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1114




 俺は今、岡崎城の庭に焼き場を作って料理をしている。城の料理番に文句を言われたので、ならばいつも通りに料理しようとなった訳だ。確かに自分達で料理を作るのは非礼かもしれないが、そんな事を言われても俺達は気にしない。


 知っている全員がグレイトシープを食べたいので、料理番の文句など右から左に抜けている。香辛料を擦り込み味が馴染んだら、ゆっくりとした熱で焼いていく。竜の肉よりは落ちるものの、十分に美味しい肉は珍しい。


 デスボーアと同レベルくらいだが、グレイトシープの肉は非常に柔らかく子羊みたいな肉なんだ。その肉質の御蔭でデスボーアよりも美味しく感じる。皮がパリッとしていて中がジューシーで、そのうえ肉が柔らかい。


 そんな事を力説しながら食べているウチの女性陣は、普通に酒を飲んでいる。今日はダンジョンの米を炊いているが、まだ炊けていないので仕方ない。料理に徹しよう。


 酒? 指摘してもしょうがないので諦めたよ。武田の家臣まで飲んでるし。



 「いやぁ、こんなお酒がこの世にあるとは思いませんでした。それにしても美味しいですね。酒精は強いですが、薄めて美味しいお酒なんて聞いた事がありません」


 「ブランデーやウイスキーは水を混ぜると、香りや味が変わるからね。薄めた方が好きな者も居るだろうし、ほんの僅か水を入れる事で芳醇な香りが出てくる。これがまた、良いのさ」


 「ですね。私も少しだけですが水を入れるようになりましたよ。飲み比べると違いは瞭然ですからね。香りが華やぐと言いますか、やはり芳醇な風味が広がる方が好きです」


 「うむ。私も色々な国を回ったが、酒に関してはアルド殿を超える物は見た事が無い。ヤシマの国は言わずもがな、王国や帝国、聖王国や商業国にも無かったぞ」


 「そういえば、足利家の姫が何故大陸の方と一緒に居られるのかと思っていましたが、まさか大陸に渡っておられたとは。羨ましいと言うべきでしょうか、それとも仕方ないと諦めるべきでしょうか……」


 「確かに。羨ましいという思いはありますね。ですが、足利の姫は比叡山の方の御息女。自由にされても仕方がないのでしょう。現世の事は現世の者がせねばなりますまい」


 「そこまでとは思うておらぬが、私は征夷大将軍の器ではない。歪んだ小者どもが許せんからな。父上ともなれば、あのような者どもを使えるのであろうが、私には無理だ。斬り殺したくなる」


 「「………」」



 細川を含めて色々いるみたいだからなぁ、将軍の屋敷が伏魔殿に見えるくらいだし。仕方がないのかもしれないが、とにかく権力には羽虫が集る。これはどんな時代でも、どんな国でも、どんな世界でも変わらない。


 それが許せないのは誰だってそうだが、絶対に居なくならない以上は付き合っていくしかない。潰したところで新たな羽虫が集ってくるだけだ。結局何も変わらない。


 勿論、生かしておいてはいけない奴は潰す必要があるが、それ以外は手綱を握って制御するしかない。操れる羽虫だけ置いておけばいいだけだ。だからこそ、勝手をする虫である細川は処分しなきゃならないんだが……。



 「三好という奴が謀反を起こしたらしいけど、そう簡単にはいかないんじゃないかな? 今までずっと好き勝手をしてきた家だと聞くし、相当の力を持ってるんだと思う。まあ、だからこそ滅ぶだろうけど」


 「そうですね。驕っている者は、落ちるところまで落ちてからしか気付きません。どうしてそこまで愚かなのかと思いますが、強い事が当然である者は、往々にして己の強さを理解していないのです」


 「特に何代にも渡って強かったんだろ? そしたら、何故自分が強いかなんて碌に知らないだろうさ。というか、考えた事があるのかすら疑問だよ」


 「強い理由を知らぬから、衰えた事も分からぬ……か。我が足利もそうやって落ちていったのだろう。皆も気を付けよ。知った時には家が滅ぶ寸前だった、などという事が無いようにな」


 「ええ。胸に刻んでおきましょう。……それにしても不思議な宴ですね、足利家の方と大陸の方と飲んで食べるというのは。本当にこの世の事なのでしょうか」


 「そう言いたくなる気持ちもよく分かる。この地獄のような乱世で、こうも楽しく宴が出来るとは……。しかし、それにしてもこの肉は美味しい。いったい何処の肉か分からないのが怖いですが」


