1120
「何か今日の朝はあっさり系だね。美味しいから良いんだけど、肉が無いのは淋しいかな? まあ、朝はこれくらいでもいいか」
「そうですね。朝からガッツリ系でもいいですけど、こういうあっさり系だと楽です。お腹が元気になってからでもいいのでは?」
「そうね、朝から重いと疲れてしまうもの。今日は戦だから分からなくもないけれど、私達は私達のペースでいきましょう」
「ああ。わざわざ浮き足立つ理由も無いしな。戦も経験しているし、特にどうこうと言う事もあるまい。私達はどちらかと言えば、浮き足立つ者を抑える方の立場だろうからな」
「とはいえ、僕達の戦でもないしね。淡々と依頼を熟すぐらいかな? そもそも本気の誰かさんが居れば、それだけで戦は終わるしね。高位魔法が見れるかもしれないけど、結果は死屍累々の光景しか想像できないし」
「何でしょう? 私も同じような光景しか想像出来ません。この世の終わりみたいな光景の中、御主人様が面倒臭そうにしている。そんな気がします」
「何だかボロクソに言われてるね。あたしも同じ様なのしか想像出来ないけどさ。話は変わるんだけど、昨夜はどうだったんだい? 東三河とかいう所に行ったんだろ?」
「ああ。行って迷惑料を貰ってきたんだが、西部さんは戦の準備で忙しいだろうから、広忠と半蔵は数えるのを手伝ってくれ。俺達、西部さん、広忠の3等分にするからさ」
「はあ、分かりました。数えなきゃいけないってどれくらいか想像もつきませんけど、お金を数えるくらい然して難しくもありませんし。なぁ、半蔵」
「モゴッ!? …………ハッ! 左様でございますが、わざわざお頼みになるという事は、量が些か多いのではと考えます」
半蔵さんよ、御飯粒が頬に吐いているが、俺は絶対に指摘しないからな。それはともかくとして、金を奪ってきたという話に虎達と晴信達が渋い顔をしている。自分達がやられたら堪ったもんじゃないと思っているんだろう。
「そういえば、東三河の神社どもは主導権争いをしていたぞ? こちらに勝つ前提で今後の西三河を巡る主導権争いを画策していたんだが、中央の神社と東寄りの神社で揉めていたな」
「こちらに勝つのは当たり前か……。随分舐められておるのう。東三河など、碌に戦をした事も無く小競り合いばかりだと聞いておるが、まさか小競り合いと戦が同じだと思うておるのじゃろうか?」
「だとしたら呆れるほど愚かだな。家の存亡がかかる戦と、ただの小競り合いを同じに思うとは……。所詮、小競り合いを繰り返す田分けどもか。やはり叩き潰さねばならんな」
「藤殿は随分やる気ですな。私としても戦に参陣したいところですが、隠していても立場がありますからなぁ。残念ですが、姉上に報告されそうなので……」
「「「当然です!」」」
「私の方も無理ですね。せっかくなら、甲斐や信濃とは違う所で暴れたかったのですが……」
「「当たり前です!」」
「ふぅ。たまには1人の兵として、気ままに槍を突き、刀を振るいたいものですね」
「まことに。いつもの指揮する立場も悪くはありませぬが、1人の武士として戦いたいものです」
虎と晴信は残念そうに呟いているが、虎は当主だから仕方ないとして、晴信は何でだ? 次期当主は弟なんだろう? 馬に乗って切り込んで行けば良いじゃないか。<武田の騎馬隊>なんて感じでさ。
「ほう! 少人数で馬を駆り、突撃する事で敵をかき乱すのですね。うんうん! 悪くない! それなら私も自らの手で功をあげる事が出来そうです」
「良い訳ないでしょう! 何を考えておられるのですか! そもそも信繁様が次期当主とはいえ、戦の事は全て姫様に任せると殿は仰られておるのですぞ! 御自愛下され」
「そうですぞ! 某の目の黒いうちは命を持って止めさせていただきます! だいたい姫様は指揮する立場であり、大将がみだりに前に出るなどと言……」
「ここで説教は止めてくれぬか? 朝食がマズくなる。それはともかく、武田の姫が軍事を行うというのはどういう事だ。それでは頭が2つあるのと変わらぬぞ。その愚を武田は犯すというのか?」
