表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1082/1948

1081




 まあ、嘘吐きへの対応は国に任せるとして、そろそろ食事も終わるからさっさと領都を出よう。視察はとっくに終わっているというか、単に領都の現状を見るだけだった。これ1つとっても、皇族の目で確かめられたのは大きいらしい。


 帝国は2つの山で東西が分断されている為、皇族が直接乗り込んで視察するのは他の国よりも難しくなる。各町や村がどういう状況なのかは重要な情報なので上げさせるのだが、それが本当かどうかは分からない。


 更に懐柔されていても他の国に比べて分かり難いという厄介さがある。山と言う物理的な壁は国家の運営的にも邪魔らしい。かと言って、トンネルを掘ったりするのは時代的に難しいだろう。莫大な金も掛かるしな。


 結局、信用できる者に視察させるしかないのだが、信用できる者は側近として身近なところで使いたい訳で……。遠方に出すのは信用できるのかどうか、イマイチ分からない奴等になる訳だ。


 今回は皇族が直接乗り込んでいるので信用できる情報となるんだけど、代わりに中央が把握していなかった町の住民の面倒な差別感情が明らかになった。この情報に中央は間違いなく頭を悩ませる事になる。


 カイリはそれが分かっているので、中央への報告を魔鳥便の報告書で済ませようと思っているらしい。まあ、好きにすればいいと思うが、面倒な事の報告は確かに気が重いだろう。自分じゃないので他人事だが。


 昼食後、俺達はさっさと領都を出て国境の森へと突入する。蛇行した道を走り抜け、ガイアルム王国側の辺境伯領の領都ファルートの前へと到着した。もちろんスルーして先を急ぐので、中には入らない。


 グリュウの街、クレの町、ハウの村、領都ディムアスト、サウスアルム、そして王都ガイアルムへと到着した。一応帝国の皇族が来ている事も含めて報告しなきゃならないらしいので、一気に王都まで戻る事に決めたんだ。


 領都ディムアストじゃ大人数が泊まれる宿屋を知らないので、小さい宿屋を貸切にする必要があるが、そうなると送風機と冷房が足りない。それでは不便なので、王都の宿屋に泊まる為に急いだのが真相だ。


 リンデ達は多少王都に居る必要があるだろうが、俺達はそこまで長居しない。元々の依頼はリンデ達を帝国の視察というか観光に連れて行く事なので、王都に連れて帰ってきた事で依頼達成となる。


 後は王太子に報告すれば終わりだが、その辺りの報告は俺達がする事じゃない。俺達は王太子に会って依頼達成を確認したら、報酬貰ってさようならだ。王城に長い時間拘束されるのも嫌なので、さっさと帰らせてもらう。


 それもこれも明日だが……おっと俺達の番が来たので登録証を見せて王都に入る。ラーファンさんの宿に行き5日間、銀貨1枚と大銅貨10枚で大部屋をとった。


 リンデ達は王城に行って寝泊りするので問題は無いのだが、そういえばカエデはどうしたんだ? 今の今まで気付かなかったのはアレだが、気付いた以上は聞いておかないといけない。



 「あの子なら城に居ますよ? ツインホワイトであるダリアと違ってカエデは体が大きいですから、無用な威圧になったり揉め事の原因になってはいけないので今回は置いていったんです」


 「ああ、そうだったのかい。それで見なかったんだね。連れていないからおかしいとは思ったけど、城に居るなら大丈夫だろうさ。食べて寝てばかりで運動不足な可能性はあるだろうけど」


 「あの子も女の子ですから、お腹が出てきたら運動ぐらいするでしょう。流石にそこまで自堕落ではないと思いますが……」



 そんな事を話しながら貴族街への門と王城への門を抜ける。リンデが居るので許可証を出さなくて助かるが、それを言うとキューレとカイリが変な顔をしていた。


 どうやら王城まで行ける許可証を持っている事に、驚くと同時に呆れたらしい。普通は御用商人ぐらいで、滅多に手に入る物ではないそうだ。幾ら<凄腕の斥候>だからと言って、堂々と入れる許可証を持つのはおかしいと言われた。



