1066
【空間把握】で未だ確認しているのだが、辺境伯は叱責するだけで自分の命じた事が問題だとは思っていないらしい。ある意味で清々しいほどのクズっぷりだが、これはやはり数代前の当主がダナとシュラをこき使った事が原因だろう。
武力というか暴力では勝てないと理解したから搦め手できたんだろうが、それが怒らせる結果に繋がった事も理解していない様だ。この様子だと、まだまだ手を出してくるだろう。さて、どうするかな……?。
証拠さえ与えなければ特に問題無いのだから、好き勝手が出来るとも言える。とはいえ限度というものはあるし、それを超える気は無い。その枠の中でどういう仕返しをするべきか悩んでいると、夕食の時間になっていた。
送風機や冷房を片付けて部屋を出たら、リンデ達に声を掛けて食堂へと移動する。大銅貨10枚を支払い夕食を注文したら、席に座って適当に雑談でもしながら待つ。嫌がらせの奴等は来る気配が無いな。
夕食が運ばれてきたので食事をしていると、遅れて嫌がらせの連中が来たが、どうやら客が多過ぎて店には入れないらしい。あまりのバカっぷりに笑いそうになったが、何とか堪える事に成功した。危なかったー。
そんな夕食後、真っ直ぐ宿の部屋へと戻り送風機と冷房を設置する。キンキンに冷えた神水を入れて起動し、部屋の中に【冷風】を使って室温を下げた。快適になった部屋の中でゆっくりしながら、辺境伯を監視しよう。
向こうも宿の近くに監視要員を置いているので文句も言えまい。そう思って見ていると、どうやら俺が何かした証拠を必死に探しているらしい。書類を何枚も確認しながら何とか見つけようとしているが、そんなヘマをする訳が無い。
それでも必死に探したり、執事にも聞いたりしている。どうやら男爵と関わりのあった執事長の事を聞いている様だ。自分の屋敷なんだから証拠がないか徹底的に調べさせたんだろう、結局見つかっていない。まあ、当たり前だが。
自分を脅したのが気に入らないのか、それとも怯えてしまった自分が気に入らないのか。どちらかは知らないが、躍起になっているのは事実だ。何がそこまで駆り立てるのか知らんが、御苦労様。
ダリアがウトウトし始めたので寝かせてやると、皆が一斉に襲いかかってきた。全員をキメて寝かせると、部屋と体を【浄化】する。一応確認しておくとリンデ達も寝ていたので、向こうの部屋と体も綺麗に【浄化】しておいた。
全て終わったので、そろそろ寝よう。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界495日目>
おはようございます。今日は何も無い日です。昨日、多少は街を見て回る事が出来たが、本格的には見て回っていない。観光と視察が済んだとは言えないので、今日もする事になると思うんだが……どうするんだろうな?。
あくまでもリンデとカイリが決める事なので、俺達は口を出したりはしない。しないんだが、また嫌がらせの連中が出てきそうなんだよな。大して強くもない奴等だが、嫌がらせとしては優秀だからなー、アレ。
それは横に置いといて、ダンジョンにでも言った方が監視が無くてマシかもしれない。適当に攻略でもして、さっさと辺境伯領から離れればいいと思うんだが……提案してみるか。
「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」
「今日はどうするのかねぇ……街に出ても鬱陶しいのがついて来そうだし、どうしたものやら。あれを護衛と言い張られると強く言い返せないし、本当に面倒臭い手を使ってくれるよ。まったく」
「貴族連中というのは嫌がらせが得意ですから、きっと根が陰湿なのでしょう。平民よりも性質が悪いというのは、さすが貴族と言わざるを得ませんね」
「それよりも今日はどうするの? このままじゃ籠の鳥にされたままよ。街に出れば嫌がらせをされるから宿に篭っているしかないし……ダンジョンにでも行く?」
「それも選択肢に入れて良いかもしれないね。嫌がらせが止む事はないだろうけど、ダンジョンの中にまでついて来ないだろうさ。彼等の実力では死ぬ可能性が高い」
