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 焼き場やテーブルと椅子を壊して全ての片付けを終えた俺達は、目の前の転移紋から19層へと進む。そこは沼地だったので、手前で昼食をとる事を決めたのは本当に英断だった。決めていなければ、どこまで昼食がズレたか分からない。


 西へと進み、転移門を使って20層へと進む。20層、21層と進み、転移紋から22層へ。今度は洞窟だった。厄介な地形だが、【探知】と【空間把握】を駆使して北西の転移紋へと進んで行く。


 22~24層を突破し25層へと進むと、そこは洞窟だった。ここに来てコレかよ! そういう思いは皆にあるが、文句を言っても始まらないので北にある転移紋へと進んで行く。連続の洞窟はテンション下がるわー。


 25~27層を突破し、北の転移紋から28層へと進む。今度は日差しが強い場所へと出た。……次は砂漠かよ。しかもダンジョンモンスターの反応がポツポツとあるので最奥ではない様だ。


 まずは神水の樽を取り出してキンキンに冷やす。皆に神水を飲ませて水分補給をし、その後に先へと進む。気付いたら熱中症とかシャレにならないからな。最初から対策をしておかないと。


 見晴らしは良いのでダンジョンモンスターを避けながら進み、転移紋で次へと移動する。28~30層を出来るだけ速く走って突破し、北東の転移紋から31層へと進む。流石にそろそろ終わってほしい……。


 31層は草原ではあるが、背の高い草が生い茂っている。その草をモシャモシャ食べている山羊が1頭居るだけの場所なのだが、その山羊が体高4メートルも無ければ牧歌的な光景だったのだろう。おそらく。



 「メエエエエエェェェーーーーッッッッ!!!!」



 大音量で響き渡る馬鹿デカイ声で動けなくなった。声で衝撃とか漫画じゃないんだからさ、勘弁してくれよ。ここまで滅茶苦茶なのは初めてだぞ。



 「全員、散開!! 突っ込んで来るぞ! ………とにかく隙があれば攻撃しろ! 傷を増やして動きを鈍らせるんだ!!」



 思っているよりも遥かに速く、皆は避けるのでやっとだ。更にあんな大きな物が突っ込んできたら、それだけで轢き殺される。体重差があり過ぎてどうにもならないので、避けるしか助かる方法が無い。こりゃ長期戦かな?。


 せめて、あの速さを何とか出来たらと思うのだが、それすらなかなか上手くいかない。少しでも立ち止まれば、その瞬間に【瞬閃】で近付くんだが………今だ!!。


 俺は反転し再び突っ込もうとした山羊の隙を突き、【瞬閃】で接近して神石の直刀で足を切り裂いてやった。その瞬間、自重で足が千切れてしまい大きな叫び声を上げる。チャンスだ。


 俺が指示を出すまでもなく、チャンスと見た皆が殺到し山羊を切り刻む。怖ろしいまでに寄って集って攻撃された巨大な山羊は、足を攻撃されてから5分と保たずに死ぬ事となった。合掌。


 皆はその場で喜び合っているのだが、嫌な予感がした俺は、急いで巨大な山羊の死体から離れるように言う。皆が離れた直後、巨大な山羊は邪気となって皆に襲いかかろうとしたが、俺が全て吸引し【浄化】した。


 こういうトラップ、本当に止めてくれないかな。あの邪気を喰らってたら、少なくとも誰か1人は確実に邪生になってただろう。死体のラストアタックは本当に勘弁してもらいたい。


 それよりも巨大な山羊の死体があった所に、何かが落ちているので拾っておこう。近付いて見てみると、それは3つの盾だった。………神様、最近ギリシャ神話が多くないですか?。


 見た感じ、ラウンドシールド、カイトシールド、タワーシールドに良く似た盾なのだが、全てに皮が貼ってある。さっきの巨大山羊の事を考えるに、おそらくだが山羊皮なんだろう。


 山羊皮を貼っている盾なんて1つしかないじゃないか!? アイギスの盾だろう!! なんでこう……俺の知識からの物を作って遊んでるんだ、神様達は。っていうか、もしかしてコレ、神話の通りにあらゆる災厄を退けるのか?。


