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1065




 昼食後、宿の部屋へと戻るのだがリンデ達も呼ぶ。送風機と冷房を設置して起動し、部屋の中を【冷風】で冷やす。その後、アイテムバッグから裏組織の所から強奪してきた慰謝料と、男爵家から貰ってきた慰謝料を取り出した。



 「これは<黒の墓標>という奴等と、その裏に居たドゥオリム男爵の所から貰ってきた慰謝料だ。後で全員分に割るから、数えるのを手伝ってくれ」


 「それは良いんだけど、今回は全員に渡すのかい? 今まではそんな事無かったけど、何で今回急に?」


 「いつもは俺だけだろ? 敵を始末するのは。ただ、今回は迎撃含めて全員が戦ったからな。だから全員で割るんだが……変か?」


 「いや、そんな事ないよ。今回急に全員に渡そうとするから、何かあったのかと思っただけさ。それよりアタシ達も貰えるなら気合い入れて数えようかね」


 「この人数がいれば、数えるのも直ぐに終わるとは思いますけどね。思っているよりは多いですけど、これはどちらが多かったのでしょう?」


 「どっちという事は無かった筈だ。どちらも思っているより持ってたから、裏で稼いでたんじゃないか? 特に男爵家の方は、かつてダナを手篭めにしようとした家だし」


 「ああ。何処かで聞いた名前だと思ったら、<剣の踊り子>の由来となった愚かな子爵家ね。現在も男爵家という事は、落ちてから1度も上がれてないという事かしら?」


 「ドゥオリム男爵家は帝国一の無様な家として知られている。もしかしたら今回の裏に居たのは、逆恨みか何かかもしれない。とはいえ、その様な事を考える者だから、いつまでも男爵のままなのだ」


 「碌でもない者というのは何処にでも居るけれど、碌でもない血脈というのは初めてかもしれない。おそらくは偶々なんだろうけど、手を出すべきではない相手に手を出すとはね。そのうえ主様に処理されただろうし」


 「したな。何処とは言わないが、何処かの地面の下に居るよ。まあ、子供は居るみたいだったから、その子が何とかするんじゃないか? 駄目なら家が潰えるだけだ」


 「我が国でも、突然貴族家の当主が居なくなるという事はありましたけど、その後は大変なようですよ? まあ、喧嘩を売った以上は自業自得でしょうけど」


 「暗殺者を送ったりしなければ、アルドもここまでやる事は無い。逆に言えば、許される一線を超えているのは常に向こうだ。こちらと言うか、アルドではない」


 「そうなんだよね。アルドがすぐに処分するからアレだけど、相手が一線を超えてこなければ手出しもしないんだよ。自分から死にに行っているって分からないんだろうね」



 そんな事を話しながらも順調に数えていき、終わった頃には結構な金額だった事が分かった。<黒の墓標>とかいう奴等は本拠地だったし、ドゥオリム男爵家は汚い事でもやってたのか結構持っていた。


 金額は全部で、白金貨31枚、大金貨302枚、金貨611枚、大銀貨781枚、銀貨334枚、大銅貨945枚、銅貨62枚だった。端数は全て俺の物にして良いらしいが、それでも結構な臨時収入になったな。


 最終的な俺の取り分は、白金貨3枚、大金貨22枚、金貨51枚、大銀貨53枚、銀貨26枚、大銅貨63枚、銅貨6枚になる。思っているより多い収入に皆が喜んでいるが、カイリだけは微妙な表情をしているな。



 「何と言うか……ここまで稼いでいたという事は、それだけ酷い目に遭った者が多かったという事だから何とも言えんな。もちろん貰える物は貰っておくが、裏組織はともかく男爵はな……」


 「腐った貴族なんて、そんなものだと思うけど違うのかい? 何処の国でも同じだと思うけどね。それに、腐ってない貴族を探す方が難しいよ」


 「エイルズ、はっきり言い過ぎですよ。まあ、誰しもが思う事ですが……。権力を持ったり、特権階級になると腐るんでしょうね」


 「腐るのは人じゃなくて、身分でという事ですか……。ある意味では間違っていないのかもしれませんね。もちろん本物の貴族らしい者も僅かには居ますが、大半は身分によって腐っていくのでしょう」


