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0111




 食堂を出て宿に戻ろうと歩いていると、妙な奴等が道を塞いできた。男6人に女が4人の計10人だ。街中でフル装備……ねぇ。どう考えても怪し過ぎるだろう。少しは考えろよ。



 「ちょっといいかな? 君達に話があると言う人が居るんだが……」


 「なら、そいつに”お前が来い”と言っておけ」


 「君は誰に言ってるのか分かっているのか?」


 「知らんな。興味も無ければ、どうでもいい。もしかして、お前等傭兵なのに貴族に尻尾振ってるのか?」


 「い、いや。そんな事は無い」


 「なら知らんな。とっとと失せろ。………シッシッ……あっち行け」


 「「「「「………」」」」」



 かなーり怒ってるな。これで面白い事になりそうだ。ギルマスのオッサンが出てくるか、貴族のオッサンが出てくるか。どっちが出てきても風通しは良くなる。


 とはいえ、本来は俺がやる事じゃないんだよな。もっと頑張れよ王様、これじゃあ名君は遠いぜ……俺にやらせてるんだから、優秀なのか? もしかしてハメられてる?。


 深読みし過ぎな気はするが、ハメられてる可能性が捨てきれない。こういう疑心暗鬼になるから政治に関わりたくないんだよ。


 部屋に戻ってきたが、さっきの奴等は外で監視してるだけで踏み込んでは来ないな。3人に外に出る事を伝えた後、悪用厳禁の技を使い宿を出て監視者10人の背後に回る。



 「どうするの? アイツ等を連れて来いって言われてるけど……」


 「どうするって……どうする? ギルドマスターが言うには、貴族が関わってるって言うし」


 「貴族に睨まれたら、傭兵をやっていけなくなっちまうぜ?」



 成る程な、ギルマスのオッサンか。ただ、何となくだが……内務卿のオッサンも絡んでる気がするな。少し貴族街の方に行ってみるか。門なんて俺にとったら意味が無いしな。


 ………ん? この屋敷からギルマスのオッサンの気配がするぞ。とりあえず近付いて反応を………2階の左奥か……しかも一緒に居る気配は、王太子の横に居たオッサンじゃないか。