 「それは肋骨の近くの肉だな。特におかしな部位は無いが、そもそもヤシマの国に羊が居るのか俺は知らない。羊と言っても理解……は、されないみたいだな。羊と言うのはモコモコの毛を持つ獣だよ」


 「大陸の西の方では寒い所で服なんかに加工されてるよ。寒い所で生きているヤツだからね、毛が凄く温かいんだ。アルドはいちいち紡ぐのが面倒だって言って、布団の中身にしてたけどね」


 「いや、マジで面倒臭いんだって。あんなチマチマした作業したくない。糸を紡ぐ事に関しては【錬金術】も【錬成術】も使えないんだよ。だから普通の人と同じ様にする必要がある」


 「あー……それは面倒ね。私だってやる気にはならないわ。そういうのは、そういう仕事をしている人達に丸投げした方が結果も良いでしょうしね。アルドがやらないのは正解よ」


 「だから織物とかには手を出してなかったんだね。布を引っ付けたりはするのに、何故か布を自分で作ろうとはしないから変だとは思ってたんだ」



 何故か虎と晴信から呆れたような視線が飛んでくる。そもそも作れるなら自分で作るだろうし、その方が品質がいいなら尚更自分で作らないか? そう言うと渋々ながらも納得したようだ。


 先程から西部さんと広忠と半蔵が全く喋らないが、彼等は御飯と羊肉を食べるので忙しいらしい。神石の土鍋と神水で炊いた御飯に、グレイトシープの骨付き肉が合っているらしく夢中で食べている。


 俺はその横で小麦粉に米粉を混ぜて塩と神水で練ったチャパティを焼いている。誰かさん達が結構な量を食っている所為で、足りない事が判明したからだ。ちなみに軒猿3人娘は一言も発さずに存在感を消して食っている。


 どうもバレたら食べられないとでも思っているらしい。別に気にしなくても食えばいいんだが、戦国期の日本もこんな感じなんだろう。主君が食べている横で家臣はじっとしているだけか……何か寒々しい食事だなぁ。


 そんな中、1人の忍者っぽい奴が来たのだが、庭でバーベキューをしているなんて思ってなかったのだろう。かなり戸惑っているものの、半蔵を見つけて近付いてきた。俺達にとっては相手にもならない程度なので警戒する意味も無い。


 その男は半蔵になにやら耳打ちし、すぐに去っていった。半蔵が西部さんの顔を見た後に周りを見回したが、それに対して西部さんは頷いた。ここで喋っても良いか許可を求めたんだろう。そして西部さんは許可した。



 「三河山地の東側、つまり東三河が蜂起しました。狙いは織田家と松平家でございます。東三河は織田家の紅衆も、松平家の白衆筆頭も認めていないとの事で、東三河の大きな神社が味方をしておるとの事」


 「ふーむ………こう言ってはなんじゃが、今ごろか? 我が織田家が三河の紅衆になったのは去年の事じゃ。何故、今になって蜂起するのだ、普通は去年であろう? これでは周りの国の者にも笑われるぞ」


 「それが、西三河の中央神殿に居た吉良家の縁者が、東三河に行って謀をしていたようで……。結果として、豊かになってきたと分かった西三河から富を奪わんと攻めて来るようです」


 「なんだいソレ? アタシ達から見たら賊の戯言にしか聞こえないんだけどね。豊かだから奪ってやろうなんて賊か貧民ぐらいだろ。 ……武士っていうのは、本当に賊と変わらないねぇ」


 「「我等と一緒にするな!!」」


 「お前らも同じ三河武士だろうが。忠義も無く、主君の苦しい時に日和見した奴等が偉そうに吠えるな! 黙ってろ!! もう1度毒を喰らわすぞ!!」


 「「………」」



 ここには大久保と本多も居て一緒に食べる事は許したのだが、まだ自分達は正しいとでも思ってるのか? コイツ等が心の底から理解するまでネチネチ言い続けてやらなきゃいけないようだな。


 そもそも半蔵は伊賀の者であって、松平家に古くから仕える者でもなければ三河武士でもない。その半蔵よりも忠義が無いお前等は何なんだ? 武士ですら無いんじゃないのか? そう言うと周りの者も含めて黙った。


 黙るなら最初から喚くなよと思うのは俺だけか?。



 ▽▽▽▽▽


 1114終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨598枚

 金貨457枚

 大銀貨431枚

 銀貨461枚

 大銅貨1181枚

 銅貨408枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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