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 <異世界514日目>



 おはようございます。今日は無人島まで行く日です。流石にどれだけ急いでも無人島を経由しないとヤシマの国には行く事は出来ない。無人島があって本当に助かる。


 ちなみに昨日聞いた交易船の話だと、出発したのは6日前らしいので無人島には既に着いている筈だ。おそらく今日にも無人島を出発しているだろう。とにかく、無人島で一緒という最悪のケースは避けられそうだ。


 そんな事を考えながら部屋と肉体を【浄化】して綺麗にしていると、皆が起きたので朝の挨拶をする。部屋を片付けた後、宿の玄関に出ると藤達も同じタイミングで出てきた。


 一緒に食堂に行き、大銅貨11枚を支払って朝食を食べる。食事を終えた俺達は、俺だけ町の外に出るので皆には港に行ってもらった。昨日作った舟で港に入るので、皆はそこで乗り込んで出発となる。


 町の外に出た俺は、昨日舟を隠した所まで行き掘り出した。【浄化】で綺麗にした後、近くにある崖から【念動】で舟を海面に下ろす。当然だが俺が乗ったままだ。


 海面に下りた舟を水魔法で動かしている風に装い、【魔術】で動かしながら港まで移動する。港で待っていた皆の下に行き、乗り込んだのを確認したら出発だ。港近くでは全力を出せないが離れれば全速力で走らせる。


 【魔術】を使い全力で舟を推進していく。東北東の方角にひたすら突き進み、途中のトイレで恥ずかしい思いをする。まあ、諦めてほしい。キャラック船やガレオン船みたいな大きい船じゃないんだ。


 特にラオとシェンは初めてだったので随分我慢していたが、限界が来て用を足していた。気持ちは分かるが一日舟の上なんだからどうしようもない。前回で諦めたのか藤は気にしなくなっていた。


 舟の上で干し肉やチーズを食べながら、メルが神石の鍋で海産物を煮込んでいた。俺のアイテムバッグにあった物で使っても特に問題の無い物だ。昼食をどうしようか悩んでいたんだが、適当に作った方が早いとの事でこうなった。


 【加熱】で煮込んでいるので火を使っておらず危険度は低い。ついでに言えば、【圧縮】してある木なのでそうそう燃える事も無い。なので割と気楽に海鮮スープが食べられる。


 ひたすら舟を走らせたが、その御蔭で夕方になる前に無人島に辿り着いた。だが、何人か人が居るぞ? ……どういう事だ?。


 上陸前に此方を見つけられてしまったので、仕方なく上陸しようと浜に近付くと男達がヘラヘラ笑っているのが見えた。なので全員に【念話】を使い、犯罪者として交易船を降ろされたんじゃないかと伝えておく。


 浜に舟を乗り上げさせたが、女性が多い事が嬉しかったのか喜色満面で近付いてきた男どもに、ウチの女性陣は武器を突き付けた。いきなり武器を向けられるとは思ってもいなかったのか、男どもは急に慌て始める。



 「ちょ、ちょっと待ってくれ! 俺達は交易船の船乗りだったが、気付いたら寝過ごしちまって置いていかれたんだ! あんた達が来てくれて助かったんで、思わず近付いちまっただけだ」



 明らかに嘘だろうし、必死に弁明しているのか矢鱈に早口だ。男3人に【白痴】を使い質問すると、直ぐに本当の事を話し始めた。



 「新入りなんて尻を掘られるのが当たり前だろうが! 俺達だって新入りの時に尻も口も散々使われたんだぞ! それをあの船長の奴、気に入った新人が居たからって、良い顔する為に俺達を置いていきやがって!!」


 「そうだ! 新入りから5年、俺達がどんな思いで耐えてきたと思ってやがる! 散々アイツ等がしてきた事じゃねえか、俺達がやって何が悪い!!」


 「アイツ等きっと、俺達に飽きて捨てやがったんだ!!」



 何と言うか聞くに堪えなかったので、さっさと3人全員を始末した。穴を掘って死体を放り込み、【浄炎】で焼却したら灰と骨を【粉砕】して埋める。何と言うか、微妙に後味が悪いな。



 「犯されたからって、犯していい訳じゃ無いんだけどねぇ……。とはいえ、散々犯されてきたって聞くと、微妙な気持ちになるよ。交易船の船長っていうのは碌な奴じゃないみたいだね」


 「碌な事をしない連中はどこにでも居ますが、今回に限ってはちょっと微妙です。アルドが嘘を吐けない技を使っていたので、5年も犯されていたのは事実でしょう。それを思うと……」


