表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1104/1948

1103




 「そなたはまた訳の分からぬ事に巻き込まれておるのか。それで、この男はいったい何故そなたに絡んでいるのだ?」


 「さあ? コイツは京の都の店で買い物をしている時から俺を尾行してきてて、ダンジョンの中まで追いかけてきたんで走って移動して撒いたんですよ。そしたら出てきた所で待ち構えてて、難癖付けてきたって訳です」


 「!」



 バラされたからかは分からないが、男は急に逃げ出そうと後ろを振り向いたので、その瞬間背中を蹴り倒し素早く手枷と足枷を嵌めた。一瞬の早業と言えるくらい速かったからか、周りは反応出来ていない。



 「あー……うむ。で、結局コイツはなんなのだ? 難癖を付けてきたと言っていたしチラリと聞こえてきたが、そなたが持つ帝の許可状に難癖を付けたのか? アレは間違いなく本物だと、この平清常も証言するが……」



 それを聞いた周囲の者が「おぉーっ!!」と声を上げて驚いているが、捕まえられた男は必死になって逃げ出そうとしてる。俺は清常さんに問い、清常さんも問題無いと言ったので尋問を始める。


 お前は誰なのか? 何故俺を尾行したのか? そんな事を聞いていくが当然喋らない。もう夕方であり、更に俺の手を煩わせた刑として、おろし金で指をおろしてやった。


 ギャーギャー五月蝿いが知った事ではない。何度も何度も聞くが悲鳴しか上げないので一旦止め、【白痴】を掛けて聞きなおす。これで周りからは拷問に耐えかねて喋ったように見えるだろう。


 コイツは管領である細川の下っ端の家臣で、俺が大量の金を帝に献金した事を知っていたらしく、細川晴元の為に金を出させようとしたらしい。外国人なので無理矢理難癖を付ければどうにでもなると思ったそうだ。


 ちなみに、穢門ことダンジョンに入るのに許可は必要無い。つまりコイツの言っていた事は嘘で、本当に無理矢理な難癖だったという事だ。俺の持つ帝の許可状はそもそも、そういう難癖を防ぐ為の物でもある。



 「で、コヤツはどうするのだ? 一応細川京兆の下っ端も下っ端のようだが……。まあ、この愚か者を殺したとて、細川は何も言うてくるまいがな。難癖を付けて失敗したなど恥にしかならん」


 「せっかくだから、コレを使おうと思います」



 俺は山羊角の杭を取り出して、清常さんに効果と恐ろしさを説明する。最初は勃起すると聞いて意味が分かってなかったが、それがずっと続くと聞くと顔を引き攣らせていた。周りの野次馬も含めて。


 野次馬の中の多くの女性は別の反応だったのが怖いが、そこは無視して捕らえているバカの腕に杭を少しだけ刺した。その後、手枷と足枷を外して放置すると段々耐えられなくなってきたのだろう、腰を引きながら歩いて行った。



 「おそらくは帰ったのだろうが、あの歩き方はちょっとな……。アレがこの後もずっと続くのだろう? 怖ろしい物を持っているが、危険過ぎぬか?」


 「まあ、言いたい事は分かりますが、危険過ぎるから俺が管理しているんですよ。そうしなきゃ危ないので。それより、そろそろ帰りませんか? ウチの女性陣もお腹を空かせてるでしょうし」


 「そもそも私はそなたを探してダンジョンまで来たのだがな。帰って来ておらぬと聞いたし、何かあっては困るのでな。それにしても……あんな愚か者が勝手をしておるとは、細川京兆の今を如実に表しておる」



 そんな事を話しながら平氏の屋敷に戻り、文句を言う皆に謝罪しながらシルバーチキンの骨から出汁をとり、シルバーチキンの肉と共に炊き込みご飯を作る。清常さんに土産を渡すのを忘れていたので、お土産の事を話す。


 色々悩んだんだが、前に渡した魔豊蜂のミードでいいやと思い渡しておく。壺に入ってるやつなので3リットルくらいだが、中身を聞いて清常さんは喜んでいた。希少な物だと知っているし、前回は献上したので殆ど飲んでいないそうだ。


 今回は半分飲み、半分は実家に送るらしい。自分だけ良い物を飲んで、実家の連中に妬まれても困るみたいだ。まあ、嫉妬は面倒臭いよね。


 そんな話をしながらグレイトシープの骨付き肉に香辛料を振り、焼き網でじっくり焼いていく。横でフォルに野菜の味噌汁を作ってもらっているが、グレイトシープの肉が焼ける良い匂いが気になるらしくチラチラ見ている。


