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 現在13層を攻略中で北西に進めばいいのだが、洞窟という地形と地面の泥濘、そして毒コウモリが面倒臭すぎる。今までで1番厄介な洞窟かもしれない。【探知】や【空間把握】が無ければ、これ以上先に進む事はしないだろう。


 あまりにも面倒で、こんなダンジョンに潜ろうとする傭兵の気がしれない。ここ以外に行けるダンジョンが無いから、仕方なくこのダンジョンに潜っているのだろう。そう思うぐらいに性質が悪い。


 13、14、15層と突破し、16層へと移動する。既に精神的に疲れているが、まだ16層でしかない。この洞窟は本当に厄介で、聖王国の最前線ダンジョンと同じぐらいの面倒臭さと言えば伝わるだろうか?。


 16層は山で、ようやく水分の多くない地形だ。この辺りで昼食を食べておきたいので、直ぐ近くに焼き場やテーブルと椅子を作り出して料理を開始する。今日は肉まんと野菜スープでいいだろう。


 まずは全粒粉と神水と塩を練り、生地を作る。次にデスボーアの干し肉を神水で戻し、野菜と魚醤などと共に炒めてから生地に乗せて包む。後は蒸していくだけだ。野菜スープに関しては女性陣に任せている。


 1度に30個を蒸せるがそれでも足りないので、1度目の分は俺以外の皆に配る。2度目は自分の分と余りで4個を蒸すだけだった。干し肉を戻した物だったが特に問題無く、皆は美味しそうに食べている。


 それは良いのだが、皆の口から出てくる言葉はダンジョンに対する愚痴ばかりだ。気持ちは分かるし本当に厄介だが、食事時の会話としてはどうなんだろうか。



 「このダンジョン、幾らなんでも面倒に過ぎるよ。ここまで厄介なのは最前線のダンジョン以来じゃないかい? あそこは虫地獄だったけど、こっちは泥濘地獄だよ。足は取られるし、いちいち引き抜くのに力が要るし、泥濘が気持ち悪いし」


 「本当にそうですね。ここのダンジョンには昔1度来たくらいですか……。あの時は確かこんなダンジョンではなく普通のダンジョンだった筈です。いつからこんな厄介なダンジョンになったのやら」


 「少なくとも、今はこんなにも厄介なダンジョンだという事が重要よ。ここは1度で攻略しないと、2度と挑戦しなくなるダンジョンだと思うわ。そういう意味では最前線と同じタイプね」


 「ああ、私もそう思う。これほど厄介なところは久々だよ。昼食を食べた後は全力で攻略するべきだ。ダラダラと攻略していると、どんどんやる気は失われていくだろう」



 アルメアの言う通りだな。気合を入れて攻略するとしよう。やる気もそうだが、面倒臭さでイライラしていた。少し反省しよう、これこそがこのダンジョンのやり口なんだと理解しておかないといけない。


 余った2個の饅頭は王族4人組が半分ずつに分けて食べていた。太る事は無いだろうが、よく食うな。別に悪いとは言わないけどさ。


 焼き場やテーブルと椅子などを壊して先へと進む。この層は北に転移紋があるのは分かっているので北へと進み、転移紋から17層へ。17、18層と進み、転移紋から19層へと進んだ。


 19層は再び泥濘の洞窟であり、またイラッとしたが、それでも黙々と進んで行く。19、20、21層と北東へ進んで行き、転移紋から22層へ。22層は湿地帯だった。


 いつもならリザードマンか水棲のトカゲ系モンスターぐらいしか居ないのだが、この層には大きなリザードマンが居た。鱗が青黒い色をしており、緑っぽい水色のリザードマンとは色が違う。


 女性陣に聞いてみると、ブラックリザードマンだと言われた。見たまんまだと思ったが、目撃例が少ない珍しいダンジョンモンスターなんだそうだ。確かに22層を調べても数は少ないし、進路上だと3体ぐらいしか戦えない。


 とりあえず進路上のブラックリザードマンを倒し、【念動】で浮かせて血抜きしながら先を進む。22、23、24層で14体のブラックリザードマンを倒してゲットしたが、先へと進む速度は落としていない。


 25層へとやって来たが一面が沼地だった。そんな中、8つの首を持つ蛇のような魔物が現れた。ここが最奥だと分かっているし、目の前の魔物だけしか居ないのも分かっている。でも、コレってヒュドラーじゃないの? ……正気か?。