送風機や冷房などを片付けて部屋を出たら、リンデ達を待って一緒に食堂へ行く。大銅貨10枚を支払って朝食を注文したら、席に座って話し合いを始める。ダンジョンに行くかどうかぐらいしか話さないから、聞かれても問題は無いだろう。
「ダンジョンですか……。まあ、監視が鬱陶しいという事には賛成しますけど、ダンジョンを攻略するんですか? いえ、私はどちらでも構いませんよ」
「私もどちらでも良いね。ダンジョン内に何があるか分からないし、良い物が手に入るかもしれない。仮に護衛と称してついて来たとしても、途中でギブアップするか死ぬだろうしね」
「どのみち邪魔者は消えますね。とはいえ、その方法としてダンジョンを使うのはどうかと思いますけども。ああ、私もどちらでも良いです」
「私は行きたいな。面倒な護衛のフリをした尾行が、ダンジョンの何処までついて来れるのか楽しみだ。それに私としても戦い方を学びたかったしな」
「そもそも最初からついて来ない可能性もあるけど、それはそれで良いのか……。護衛のフリした邪魔者が外れるしね。後で何故ダンジョンについて行かなかったと言われる可能性はあるけど」
「辺境伯どころか、中央から何故護衛を派遣しなかったと問い詰められるかもしれませんね。そうなったら、あの辺境伯はどうするのでしょうか?」
「そういうのも含めて1度はダンジョンに潜ってみるべきだね。その1回で攻略は終わるかもしれないけどさ。それより、リンデもカイリも観光や視察が足りてないって事でいいね?」
「ええ」 「ああ」
「まあ、邪魔されっぱなしで碌に見れませんでしたしね。それも商業区画の1部だけです。大部分は確認も出来ていないんですから、視察の邪魔をしたと言われても文句は言えない筈なんですけど」
そんな話をダラダラとしていたが、とりあえずダンジョンに行く事は決まった。朝食後、食堂を出ると早速嫌がらせの人員がこっちを見ていた。1人は俺を射殺さんばかりの目付きで睨んでいる。昨日【念動】でぶっ飛ばした奴だ。
俺達はそいつ等を無視して領都の門まで行き街を出る。困惑している奴等を無視し、国境近くにあるダンジョンへと向かう。俺を睨んでくる奴以外は困惑している様だが、俺達は無視して歩いて行きダンジョン街へと入った。
迷宮紋の前で列に並び、順番が来たらダンジョンの中へ入る。1層目は草原だったが人の流れを確認し、直ぐに南東へと向かって走り出す。俺達の3組後に尾行連中は入って来たようだが、その時には他の傭兵に紛れて俺達は姿を消していた。
俺は【探知】と【空間把握】で理解しているが、奴等は俺達が見えない事で大きく慌てている。奴等を無視して転移紋に到着した俺達はさっさと先へと進む。2層、3層と移動し、4層目に到着すると沼地だった。
また最初の方から難儀な地形が出てくるものだ。そう思いながらも人の流れは南に向いているので南に進み、転移紋から5層へ進む。5層、6層と移動し7層目に来ると海だった。帝国と海洋国の国境だからか水が多いダンジョンだな。
7層~9層も一気に移動し、10層目に到着した。今度は湿地帯だ。非常に体力が奪われるダンジョンだと思いながらも俺達には問題無いので、ダンジョンモンスターを警戒しながら西へと走って行く。
10~12層を突破して13層へと着いたが、そこは地面が泥濘になっている洞窟だった。ここは間違いなく地形で殺しに来るダンジョンだ。これでもかと足の体力を奪いにくる仕様は、一般の傭兵には極悪だろうと思う。
俺達なら問題無いが、並の傭兵なら途中で体力を失い脱出するだろう。とてもじゃないが、最奥までは行けない。よくもまあ、こんなダンジョンにしたもんだ。
邪気を減らす気が感じられないぞ、このダンジョン。
▽▽▽▽▽
1066終了時点
大白金貨44枚
白金貨180枚
大金貨985枚
金貨1120枚
大銀貨1131枚
銀貨1477枚
大銅貨1901枚
銅貨448枚
神木石の浄化槍
神石の浄化剣
神木の浄化棍棒
神木の浄化盾
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




