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 食事中、カイリに辺境伯の家臣に手を出したのは事実かと聞かれたので正直に答えたのだが、その事に関して何か思うところがあるようだ。随分と悩んでいた様だが、最後には教えてくれた。


 どうも貴族主義に関しては、長い間帝国を苦しめていたものだったらしい。先々代の頃に大改革に着手し、今代の若い頃にようやく沈静化をしたそうだ。それまでは勘違いした貴族が横暴をする事も多く、恥晒しの時代とも呼ばれていると教えてくれた。


 ただ、沈静化しただけで燻っているのは間違いなく、今代の皇帝も1つ1つ潰している最中みたいだ。その貴族主義の厄介さを知っているからこそ、他国に対する工作としてやらせたのが真相だった。


 辺境伯家の先代兵士長もその1つだろうとの事。ようするに特権階級の辺境伯は凄い。そして、その辺境伯に仕えている俺も凄い。という風に彼等の中では脳内変換されるらしい。欠片も意味が分からないな。


 貴族主義で1番横暴になるのは、特権階級の貴族ではなく、その下っ端が殆どらしい。当然だが貴族も横暴だが、コレに関しては元々そうだとも言える。だが、貴族主義では下っ端も横暴になり、民が余計に迷惑を被ってしまう。


 なので、長い時間を掛けて沈静化させたそうだ。正直に言って国の中枢にとっては、カスどもより民の方が大事な為、潰す事には何の躊躇いも無かったそうな。団結されると面倒なので気を使ったが、それだけらしい。


 国にとっては偉そうに喚くだけの役立たずより、田畑を耕して食べ物を作ってくれる方がありがたいに決まってる。まあ、当たり前の事だな。


 そんな話を休憩の合間にしていた。おっと、そろそろ皇都に到着するな。モイズの村、メブイの村、アモズの町、ディザレフトを一気に通過していた様だ。考え事をしながら走るのもあまり良くないな。


 夕方には早いが皇都前の列に並び順番を待つ。【冷風】を使いながら涼みつつ順番を待っていると、また横に連れて行かれる商人が居た。懲りない奴等だな、無駄に時間を使う羽目になるんだから下らない事をするなよ。


 そんな事を考えていたら、【冷風】が当たっていた前の商人がお礼に色々教えてくれた。



 「何でも非合法の物を売ろうとしている組織があるらしいんですけど、あんまり上手くいっていないって噂は聞いた事があります。本拠地が帝国にあるって噂もね。私は出身がラグナンドですが、思わず納得しましたよ」


 「へー、この国に本拠地が……。まあ、あくまでも噂として聞いておいた方が良いんでしょうね」


 「ええ。仮に本当にあったとしても、首を突っ込むのは危険過ぎますからな。我々商人なら取り込まれるだけで済むかもしれませんが、傭兵なら殺されかねません。まあ私達商人も、取り込まれた日には死ぬしかなくなるんでしょうけどね」


 「怖いものですね」


 「本当に。ああいう組織は何をするか分かりませんからな。おっと、そろそろ私の番のようです」



 行商人の様な出で立ちの商人は荷物を確かめられた後、直ぐに皇都の中へと入って行った。俺達も登録証を見せて中に入り、真っ直ぐに宿へと行く。前回泊まった宿が空いていたので5日間で銀貨5枚支払い、リンデ達の部屋も一緒にとった。


 カイリは直ぐに報告するため城へと行ったので、今はリンデ達も部屋にいて酒を飲んでいる。チビチビ飲んでいるからまだ良いが、目を離すと直ぐにガバガバ飲むからなコイツ等。気を付けないといけない。


 夕方までダラダラと過ごし、食堂に移動して大銅貨10枚を支払う。夕食を注文して席に座ると、近くから普通の客の声が聞こえる。



 「お前んトコはどうだ? 俺のトコには言われていた変なのが来た。何か怪しい奴等だったんで碌に話も聞かずに追い出したけどよ、アイツ等は一体なんなんだ?」


 「さあな。オレんトコには来てねえから何とも言えねえよ。何でも矢鱈に良い値で買って行ってくれるらしいが、どこに持って行って売るのかとか一切言わないらしい。もしかしたらバロッサに持って行ってんじゃねえかって聞いたが……」


