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 皆と話しながら部屋を片付け、終わったので外に出る。丁度リンデ達も部屋を出てくるところだったので一緒に食堂へと移動した。大銅貨10枚を支払って朝食を注文し、テーブル席に座って料理が運ばれてくるまで雑談をして待つ。


 話をしているとカイリが店に入って来て、自分の食事代を支払った後リンデ達のテーブル席に座った。どうやら皇都での報告は終わった様だな。



 「昨日一晩、色々な事を聞かれたが報告は終わった。叔父上からは「辺境伯の所に行っただけなのに内容が濃いね」と呆れられたが、陛下は辺境伯の部下が貴族主義に塗れている事に不快を示しておられた」


 「それはそうでしょうね、あんなものは貴族にとって邪魔でしかありません。そもそも善く治めれば民は敬ってくれるのです。それもしないで傲慢に振舞うとは……そのうえ家臣が居丈高に振舞うなど許される事ではありません」


 「バカは容易く引っ掛かりそうだよね。頭が悪いほど、偉そうに振舞うのが好きだからさ。それをやってる奴等は周りからそう見られるんだけど、アイツ等はバカだから気付かないんだよねー」


 「我が国にも似た様なのが居ますね、困った事に。おそらく何処の国にも居るのでしょうが、本当に面倒なものです。アレ等の対処の時間があるなら、他にもっと有効な事が出来る筈なのですがね」


 「どうしてそんな馬鹿をいつまでも貴族にしてるんだろうね? さっさと辞めさせればいいのに。何かアタシ達には分からない事情でもあるのかな。ザラはどう思う?」


 「さあ、どうなんでしょう? 私も国の運営なんて知りませんから、よく分かりませんね。ただ、簡単に辞めさせたりすると、次は自分じゃないかと怯えて叛逆してくる事もあるのでは?」


 「ああ……噛み付いて来るって事ね。それに好き勝手に辞めさせると暴君みたいに思われるのかな? 国って面倒臭いんだね」



 まあ、そりゃそうだろうな。好き好んで統治者なんてやりたくないもんだ。まともに統治すると大変だろう。好き勝手にやったり、家臣に丸投げするなら楽なんだろうけどな。真面目にやると鬱になりかねないほど大変な仕事だよ。


 それはともかく、カイリは問題無いようなので朝食後は宿に戻って断ってこないといけない。今日1日でどこまで行けるかな? そんな事を考えながら朝食を終えた。


 食事後、宿に戻り従業員に今日出て行く事と返金は不要だと言い、宿を後にする。当然、忘れ物が無いかのチェックはキッチリした。皇都の門で登録証を見せて外に出ると、少し歩いてから走り始める。


 ディザライト、スタロの街、モーロの町、メヘルの村、そしてロクド山を登る。こちら側は傾斜が急なんだけど代わりに短いので助かるが、問題は向こう側だ。九十九折なうえいちいち長い。山のどこかで昼食にした方が良いな。


 そう思いながら頂上まで上り、ここで一旦昼食にする。多少景色は良いものの、それより邪魔にならない所を探すのに苦労した。少し木を引っこ抜き場所を確保したら、焼き場を作って料理をはじめる。


 面倒なのでタコスモドキにし、具材は海産物にしよう。魚醤などを掛けながら炒めつつ、メルやフォルにチャパティを作ってもらう。スープは暑いから皆が要らないと言ったので、代わりに冷たい神水を置いておく。


 タコスモドキが出来たら皿に乗せていき、昼食を食べよう。【冷風】を使って涼んでいるので良いが、他の山越えの連中は大変そうだ。熱中症で倒れる人が毎年出そうな感じがする。


 今、登ってきた若い連中の中にも何だかフラフラしている奴がいるし危ないな。そう思っていたら倒れたけど大丈夫か!? 俺は食事を終えていたので直ぐに駆けつけ、倒れた子を仰向けにすると調べていく。


 熱が随分高いし、これは熱中症だな。若い女の子4人組だったが、その子達に倒れた女の子を楽な格好にさせるように言い、皆の下へと戻る。アイテムバッグの中を探っているとアルメアが話しかけてきた。



