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1116




 <異世界524日目>



 おはようございます。今日はオオミナトで米を買えるだけ買って、岡崎城に届けます。どれだけ買えるかは俺達のアイテムバッグに懸かっているんだが、俺達でさえどれだけ入るか知らないんだよな。そこがちょっと怖い。


 入り口を壊して外に出て、焼き場を作って料理でもしよう。全粒粉に米粉と塩と神水を混ぜて練っていく。生地が出来たら【熟成】を使った後で休ませる。スノーベアとホワイトオークのミンチを作り、練ってハンバーグのタネを作った。


 寸胴鍋に神水を入れ、乾燥椎茸を入れて旨味を【抽出】したら【粉砕】する。後は野菜を入れて煮込み、火が通ったら味噌を溶いて出来上がり。饅頭を蒸していき、ハンバーグを焼いていこう。



 「「チュッ! おはよう、アルド」」


 「おはよう。フォル、エリア」


 「今日は手伝える事は無さそうだね。……それにしても、この3人で居るなんて初めてじゃない? 僕がチームに入った時には不老長寿の方々が居たからね。何か新鮮」


 「あたしなんて最後だから少ない頃を知らないしね。とはいえ、何だか新鮮なのは分かるよ。そういえば今思ったんだけど、あたし不老長寿になっているとはいえ奴隷の筈だよね? 何と言うか、自由過ぎない?」


 「えっ!? じゃあエリアは今さら奴隷みたいに振舞えるの?」


 「………無理だね」



 朝から下らない話をしているが、饅頭が蒸しあがったのでそれぞれの皿に乗せていく。ハンバーグも焼けたので全員の皿に乗せ、ソースを作り掛けたら完成だ。さっそく食べよう。スノーベアもホワイトオークの肉もコレで終わりだ。



 「うんうん、肉々しくて脂が美味しい。これで最後だって聞いて残念だけど、堪らないね。スノーベアって寒い所の熊だからか、体の中に脂を溜め込んでるみたいだし、ホワイトオークはオークだから脂が多い。でも、クドくないね」


 「そうだね。脂ばかりで嫌になるって感じの味じゃないし、焼いてる間に結構流れ出てるのかな? それともソースになってるから、そこまで感じないのかも」


 「まあ、香辛料を入れたり、魔豊蜂のハチミツを入れたりしてるからな。それに酒も入れてるし。色々な物の御蔭でクドくなってないんだろう」



 今日はプレーンな饅頭だが、ハンバーグの味が濃いので丁度いい。スノーベアの毛皮が余ってるんだよな、丁度2つ。欲しければあげてもいいんだが、どうしたもんか……。絶対に欲しがるよなー、あの2人なら。今の内に作っとくか。


 もともと中身は出してあるので、【念動】を使いながら【乾燥】や【浄化】を使い仕上げていく。いつものきぐるみだが、これで十分温かい。3つ作ったので、1つはエリアに渡しておく。


 さて、そろそろ焼き場を壊して後片付けし、オオミナトに入る準備をしよう。


 全て片付けた後、俺達は旅人を装ってオオミナトへと入る。中に入ってすぐ、このオオミナトで1番の大店を銅貨を渡しながら聞いていく。30枚も使う羽目になったが、間違いのない1番の大店を見つけた。


 その店に行き、開口1番米を大量に買いたい事を伝える。大店の商人は俺達を胡散臭げに見てきたが、俺が白金貨を見せると途端に商人の顔に変わった。俺達がアイテムバッグこと<大量鞄>を見せると怪しい目をしたが、今はスルーしておく。


 結局、俺達のアイテムバッグに詰められるだけ米を詰めると、端数を切り捨ててもらっても全部で大金貨16枚となった。どんだけ入るんだよ、このアイテムバッグは。入り過ぎだろ!? そんなツッコミをしたいが、人前なので止めておく。


 3人分のアイテムバッグとはいえエゲツない。他の大店や米屋にも手伝って貰って何とか掻き集めてもらったが、商人全員がホクホク顔だったのが印象的だ。ここまで1度に買う奴なんて居ないんだろうな。


 俺達はオオミナトの外に出たが、後ろから尾いてくる奴がいっぱい居る。折角なので撒く事はせず、ワザとついて来させた。ある程度オオミナトから離れて誰も居ない場所に来ると直ぐに襲ってきたが、纏めて叩きのめしていく。


 俺はヒュドラーの毒ナイフを使って毒状態にして放っておき、どんどん行動不能にしていった。全部で17人いたが、それぞれに手枷と足枷をして尋問の開始だ。【白痴】を使いさっさと吐かせると、全員が裏の無いバカだったのでさっさと殺す。


