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 シャルマの町に入った俺達はすぐに宿を探しに行き、3軒目でようやく大部屋を2つとる事が出来た。俺達とリンデ達の分、10日間の宿代銀貨6枚を支払い部屋を確保した。これでゆっくり出来る。


 まだ夕食には早いので部屋でゆっくり休んでいると、リンデ達も部屋に来て話し合いとなった。実はリンデ達も商人の馬車が殆ど調べられなかったのを怪しんでいたらしい。怪しいのは分かるが、何を話すんだ?。



 「えっ!? ……アルドさんの技で、こう……調べたり出来る筈では? いや、頼るだけじゃありませんけど、怪しい所を調べて……」


 「何で俺の使える技が前提になってるのか知らないが、まずは自分達の力だけで考えろよ。それに虱潰しに調べるって時間が掛かるし面倒臭いんだぞ? 神殿とか分かりやすい目印でもあれば良いんだけどさ」


 「いやいや、神殿を犯罪の目印みたいに……あれ? 間違ってない?」


 「いえ、流石にソレは言い過ぎかと。まともな神官とて極僅かには居ますから、決して全ての神官が悪行をしている訳ではありませんよ。浄神様は激怒されておられるようですが……」


 「神を激怒させているなど、知らなければ誰も信じぬだろうな。それも神を祀る神殿が、神を激怒させる原因だとは……。それが真実だと言われると、むしろ納得してしまうのがな。私も初めて聞いた時は、やはりとしか思わなかった」


 「それは横に置いておくとして、何でアンタはアルドに調べてもらおうと思ったんだい? 自分で調べるか、それとも無視していれば良いだろうに。馬鹿ならアルドに喧嘩売って始末されるよ」


 「……そういえば、そうですね。別に私達が動かなくても勝手に死ぬんでしょうし、気にする必要もありませんか」


 「各国で捕まっているような御禁制の物を扱ってる連中なら、どこかの女性を手篭めにしようとして、逆に壊滅させられる未来しか見えないね。というか、それ以外に末路はあるのかな?」


 「手を出さないという可能性も無い訳ではないので、何とも言えないところです。とはいえ、そういう組織は大体において欲を掻いて自滅するのが定番ですけどね」


 「うむ。今まで上手くいっていたから、これからも上手くいくと思い込むのか、それともそんな事すら考えなくなるのか。どちらかは知らんが、常に警戒し続ける事は出来ないだろう。おそらくは」


 「上の連中というのは警戒を続けるんだろうけど、末端までそれが出来るかと言えば無理だろうね。そして、そういう奴が襲ってきて、誰かさんが壊滅させる切っ掛けになると」


 「そんなところでしょう。エイルズの言った通りになりそうだと私も思います。仮に違う形でも、結果は大して変わらないと思えますしね」



 何か色々言われたが、別に俺は今のところ壊滅させる気も無いんだがなー。こっちに手を出してきたら潰すが、手を出して来ないなら何もしない。俺のいつものスタンスだが、これから先もコレは変わらない。


 積極的に潰していくと神様に消されそうだし、そうされない為にもあくまで反撃に徹する必要がある。まあ、余程の場合は神様も許してくれるだろうけど、いきなり消される事もあるので注意が必要だ。基本は反撃!。


 夕日が出てきたので部屋の中を片付けて食堂へと移動する。宿の従業員に聞いたところ、表通りの店よりも1つ入った所にある食堂の方が安くて美味しいらしい。銅貨10枚渡しただけはあって、ちゃんと教えてくれたな。


 最初は表通りの店を紹介されたので、無言で銅貨10枚を握らせたら本当のお薦めを教えてくれた。どうも、半ボッタクリの様な店を宣伝するように言われているので、その店を紹介せざるを得ないそうだ。


 客に半ボッタクリの店を紹介した後、別の店を紹介するなとは言われてないのでギリギリセーフらしい。まあ、それならそれで良いんだけど、そもそも黙っていればいいと思うよ。とりあえず食堂に行こう。


 表通りを1つ入った所にある食堂に入り、大銅貨10枚を支払って夕食を注文する。席に座り料理を待っていると、近くの客のヒソヒソ声が聞こえてきた。どうやら商人らしいので、【空間把握】で聞いてみよう。