 清常さんもチラチラ見ているし、足元ではダリアが五月蝿い。フヨウは首に巻き付いているし、女性陣は台所で酒を飲んでいる始末だ。台所の人達にも手伝ってもらって焼いているが、思ったよりも忙しい。


 神石の土鍋2個で残っていたダンジョンの米を全て炊き込みご飯にしているのだが、神石の寸胴鍋でサーサも茹でている。今は終わって笊で蒸らしているが、サーサを見て変な顔をしている清常さんに長粒種のことを教えておく。


 清常さんも短粒種と長粒種を見比べて驚いているが、台所の料理人達も見比べて驚いている。米と一口に言っても、この世には色々あるものだと感じたらしい。米で世界の広さを知る。それも悪くは無いか。


 炊き込みご飯は炊きあがり、サーサの蒸らしも終わったし、骨付き肉も焼けた。味噌汁はとっくに出来ていたので早速食べよう。それじゃあ、いただきます!。



 「うん、これは美味いねぇ! さすがはグレイトシープだ! 滅多に見つからない幻の魔物と言われるだけはあるよ。いや、本当に美味しい。焼いてるうちに脂が落ちてコレだよ?」


 「ええ。ここまでジューシーでありながら脂が重くないというのも凄いですね! それにしても、食べ応えがある肉でありながら、ここまで柔らかいのも珍しい。肉自身も脂に負けていませんよ」


 「とっても美味しいけれど、出てきたのが雪山というところにちょっと引っ掛かるわね。仮に本来の生息地が雪山などの寒い所なら、どうして幻と言いながらも偶に見つかるのかしら?」


 「ハグレか、それともダンジョン内で見つけたか……。たまたま今回は雪山で出てきただけかもしれないし、1度だけじゃ判断は出来ないね。……それにしても美味しいね、この肉は」


 「炊き込みご飯も美味しいのだが、グレイトシープの骨付き肉はもっと美味しい。今回のは別々に出すべきではなかったかと思う。シルバーチキンも美味しいだけに惜しい」


 「分かる。今回はグレイトシープが持っていっちゃってるから、どうにもならないよ。せっかくのシルバーチキンがちゃんと味わえなくて勿体ないね」


 「仕方ないのでは? グレイトシープがここまでとは思わなかったでしょうし、先に炊きこみご飯を作られていた様ですから。それに、私はどちらも楽しんでいますよ」


 「どっちも美味しいね! グレイトシープはサーサと一緒に食べて、炊きこみご飯は味噌汁と共に食べればいいんだよ。両方楽しみたいなら、両方楽しめばいいだけさ」



 それにしてもよく食うなぁ。寸胴鍋で作ったサーサもどんどん食べられてる。台所の人達も夢中で食べてるからか、あっと言う間に無くなっていく。グレイトシープの骨付き肉は俺の手の平よりも大きいんだけど、あっさり食べきられてるな。


 狂乱とも言える夕食は終わったが、全員が十分に満足した様だ。アレだけ食べれば当然だと思うが、尾張のダンジョンで仕入れた米もサーサも無くなってしまった。明日からは米じゃなくて麦生活だな。皆は気にしないだろうけど。


 後片付けを終えたら部屋に戻るのだが、皆はお腹が大変なのでゆっくりとしか歩けないみたいだ。まあ、アレだけ食べたらそりゃそうだろうとしか思えない。作った俺も俺だが、食べた皆も色々おかしい。


 部屋に入りゆっくりと過ごすが、お腹が問題無いのは俺とフヨウだけだ。うんうん唸っている連中を横目で見ながら布団を敷き、寝る準備は終えておく。それにしても、シュラやダリア以外も唸っているのは珍しいな。


 ふと気になったので【空間把握】を使い藤達を確認すると、すでに武衛陣の一室で寝る前の様だ。流石に父親の近くでヤる気にはならなかったようで良かった。妙な揉め事をこっちに持って来られても困るからな。


 気が付くと、俺以外全員が眠っていたので布団に入れてやった。部屋と皆を綺麗に【浄化】したら、銅鏡を使って邪気を吸い込み【浄化】する。一切吸い込めなくなるまで綺麗にしたので、そろそろ寝よう。


 今日も一日お疲れ様でした。



 ▽▽▽▽▽


 1103終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨598枚

 金貨458枚

 大銀貨431枚

 銀貨465枚

 大銅貨1192枚

 銅貨408枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