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1108




 皆が来るのをツシマの町の入り口で待っているのだが、いつまで経っても来ない。ダリアもフヨウも俺の足元でダラーっとしているくらいだ。仕方なく【探知】と【空間把握】を使うかと思った矢先に戻ってきた。


 勝家君と次郎君を連れているので、どうやら彼等と……千代女と蒼も居るな? 何やら微妙にトゲトゲしい雰囲気を出している。皆は苦笑いしている様なので、そこまで大きな問題では無いのだろうが……。



 「皆、やっと来たな。随分と待たされたが、勝家君と次郎君はともかく千代女と蒼は怒っている感じがするし……何かあったのか?」


 「聞いて下さい! 次郎が遊女屋に行って遊んでいたんですよ! それも5人も入れて! 柴田様は好きにされれば良いですが、次郎は無駄なお金を使わなくていいでしょうに!」


 「そうです! 必要なら私がいつでもお慰めするというのに、遊女屋に行くなんて! 次郎様はいったい何を考えておられるのでしょうか! 私の体では駄目だと仰るのですか!?」


 「い、いや、ちょっと待って。そんなの初めて聞いたんだけど!? 今まで一度も聞いた事ないよ!?」



 そう次郎君が言うと、蒼は真っ赤な顔をして俯いてしまい、千代女は「アチャー」という顔をして天を仰いだ。その後、溜息を吐いて千代女が説明を始めたが、蒼は次郎君の為に用意された女性でもあったらしい。


 よく分からないので詳しく聞くと、変な女に惑わされないように身元のしっかりした女性を宛がわれるそうだ。望月家はコウカの中では上の方の家なので、当主の子供の中でも男にはそういう女性が付けられる。簡単に言うと、女に騙される男がそれだけ多いという事だ。


 大体は志願制で、もし志願する者がいない場合は無しとなる。とはいえ上位の家との結びつき等を考えた場合、よほど酷い男でない限りは志願する女性は後を立たないそうである。側室として選ばれる可能性が高いという、現実的な話もあるから余計にだ。


 そして次郎君に付けられた女性が蒼という事になる。次郎君はまったく知らなかったそうで、次男である自分に女性が付けられていたと聞いても最初は信じなかったぐらいだ。千代女から何度も説明されて、ようやく事実だと理解していた。


 そういう女性が付けられる事そのものは知っていたそうだが、それは家を継ぐ長男だけだと思っていたらしく、まさか予備でしかない自分に付けられていたとは思わなかったみたいだ。


 皆でそんな話を聞いていると、突然蒼が次郎君の手を引いて何処かへ連れて行ってしまった。千代女は「頑張ってね~」と言っているが、それって周りにバラしてるだけだと思うがなぁ。


 ちなみに千代女いわく、蒼は心の底から次郎君に惚れているらしく、立候補した他の女を力尽くで黙らせたらしい。それほどだと知っているので、さっきは怒っていたんだそうな。さっきから勝家君が物凄く動揺しているが……。



 「オレはこれから殿の下に出仕せねばならん。すまんが、これにて!」



 勝家君は逃げるように去って行ったので俺達もそろそろ行くか。そう言ってツシマを出て走り出したのだが、何故か千代女がついてくるぞ? お前さん、仕事はどうしたよ? そう思ったら、望月の別の者が信秀さんの奥さんの護衛に付いているらしい。


 千代女と蒼には正しい身体強化を教えているので、ハッキリ言えば諜報関係で使いたいそうだ。後は情報伝達か? とにかく、その速さを活かした仕事をさせたいので、要人警護からは外されたみたいだ。まあ、適材適所だな。


 とはいえ、要人警護は信頼の証でもある。信用、信頼の無い相手に要人警護を任せる事は無いので、望月家全体が信用されたのだろう。そういえば、現在信長は4歳か……だからなんだと言う訳じゃないが、まだまだ子供か。


 ついでに那古野城を与えられている訳でもないので、余計に普通の武士になりそうだな。覇王は父親に譲るとしてだ、せめて織田信雄のようにはならないでほしい。親の足を引っ張る奴だからな。しかも<天正・伊賀の乱>は最悪だし。


 信長って身内に甘いからか、身内に足を引っ張られてるよなぁ。そういう部分もあって、覇王というイメージは俺の中では大きくない。あれもどちらかと言うと、某有名ゲームの所為だと思っている。


