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 <異世界497日目>



 おはようございます。今日は西へと移動する日です。皇都で一旦止まる事になるが、その後は西へと戻る。問題は西側のダンジョンだが、そこも攻略した方が良いのだろうか? ここでヒュドラーが出たからな、向こうも何かありそうなんだよな。


 とはいえ、考え付く物が無いので微妙な感じではあるんだが……。神話の中の何かか、伝説の中の何か。早々そんな物が出てきて良い筈が無いんだが、神様達なら深夜のノリでやりかねない。


 出てくるとしたら何だろうな? 悩むけど、とんでもない物ではないと思う。流石に戦争に勝てるレベルのおかしな物を与えたりはしないだろう。ヒュドラーの毒ナイフもそういう物じゃないし。


 そんな事を考えていると皆が起きてきたので、朝の挨拶をしてから部屋を片付ける。昨日のバカを殺りに行ったのか聞かれたので正直に答えておく。皆は挑発なんてしてどうするんだと、逆に呆れているな。当然だが。



 「流石にバカ過ぎるだろう、ソイツ。先代の兵士長だか何だか知らないけど、相手の事も理解しようとせず貴族の面目だけで喧嘩を売るとはねぇ。その結果があの毒を喰らうって事だろ。バカには相応しい末路だよ」


 「そうですね。幾らなんでも相手の実力や組織の実力などは調べるでしょう。何人もの貴族がアルドに殺されている可能性がある以上、普通は手を出したりしないものです。何を考えて……いや、何も考えていないのでしょうね」


 「頭が悪いってこういう事なのよね。後先考えないというか、どういう結果になるか考えない。もしくは、考えたとしても切り捨てる。可能性自体があるという事の、本当の意味を考えないのよね」


 「まあ、彼等の頭が狂っているのは昔からさ。伊達に貴族をやってないという事だろう。ありえない様な馬鹿な事をするのも、昔からの貴族そのものさ。今回の事も実に貴族らしいね」


 「大半の者だと泣き寝入りするのだろうが、アルドだけはそれが無いからな。必ず報復するし、その結果が行方不明だ。今回は珍しく行方不明になってないが、代わりに死ぬまで苦痛に苛まれる猛毒だ」


 「いつもと今回どっちが酷いかと言えば、間違いなく今回だろうけど、いい気味だとしか思えないね。治してやる必要も感じないし、耐えられない苦痛を受けながら死ぬので丁度良いくらいだよ」


 「神様がこういう事の為にあのナイフを作られた、そう言われても納得してしまいそうです。でも、最後はどうするのですか? 死ぬまで苦しむのでも良いのでしょうが、色々と難癖を付けられる状況はマズイのでは?」


 「アルドが危険な毒の付いたナイフを持つ事は知られてしまっているからね。アレかい? この領都を離れる前にコソッと治していくとか? それとも無視してさっさと出て行くか……どっちにする?」


 「どっちでもいいんだが、仮に治してやっても調子に乗るか難癖を付けてくるだけだと思うんだよな。だったら可能な限り苦しんでもらおうかと思ってる。どのみち貴族主義的な奴等だったし」


 「そう言えばそうだね。他国で貴族主義を煽った帝国に貴族主義の奴が居るなんて、笑える話さ。バカどもを放っておくなら、さっさとこの街を出るとするかね」



 部屋を出た俺達は、宿の従業員に今日街を出る事と返金は必要ない事を説明する。その間にリンデ達が来たので、彼女達の部屋も同じだと説明して食堂へと移動した。大銅貨10枚を支払って朝食を注文したら席に座りゆっくりと待つ。


 皆と雑談をしながら待ち、朝食が来たので食べていると、辺境伯と兵士10人程が食堂の中に入ってきて俺達のテーブルへと来た。食事中に何の用だ?。



 「我が家の家臣が痛みと苦しみで呻いてるのよ。貴方がやったのは分かっているから、大人しくついてきて貰える?」


 「何を言っているのか分からんが、人違いじゃないか? それにしても2度目だぞ、俺を勝手に犯罪者扱いするのは。この領地には頭のおかしい奴しかいないのか?」


 「残念ながら何を言おうとも、貴方の荷物の中に毒の付いたナイフがあるのは分かっている。その証拠を掴めば何の問題も無いわ。さあ! 早くコイツを捕まえなさい!!」


 「何を勝手な事を言っているのだ。何があったのか知らないがアルド殿が何かをやったという証拠などあるまい。辺境伯、いったい何度失態を演じれば気が済むのだ。私は中央に全て報告するのだぞ?」