 「バロッサ? ………ああ、あの蛮族国家かあ。あんなトコに持って行ってどうするんだろうな。待てよ? 碌な武器が作れねえ国だとしたら高値で売れるんじゃねえか?」


 「幾らなんでも、武器ぐらいは自国で揃えるんじゃないか? 武器を他国に握られたら終わりだろ。流石に蛮族どもでも我が国から武器を買って、それを持って我が国と戦う事は無いだろ。それやったら、ただの馬鹿だぞ?」


 「俺もそう思うが、蛮族だからなぁ……」


 「確かにそうだな。蛮族なんだよなぁ……」



 流石にバロッサの連中もその辺は分かってると思うぞ? 奴等は蛮族国家を標榜しているだけで、中身まで蛮族って訳じゃないし。まあ、上の方の頭は随分アレみたいだけど、蛮族って程でもない。舐めてると足を掬ってくるぐらいはする奴等だ。


 その辺りは知られてないのかと思うが、別に一般人が知る必要も無い事か。しっかし色々動いてるなぁ、俺達には関係ないけど。


 夕食後、宿の部屋に戻り送風機と冷房を設置する。いつも通りにキンキンに冷えた神水を入れて起動したら、【冷風】で部屋の温度を下げる。後はゆっくりと休んでいればいいだけなので、椅子に座ってボーッとする事にした。


 今日はダリアも大人しいと思ったら、既にベッドに寝転がってウトウトしている。そんなに疲れてはいない筈だが、眠たいなら我慢せずに寝る方が良いだろう。そう思い放っておく。


 突然両腕を持たれたのでベッドを見ると、ダリアは寝息を立てていたので納得した。女性陣を大満足させてベッドへと運び寝かせた後、勾玉を使っていつも通りに吸引すると妙に量が多い。


 1国の首都だから多いと言えばそれまでだが、それにしても多い気がする。何かあったのか? 【探知】や【空間把握】を使っても何かあった様には……うん? ここは神殿か。何か嫌な予感がするな。神殿に邪気が集まってるぞぉ!?。


 あーあー。男性が犯されていたんだが邪生になってしまった。それにしてもサバトか何かか? 神殿の地下で男性神官”のみ”が乱交をしていて、それを囲む女性神官達が居る。


 その女性神官達の目が血走っていて異様過ぎる状況だ。本当に悪魔の儀式か何かにしか見えない。正直に言って気持ち悪過ぎる。既に確認は止めたが見るんじゃなかった。心の底から後悔したのは久々だ。邪生が生まれたけど放っとこう。俺には関係無い。


 部屋と体を綺麗に【浄化】し、リンデ達は……無理と。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界498日目>



 おはようございます。今日はカイリが帰ってくれば西へと移動をする日です。多分朝には戻ってくると思うんだが、どうなったんだろうな? 報告が長引いてるとその分時間が掛かるだろうし、そうすると戻るのに余計に待たなくちゃいけなくなる。


 面倒だから朝方には戻ってきてもらいたいが、どうなる事やら。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」


 「今日は……どうするんだっけ? ああ、移動するんだけどカイリ待ちか。さて、いつ戻ってくるかでアタシ達の出発時間も変わるけど、そこまで時間は掛からないと思うんだけどね。辺境伯の所であった事を報告するだけだろ?」


 「ええ、そうでしょう。ですので大した時間は掛からな……アルド、どうかしましたか? 何だか嫌な物を見た顔をしていますが……」



 俺は昨日の夜に見た、神殿の地下の事を皆に話す。流石に皆も唖然としたらしく、絶句している。男性のみの乱交なら分かるが、周りで女性が観察しているのが理解出来なかったらしい。フォルを除いて。



 「聞いた事はあったけど、まさか帝国の中央神殿でやってるとは思わなかったよ」



 聞いた事があった事に驚きだけど、アンダーグラウンドでは知られてたんだろうな。


 俺は知りたくもなかったけど。



 ▽▽▽▽▽


 1072終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨180枚

 大金貨985枚

 金貨1120枚

 大銀貨1126枚

 銀貨1477枚

 大銅貨1841枚

 銅貨448枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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