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小型のアイテムバッグ以外、最奥には何も無いようなのでそろそろ脱出しよう。皆も十分休めただろうし、これ以上ここに居ても仕方がない。全員に声を掛け、脱出紋に乗ってダンジョンを脱出した。
外に出ると夕方一歩手前という時間であり、夕日が出てくるところだった。解体所に行き、ダンジョン内で倒した魔物を売り払って売却金を受け取る。
あまりランクを上げる気の無い3人、エリア、キューレ、カイリに傭兵ギルドに行ってランクを上げるように言っておく。ギルドに行かなさ過ぎても怪しまれるので、何回かに一回は行っておく必要がある。
3人は面倒臭そうな顔をしたが、ずっと低ランクで居る訳にもいかない。流石に怪しまれて呼び出しなんて事になると、もっと面倒臭い事になる。実際にダナやシュラいわく、そういう調査はあるそうだ。
傭兵ギルドとしても、傭兵登録をした者が、傭兵である事を犯罪に利用している可能性は考えている。だからこそ覆面調査員のような者は存在しているそうで、高ランクだと知っている者も多い。
各国それぞれの中央ギルドで選抜された者と、傭兵ギルドの総本部が選抜した者の両方が居るらしい。勿論だが、誰かは分かっていない。各国の中央が選んだ者は中央ギルドのギルドマスターしか知らないし、総本部が選んだ者は総長と副長しか知らない。
総本部が選んだ者は各国の監査も兼ねているそうで、中央ギルドが選抜された人物を探したり懐柔しようとしたりするそうだ。勿論、そういう事をした事も含めて報告されるらしく、中央ギルドのギルドマスターが交代させられる事もあるんだとさ。
そんな話を聞きながらシャルマの町に戻り、傭兵ギルドに行って報告をさせる。今回の分だけなのでランクが上がるかどうかは知らないが、少なくともキューレとカイリは上がるだろう。何故かフォルとリューとリヴィも並んだが……。
無事に全員ランクが上がったようだ。フォルとリューとリヴィはランク6に、エリアはランク5に、キューレとカイリはランク2になった。俺自身は解体所で何も出していないので、報告する事が無いんだよな。
どこかで適当に狩りでもして報告しておいた方がいいか。流石に除名までは行かないだろうが、お金が余ってる所為で狩りに行こうと思わないんだ。正しくは、誰かの獲物を取る気が無いと言うべきか。
お金があると無理をする気にならないし、ルーデル村に戻ってから適当にゴブリンでも狩ってこよう。ギルドへの報告も済んだので、食堂に行って夕食にしようか。傭兵ギルドを出たら、皆と並んで食堂へと歩く。
周りからの目が鬱陶しいが、そう思っているのは俺だけらしい。ウチの女性陣は慣れたものだし、王族と皇族はもっと慣れている。ザラとエイルズはリンデやリヴィと居るので慣れたそうだ。そうか……俺だけ慣れてないのか。
久々に野郎どもの鬱陶しい嫉妬の視線を浴びている。恨みの籠った目というか、憎しみの籠った目というべきか。どっちにしたところで面倒なものでしかないが、そのうち治まるだろうと放っておく事にした。
食堂に入り大銅貨10枚を支払って夕食を注文したら、席に座って一息吐く。ここのダンジョンでも色々あって疲れたが、まさか神様がアイギスの盾なんて物を放り込むとは思わなかった。アレはちょっとシャレにならない。
「何だか鬱陶しいねぇ……、ここまで面倒な視線が絡みつくのは久々だよ。いったいどういう事なんだろうか聞いてみたいもんさ。まあ、聞いたところで答えないだろうけど」
「でしょうね。大体は途中で諦めるものですが、この視線は妙にしつこいです。離れた所からこちらを観察しているようですが、何だか値踏みもされている気がするのですが?」
「ダナやシュラが感じてる方向にはこっちを見ている女が居るな。流石に視線を向けなくとも【探知】と【空間把握】で分かる。後、俺にも憎しみの籠った視線を送ってきてるな」
「どうせ見た事もない相手なんでしょ? ……やっぱり。なら放っておくのが1番よ。相手が男であろうが女であろうが関係ないわ。手を出してきたら相手をしてあげましょう」
