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0107




 真っ黒なゴブリンが襲ってきたが、皆が動けないので俺が前に出る。まさかダリアやカエデまで動けないとは思わなかった。邪生になれない迷宮で邪生以外の何かになったのか?。



 「【肉体浄化】【精神浄化】【魂魄浄化】【物質浄化】【空間浄化】」



 【浄化】の権能を全て使いながら浄化する。動きは鈍ったものの構わずに攻撃してくる。触れただけで呪われるかもしれないので、回避しながら浄化を最優先に戦う。


 厄介な事にオリハルコンの短剣以上に呪いに塗れているので、戦闘中にメイスを完全に浄化するのは無理だな。ゴブリンの方を完全に浄化するか。



 「キュガアブィルムワベイジャヴァ!?」



 何を言っているのかサッパリ分からないうえに、ゴブリンの言葉ですらないな。浄化されると、その分弱って動きが鈍くなっている。このまま押し切るのが1番良い方法だろう。


 これ以上浄化出来ないところまで浄化したが、倒しきれない。邪生じゃないからか……それとも足りないのか。俺は更に浄化の力を強めていき、自分にどこまで出来るのか試してみる。


 浄神との修行を思い出しながら、丁寧に繊細に少しずつ限界以上に浄化していく。異常で執拗な程に浄化していると、気付けばゴブリンは死んでいてメイスも浄化されていた。


 何で誰も声を掛けてくれなかったんだ? 後ろを振り返ると全員が呆然としていた。……どういう事だ? 俺は再び前を向く。すると、そこには真っ白い空間があった。


 色が全て抜け落ちたように、そこだけ真っ白で完全に神界の空気だった。どう考えても、やり過ぎだと言われる事をやってしまったようだ。



 「な、何なんだい? ……コレは一体………」


 「簡単に言うと、コレが神界。神界の空間というのは、こういうもんだ」


 「コレが神界ですか………。何か清浄を通り越して”何も無い”ような……」


 「正解だ。神界という所には、余計なものが無いんだよ」


 「余計ですか……」


 「余計というか無駄というか……。神様達にとっては無駄って事だ」



 そう言って俺はゴブリンを調べる。このゴブリン……邪生にそっくりだ。真っ黒な外側ではなく、中身が邪生にそっくりなんだ。こいつの心臓は相当に強力な力を持ってる。


 俺はゴブリンの死体から心臓を取り出し、6等分して皆に食べさせる。俺が食べて問題ない事を示すと全員が食べ始める。結果、そうなるよなーという事になった。


 まずダリアだが、魔力と闘気が一気に増大した。そのうえ毛先のキラキラも増大して、フワフワのサラサラになってる。多分だが体も凄く頑強になっているだろう。


 次にカエデだが、こちらも魔力と闘気が一気に増大して、爪と毛が白くなっている。白虎っぽくなったが、全身真っ白になってるので何とも言い辛い。



 「やりました! 胸が大きくなっています!」


 「アタシは……アレ? 少し小さくなってる!? ただ……左右のバランスが同じになってるのかねぇ、コレは」


 「私の胸が小さくなってます……。ただ形が良くなってハリがある? それに弾力も」


 「魔力と闘気が増大して、体が強くなるより大事か?」


 「「「当然!」」」


 「そうか……」



 あの3人は一旦放っておいて、メイスを回収する。……成る程ね。神の金属じゃないので安心だが、相当質の良いアダマンタイトで出来ている。


 これを喰らったら洒落にならない事になっていたのは間違い無い。このメイスは護拳が付いていて、フランジと呼ばれる刃のような部分が付いている物になる。


 このメイスはフランジが8枚も付いているので、適当に殴っても問題なく使えるだろう。誰が使うのが良いだろうか……思ってるより短いんだよなー。



 「このメイス、誰か使いたい人居る? 居ないなら俺が使うけど」


 「アタシは要らないかな……?」


 「私も要りません。ちょっと短いですから」


 「私も要らないわね。短いと使い勝手が悪いし……」


 「じゃあ、俺が使うか。……鈍器を使うのは下界に降りてから初めてかな?」



 何度か振ってみるが、こんなものだろう。地球ならこれで何の問題も無いだろうが、身体強化があるので短すぎて使い勝手が良くない。80センチ程あれば丁度良いんだが。


 ……分かってますから、睨まないでくれるかな? 出発前に3人のブラを調整しておく。どうもEカップに近付くみたいだ。肉体のバランス的に、そこが最適なんだろうか?。


