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 結局2人は村の為、傭兵ギルドの為に使わせてもらうと言って宿を出て行った。小型のアイテムバッグを大事に抱えていったので、気が付く奴は気付くだろう。少々見張っておいた方がいいかな?。


 2人との話も終わったので、俺達は部屋に行く事にした。いつもの大部屋に入り窓を開けたら【冷風】で暑い空気を窓から追い出す。送風機と冷房を設置したら準備して起動し、少しの間【冷風】で部屋を冷やそう。


 部屋が冷えてきたら魔法を止め、部屋を【浄化】したらゆっくりと休む。まだまだ外は暑い日が続くみたいだし、外に出ずにゆっくりしていよう。最近色々あったし、ようやく村でゆっくりできる。


 そんな事をしていると、また妙な事に巻き込まれそうだが、「それは来年でいいよ」と思いながら革を敷いて寝転がる。



 「アルド、起きな。そろそろ夕方だから起きな!」


 「ん? ………んー、寝てたのか。すまん、起こしてくれてありがとう」


 「ああ。それにしても、ここ最…………近昼寝が多いね。夜中の襲撃とかあるし、今はゆっくり休んで回復した方がいいよ」


 「あ、ああ。そうだな……そうするか」



 俺は明後日の方向を向きながらダナと話している。ダナも同じだ。その理由は寝ている間に襲ったのだろう、エリアが下着を履いているところだったのだが転んだのだ。笑う訳にもいかないし、かと言って襲われた事を掘り下げる気にもならない。


 どうしていいか分からないので、俺もダナも明後日の方を向いて適当に話すしかなかった。それにしてもコントみたいに綺麗に転んだな。とはいえ、エリアは足が長いから仕方ないと言えるか。


 部屋を出て1階の食堂に下りた俺は、大銅貨11枚を女将さんに支払って夕食を注文する。皆が座っているテーブル席に行き俺も座ると、皆との雑談を始めた。すると藤達が宿に入ってきて、俺達を見つけると近付いてくる。


 隣のテーブルに座っているエリア達と相席にした藤達5人の内、藤が開口一番、面倒臭い事を言い出した。



 「久しぶりだが、そろそろ1度国に帰りたいので一緒に行ってもらって良いか? 私達では間違いなく砂漠が越えられん。あそこを越えるにはアルドの力が必要だ」


 「まあ、確かにそうだろうな。普通なら準備に10日はかかる筈だ。それを準備も無く突破しようって言うんだから、俺が居ないと難しいだろう。アイテムバッグで多少楽になるとはいえ、夜中を無事に越えるのが難しい」


 「そうだね。夜には毒を持った魔物や虫が活動するらしいし、どれだけ強くなっても寝込みを襲われれば負ける事もある。本来、砂漠ってのは難所の筈だからねぇ」


 「意外にあっさり突破してますけどね。それで、いつ連れて行けと言うんです? もしかして明日からですか?」


 「できるならば早い方がいいな。水の季節になると大変だ。凍てつくほど寒くなるまでにはヤシマの国に戻りたいと思っているのだが、風の季節になるまで待った方がいいか?」


 「結局ゆっくり出来ない運命にあるんだろうな、俺達は。……というか、俺か? ……考えるとアレなんで止めよう。そういえば昼に続いて村長とヴェルが来ているが、何かあったのか?」



 俺は横でコソコソと話している村長とヴェルと女性陣に顔を向けるも、わざわざ【天耳】や【空間把握】を使う気は無いので盗み聞きはしていない。女性陣は深く溜息を吐いた後、俺に向かって喋り始めた。



 「アルド。申し訳ないんだけど、2人がお金を更に出してほしいんだってさ。あれだけ昼間に言ってたのにねぇ、まったく」


 「ごめんなさい。あの後、村の主要な人達の幾人かと話し合ったんですが、それでも足りない事が判明しまして……。代わりと言っては何ですが、皆さんは何処か遠い国へ行くんですよね? その間に皆さんの家を建てておきますよ」


 「それで、ですね。場所を教えてほしいんですよ。どの辺りにあると助かるとか、どの辺りに家を建ててほしいかとか」


 「俺は特に無いな。村のどこにあろうと特に気にはならないよ。流石に田畑の向こうに建てたら怒るけどさ、それは無いだろう?」


 「そこまで寄付を貰っておいて、そんな事をするなんて、いったい何処の貴族ですか!? 私はそんな事は絶対にしません!!」


 「いや、しないだろうけどさ。……ちょっと待て、そんな事した貴族が居るのかよ。どんだけ面の皮が厚いんだ、ソイツ。本当の意味で恥を知らない奴だな!」


 「貴族なんてそんな者ですけど、昔そんな事がありましたっけ。確か地元の大店に寄付と言う名の強要をした後、記念として町のはずれに家を建ててやったという話だったような……」