 「貴族もそこまで特権が与えられている訳じゃないんだけどね。それでも特別だという意識があり、自分は優秀だとか上だとか錯覚するんだろう。本質的には民より腐っているのにさ」


 「リヴィもはっきり言い過ぎていますよ。まあ、間違っていないと思いますが。王族や皇族は国と命運を共にするので腐ってはいられないんですよね。それでも歴代の中には愚王が居ましたが……」



 上に立つ者は、上に立つ者としての悩みが尽きないもんだ。それは仕方がないしな。お金も数え終わったので、送風機と冷房を片付けて宿の外に出る。数えるのが早かったとはいえ、1時間以上は掛かったので少々目が疲れた。


 皆も疲れたのか外に出ると楽しそうに歩き始める。まだまだ残暑が厳しいが、それでも火の季節の本番よりはマシだ。そんな中をあっちに行ったり、こっちに行ったりしながらウロウロする。


 特に購入する物も無いまま見ているだけだが、女性陣にとっては楽しいのだろう。俺にはよく分からないが楽しんでいるのであればいい。とはいえ、心の底から楽しめている訳ではない。


 俺達が移動する度にチョロチョロと尾けてくる奴等がいるんだ。尾行が下手過ぎて笑うしかないが、おそらくは辺境伯が付けた護衛なんだろう。あの程度が護衛? と鼻で笑うしかないが無碍にも出来ないので面倒臭い。


 向こうとしては、ちゃんと皇女に護衛を付けましたと言い訳する為なんだろうが、嫌がらせの様な下手さなので却ってストレスが溜まるだけだ。キューレやカイリでさえ気付いているんだから嫌がらせでしかない。


 結局、買い物を楽しむ事も出来ず宿に戻る事になった。尾行していた護衛達は、俺達が宿に帰ったのを確認したら辺境伯の屋敷へと戻っていく。俺達がそれに気付いていないとでも思っているのだろうか?。


 護衛は5人居たのだが、そいつ等は辺境伯の下に戻り現在報告をしている。喋っている真ん中に居る奴を【念動】で殴りつけ、ぶっ飛ばしておいた。突然部下が目の前で吹っ飛んだのでビックリしただろうが、誰からの攻撃かは理解しただろう。


 壁に叩きつけられた奴は痛みに呻いているが、恨むならアホな命令を出した目の前の女を恨め。【空間把握】で確認しながら笑っていると、訝し気に皆が見てきたので事情を説明した。



 「まあ、目の前で人が吹っ飛んだらビックリするだろうさ。下手過ぎるというか、むしろアピールしているような尾行だったし、いい気味だと言ったら怒られるかねぇ?」


 「誰も怒らないでしょう。正直に言ってあまりにもウザかったですからね。私達だけではなく、素人である店の者まで分かったくらいです。どう考えても嫌がらせですし、そういう指示があったとしか思えません」


 「そうだけど、今頃怯えているんじゃないかしら? 私達は【念動】の事を知っているから分かるけど、辺境伯からしたら意味不明な攻撃よ。アルドがどういう攻撃をしてくるかさえ分からないもの、疑心暗鬼になるんじゃない?」


 「その可能性はあるだろうね。分からないって事は怖い事さ。あの辺境伯も、ようやく誰を相手にしているか理解したんじゃないかな? 自分ではどうにもならない相手が世の中には居るってさ」


 「少し前の当主が<剣の踊り子>や<血狂い>に仕事をさせたからか、あの辺境伯は不老長寿を少々舐めているんじゃないかと思うのだが……どう思う?」


 「舐めていたんだろうとは思うけど、今はどうなんだろうね? まだ自分の方が上だと思い込む為に嫌がらせを続けるのかな? どっちかによって決まると思う」


 「人が目の前で吹き飛ばされても侮るのなら、完全に不老長寿を舐めていると言えるでしょうね。貴族は保身に長けていますから、流石にもう侮る事は無いと思いますが……」



 さて、どうかな?。



 ▽▽▽▽▽


 1065終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨180枚

 大金貨985枚

 金貨1120枚

 大銀貨1131枚

 銀貨1477枚

 大銅貨1921枚

 銅貨448枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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