 そろそろ温泉地の屋敷に着くから、下らない思考は止めよう。温泉地に入った俺達は自分の屋敷に行くんだが、中に数人居るぞ? 俺達の家だっていうのに………何で西部さんと広忠と半蔵が居るんだよ。何かあったのか?。


 俺達は堂々と屋敷に入り中へと進むと、半蔵が部屋から飛び出てきたが俺達の顔を見て固まった。俺達はそんな半蔵に声を掛けた後、部屋の中へ入り西部さんと広忠に挨拶をする。すると2人も固まった。



 「久しぶりなうえ、挨拶もしたのに固まったままってどういう事なんだ? 何かこの屋敷でしなきゃならない密談でもしてたの?」


 「お……おぉ………。そうじゃ、相談があるんじゃ! 聞いてくれ!!」


 「は? ……あ、あぁ、別に良いけど。いったい何があったの? 広忠も未だに固まってるけど………」



 皆が挨拶をし終わった段階で広忠も再起動したのか、ぎこちなく挨拶を返してきた。西部さんと広忠が密談するくらいだ、何か三河であったんだと思うが……。岡崎城では出来ない程の話かもしれない。



 「実はのう、非常に厄介な事になって困っておる。何があったかと言うとの、甲斐の武田家から広忠の下に輿入れしたいという打診があったんじゃ。つまり、<甲斐の虎姫>を娶れと言ってきおってのう……」


 「その事で岡崎城は二分されてしまっているのです。受け入れるべきだと言う者と、これは甲斐の侵略の足掛かりだと言う者がおりまして……。それで弾正様も殿も困っておるのです」


 「受け入れるべきと言っておる筆頭は大久保で、甲斐の侵略だと言っておるのは本多なのです。どちらも父上の下で重臣だった者ですので従う武士も多く、完全に2つに分かれてしまっていてどうにもなりません」


 「そもそも前にも言ったが、最後まで広忠に尽くそうとしたのは半蔵だけだろ。大久保だの本多だの言われても、お前ら日和見してたよな? で終わる話だ。何なら「黙って従え!」とでも言ってやればいい」


 「いや、それはさすがに……」


 「そんな事は無いさ。従えないなら出て行けと言うか、もしくは力で叩き潰してしまえば良い。弱い奴が吠えるな。そう言えば済む」


 「「………」」


 「ふむ。それが1番良いかもしれんのう。どのみち此度の揉め事は、広忠が舐められておる事が原因じゃと言える。若い当主など舐められて当然ではあるが、些か愚かよな。ワシが場を整えるゆえに、両方叩き潰してしまえ」


 「うぇっ!?」


 「………これからの事を考えれば仕方がないかと思います。ここで叩き潰さねば舐められたままになりかねませぬ」


 「そ、そうなのか……」


 「それは、そうであろう。しかし三河も愚か者が多いようだが、ヤシマの国はこういう阿呆ばかりか? 我が故郷ながらウンザリするな」


 「仕方ありませんよ。どこの国でも武辺者は似た様なものです。強いて言えば、ヤシマの国は武辺者ばかりと言ったところでしょうか」


 「武士といった者達が土地を支配しているのですから、仕方ないのでは? とはいえ、戦乱なのは私達の故郷も変わりませんし、似た様な愚か者も居ますからね……」



 西部さんも広忠も半蔵もよく分かってないので、前に居なかったメンバーに1人ずつ自己紹介をさせていく。3人もラオとシェンに対して頭を下げようとしたので、慌てて止めさせる。気持ちは分かるが他国の仙女族と天女族だからね。



 「背に翼を持たれておるから嫌な予感はしたんじゃが、やはりそうであったか。しかも大陸の天女族とは……お主等とおると本当に疲れるわ」


 「ですね。毎回驚かされている気がするの……それは何ですか?」


 「ん? これは布団だよ。これから寒くなっていくんで、布団ぐらいは用意してやろうと思ってな。それにグレイトシープの毛は大量にあるんで、詰めて減らしたいんだ」


 「はぁ……」



 広忠はまったく理解していないが、それとは関係無く作っていく。西部さんからはジト目をもらっているが、俺は気にしていない。



 ▽▽▽▽▽


 1108終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨598枚

 金貨457枚

 大銀貨431枚

 銀貨463枚

 大銅貨1181枚

 銅貨408枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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