 「シュライアの言っている話で合ってるよ。その半季節後に、その家で惨殺された貴族が見つかったって話さ。大店の主人は寄付の後に店を畳んでいて、事件の時には既に町から去っていたそうだよ。結局、誰がやったのか不明な事件なんだ」


 「まあ、順当に考えれば大店で働いていた誰かだろうな。店を畳んだって事は、寄付と称して相当持って行かれたんだろうし、それで店が続けられなくなった可能性が高い。従業員も当然だが解雇となる訳だから、1番の容疑者だろう」


 「古い時代の話だから、もう何があったか不明なんだけどね。当時は馬鹿がバカな事をやって殺されたと話題になったくらいかな。どのみち腐った貴族が死んだ事で皆が喜んだだけさ」



 そんな話をしながら銀貨400枚、大銀貨300枚、金貨400枚、大金貨400枚を置いていく。村長とヴェルが震えながらアイテムバッグに入れていくが、そこまでか? 別に無くなっても怒らないけどな。


 回収した後も青い顔をしたままだが、そこまでになるなら追加を求めなきゃいいのに。それに個人なら大金かもしれないが、村というか町の規模の場所に使うなら、あっと言う間に無くなるぐらいじゃないのか?。



 「これ程の金額が簡単に無くなる訳がないでしょう! 10年以上は使い切れませんよ。だいたい大金貨400枚って、金貨にすると2000枚ですよ? そんな簡単に無くなる訳がないでしょう」



 最後の方は金額が金額だからかコソコソ話していたが、確かに大金貨400枚は金貨2000枚の価値か。そう考えると多い気もするが、香辛料を買うのに金貨を使う俺はやっぱりおかしいんだろうな。


 そんな事を言うと何と言ったらいいか分からないような顔をされたので、マールでたっぷり香辛料を買ったと言ったら買いすぎだと怒られた。理不尽じゃね?。


 そんな話し合いをしながらも、明日からヤシマの国に向けて出発しなくちゃならなくなった事に溜息を吐く。やはり俺はゆっくり出来ない運命にあるらしい。とはいえ、こちらに連れて来た責任もあるしなぁ。しっかり送り届けないと。


 そんな事を考えながら食事を終え、部屋へと戻っていく。そういえばガウラはすっかり藤に慣れたようで良かった。喧嘩になってたりしても困るし、お互いにストレスが溜まる関係も困る。特に問題無さそうだったので安堵した。


 部屋に戻った後の雑談で、全員に個室がある家だといいなと言いつつ、俺の部屋は大きな部屋で大きなベッドを置くらしい。………言いたい事は分かるんだけど、俺のプライベートは? 流石に皆にあって俺に無いのはどうなんだろうな?。


 そう言って皆の顔を見ると、明後日の方を向きやがった。そこまでプライベートが云々とは言わないが、プライベート無しで良いとは言ってないぞ。当たり前だけど。


 ダリアとフヨウが寝たからか誤魔化すように連れて行かれたが、そんな事では誤魔化されないからな。そう思いながらも、明日からの事を考えて【精気】のみで大満足させておいた。


 皆を寝かせて部屋と体を綺麗に【浄化】したら、銅鏡を使って邪気を吸い込んでいく。ゆっくりと吸い込みながら全力で浄化していると、邪生の反応があったのでコッソリ部屋の窓から出る。


 隠密の4つの技で村の外へと移動しながら邪生を【浄化】し、心臓を抜き出して壺に入れたら死体はいつも通りに処理する。面倒なのでその場で再び銅鏡を使うと、またもや邪生を発見した。


 結局、この日は3体の邪生を浄化し、3つの心臓を得てから部屋に戻り寝る事になった。銅鏡を使い限界まで吸い込んで【浄化】したので、この辺り一帯は相当綺麗になった筈だ。


 今日も一日お疲れ様でした。それじゃあ、おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 1090終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨598枚

 金貨462枚

 大銀貨437枚

 銀貨479枚

 大銅貨1699枚

 銅貨408枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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