 こっちが繋がるのか……まぁ、やる事は変わらないがな。2階の左奥に……? これ受付嬢の気配か? んー、ギルマスのオッサンは監視されてたのかもしれないな。



 「王太子殿下の前で恥を掻かされたんだぞ!? さっさと首を落としてこい!」


 「あの男は相当の実力者です。<死神の手>も壊滅させられた以上は、碌な暗殺者が居ません」


 「あの男は危険よパパ。さっさと始末しないと、私達が殺されかねない」


 「あのような下民が、一体何が出来ると言うのだ!? あんなゴォブッ!」



 俺はバレないように、音を立てずに部屋に侵入し様子を窺っていたが、面倒なんでさっさと始末する事にした。誰であろうと敵である以上は容赦などしない。


 右手のナイフで喉を突き刺し、左手の苦無で心臓を突き刺したので、既に致命傷を与えた。残るは2人。俺は即座に反転し女も同じ末路にしてやった。



 「よう、ギルマス。お前も死にたい様だな」


 「お、お前………」


 「ゴビュ………ガ……」


 「グ……ゲブッ………」


 「まだ息があるのか。まぁ、苦しむだけ苦しんでから死ね。死体は【粉砕】して穴に埋めてやる。伯爵家のクズと同じようにな」


 「お前、こんな事をして無事で済むと思っているのか?」


 「これから死んでいく奴が考える必要は無い」



 俺は身体強化と武器強化をして、一気に近付き苦無で心臓を突き刺した。こいつが魔鉄のチェインメイルを着込んでいるのは、【空間把握】で分かってたんだよな。



 「ガッ!? バ、バカな……」


 「バカはお前だ。魔鉄のチェインメイルを着込んでいたのは良かったが、俺が持っているのはオリハルコンの苦無だぞ?」


 「オ、オリハコォブゥ……」


 「お前も、こいつ等のように死んでいけ。証拠は全て消して無かった事にしておくんでな。<死神の手>のように」


 「!?……オ、オマ……エガ………」



 死んだ様だな。全ての死体を回収して浄化するか。浄化は直ぐに終わるんだが、ちょいと家捜しをしておこう。なんというか、”調べておけ”と俺の勘が訴えてくるんだよ。


 【空間把握】を使えば、引き出しの裏の怪しいぶ!? またか! また帝国か! お前、もう出てくんなよ。今度は……随分と迂遠な方法を使うんだな?。


 もっと直接的にやるんじゃないのか。しっかし、王国に貴族主義を撒き散らしていたのが帝国とはねぇ……。


 他の文書も頂いてからズラかるか。執務室のような部屋から文書を回収して脱出する。


 ギルマスの家が分からないので、明日ライブルにでも渡せば……って今から行けばいいだけか。王城の隣にある近衛の宿舎に行き、ライブルの気配を……あった。1番奥か。


 おっと、部屋から出てきた。トイレか? 今の内に侵入して部屋の中に置いて帰ろう。あの文書を見たら多分俺だと気付くんだろうなぁ。証拠は……そうだ! 死体捨てておかないと。


 スラムにある<死神の手>の拠点があった場所の入り口に、穴を掘って装備を回収したら死体を穴に捨て、【破砕】した後【粉砕】する。穴を埋めて浄化すれば証拠隠滅完了だ。


 待っているだろうから急いで帰ろう。宿の近くまで帰ると、まだ10人は監視を続けていたらしい。教えてやる訳にもいかないので放っておくか。



 「ただいまー。やっと帰ってこれたよ」


 「「「お帰り!」」」 「ニャー!」 「グルゥッ!」


 「随分遅かったけど、大丈夫かい?」


 「問題ないよ。王太子の横に居た貴族と、その娘であるギルドの受付嬢。それとギルマスを殺して捨ててきた」


 「ギルドマスターとあの貴族が繋がっていたんですか?」


 「ああ。その関係の文書は回収して、ライブルの部屋に捨ててきた」


 「捨てて……?」


 「そう、俺は捨てただけ。その文書をライブルが拾おうがどうしようが、好きにすればいいって事」


 「要するにアルドは関わらないって事だね」


 「関わると面倒だ。そもそも、王国に貴族主義を浸透させてたのは帝国だったんだよ」


 「「「帝国!?」」」


 「だから面倒な事にしかならないんだ。どうも醜聞を増やしたり、貴族と平民の間に軋轢を生んだり、ギルドと傭兵の間にも軋轢を生み出す気だったらしい」


 「碌でもない事を考えるね。シュラ、これは総本部に報告した方が良いんじゃないかい?」


 「そうですね。流石に総長は激怒するでしょうし、何らかの対抗措置を取るでしょうね」


 「そういえば、傭兵ギルドの本部ってドコにあるんだ?」


 「傭兵国家ヴェスティオンにありますよ」


 「傭兵国家があるのか……」


 「国土は小さいですけれど、ダンジョンが3つある国です」


 「聖王国の西にある国で、王国からは北西にあるよ」



 話をしている間、浄化したり撫でたりしていたからか2匹とも眠ってしまった。もう夜も遅かったので、【房中術】【喜昇】【楽豊】で撃沈させた。纏めて浄化して俺も寝よう。おやすみなさい。



 <異世界60日目>



 おはようございます。昨日の文書の影響がどこまで出るか分かりません。ライブルが聞きにくる可能性があるんだよな。ただし、答えてやる義理は無いんだけどね。


 そもそも国の事なんだから傭兵に期待する方が問題だ。国の事は国の人間が解決するべきだろう。浄化しながら考え事をしていたら2匹が起きてきた。



 「おはよう。ダリア、カエデ」


 「ナー」 「ルゥ」



 俺の服に顔を押し付けながら返事をするのは止めなさい。何が琴線に触れたのか分からないが、2匹はやたら俺の服に顔を押し付けて遊んでいる。


 フガフガ言いながら楽しんでる様だが、汚れるたびに浄化しなきゃいけないだろう? だから、そろそろ止め……3人が起きたみたいだな。



 「「「チュッ! おはよう。アルド、ダリア、カエデ」」」


 「おはよう、3人とも」 「ナ!」 「ル!」



 2匹とも、そろそろ離れてくれ。



 ▽▽▽▽▽


 0111終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨10枚

 金貨50枚

 大銀貨32枚

 銀貨14枚

 大銅貨74枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 オリハルコンの苦無

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 二角の革の帽子

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の骨の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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