「しかし、女がアルドに対して憎しみの視線を向けるという事は、そういう女だという事か? ……やはり、その可能性が1番高いか。男も女も同じだが、何故そんな視線を向けるのだろうな?」
「モテない連中の僻みって言うより、モテてる奴が気に入らないっていう気持ちの方が強いんじゃない? 色々な日頃の鬱憤をぶつける都合の良い相手なんじゃないかな。勿論、された方は堪ったものじゃないだろうけどね」
「まあ、そういう部分もあると思います。とはいえ、あの女に限って言えば嫉妬だけでしょうけどね。どうも同性愛者のようですし。そうやって嫉妬をするより、相手を探せばいいと思うのですけどね」
「食事が運ばれてきたし、料理がマズくなる話は止めて食べようじゃないか。折角の料理が勿体ないよ」
エリアのその一言で下らない奴等の醜い嫉妬に関して考えるのを止め、夕食を食べる事にした。それなりにガッツリ系のメニューだったが、誰も余す事なく完食し食堂を後にする。
宿の部屋に戻り、送風機と冷房を設置して起動したら、ゆっくりしよう。今日もダンジョンで色々あって疲れたが、1番疲れたのが巨大山羊を倒した後なのは何とも言えないな。神様がおかしな物を色々作りすぎている気がする。
勿論だけど有用な物もあるし凄い物だと言えるんだが、色々アレ過ぎて人前で使えない物が多過ぎるんだよな。使うと俺だとバレると言うべきか……。等身大の神木の馬も乗る場所が作られていたし、2人から3人用って感じだった。
でもあんなもので爆走したら絶対に不審な目で見られるか、馬鹿が「寄越せ!」と騒ぎ立てるだろう。当然だが渡す気など無いし、奪いに来たらブチ殺すだけだ。それでも絡まれること自体が面倒なんだよな。
そんな事をウダウダと考えていると、既にダリアは寝ていたらしく女性陣に連れて行かれた。全員をキメて寝かせたら、部屋と肉体を綺麗に【浄化】した後でリンデ達を確認する。無理なのを確認したので俺も寝るか。
今日も一日お疲れ様でした。
<異世界500日目>
おはようございます。昨日の夜に結構な雨がふったらしく、外が濡れているうえに蒸し暑いようです。俺達の部屋は涼しいし、リンデ達の部屋も同じだ。おっと、今の内に綺麗にしておかないとな。
朝の日課である部屋や体の【浄化】が終わったので、椅子に座ってゆっくりと神水を飲む。そのままボーッとしていると、外に誰か居るのが分かった。【空間把握】で調べると昨日食堂で睨んできた女だったのだが、上半身裸で体を拭いていた。
拭き終わったのか服を着た後、桶に汲んだ水を捨てて宿に入ってきた。そのまま宿の中を歩き、1室へと入っていく。どうやら同じ宿の客だったらしい。その女は部屋に入った後、何かの書き物をしている。あまり良い事では無いが、一応確認しておこう。
流石に睨んでいた相手だからな、確認をし……ってお前、ギルドの調査員かよ! 帝国の中央ギルドで選抜された調査員らしいが、目立つような真似をして何がしたいんだか。
そう思ったが、そんな事をする奴が調査員だとは思ってもいなかったので、アレは1種の目眩ましなのか。いや、どう考えても欲望のままに俺を睨んでただけだな。それが丁度いい煙幕になったんだろう。
それにしても細かく書くんだなぁ。それに俺の悪口が盛り沢山だが、そんなに私見ばかり書いて良いのか? それじゃあ、そのうち調査員を外されかねないぞ。最終報告書は違うのかもしれないが、それにしてもな……。
書いてる事を要約すると、「モテる奴は死ね」。これで終わるんだよなー。大丈夫か? コイツ。どう考えても調査員に相応しくないと思うんだが、何か優秀な部分があるのかね?。
少なくとも多少の暇潰しにはなったが、そろそろ皆が起きそうだ。
▽▽▽▽▽
1079終了時点
大白金貨44枚
白金貨208枚
大金貨998枚
金貨1332枚
大銀貨1137枚
銀貨1883枚
大銅貨1801枚
銅貨438枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の浄化盾
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




