表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1069/1948

1068




 何故かカイリにピッタリだった竜革の防具はスルーして、剣と刀を調べよう。ああ、防具に関しては鎧、篭手、剣帯、脛当、ブーツとあった。篭手は半篭手じゃなくて、ガントレットの革バージョンという形の物だ。


 剣は神石で出来たファルクスだった。そして、刀の方は神石で出来た直刀だ。両方ともに、刀身の長さは1メートル程あって大きい。剣を渡したので代わりに直刀は俺が貰う事になったが、ファルクスで少し揉めている。


 取り合いをしているのではなく、譲り合いをしていて揉めているんだ。結局、最後にはフォルが持つ事で決着したのだが、譲り合って無駄に時間が掛かったな。まあアイテムバッグの事を考えていたので、別にいいんだが。


 気を取り直して脱出し、夕方前に戻れたので獲物を売ってから領都に帰る事にした。特にブラックリザードマンは高値で売れたらしく、王族組がホクホク顔をしている。ちなみに、王族組は意外に金銭感覚が庶民に近い。


 自分で物を買う事が多くなかったからか、庶民の感覚に合わせやすかったんだろう。違和感なく受け入れている。中途半端に小金持ちな方が、おかしな金銭感覚になるのかもしれないな。


 そんな事を話しながら帰っていると、領都の門の前で尾行連中が待っていた。コイツ等はいったい何を考えているんだ? 一応は護衛っぽくしての嫌がらせだろうが、何で堂々と仁王立ちして待ち構えているんだか。意味が分からん。



 「貴様等! いったいどこへ行っていた! 我等の目の届かぬところに逃げて悪事を働いていたのであろう! 我等の前では罪を隠す事など出来んぞ!!」


 「何を言ってるんだ、アイツは? 意味が分からん」


 「隣の領の領主であるドゥオリム男爵が行方不明だそうだ。貴様等が巧妙に隠してやったのだろうが、我等の目は誤魔化せんぞっ!! 今直ぐ捕縛して連行する! かかれ!!」



 俺達は襲ってきた兵士を含む20名を叩きのめし、後ろでふんぞり返っていた阿呆を見る。あっと言う間に叩きのめされたからか、慌てて口を開き俺達を犯罪者に仕立て上げようとし始めた。



 「見たか! あれこそが奴等が犯罪者である証だ! あのような暴力的で蛮族な者どもが、帝国に居てはいかんというのがよく分かるだろう!!」


 「アイツは自分が何を言っているのか分かっているのか? ここにカイルリア皇女が居るんだが、アイツは皇女殿下を暴力的だ蛮族だと罵っているんだぞ? 間違いなく首を落とされるな。自業自得だから救いようが無いが」


 「「「「「「「………」」」」」」」



 周りで見ていた野次馬が一斉に目を逸らした。さっきまで俺達に罵声を浴びせていたりした奴も居るが、皇女と聞いた途端に一切口を開かなくなった。目の前の馬鹿も口をパクパクと開くだけだ。



 「そ、そんなバカな事があるか!! この様な所に皇女殿下がおられる訳が無かろうが! 嘘を吐くのもいい加減にしろ!!」


 「辺境伯のお膝元を”こんな所”呼ばわりしているけど、アイツはそれを理解しているのかい? 辺境伯に聞かれたらどうなるのかねぇ……」


 「「「「「「「………」」」」」」」



 ダナの一言を聞いて今度は距離をとり始める野次馬ども。確かにアレと関わりがあるなんて思われたらヤバイわな。その阿呆は必死に周りを見渡して何とか味方を見つけようとしているが、そんな奴はいない。



 「ググググ………それでもドゥオリム男爵行方不明の嫌疑は晴れていないのだ! お前達は素直に命令に応じなかったのだから犯罪者である事に変わりは無い!!」


 「そもそもアイツに捕縛する権利があるのかと、証拠も無しに犯罪者に仕立て上げるのは帝国で許されている事なのか? カイリ」


 「許される筈が無かろう。あの愚か者は不老長寿を罪人に仕立て上げようとした罪と、皇女である私と他国の王族を罪人に仕立て上げようとした罪で、一族親戚全てが処刑される。王族、皇族に対する罪はただでさえ重いというのに……」


