お前は意見を聞かれてもいないだろうに。



 「勝手に横から口を出しておいて、いったい何を言っておるのだ。大陸の者には殿がお聞きしておるのだ。おのれには聞いておられぬであろうが。勝手に口を挟むという不敬をしておいて、何をホザいておる」


 「大陸から来た蛮族が何だと言うんです! 所詮、大した事のない者でしょう! 女に戦わせて何もしないような愚か」



 ドガァッ!!!。



 あーあー。我慢出来なくなったのか、ダナとシュラが蹴り飛ばしてしまった。まあ、庭に面している部屋で、庭に蹴り飛ばしたからいいんだけどさ。とりあえず、部屋を壊さない配慮はしたみたいで良かったよ。弁償とか言われても困るし。


 今は2人がボコってるんだけど、誰も助けようとしないのが答えだ。アイツが阿呆だという事もあるんだけど、それ以上にあの怒りに巻き込まれたくないのが本音だろう。林弟のボコられ方を見て、助けようなんて思う奴はいない。


 流石に2人も殺す気は無いようだし、それならボコる程度は仕方ない。何より、他の女性陣も剣呑な気配を出してるんだよ。だから余計に何も言えない。誰だって、とばっちりは受けたくないしな。


 林弟がポンコツなのは良かった。これで信長時代も邪魔し辛くなっただろう。失敗を重ねさせて、早めに失脚させておきたいところだ。どのみち林さんが居るんだし、この弟は居なくてもいいだろう。この世から。


 信秀さんから「そろそろ何とかしてくれ」というアイコンタクトが来たので、2人を止めなきゃな。ついでだから【白痴】を使って本音を聞き出すか。2人も適度にボコってるだけで、大きな怪我にはなっていない。



 「あー……2人とも、そろそろ止めようか。色々な人達が見ていられないからさ。2人の怒りは周りの人達も分かったみたいだから、一旦落ち着こうか」


 「アルドがそう言うなら、この辺りで止めておいてやるかね。戦の仕方1つ満足に知らない小僧が、いったい何様のつもりなんだろうね? まったく」


 「所詮、ただのクソガキなんでしょう。何百年もこんなクズを見てきましたが、未だに居なくならないという事は、虫の如く湧いてくるのでしょうね」



 2人は部屋に戻ってきたが、ボコボコにされていた林弟はやっと体を起こしたところだ。顔の皮膚が裂けて血が滲んでいるが、あれだけボコボコにしたのに、その程度の傷で済んでいるという事は……。


 周りの武士も気付いたらしい、2人が相当手加減をしたという事を。そんな中、空気を読まない阿呆は【白痴】で面白い事を喋ってくれた。



 「大陸の蛮族どもめ! オレに力を貸してくれている細川様から、お前等を殺すコウカ者を借り受けてやるからな。細川様の力である三雲に殺されてしまえ!!」


 「へぇ、お前は織田家の家臣じゃなく、管領の家臣だった訳か……。世の中ではな、それを裏切り者って言うんだよ。もしかして、織田家を土岐か斉藤に嗾けろとでも命じられたか?」


 「な! 何故それを!? 細川様からの文は焼いて捨てた筈だぞ! 何故お前如きが知っている!?」



 周りの武士は最初ポカーンとしていたが、その後は怒りの表情になり、今は可哀想な者を見る目になっている。少しカマを掛けただけでアッサリ暴露する頭の悪さに、哀れにしかならないんだろう。しかし、管領の細川か……。


 歴史でも色々な評価のある人物だし、創作物だと大体悪役の人物だな。実際、細川高国との関わりで足利義晴と対立したり裏切っている以上は悪役になっても仕方ないし、一向一揆で三好元長を殺したのはコイツだ。そりゃ、恨まれるわな。


 本願寺一揆を散々利用していたが反旗を翻されたので、今度は法華一揆を利用して本願寺の勢力を潰した。何かを利用して何かを潰す。それを延々とやり続けていたのが、当時の足利将軍家と管領の細川家だ。


 まあ、そんな事ばっかりしているから、晩年に三好に幽閉され、死ぬまで監視され続ける事になるんだよ。細川晴元の人生は暗闘と裏切りの人生なんだよな。そもそも父親の細川澄元が、親子兄弟で骨肉の争いをしているし。


 兄が父親を暗殺し、澄元が兄を暗殺している。堕ちるところまで堕ちたとしか思えない一族だ。その後は復活する事も無かったんだよ、細川京兆家は。


 ……あれ? そういえば細川晴元って管領に就任してたっけ? してなかったような……。まあ、いいや。ヤシマの国では管領だし。



 ▽▽▽▽▽


 1127終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨694枚

 金貨596枚

 大銀貨547枚

 銀貨598枚

 大銅貨1377枚

 銅貨469枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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