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1082




 夕食後、宿の部屋へと戻り送風機と冷房を設置して起動する。【冷風】を使って室内の暑い空気を全て外に出し、少しの間使って部屋の温度を多少下げておく。後は冷房が効くので問題無しだ。


 ゆっくりと涼んでいると、ダリアが俺の所に来てミードを求めてきたので出してやった。水皿に入れると美味しそうに飲んでいるので放っておき、俺はダラダラと過ごす。


 やっとガイアルム王国まで戻って来れたからな。少しは気を抜いても問題はあるまい。更に帝国の時と違って、リンデ達の部屋を気に掛ける必要も無いからな。【空間把握】を使ってたんだが、正直に言って面倒臭かった。


 とはいえ、1国の王女が寝込みを襲われましたじゃ話にもならないしな。ずっと守るのって案外疲れるんだよ。それがようやく終わったんで、俺としたら解放された気分だ。なので完全に気を抜ける。


 そうやってダラダラ過ごしていたら、ダリアは寝ていたらしく連行された。【房中術】【鋭覚】【精気】で大満足させて寝かせたが、闘気の扱いが随分上達したなぁ。


 何とも言い辛い上達の仕方だが、上手くなっているのは間違い無い。かなりのレベルアップを果たしているが、本人達にあんまり自覚が無さそうなのが微妙なところだ。だが、それ以上に上達の仕方がアレ過ぎる。


 ウチの女性陣は、本当に思春期の男子中学生を越えていると思う。それに付き合っている俺が言う事でもないのかもしれいないが。とはいえ、こういう上達の仕方をしている者は、歴史的にも殆どいないんじゃないかと思っている。


 ……さて、部屋と体を綺麗に【浄化】したので、勾玉を使って【浄化】した後で銅鏡も使ってみよう。今回初めてだから念には念を入れて、勾玉の後に使用する事にした。かなりの効果範囲なので危険がそれだけ大きいと判断したんだ。


 そしてそれは正解だった。勾玉の後だというのに強烈に邪気を吸い込んでいく。【浄化】の権能を使っているし、銅鏡そのものが【浄化】の力を持っているにもかかわらず、吸引速度に追いつかない。


 吸引速度をセーブしないと【浄化】速度が追いつかないが、それ程までに広い範囲から一気に邪気を集めてくる。これも何度も使って慣れるしかないな。これに慣れるのは相当大変だろうけど。それでも圧倒的なくらいの大範囲を綺麗に出来た。


 今日は気分良く寝れそうだ。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界501日目>



 おはようございます。今日は王太子に報告するかもしれませんし、1日休みかもしれません。向こうの状況によって変わるんで、こっちから何かを言う事は出来ないからなぁ。あんまり権力者の依頼を請けたくないのは、こういう部分もある。


 向こうからの連絡待ちなので、おちおち遊んでもいられない。ただの休みなら好きにするんだが、待ちながら休むってのは縛られてるのと変わらないからな。特に、精神的にちゃんと休めないんだよ。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」


 「今日は王太子からの呼び出しがあるかもしれないけど、それまでどうする? ……遊んでるのも問題だろうし、部屋の中で涼んでるくらいしかやる事が無いね」


 「聞いておきながら結論が出てるじゃないですか。とはいえ、それしかないでしょうね。どこかに遊びに行く訳にも行きませんし、今日も暑そうです。たまには1日中部屋に居てもいいと思いますよ」


 「そういう意味では、今日は正しく休みの日ね。適当にゆっくりとしながら、暇なら魔法の訓練でもしておこうかしら? 同時発動も最近は数を増やせてないのよね」


 「10個の魔法を同時展開できる時点で十分だと思うのは私だけかな? むしろ他の魔法を覚えた方が役に立つんじゃないかと思う。幅広く様々な魔法が使える様にね」


 「確かにそれはアリかもしれないな。色々な魔法が使える事によって対応出来る幅も広がるだろう。そっちの方が良いと私も思うが、どういう練習をするかは本人次第だからな」


 「数が少ないけど深すぎて大変な【錬金魔法】と【錬成魔法】はどうかな? 戦闘の幅は広がらないけど、物作りの幅は広がるよ?」


 「「「「「「「………」」」」」」」



 部屋の片付けを終えた俺達は、隣の食堂へと移動する。大銅貨10枚を支払って朝食を注文したら、席に座って冷たい神水を飲みながら食事を待つ。運ばれてきた朝食を食べ始めると、妙な連中が食堂に入ってきた。