 ただし4人の男は武士の家の者だったので、山羊角の杭を刺してから【忘却】を全力で使い放置しておいた。強力に使ったので、今までの全てを忘却しただろう。名前を覚えていないどころか、赤ん坊状態まで戻っている筈だ。


 穴の中の死体は2人が【浄炎】で燃やしていてくれたので、【浄化】した後で【粉砕】して埋める。


 アイテムバッグから木馬を取り出して跨り、一気に三河まで戻ろう。オオミナトから北東に行き、知多半島が見えたら内海へと入っていく。矢作川らしき川が見えてきたので、そのまま遡ると俺が架けた橋が見えてきた。


 ここからは知っているので、そのままオカザキ城まで一気に駆け抜けて、城門の前で木馬を降りて収納する。2人はフラフラしているし門番は固まっているが、気にしてはいけない。中に入れてくれと頼むと、すぐに入れてくれた。


 城に近付くと高速で接近する2つの存在が【探知】に引っ掛かる。特に慌てもせずに受け止めてやり、叩いてくるのをあやしていく。



 「ただいま。ダリア、フヨウ。帰ってきたんだから、叩かない! 絞めない!」



 ダリアはともかく、フヨウは首をキュッと絞めてくるんだが? もちろん死ぬような力じゃないが、何がしかの意思表示なんだろう。とはいえ、昨日は米を買いに行くって言ってたろうに。


 城の中に入って行くと何故か大久保が居て案内されたので、西部さん達が居る部屋へと通された。中に居た皆に、まずは米を下ろしたい事を説明し、俺達3人は米倉に案内してもらう。……暇だからか、皆ついてくるんだけど。


 それはともかく、米倉の外でどんどんと米俵を出していき、武士や下人達がどんどんと倉へ納めていく。いつまで経っても米俵を出し続ける俺達に、だんだん周りの顔が引き攣ってきた。



 「ちょっと待て! お主等はいったいどれほど米を買うてきたんじゃ!? 幾らなんでも多過ぎる。どれぐらい銭を使うた?」


 「全部で大金貨16枚、金貨で言うと80枚ですかね? 思っているよりも大金貨が減らなかったんですよ。それでもアイテムバッグにこれだけ入るって、初めて知れて良かったです」


 「幾らなんでも……多過ぎじゃあーーーーーっ!!!」


 「えーーっ………。アイテムバッグにこれ以上入らなかったんで、この程度で止めましたけど、本当はもっと買ってもよかったんですよ?」


 「要らんわ! この量じゃと2回は確実に戦が出来てしまうじゃろうが! どうせ1回攻めてきたら当分向こうは攻めて来んのだ。余った米をどうする気じゃ!!」


 「新米らしいんで、倉に仕舞っておけばいいのでは? 必要なら倉ぐらい作りますけど?」


 「そうじゃった……。あっさりと堀も壁も橋も作るような奴だったのを、今まですっかり忘れておった」



 どうも倉に入りきらないので、倉の横に新しい倉を建ててやった。城の外から土を【念動】で運び、【魔術】を使って倉を建てる。内と外に石を被覆して完成だ。当然、上の方に格子の窓も付けてある。


 古い時代の倉として時代劇なんかでよく見る倉なんだが、横の倉と違うような……。まあ、気にしたら負けだ。



 「これが……倉か? 何か見た事が無いのだが、何故こんなに高いのだろうな。それに、これは随分硬い壁だし、ここまでの物が必要なのか?」


 「もしかして……とは思ったが、やっぱりこういう倉は珍しいのか。作った後に、これで良かったのか悩んだが、でも壊れやすい倉にするのもなぁ」


 「ここまでの倉を作ってもらうと、こちらとしては謝礼に困るのですが……」


 「別に要らない、と言ったら広忠が困るか。……なら大久保と本多は前に出てもらおう。俺が大久保と本多の配置を決めるという謝礼でいいよ」


 「それは謝礼にならないような……」


 「なるさ。活躍出来なきゃ”運悪く”、敵の矢や石に当たって死ぬかもしれないしな?」


 「「「「………」」」」



 西部さん、広忠、半蔵、そして藤の顔が引き攣っている。意味を正しく理解出来ていて何よりだ。



 ▽▽▽▽▽


 1116終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨582枚

 金貨457枚

 大銀貨431枚

 銀貨461枚

 大銅貨1181枚

 銅貨378枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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