 「主様、あの倒れた子は病気か何かだったのかい? 随分慌ててるようだけど……」


 「いや、病気というか熱中症だよ。今作ってるのは経口補水液モドキだ。水とハチミツと塩。おそらくこれで大丈夫だと思うんだが、神水と魔豊蜂のハチミツと塩なんだよな。でも、たぶん効くとは思う」


 「随分贅沢な飲み物だと言うべきか……とりあえず私も行くよ。あの子達は主様を警戒してるみたいだし」


 「すまん、アルメア。頼む」



 俺は女の子4人組の所に戻り、倒れている子の口に経口補水液モドキを持っていく。女の子達が訝しんで警戒しているので、このまま水分を摂らないとこの子は死ぬぞと言って危機感を持たせる。


 女の子3人は伝えた事を何もしていなかったので、アルメアに頼んで倒れている子の服を緩めさせる。とにかく熱を逃がさないと危険だ。口元にコップを持っていき流し込もうとするものの、意識が無いのか飲み込む気配が無い。


 仕方なく口移しで強引に飲ませ、【冷風】を使って体温を下げる。その頃になると他の女性陣もこっちに来て見ていた。何度か口移しで飲ませていると、意識が戻ったのか少し目を開けて周りを見渡し始めた。やれやれ、助かったか。


 新しい経口補水液モドキを作り、気が付いた子に渡して飲ませる。女の子の仲間が体を起こしてやり飲むと、少しずつ回復している様子だ。これは神水の効果か? それとも魔豊蜂のハチミツの効果だろうか? ちょっと分からないな。


 倒れている女の子も含めて、熱中症の怖さと対策を話しておく。汗を掻き過ぎて体内の水分と塩分が失われる事、熱中症に陥ると判断力が著しく低下し危険に気付き難くなる事など、とにかく死の危険がある事を教える。


 すると、ようやく自分が死に掛けていた事を理解したらしい。仲間の子達も顔が青くなっている。


 経口補水液モドキの効果もあったのだろう、ゆっくりと起き上がれるくいらいまで回復したようだ。水筒は持っていたようだが、既に空だったらしく中身は無かった。しかたなく経口補水液モドキを作ってやり、水筒に入れてやる。


 何故かちゃっかり他の3人も頼んできたので、他の奴等にも入れてやろう。その最中に皆が話を聞いていたが、どうやら今年から傭兵になった新人らしい。それなりに実力も付いたので皇都に行ってみたくなり、現在移動中なんだそうな。


 俺達が居なきゃ、ここで仲間が死んでたぞ。大した知識も無く十分な備えも無く移動するなんて、命を捨てたいのか?。


 皆はそういう意味の事を言って反省を促している様だ。仲間なら、仲間の状態ぐらい把握しておけ。そう言いたいのだろう。


 説教も一段落したので、俺達もそろそろ出発しよう。後片付けは皆が済ませてくれていたので、俺がする事は特に無い。女の子4人組には命を大事にするように言い、俺達は山を下り始めた。


 九十九折の面倒な道を右に行ったり左に行ったりしながら下り、麓に着いたら一気に走って行く。シャルマの町に着いたので、ここで宿を取ろう。ここの北にダンジョンがあるので、そこを攻略してから王国へ戻る。


 町の前の列に並び順番を待っていると、商人達がどんどんと通っていく。……ん? 普通は商人ってもっと厳格に調べられたりする筈だが、何で殆ど素通りみたいに通っていくんだ?。


 ………何だか嫌な予感がするぞ?。


 俺達の番が来たので登録証を見せると、チラっと顔を確認した後に通された。登録証には名前やランクは書かれているものの、顔写真なんかは付いていない。顔を確認する意味は無い筈だが、なんで顔を確認されたんだろうな?。


 何か色々と引っ掛かる町だが、何となくは分かっている。少し前に商人のオッサンから教えてもらった密売組織の拠点って、多分ココだと思う。何と言うか、あの商人との話はきっとフラグだったんだろうなぁ。


 俺はダンジョン攻略だけで良いんだけど?。



 ▽▽▽▽▽


 1073終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨180枚

 大金貨985枚

 金貨1120枚

 大銀貨1126枚

 銀貨1477枚

 大銅貨1831枚

 銅貨448枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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