 ………流石にソレは無いか。そんな盾はさすがに【世界】が許容しないだろう。でも、ここにあるだけで周囲を【浄化】し続けているのは間違い無い。おそらくは邪気と呪いを退ける力は有るんだと思う。さて、どう分配するか……。



 「で、この盾なんだけどさ。長方形のコレはエリアに使ってほしいんだが良いかな? それと凧形のはメル、そして丸いのはリュー。装備的にもこれが1番良いと思うんだ」


 「そうだね。今の装備からも違和感無く使えるのはその3人だろうさ。それよりも、この盾の事を話しちゃくれないかい? ……アルドは知ってるんだろう?」



 そう言われたら話すしかない。俺が持っている神木の浄化盾よりも更に強力な浄化能力を持ち、呪いでさえ弾くか浄化してしまうだろう怖ろしい盾の事を話していく。というより、ギリシャ神話のアイギスの話をした方が早いか。


 元々は山羊皮を使った防具全般をアイギスと呼んでいたらしいが、おそらくアテーナーのアイギスの盾が有名になり過ぎて、何となくアイギスが盾のイメージで固定されたんだと思う。


 盾じゃなく楯という説もあるそうだし、胸当てや鎧をアイギスと言ったという説もあるらしい。神話の時代だしな、分からない事が多いのは仕方がない。



 「つまり、ありとあらゆる災厄とか邪悪な物を払う盾をアイギスの盾と言うんだね。それを模して神様が作ったのがこの盾かい………確かにアルドの言うとおりさ。神様は何をやってるんだろうねぇ」


 「暇なんですかね? 私達としては凄い盾が手に入ったのでありがたいのですが、神様の暇潰しにしか思えないのも事実です。不遜ではあるのでしょうし、不敬なのでしょうが……」


 「アルドに聞くと分かるけれど、神様方も人と似た様な感覚をお持ちだし、考えもお持ちなのよね。だから私達下界の者に対して呆れたりしておられるのでしょうけど」



 メルから神銀のカイトシールドを渡して貰い、エリアから神鉄のタワーシールドを渡してもらう。両方をインゴットにして誰も使えないようにしておいた。神の金属製の物ばかり持っていてもしょうがないしな。


 3人は盾を構えながら練習しているが、メルとエリアに関しては今までの盾よりも遥かに軽いらしい。まあ神木と山羊皮だもんなぁ、そりゃ軽いだろうよ。リューは片手で剣を使う事が多かったので丁度良い。


 他のメンバーは基本両手で武器を持つので、盾を持たせても上手くいかないだろう。持たせてもアルメアぐらいだが、鎖鞭の時ぐらいしか使えない。本人は殆ど神金の大太刀しか使わないので、無用の長物と化すだろう。


 【探知】と【空間把握】を使って最奥を調べているんだが、今回は何も無さそうな………いや、あったわ。ちょっと取りに行ってくるか。皆に断りを入れて取りに行き、直ぐに皆の下へと戻る。


 草が生い茂っていて分かり難かったが、小型のアイテムバッグが落ちていた。それを拾ってきたのは良いが、中から出てきた物に仰天するしかない。本当に何を考えているんだろうな、神様連中は。


 出てきた物は2つあり、1つは鏡だった。ただし銅鏡であり神銅で出来ている。色は銀色で、錫を大量に使った青銅のような色だ。そして勾玉以上の吸引力をしている。


 おそらくは5倍から8倍近いと思われるうえ、コレ単体で浄化能力すら持っている。滅茶苦茶な物を作ったもんだが、「もっと浄化しろ」という声が聞こえてきそうだ。


 もう1つは木で出来た等身大の馬で、神木で出来ていると思うのだが、問題は魔力を流すと馬のように動く事だ。それも走る早さが尋常ではないほど速いうえに、何故か足音が一切しない。コレ、本当に大丈夫か?。


 下界にあっていい物なのか迷うが、駄目なら【世界】が許さない筈なので大丈夫だと思おう。じゃないとやってられない。


 何故こんな物が入っていたか意味が分からないが、今は俺のアイテムバッグに封印決定だ。こういう危険な物は、妬みや嫉みや僻みで使えない。


 最悪の場合の移動手段として覚えておこう。



 ▽▽▽▽▽


 1078終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨208枚

 大金貨998枚

 金貨1332枚

 大銀貨1137枚

 銀貨1883枚

 大銅貨1811枚

 銅貨438枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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