 「!?」



 途端に身を翻して逃げ始めたのでヒュドラーの毒ナイフを抜き、奴の左足に向かって投げつけてやった。綺麗にふくらはぎの側面に掠って転倒したのだが、そこから様子が変だ。



 「ウゴゲ、アグバアルブオググゲビ……グルオブブ……」



 意味不明な呻き声を発しつつ、体に毒が回ってきたのか全身が痙攣し始めた。だが、呼吸は出来ているらしい。何か前に見たワイヌーの毒より遥かに苦しそうなんだけど? しかも、意図的に苦しんで死なせるように出来てないか、コレ?。


 まだ苦しそうな呻き声を挙げているが死ぬ事は無い様だ。コレ、もしかしてだが、もがき苦しみながらも死ねない毒なのか? ……ヘーラクレースの苦痛を味わう毒かよ、シャレにならなさ過ぎる。あまりにも、あまりな毒だろう、コレは。


 もがき苦しみ続けているバカを無視して領都に入る事にする。一応、門番にはカイリの登録証を見せて皇女である事を証明した。というか、門番は知っていたが周りに知らしめる為に敢えてやったというのが正しい。


 しっかし、ヒュドラーの毒ナイフは危険過ぎるな。何と言っても毒を受けてから死んだ場合、死因が毒じゃないって事が何よりも怖ろしい。毒は耐え難いほどに苦しむだけで直接の死因にはならないんだよな……。ハッキリ言って絶対受けたくない。


 俺なら【浄化】の権能で綺麗に無くせるが、たぶん俺以外だと無理だ。【神聖八重浄化】を使っても、【聖潔】を使っても無理だろう。アレは【浄化】の権能でないと駄目な物だ。誰が作ったのか知らないが、神様も何を考えているのかね?。


 食堂の前までやってきたので中に入り、大銅貨10枚を支払って夕食を注文し席に座る。夕食を待っていると、鬱陶しい事に辺境伯が食堂に入ってきた。思わず心の中で舌打ちをしてしまうが、表情には出さない。


 その辺境伯は俺達を見つけるや真っ直ぐこちらに歩いてくる。周りの迷惑すら考えないのかよ。


 近くに座った辺境伯は此方に向かって話しかけてきた。



 「私の子飼いが迷惑を掛けたみたいで御免なさい。報告通りだとすると、あんな事をするような男ではなかったのだけど、私の力不足だったと言われれば返す言葉が無いわ」


 「気にしなくてもいい。そんな事を気にするほど、”お前に期待していない”。こちらからは以上だ」


 「………」



 俺の言葉が気に入らなかったんだろう、ダンッ! と机に手を突いて立ち上がり席を離れる。子供かこの女は? それとも怒ってますアピールか? どっちでもいいが面倒臭い奴だな。



 「アレで謝ったつもりかねぇ……誠意のせの字も見当たらなかったんだけど。まさかアレが帝国の礼儀って訳じゃないだろうし、辺境伯は帝国に対して叛逆でも考えてるのかい?」



 そうダナが言った瞬間、辺境伯の足がピタリと止まった。まさか本気でアレが謝罪だとでも思っていたのか? そういう意味でも期待出来ない奴だったとはな。



 「どうやら辺境伯家は謝罪の仕方すら知らないらしいな。向こうに戻った際、陛下と宰相に情報を上げておく。こんな者が我が国の貴族とは、恥晒しもいいところだ」


 「………」


 「ありゃりゃ、気に入らないって顔をしてるねー。でも悲しいかな、今の状況でそんな顔をしていると家が消えるよ? 我が国、つまり聖王国なら即座に潰されるんだけど、帝国は優しいね?」


 「皇女殿下を小娘程度にしか考えていないのでしょう。皇女という立場の方が来たのです、自分の領地のチェックに来たと考えられないのですかね? 何故あのような嫌がらせをし続けてきたのか、まったく理解出来ません」


 「……嫌がらせ?」


 「あら、知らなかったのですか? 散々私達を尾けまわし、店で買い物をしている際にも周囲を威圧していましたよ。まさか、報告を受けていなかったのですか? まあ、報告を受けていなかったとしても、嫌がらせをした事実が無くなる訳ではありませんけどね?」


 「……………」



 サーッと顔色が変わる事ってリアルでもあるんだなあ。今は真っ青になってる。



 ▽▽▽▽▽


 1068終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨180枚

 大金貨985枚

 金貨1120枚

 大銀貨1131枚

 銀貨1477枚

 大銅貨1891枚

 銅貨448枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