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1062




 現在、昼を少し過ぎた辺りの時間で、領都ヴィルメルの門前に並んでいる。エルダ海洋国からも来る者が多いからか、人が多くなさそうな時間にも関わらず待っている人が多い。結構な列になっている。


 その列にウンザリしながら待っていると、前の方で横に連れて行かれる商人が見えた。また禁制の品を持ちこもうとした奴が居るのか、懲りない奴等だな。捕まっている奴は毎回違うのだろうが、俺達にとっては見飽きた奴等だ。


 そんなのを見ながら待っていると、ようやく俺達の番が回ってきた。登録証を見せて領都の中に入る。商人が居なければもっと早いんだろうから、商人は別の所に並んでほしいもんだ。


 街中に入り銅貨5枚を4人に渡しながら話を聞くと、大部屋がある大きな宿は4つあるらしい。大人数の商隊もよく来るんだろうか? まあ、俺達にとってみればありがたい話なので気にしなくてもいいか。


 教えてもらった宿に行き大部屋を確認すると、3軒目でようやく2部屋確保できた。思っているよりも埋まっていたが、それぐらいには需要があるんだろうな。大部屋なんて普通の商人じゃ使わないし、使えない。


 出来うる限り安く済ませようとするのが商人だからな。つまり、大部屋の方が安いと言えるくらいには人が多いという事だ。エルダ海洋国からの交易品を運ぶ商隊だろうなぁ。


 大部屋2つを10日間、銀貨7枚でとった。俺達は大人数用を、リンデ達は普通の大部屋をとり、昼食を食べる為に食堂へと出かける。宿の人に聞いたら、表通りから1本入った所にある食堂を薦められたので行ってみる。


 聞いた場所に食堂があったので中に入り、大銅貨10枚を支払って昼食を注文して席に座る。神水を入れて飲みながら待っていると、何だか世紀末みたいな雰囲気の傭兵が5人も店に入ってきた。……久しぶりに見たな、モヒカン。


 そいつ等はこちらを気にする事も無く注文して座ると、大きな声で話し始めた。



 「今日は上手くいって良かったぜぇ。何と行ってもオレ様の剣が強力だからなあ。これからもオレ様に任せておけ!」


 「何言ってやがる! オレ様が前で敵を止めてるから切り込めるんだろうよ! ちったぁ、オレ様に感謝しろい!」


 「兄弟よ、いつも感謝してるぜぇ! オレ様が活躍出来るのはお前の御蔭だ! これからも宜しくな!」


 「おう、任せとけや兄弟!! オレ様が必ず守ってやるぜぇ!!」



 喧嘩が始まるのかと思ったら、モヒカンどもが肩を組んで熱い友情を確かめ合っていた。………アレ? モヒカンってそういうキャラだったか? 前にルーデル村に現れたモヒカンは、普通にヒャッハー系だったんだがなぁ。


 コイツ等はどうも違うらしい、警戒して損したわ。他の3人も加わって熱い友情を確かめ合っているが、暑苦しくてしょうがない。なんなんだろうな、別の意味で視界の暴力だぞ。


 肩にトゲの付いた防具を身に着けた連中が、泣きながら友情を確かめ合っている。……本当に最悪の絵面だ。食堂の従業員も呆れた目で見ているので、コイツ等もしかして毎日こんな事してるのか?。


 何だか怖い想像が脳内をよぎったので頭を振り、大人しく食事をして宿に戻ろう。何であんなのと出会う時間に食堂に来たんだろう。……運が悪かったと思って諦めるしかないか。


 昼食後、宿の部屋に戻って一息吐く。モヒカンの友情なんていう見たくもないものを見せられたので、ダリアと遊んで癒されよう。そう思っていたら、部屋の温度が下がってきて丁度良かったのか昼寝を始めた。


 已む無くアイテムバッグから革を取り出して敷き、そこにダリアを寝かせる。そのままダリアは寝息を立て始めたので、ゆっくりと寝かせる事にした。


 ……俺も寝るか。そう思い、ダリアの横に革を敷いて寝転がる。それじゃあ、おやすみなさい。



 「アルド、そろそろ起きて下さい。アルド、もう夕日が出ていますよ」


 「……う、ん。もう夕方か。分かった、起きるよ」



 今日は珍しくダナじゃなくてシュラが起こしてくれたんだなと思っていたら、ダナは向こうで下着を履いているのが見えた。どうやら、ついさっきまでダナがシていたらしい。何と言うか、全て終わってから起こしてほしかったと思う。