「愚ではございませぬ! 姫様の戦の才は突出しており、甲斐に並ぶ者無しと言われるほど。されど姫様は内向きの政が得意ではなく、そちらは信繁様が得意とされておるのです」
「ああ……そうなると厳しいな。本当なら頭が2つになるような事は避けるべきだが、自身の子供が優秀過ぎたのか。これは、大変だ。婚姻で外に出しても、必ずや担ぎ出そうとする者が出るぞ」
「そうなのです。それに姫様の戦の才が甲斐に降りかかる事を、皆が心の底から恐れておりますので……」
「外にも出せぬ、内に置いていては担ぎ出す者が出る。如何にもならんな、コレは。とはいえ、ここまでだと普通はどちらかが暗殺されたりするものだが……」
「信繁様の政の才も、姫様の戦の才も、甲斐が大きくなるには必要だと皆が理解しております。なので、そういった事にはなっておりません。なっておりませんが……」
何だか甲斐って大変なんだなぁ、と他人事のように聞きながら回収した金を数える。広忠がジト目で見てくるが気にしない。だって他人事だもの。……そう言うと溜息を吐かれた。解せぬ!。
回収した金を数え終わったが、神社も腐っていたようだ。まあ、分かっていた事ではある。大白金貨4枚、白金貨31枚、大金貨288枚、金貨417枚、大銀貨337枚、銀貨411枚、大銅貨588枚、銅貨273枚。
3つに分けて、端数は俺の取り分でいいらしい。よって俺の取り分は、大白金貨2枚、白金貨11枚、大金貨96枚、金貨139枚、大銀貨113枚、銀貨137枚、大銅貨196枚、銅貨91枚だ。
大白金貨と白金貨がある事に虎達と晴信達が唖然としているが、俺達としたら慣れたものである。奴等が腐っているのは何処の国でも変わらない。
どんな人種、どんな民族、どんな国であろうと宗教は腐るんだ。間違いない。
「そういえば、今回の戦を裏で煽っていたのは吉良家の縁者で間違いなかったぞ。東三河の神社の纏め役をしている、中央東の神社に居たからな。相変わらず、吉良家を滅ぼした松平が許せんらしい」
「それは……」
「そもそも松平の先代もやり過ぎたが、吉良も暗殺など謀らねばこうはなっておらぬ。自業自得としか言えぬわ、気にする必要など無い。己は害されぬと高を括っておったのであろう。阿呆の末路とは左様なものよ」
「「「「「「………」」」」」」
「ま、当たり前の事だねぇ。自分は安泰なんて考えるバカから死んでいくのさ。そんなのは当たり前の事だよ。アタシ達が何百年も見てきた事さ」
「ですね。だからこそ、そういうバカを見る度に何も分かってないなと思うのですから。私達とすれば当たり前の事なんですけど、バカはやらかすまで理解しないんですよね」
「あの者どもは頭の悪い者の見本だからね。アレを見て、自分はああならないようにしようと思う事が大事なのさ。アレを見て真似るバカも居なくならないけど、それも含めての世の中さ。650年も生きると飽きるんだよ、ああいうナマモノを見るの」
「「「「「「「650年……」」」」」」」
「虎達と晴信達は知らなかったか、俺達は全員不老長寿だ。だからこそ長く生きている者も中には居るさ。そういう者からすれば、頭が悪いなと思う事がいっぱいあるんだよ」
「「「「「「「………」」」」」」」
不老長寿と普通の人が相容れない理由の1つがコレだ。間違っていると分かっている不老長寿と、やってみなければ分からないとする寿命のある人達。その齟齬はどうにもならないし、埋めるのは失敗するまで無理だ。
その1度の失敗で死ぬ事もあるし、堕落する事もある。不老長寿にとっては、やるせない事も多いんだ。俺もダナやシュラやアルメアから話を聞いているから、色々な事を知ってるんだよ。
▽▽▽▽▽
1120終了時点
大白金貨46枚
白金貨219枚
大金貨694枚
金貨596枚
大銀貨547枚
銀貨598枚
大銅貨1377枚
銅貨469枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の浄化盾
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