 「どのみち自分がやった段階で、自分を犯していた連中と何も変わらないわよ。どっちも犯罪者なのだから意味が無いわ。犯されていたからと言って、罪が許される訳ではないもの」


 「そうだね。犯罪者は犯罪者で終わる話さ。ただ、交易船に乗っている者の大半が犯罪者の可能性があるってだけだよ。どのみちヤシマの国にとっては関係の無い話だね」


 「交易をして利益を得るだけだからな。とはいえ、ダンジョンを活用し始めたヤシマの国にとって交易の利はあるのか? 思っているよりも少ない気はするのだがな」


 「悪銭とビタ銭だっけ? 何か質の悪い貨幣しか持ってこないって言ってたし、交易船ってワザとそんな事してるのかな? ヤシマの人を未開の蛮族とか言ってたし、そういう事しそうだよね」


 「ワザと質の悪い貨幣を持って来て、それでしか取引しないという事ですか。でも結局は、その質の悪い貨幣が自分達に跳ね返ってきてますね。全体で見るとバカとしか言い様がありません」


 「まあ、ケツ掘り船の船長なんてそんなもんじゃないの? さっきの男達も”捨てられた”とか言ってたし。もしかしたら船長の目が新人に移ったのが気に入らなかったのかもしれないよ?」


 「「「「「………」」」」」



 藤もラオもシェンもカサーラもメトムも呆れているが、気持ち悪がってはいない。単なる醜い嫉妬かと呆れているだけだ。この時代は男色も普通だし、地球のヨーロッパでも船乗りは尻を掘ってたらしいので、きっと普通のことなんだろう。


 その割には<港病>とかもあったらしいので、全員が全員尻を掘ってた訳でも無いんだろうな。ちなみに<港病>とは性病の事だ。船乗り相手の港の売春婦が原因だった事から<港病>と呼ばれていたらしい。


 まあ、この世界では魔法があるので、そこまで性病が蔓延したりはしない。徹底して管理されているし、清潔にしていない娼館は即座に閉鎖される。そのうえ罰則が極めて厳しい。


 性病には死病も多くあるので、国が本気で取り締まるのが良く分かる。特に性病はうつり易いので非常に厄介な病気でもあり、ただでさえ魔物も居る世界で死病を放っておく訳にはいかないのは当然だ。


 とにかく舟を浜に完全に上げてしまい、海産物を獲ってこよう。海に出た俺は大量の海産物をゲットし、残り少なかった魚醤を、土の所まで行って穴を掘ったら捨てる。改めて神水を使って魚醤を作ろう。


 十二分に綺麗に【浄化】し、神水で何度も綺麗に洗ってから大量の塩で浸ける。少しだけ神水を入れて壺を閉じたら、【発酵】を使ってさっさと作った。出来上がった物を【念動】で持ち上げて、要らない物を穴に捨てる。


 残ったのは綺麗な魚醤だ。少し匂いを嗅いでみると臭味は無く、舐めてみると甘味と旨味が濃いのが分かる。神水の影響なのは間違い無いだろう。それに【浄化】の権能で、腐敗の原因を完全に取り除かれてるのも大きい。


 今日はチャパティと海産物の浜焼きで良いだろう。余計な事はせず、シンプルに焼くだけで美味いしな。後は魚醤を垂らして食べれば至福だろう。焼き場とカマクラに椅子とテーブルを作ってさっさと始めよう。


 皆には焼き場でどんどん焼いてもらい、俺とメルとフォルは全粒粉を練ってチャパティを作る。ある程度の大きさに広げたら、焼き網の上で焼いていく。既に呑兵衛どもは酒を飲んでやがる。


 放っておきながら俺も食事をし、気付いた時には俺とディル以外の大半が撃沈していた。今日はメルが最後まで起きていたらしいので、【浄化】して皆を運ぶのを手伝って貰う。


 終わったらディルを外でキメてカマクラの中に入れると、待っていたメルに襲われた。メルは自分からするのが好きなので満足するまで好きにさせてやり、満足したメルをカマクラに運んで入り口を閉じる。


 全員の体を綺麗に【浄化】したら、銅鏡を使って邪気を吸い込む。周りが海だからか、あまり多くの邪気は吸い込めなかったので直ぐに終わった。これでやっと眠る事が出来る。


 それじゃあ。おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 1098終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨598枚

 金貨458枚

 大銀貨434枚

 銀貨472枚

 大銅貨1349枚

 銅貨408枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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