 「おい、いいのか? 流石にそろそろマズいぞ。ここのところ、アイツ等は調子に乗りすぎてる。場合によってはアジトを強襲されるかもしれないし、中央から騎士団が派遣されるかもしれない。そろそろ手を引くべきだろう」


 「そうは言っても奴等がそれを聞くと思うか? それに裏切り者は殺されるじゃないか。今までどれだけの商人が殺されてきたと思ってる。私は仕方ないと諦めもつくが、家族が殺されるのには耐えられん」


 「それはそうだが……。だが、このままでは一生奴等に使われるだけだぞ。この町は奴等の息が掛かっているから大丈夫だが、他の町はいつ破滅するか分からない綱渡りなんだ。表と裏、どっちでも終わりかねんよ」


 「分かってる。分かってるが、俺もお前も関わったのが運の尽きだ。今さら無かった事になど出来ない。それに奴等の片棒を担いだから今がある。かつては、いつどうなるか分からない木っ端商人でしかなかったんだぞ。お前も俺も!」


 「そ、それは………」



 這い上がりたくて手を出したら、取り返しのつかない事になったと。よくある話でもあるし、そのおかげで大成できたのなら同情は一切無いな。散々甘い汁を吸っておきながら、無かった事に出来ると思われては困る。


 この町にあるらしい組織の奴等が喧嘩を売ってきたら、そこの商人2人も始末するか。麻薬類を始め、散々汚く儲けてきたんだ。ゴミどもが落ちる所まで一緒に落ちてもらわないと、被害を受けた者達が浮かばれない。


 夕食後、宿に戻る道を歩いていると、さっそく後ろを尾けてくる奴等を見つけた。俺達は気付いているものの、それを悟らせないようにしながら宿に入り部屋へと戻る。送風機と冷房を設置して起動し、【冷風】で部屋を冷やしたら監視を始める。


 【探知】と【空間把握】を使い監視しているが、今のところ強引に侵入する気は無いようだ。そのまま監視を続けていると、別の人員と交代した。どうやら食事をしていなかったらしく、さっきまでの監視は夕食を食べに行くみたいだ。


 新たに来た人員が宿を見張っているが、いったいどうす……おいおい。あの従業員、俺達の部屋の事を話して金を受け取ってやがる。余程死にたいようなので、これで末路は決まりだな。


 監視をしながら計画を練っていると、既にダリアが眠ってしまったらしくベッドへと連れて行かれた。一応確認したのだが、裏の組織への強襲は邪魔になるといけないので参加しないそうだ。本当に助かるよ。


 証拠物を残さない事とか色々気を使う事もあるんで、出来れば1人で済ませたい。皆をキメて寝かせた後、ヒュドラーの毒ナイフとアダマンタイトのサバイバルナイフを持って待ち構える。宿の客が寝静まった頃、そいつ等は従業員の手引きで入ってきた。


 再度従業員に話を聞いているので、その間に【衝気】を使って気絶させておく。手枷と足枷を嵌めた後、【昏睡】を叩き込んでから【白痴】を使い聞き出す。宿の玄関だが【止音】を使っているので大丈夫だろう。


 こいつ等は裏の商人組織の者達で、僅かながら奴隷も扱っているらしい。どこにでも買う奴等は居るし、ウチの女性陣やリンデ達を売り飛ばす気だったそうだ。コイツ等は誰に手を出そうとしたか理解していないようだな。


 アジトはこの町の大店とスラムにあるらしく、スラムの方は荷物の集積地らしい。聞くべき事は聞いたので従業員含めてさっさと始末し、アイテムバッグに収納したら宿を出る。まずは人が居る大店の方に侵入し、情報を得よう。


 表通りの大きな店だが、その後ろの屋敷部分が非合法な密売組織のアジトとはなぁ……。堂々としていれば見つからないもんかね? それとも領主も抱きこんでるんだろうか? とりあえず調べてからだな。


 屋敷部分の勝手口に近付き、外から閂を外して侵入する。相変わらずのワンパターンだが、楽なんだからしょうがない。



 ▽▽▽▽▽


 1074終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨180枚

 大金貨985枚

 金貨1120枚

 大銀貨1126枚

 銀貨1471枚

 大銅貨1821枚

 銅貨438枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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