 そいつ等は金を払うと少し離れたテーブルに座り、大きな声で話を始めた。



 「昨日のダンジョンでは上手くいかなかったが、必ずや今日こそ洞窟を突破するぞ! 今のところ13層から先に進めている者は殆ど居ない。かならずや突破し、我が子爵家の名を轟かせるのだ」


 「は、はぁ……。ですが突破出来る者は居ますので、洞窟の地形を突破出来ても轟かないと思うのですが」


 「何を言っている! 我が子爵家の名前が上位にくるのだ。皆が大いに讃え、ひれ伏すであろう! ……うむ、間違い無い」


 「「「「………」」」」



 うん、分かるぞ。この食堂に居る全員が同じ想いを抱いている。「何言ってんだ、コイツ?」とな。子爵家の血筋だか何だか知らないが、幾らなんでも頭が悪過ぎるだろう。傭兵は完全実力主義だと習わなかったのか?。


 挙句の果てには、たかが子爵家だ。伯爵家の娘であるルタでさえ実力的に新人扱いをされていたっていうのに。13層の話をしているが、それは本当にお前の実力で行ったのか? 十二分に疑わしいぞ。ここに居る殆どがそう思っているだろう。



 「この場の愚か者どもも明日には分かる。私がもっとも優れた傭兵であり、それが我が子爵家の栄光を表すのだとな。直にひれ伏す者どもの嫉妬が心地良いわ! 八ッハッハッハッ!!」



 アイツ強心臓すぎるだろ。ある意味凄いけど、あまりにも痛すぎる。料理が運ばれてきたので機嫌良く食事をしているようだが、お仲間が周りに頭を下げて謝罪をしている事に気付け。


 とはいえ、そういう場面で気付けるなら、あんな痛々しい奴にはなってないだろうな。それにしても初めて見る奴だが、あんな頭の悪い奴居たっけ? 女性陣の顔を見回すも誰も知らないらしい。



 「しかし……由緒正しきヴェスティオンの子爵家の嫡子たる私が、傭兵をして平民と食事を共にせねばならぬとはな。何故こんな事になったのかは知らされておらぬが、必ずや栄誉を手にして凱旋してみせようぞ」



 ヴェスティオンのクソ貴族かよ!! 再びここに居る客の心が1つになったぞ! 何でクソ国家のクソ貴族がこんな所に居るんだよ。ここはガイアルム王国であって、お前がイキがれるヴェスティオンじゃないんだぞ。


 むしろ、こんな奴だから嫡子なのに追放されたのか? ……何かコイツって、どうみても<島流し>っていうか<都落ち>って感じしかしないんだよな。だからなのか、周りの連中も本気で激怒まではしていない。


 怒ってはいるものの、痛々しい奴の戯言だという部分もあるからだろう。腹は立つが、現実を知らない馬鹿の言葉にいちいち怒るのも恥ずかしい。多分そんな感じの感情が大半を占めている。


 それを分かってやっているなら優秀なんだろうが、絶対に何も分かっていないのが丸分かりだしな。


 食事後、食堂を出て宿の部屋に戻る。涼しい部屋でのんびりしようかと思った矢先、リンデとエイルズとザラが部屋に来て王城に行く事になった。王太子は早めに情報が欲しいのと、今日の午前は運良く時間が空いているらしい。


 部屋を片付けて宿を出たら、歩いて王城に行く。王太子は馬車を用意しようとしたらしいが、リンデが断ったそうだ。いちいち時間が掛かるのと馬車よりも徒歩の方が安全だと言って、自分も徒歩で来ている。


 普通なら馬車の方が安全なんだが、即座に逃げなければいけない状況の場合は馬車がむしろ邪魔になる。正しい身体強化が出来るリンデにとっても、逃げられない馬車よりは徒歩の方が安全になってしまっている訳だ。


 魔力や闘気がある世界ならではの状況だなぁ。



 ▽▽▽▽▽


 1082終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨998枚

 金貨1332枚

 大銀貨1137枚

 銀貨1882枚

 大銅貨1751枚

 銅貨408枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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