 それでも大きい気がするんだがなぁ……。肉体のバランスに対して、1番大きいのがEなんだろうか?。男である以上実感も無いし、これ以上考えても意味は無いか。


 そろそろ先へと進もうか。そこのお三方、胸の話はもういいから。形が良くなっていくとか、ハリと弾力とか、そういうのは帰ってから話しなさい。さっさと行くよ。


 18層も同じ海だった。17層と魚や貝の種類も変わってないので、転移紋を探し始める。直ぐに見つかり南東にあった。先に進む為、転移紋に近付くと南に何か居る。


 また、強力な呪力と邪気が存在している。あのゴブリンと同じような奴だろう。一応皆に確認しておくか。



 「皆、南にまた大きな呪力と邪気がある」


 「つまり、あの呪いの塊が居るって事だね」


 「行きます。でも、私達は邪魔しない方が良いですね」


 「そうね。私が盾で守るのが1番だと思うわ」


 「良し。行こう!」



 南に行き確認してみると、そこに居たのはオークだった。そのオークは魔物を切り刻んで楽しんでいるように見える。オークが持つ呪物は鎖鎌だが、器用に使っているなー。


 感心してる場合じゃないうえ、こちらに気付いたらしい。かなりの速さで走ってくるものの、前に出て浄化すると直ぐに動きが鈍くなった。鎖鎌って回避し辛い……。


 面倒な武器だが、浄化の力を強めていけば更に動きを制限できる。再び神界と同じ空間を作りだした時には、オークは既に死んでいて鎖鎌も浄化されていた。



 「何だか妙な呪物だね?」


 「呪物と言うか、武器と言うか……」


 「鎌だけど、変な物が付いてるわね?」


 「それは鎖鎌という武器だよ。鎖の先に付いている分銅と呼ばれる部分を当てたり、接近戦では鎌の刃を使うんだ」


 「強い武器なのかい? そうは見えないけど」


 「分銅の威力は鎖の長さによって変わるけど、鉄の兜を中の頭ごと潰す威力はある」


 「それは、結構な威力ですね」


 「更に鎖部分で相手を捕らえたりもするから、見た目以上に厄介な武器だよ」


 「でも、とても使い難そうな……」


 「アタシもそう思うよ。使えれば強いんだろうけど、面倒臭そうだね」



 この鎖鎌、鎌の根元にちゃんと護拳が付いているな。つまり鎖鎌用の鎌として作られてる。何だか妙な拘りを感じるなぁ……神様が拘って作った鎖鎌ねぇ……。まぁ、いいか。


 鎖の長さは2メートル程だから携帯性の良い鎖鎌だろう。鎖の長さが4メートルを超える物もあったらしいし、それを考えると使い勝手は悪くないと思う。


 俺は黒いオークの心臓を取り出し、6等分して皆に分ける。皆は大丈夫な事が分かっているので、さっさと食べた。俺も食べたが、やはり俺には効果が殆ど無い。


 ゴブリンの時と違って、2匹の見た目が大きく変わらなかったので安堵した。ただし体の中と言うか、筋肉や骨が心臓の力で強化されているのは分かってる。



 「大きくなりませんね? 代わりに形が良くなりましたが」


 「体全体の肌の艶とかハリも、多少良くなってるね」


 「それもありますが、体全体の軋みと言いますか、長年の溜まったものが少なくなったような……」


 「それ良く分かります! 本当に若い頃の体に戻ったような感じがするんですよ!」


 「アタシも分かるよ。内側から元気が湧いてくるような、とても自然に居られる感じだね」


 「邪生の心臓の事、バレるとマズいですね?」


 「そうですわね。固く秘匿しましょう!」


 「ああ。誰にも秘密を漏らさないように!」



 そこまでなんだなぁ……。



 ▽▽▽▽▽


 0107終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨10枚

 金貨46枚

 大銀貨35枚

 銀貨13枚

 大銅貨18枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 オリハルコンの短剣

 アダマンタイトのメイス

 風鹿の角の十手

 二角の角の戦斧

 二角の革の帽子

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の骨の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 剣熊と銅亀のブーツ

 大型のアイテムバッグ


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