 そんな微妙な気分になりながら【浄化】し、送風機や冷房を収納したら食堂へと移動する。それなりに混雑しているので繁盛している様だ。そんな中、従業員に大銅貨10枚を支払い夕食を注文して、空いている席に座る。


 ある程度は相席でバラけてしまったが、店の混み具合だと仕方がない。何故か俺の相席はモヒカンだった。案内してくれたのは従業員だが、何故この席に案内したと首を傾げたくなる。とはいえ、文句を言うわけにもいかないので座るが。


 久しぶりにある意味で1人の食事だ。モヒカン達は仲間内で喋っているが、俺は気にせず食事をする。特に話しかけられる事も無く淡々と夕食を食べて、終わったら席を立つ。店の外に出て一息吐き、皆を待っていると直ぐに出てきた。


 皆は俺を見て苦笑いしながらも「御苦労様」と労ってくれた。そのまま皆と一緒に宿への帰り道を歩くのだが、フォルいわく、案内してくれた従業員女性は、おそらく異性の同性愛が好きな連中だろうとの事だ。


 この世界では同性愛は普通だが、異性の同性愛に強烈な興味を持つ者が居るらしい。俺がつい「腐女子か?」と聞いたら変な顔をされたので説明すると、そういう趣味の女性の名称が<腐女子>に決まってしまった。


 漢字じゃないと意味が伝わらない気もするんだが、良いんだろうか? ……まあ、いいか。


 そもそもフォルが腐女子だと分かったのは、俺とモヒカンどもを”そういう目”で見ていたからだそうだ。明らかであり、絶対に間違い無いとフォルが豪語する程だから、見る人が見れば分かる目をしていたんだろう。俺には分からないが。


 「アレは多分だけど、モヒカンを受けにして……」とか言ってるが、そんな話は聞きたくもない。フォルはどちらかと言わずとも両刀なので特に気にしていないが、俺は気にするんで止めてほしい。それに、あの従業員も俺を使うなよな。


 宿の部屋に戻り送風機と冷房を設置して起動したら、部屋全体に【冷風】を使い熱気を外に出す。後は窓を閉めて室温を下げるだけだ。


 ボーッとしながらダリアをブラッシングしていると、リンデ達が部屋にやってきた。何かと思ったら、明日領都を散策するのでついて来てほしいらしい。リンデ達は観光、カイリは視察となるが、やる事は変わらない。


 俺達も特にやる事は無いのでOKを出したら、今日は早く寝ると言って部屋に戻っていった。リンデとリヴィの目が妖しかったので、多分カイリは喰われるんだろう。リンデはすっかり染まったなぁ。


 俺達は顔を見合わせて苦笑いするしか出来なかったが、そのうち誰かに嫁ぐかもしれないし見守っていればいいかと結論付けた。ブラッシングが止まっていたのでダリアが怒り、再びブラッシングを始める。


 皆も今日は酒を飲まずにダラダラと過ごしている。理由は外に怪しい奴等が居るからなんだが、実は夕食の後から尾けられていた。それ自体は全員が理解しているが、目的がイマイチ分からない。


 【空間把握】で監視しているが、こいつ等ハンドサインばかりで会話をしない。御蔭で何が狙いなのかも不明なままだ。誰か1人でも捕まえられれば吐かせるのは簡単なんだが、面倒な事をしてくれる。


 スリーマンセルが2組で2チームなうえ、後ろの方にそれぞれのチームの監視役が居る。仮にどちらかが攻めて来ても、迂闊に捕らえる訳にもいかない。俺達がやったとバレると面倒なので、バレた場合は全員始末する必要が出てくる。


 どうやって目撃させないか、またはどうすれば全員始末できるかを考えていると、2つのチームに動きがあった。2つのチームが宿の表と裏から侵入しようとしてきたので、慌ててリンデ達に【念話】を飛ばす。


 まだリンデ達が起きて乳繰り合ってたのは知っていたが、今はそんな事を気にしている場合じゃない。もしかしたら目的はリンデ達かもしれないので、素早く戦闘準備を整えさせる。


 こっちは部屋の前で迎え撃つべく、配置を決めよう。



 ▽▽▽▽▽


 1062終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨177枚

 大金貨963枚

 金貨1069枚

 大銀貨1078枚

 銀貨1451枚

 大銅貨1868枚

 銅貨442枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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