 「皇女殿下は黙っていてもらえますか? これは我が領の問題であり、裁量は辺境伯である私にあります。これは皇女殿下でさえ口を挟めない事なのです、御存知でしょう?」


 「ああ、知っている。だが、それは皇帝陛下の決定を阻止できるものではない。言っているだろう? 私は中央に報告をすると。即ち、皇帝陛下のお耳に入るという事だ。それがどういう意味を持つのか分からないのか?」


 「それは……辺境伯である私を脅すと? 例え皇女の立場にある方だとしても、そんな無法がまかり通るとでもお思いですか? 場合によっては、私こそ中央に御報告をしなければいけませんね?」


 「構わないぞ。そもそもだ、何故私がここまで阻止しようとしているか分からんのか? 中央が決めたからに決まっているだろう。<凄腕の斥候>には手を出すな、これが中央の決定だ。辺境伯はその<凄腕の斥候>に喧嘩を売っている」


 「<凄腕の斥候>………。な、ならば余計に!」


 「言っただろう、手を出すなと。手を出せば中央に対して喧嘩を売る事と同じだぞ? つまり……誰に喧嘩を売る事になるか、分かるな?」


 「………まさか、こうて……い、いえ、何でもありません。直ちに撤収します」


 「それがいいだろう。中央への叛逆になってしまえば、辺境伯といってもあっさり滅ぼされる。特に横に潰したくなる貴族家もある事だし、ついでで滅ぼされかねん。注意する事だ」


 「は、はい……失礼します」



 ようやくカイリが言っている中央が皇帝の事だと理解できたらしい。この時代、皇帝が白だと言えば黒でも白くなる。そういう時代である以上、俺が何をやろうと無罪に出来るという事だ。


 別に「無罪にしてくれ」とも「好き勝手にさせろ」とも言わないけど、勝手に忖度される可能性はあるんだよな。そもそもだけど、あの辺境伯は証拠も無しに俺を捕縛しようとしたので暴れても良かったんだよ。


 どちらかと言うと、暴れる原因をカイリに潰されたって感じかな。ま、俺としてはどっちでもいいんだけどさ。それよりも、結局食事に集中出来なかったな。最後の最後まで邪魔しやがるとは……。


 さっさとこの街を出るか。碌でもない記憶しか無いし2度と立ち寄る事も無いだろう。


 食後、さっさと門まで行き登録証を見せて街の外に出る。西に少し歩いて離れた後、一気に走って進んで行く。エフドの村、ドリムの町、デンプの村、そしてドルクス山を登る。


 ドルクス山の向こう側に着いた頃には既に昼を過ぎていたので、昼食の準備をしよう。北に行った川の近くで焼き場やテーブルなどを作り、普通にバーベキューを始めた。大飛竜の肉や海産物を焼きながら、ついでにチャパティも作って焼く。


 スープは暑いので作らず、キンキンに冷やした神水を用意した。皆、多少の汗を掻きながらも美味しそうに食べている。ダリアも今日は肉の気分らしく、暑さも忘れて肉を貪っていく。


 和気藹々としたバ-ベキューも終わり、【冷風】を使って涼みながら後片付けをする。カイリもこういう料理には大分慣れたらしい。竜の肉には驚いていたが、やはり美味ければ何でもいいのだろう。皇族の食事マナーとか気にしてなかった。


 食後すぐには動かず、【冷風】とキンキンに冷えた神水で涼をとる。食事中も暑かったが、まだそういう時季なので仕方がない。残暑は厳しいし、去年もこんなものだった。


 そろそろ汗も引いたし、出発するか。



 ▽▽▽▽▽


 1071終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨180枚

 大金貨985枚

 金貨1120枚

 大銀貨1131枚

 銀貨1477枚

 大銅貨1851枚

 銅貨448枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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