 「当たり前の事だが、何処の国でも城に入れる者は厳しく制限される。それは王族や皇族の命を守るうえで当然の措置だ。つまり許可証を持つというのは、この人物は安全だという証明でもある。しかしアルド殿は……」


 「我が国では危険過ぎるが故に、お渡ししたんですよ。そもそも好き勝手に王城に入って来れる方を制限する方法なんてありません。ならば許可証を出して、いつ入ってこられたかを記録しておいた方がマシです」


 「「うわぁ……」」


 「まあ、我が国でも城に侵入して、玉座に犯罪者を座らせて置いていったぐらいだしね。ついでに、その足元にも居たけど。言ったら悪いけど、やる気になれば各国のトップを暗殺する事ぐらい出来るんだよ。やらないだけで」


 「「………」」


 「キューレもカイリも、ようやくアルドさんの本当の実力を理解されたんでしょうね。本来は絶句する程の実力差があるんですよ。竜との戦いは夢でもなんでもなく、現実なんですから」


 「そうだね。2人はまだまだ理解してなかったから丁度良かった。私も昔はそうだったけど、今は常識が破壊されたからリンデの言っている事が事実だとよく分かるんだよ。キミ達も時間が経てば理解出来る様になる」



 何か酷い言われような気もするが、城の前まで来たので6人と別れる。王太子との面会は明日か明後日になるそうだ。面倒だが仕方がない。本当なら依頼達成の証明と、金さえ貰えればそれで良いんだがな。


 王太子もこっちから聞きたい事とか色々あるだろうし、一応依頼された側としては報告を求められれば報告せざるを得ない。まあ、とりあえず足早に平民街へと戻って食堂に行こう。もう夕方なんだよ。


 ラーファンさんの宿に戻った俺達は、隣の食堂に行き大銅貨10枚を支払って夕食を注文する。席に座ってゆっくりしていると、男2女4のチームが隣に座って大きな声で話し始めた。



 「今日の戦闘は上手くいったわね。慣れてきたのもあるけど、やっぱり連携が上手く嵌まると簡単に勝てるし怪我をしなくて済むわ。浄化魔法も上手くなったみたいだし、ここは無茶をせずに堅実にいきましょう」


 「そうだね。今日は上手くいったけど、明日も上手くいくとは限らない。1回上手くいったくらいで調子に乗ったら、僕達は明日死体になってるかもしれないしね。10日ぐらいは様子見かな?」


 「ああ、そうだな。俺もその意見に賛成だ。命があるから美味い物も食えるんだし酒も飲める。死体になるくらいなら、根性無しと言われた方が遥かにマシだ。その根性や勇気のある奴から死んでいくんだしな」


 「本当にねー。それに、これから店に行って色々デキるのも生きてるからだもん。ごはん食べたら早速行こうよ」


 「気持ちは分かりますけど、お店に行かなければならないのは貴女の声が大きいからですよ? 少しは声を抑える努力をして下さい」


 「アレはねえ。何と言うか絶叫だからさ、耳障りだし不快なんだよ。本人は気持ち良いんだろうけど、周りの迷惑も考えてほしいね。<防音の魔道具>を売ってる店って知らない?」


 「知ってたらとっくに買ってるよ。魔石だって2個もあれば一日保つ筈だし、アレの時だけなら1個で余裕だしね。ギルドとかが持ってるらしいけど、私達に売ってくれはしないだろう」


 「「「「そっかー……」」」」



 どうも猫獣人のチームメンバーは声が大きいらしい。たまにそういう人が居るとは聞いた事があるが、ウチの女性陣にそこまで声の大きい人物は居ないからなぁ……よく分からん。さっき絶叫って言ってたから相当なんだろうけど。


 絶叫って……と思うが、戦士風の女が不快だとまで言っていたので聞くに堪えないんだろう。ウチの女性陣に居なくて良かった。居たら色々大変だったかもしれない。


 下らない事を考えてないで食事に集中しよう。



 ▽▽▽▽▽


 1081終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨998枚

 金貨1332枚

 大銀貨1137枚

 銀貨1882枚

 大銅貨1761枚

 銅貨408枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