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1116/1948

1115




 「さて、東三河が攻めてくるなら戦わねばならん。ならんのだが……広忠よ、どうする?」


 「………忠俊、忠高、すぐに兵糧の準備と兵に持たせる武具の確認。ならびに、城にある銭の量を確認せよ。また、それによって用意出来る最大の兵数を報告!」


 「「ハッ!!」」



 大久保と本多が慌しく動く。奴等もこの戦で功を上げないとバカげた失態を帳消しに出来ないからな、必死で働くだろう。それにしても中央神殿に居た吉良家の縁者ねえ……確かにそんな奴は居たけどさぁ。


 あの時に殺しておけば良かったか? いや、愚問だな。あの時は殺さずに金を全て奪うという罰に決めたんだ。何を言っても今さらでしかない。それよりも東三河の連中をどうするかだ。そっちを考えないと。


 とはいえ戦を仕掛けてくる訳だし、戦って勝つしかないんだがな。その後、東三河の大きな神社から金でも奪ってくるか。金を失えば次に蜂起すると言っても10年は掛かるだろう。


 それまで保つかどうかも分からないし、おそらく傾く。だからこそ、吉良家の縁者も中央神殿から逃げたんだろう。逆に言えばだが、金銭を奪ってしまえば馬鹿な蜂起は出来ないとなる。


 戦国期の大名が神社や寺を攻める筈だ。大量に溜め込んでる金銭を奪うと同時に、下らない蜂起や一揆を起こさせない為に攻めたんだろう。この国に居ると気持ちは分かる。延々とこんなのに悩まされたら、そりゃ攻めるわ。


 むしろ、そこまで大名なり国人を追い詰めた神社や寺が悪い。勿論どっちも碌な奴等じゃないんだが、追い詰めれば暴発するなんて分かりきった事だ。なら、そこまでやった奴等が悪いに決まってる。


 そんな事をつらつら考えるぐらいに俺達は暇だ。動かなければいけないのは西部さんや広忠であり、俺達は関係無い。それに今は夜だ。出来る事は少なく、だから広忠も確認に行かせたんだ。それぐらいしか出来ないから。


 そして、それに対して西部さんは何も言っていない。及第点ってところなんだろう。



 「今は夜じゃからの。出来る事は多くないし、いたずらに騒ぐ方が問題じゃ。こういうのは敵側に悟られてもいかんからの、動けないなら大人しくしておればよい。強いて言うなら、ゆっくり動けと言うくらいか」


 「成る程。ドタドタと走り回れば敵の間者に気付かれてしまうからな。そうなれば、攻めてくる事に気付かれた相手は動きを変えてしまうであろう。次が読めなくなる」


 「ただ、難しいものではあるのですよ。戦だというだけで逸り、大きな声で喚く愚か者もおりますし、すぐに馬で駆けていき報せに行く者も居るのです」


 「そういう者も居ますね。アレも時と場合にもよるので困ったものなのです。味方を鼓舞する場合には騒ぐ方が良いのですが、相手の裏をかく場合には失敗の元となる」



 西部さんと藤とラオにシェンが話をしている横で食事の後片付けをしていると、大久保が戻ってきたようだ。城にある銭を西部さんと広忠に報告している後ろから、今度は本多が戻ってきた。城にある兵糧を報告しているが、困った事に備えが少ない。


 この時代は備蓄なんて然程していないから仕方ないけども、兵糧の少なさはどうするんだろう? 腹が減っては戦はできぬ。その言葉にもあるように、戦において食べ物は何よりも大事なんだが……。


 三河って有名な商業の町とかが無いんだよ。もちろん地元的にはあるんだろうけど、ある程度有名なツシマとかアツタとかクワナとかオオミナトとか、そう言った有名な所が無いんで、どこに発注すれば大量の兵糧が手に入るか分からない。


 どうするのかと思っていたら、西部さんが俺の方を見てきた。……やっぱり、それしかないかー。



 「すまんがアルド、明日の朝一で大量の米を買ってきてくれんか? 出来ればクワナかオオミナトで買ってきてくれると助かる。尾張の米は減らしたくないでの」


 「まあ、それは構いません。ですが、後で依頼料を含めてお金は返してくださいよ。それと、俺達3人で買いに行って来ますが、そこまで大量には持って帰ってこれないかもしれません。それでも良ければ請けますよ」