 「リンデ達は今直ぐこの魔物から離れろ!! 猛毒持ちだから近付くな!! 女性陣は毒を受けないように立ち回れ。首を切ったら必ず傷口を焼くんだ! 再生するぞ!!」


 「「「「「「「「了解!」」」」」」」」


 「「「「「「了解」」」」」」



 仮称ヒュドラーが8つの首を持ち上げる前に、側面へと移動して【火弾】を22個同時展開で乱射する。すぐさまターゲットを俺に変えて、8つの頭で毒のブレスを吐いてきた。


 俺1人に集中しているからか他の人達の方に向いていないようで助かった。俺1人なら【浄化】の権能を使えば何の問題も無い。毒を全て無効化しながら【火弾】を使って牽制し続ける。皆の方を向かせるとマズい。


 大きさは横に6メートルほど、首の太さは直径40センチほどだ。小さく思うかもしれないが、そんな事は無い。首を最大に伸ばすと、高さ9メートルに届くほど長い。神話のヒュドラーとは違うかもしれないが、十分過ぎる程の凶悪さだ。


 そんな事を考えながら牽制をしていると、ダナが神木石の長巻で首を切り落とした。だが切り落としてすぐに、傷口が泡立ちながら再生を始める。それを見たシュラとアルメアが即座に傷口を【浄炎】で焼く。



 「ギュアアーーーッ!!!」



 仮称ヒュドラーはのたうち回って【浄炎】を消そうとするが、2人とも慣れている魔法なので失敗などはしない。根元から泡が出なくなり傷口の再生が起こらなくなったが、相手はどうやら激怒したようだ。


 ダナに対して毒のブレスを吐こうと息を吸い込んだので、神石の浄化剣で首を切り落とす。その後、すぐに自分で【浄炎】を使い傷口をしっかり焼いてやった。再び仮称ヒュドラーがのたうち回る。


 それをチャンスと見たのかエリアが近付き、神木石のペレクスで首を断ち切った。再び暴れまわるもシュラとアルメアのダブル【浄炎】で一気に傷口を燃やされる。


 結局その繰り返しで、仮称ヒュドラーは哀れにも全ての首を切り落とされて傷口を焼かれた。これで倒し終わった筈だと思っていたら、死体が邪気になり襲いかかってくる。ヤマタノオロチの時と同じだが勾玉で吸い込んで終了だ。


 ダンジョンでは常に邪気を吸い込んで【浄化】しているので、俺達に対しては何の意味も無い攻撃となる。尻尾があった所に何かが落ちているのが分かったので見に行くと、そこには小さなナイフの様な物が落ちていた。


 拾って抜いてみると、そのナイフの刀身は禍々しい紫色をしており、仮称ヒュドラーの毒のブレスと同じ色をしていた。正直に言って、今俺の顔は引き攣っているだろう。


 これはヘーラクレースが自殺するほど苦しんだヒュドラーの猛毒じゃないのか? という疑問が頭を離れない。俺もヒュドラーの猛毒がどんな物か知らないが、少なくとも先程の毒のブレスと同じ色なんだ、違うとは誰も言えないだろう。


 俺は神木石の槍をメルに渡し、神石の剣をディルに渡す。その代わりにヒュドラーの毒ナイフは俺が貰って封印する事にした。これは間違いなくヤバいので、とにかく誰の手にも触れさせてはいけない。


 そう言えば、あのヒュドラーは首が8つで<不死の首>が無かったな。流石に不死はマズイので作らなかったのかね?。


 最奥である25層を【探知】と【空間把握】で調べていると、中型のアイテムバッグを2つ見つけた。最近アイテムバッグが手に入る事が多いが何かしら理由でもあるんだろうか? そう思いながらも取りに行き、皆の下に戻る。


 中を確認してみると剣と刀が入っていた。もう1つのアイテムバッグには防具一式が入っている。これって竜革か? だとしたらカイリ行きだな。そう思い、渡して着させ調整をする事にした。


 何故かピッタリなんだけど、どういう事?。



 ▽▽▽▽▽


 1067終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨180枚

 大金貨985枚

 金貨1120枚

 大銀貨1131枚

 銀貨1477枚

 大銅貨1901枚

 銅貨448枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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