 「アタシ達もアイテムバッグ……ヤシマの国で言う<大量鞄>にどれだけ入るかは知らないからね。アルドが言うには、中型と大型に関しては入る量がバラバラなんだってさ」


 「それぞれのアイテムバッグに応じて入る量は決まっており、当たり外れがあるそうです。私達は全員大型ですから、中型よりは入る筈ですけど」


 「そういえば、何故3人だけなの? 皆で行けばもっと大量に持って帰ってこれるわよね? 何か理由があるんだろうけど……」


 「そんなに大きな理由は無いよ。そもそもここはオカザキなんだ。ここからクワナに行く場合でも尾張のツシマから舟に乗らなきゃいけないし、オオミナトは伊勢の国の南にある。舟に乗っても遠いんだよ」


 「結局、全員で行っても何も違いがないと思うんだけど、何故わざわざ3人なんて……あれ? 3人ってもしかして」



 アルメアが近付いてきて俺に耳打ちをする。あの神木で作られた馬を使うのかと聞かれたので、声を出さず頷いておく。アレを使えば物凄い速さで移動出来るし、【水歩】を使えば水の上を走れる。



 「ついてくる2人なんだけど……」



 そう言った瞬間、ウチの女性陣の間で激しい視線の火花が散る。そこまでか? と言いたいし、周りの連中は全員我関せずと無視を決め込んでいる。埒が明かないので<じゃんけん>をさせ、最後まで残った2人はフォルとエリアだった。


 ガッツポーズまでしているが、そこまで喜ぶ事ではないと思うんだがな。焼き場も壊し、後片付けも終わったので城の中の俺達が寝る部屋まで案内してもらう。その部屋に布団を敷くと酒を飲み始めたので、フォルとエリアには飲まないように言っておく。


 2人は文句を言っていたが、移動するんだから諦めなさい。ディルはいつも通り飲まないが、それ以外は飲みながら雑談を続け、早々にダリアとフヨウが撃沈した。その後、襲ってきた皆を返り討ちにして布団に寝かせていく。


 部屋と体を綺麗に【浄化】したら、お預けしているフォルとエリアと共に岡崎城を出た。隠密の4つの技と【念動】を併用すれば脱出する事は容易い。外に出て少し離れた俺達は、神木の馬を取り出して跨る。


 魔力を流すと起動し、自分の思い描く方向へと思い通りに走ってくれる。真夜中なので【探知】と【空間把握】を併用しないと事故の元だなと思いながら、時速100キロを超える速さで木製の馬は走る。


 一気にカニガワの港まで戻ってきたので、このまま海へと突撃していく。驚いた事に【水歩】を使わずとも水面を走れているぞ、コイツ。


 あまりにメチャクチャな性能に声をあげそうになった。神様達は何を考えているんだ、コレは絶対にマズいだろう!。


 軍事とか様々な物に応用出来る……と思ったが、よく考えればこんな反則な物、複製するのも無理だわ。挙句、これ1つで出来る事なんて限られている。たぶん、そう思って下界に下ろしたんだと思う。


 一気に南へと走って行き、陸地が見える所まで来た。近付いてみると大きな町が見えたので、ここがオオミナトで間違いないだろう。町の外に移動し、周りに何も無い所まで来たらカマクラを作る。


 木馬に乗っていたフォルとエリアはフラフラになっているが、あの速さを体感した事が無かったのが原因らしい。カマクラの中に2人を入れ、神水を飲んでゆっくりしていると回復したのか両側から挟んできた。


 ヤる気の2人を返り討ちにし、綺麗に【浄化】してから寝かせる。明日の予定を考えながら銅鏡で邪気を吸い込むと、相当の量が吸い込まれて驚いた。人が多いからか? 汚い町だなぁ。


 神官どもは相変わらず暴利を貪るだけで、それ以外は何もしていないんだろう。伊勢神宮の近くだというのに、本当に碌でもないな。まあ、その伊勢神宮が碌でもないパターンもあるかもしれないんだけど。


 邪気も綺麗にしたし、そろそろ寝るか。今日も一日お疲れ様でした。



 ▽▽▽▽▽


 1115終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨598枚

 金貨457枚

 大銀貨431枚

 銀貨461枚

 大銅貨1181枚

 銅貨408枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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