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 酒飲みどもの宴会は止まる所を知らず、未だに続いている。酒を飲まない俺とディルを除けば、既に残りは4人しか残っていない。ダナとアルメアとエリアとリンデだ。ウチの3人はともかく、リンデは強いなぁ。やはりドワーフの血は伊達ではないらしい。


 そんな4人も既に怪しい状態であるのは変わらず、呂律でさえも怪しくなってきている。そこまでして飲む必要が何処にあるのかは疑問だが、酒飲みとして負けられないそうだ。そう考えている時点で既に駄目なんだと気付かないもんかね?。


 結局、ディルとゆっくり待っていたら全員が撃沈してしまった。無駄に沢山飲んだだけな気がするが、そこら辺は酒飲みとして良いんだろうか? まあ、酒を飲まない俺には考えても分からない事だな。とりあえず寝かせよう。


 リンデをカマクラに入れて、入り口を閉じる。次にダナ、アルメア、エリアをカマクラに入れて、こちらも閉じる。その後、外でディルを大満足させてから綺麗にし、一緒にカマクラ内に入って寝る。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界493日目>



 おはようございます。今日は山越えからの辺境伯領まで移動です。別に辺境伯に会う理由も無ければ、ダンジョンに行く理由も無い。にも関わらず、どちらにも関わりそうな、そんな嫌な予感がある。カイリも居るし。


 それでも辺境伯領を見て回らない事には帝国を確認したとまでは言えないので、ある程度の日数は滞在をして確認しておく必要がある。エルダ海洋国との最前線だからな。見るべきところはあるか……。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」


 「今日で一気に辺境伯領まで行くけど、あそこもどうなのかねぇ……。かつては色々と依頼も請けたけど、あの頃とは違うだろうし。変化が楽しみな気もするけど、大して変わってない様な気もするね」


 「そうですね。あの頃とは違うとは思いますけど、最前線なんて大して変わらない気もします。あそこで仕事を請けるのも良いですけど、私達は無理に仕事を請ける必要もありませんからね。今回はゆっくりしていましょう」


 「確か、助けて貰ったお礼に山ほどの依頼を請けさせられたんだったわね。今の辺境伯がそこまでのやり手なのかはカイリに聞いてみるべきかしら?」


 「どっちでも良いんじゃないかな? どういう人物なのかは自分の力で判断するしかないよ。特に上位権力者を相手に猫を被るのは当たり前だからね。カイリこそ分かっていない可能性がある」


 「基本的に接待される側だからな、仕方あるまい。それに辺境伯の位にある者が、小娘に見破られるほど甘くは無いと思うのだがな」


 「そういう意味でも見るべき部分をちゃんと見ていないのと、誤魔化されている可能性は高そうだね。敢えて聞かない方が良いかな? 妙な情報を先に入れると失敗したりするかもしれないし」


 「今の辺境伯は普通だと言われていますね。可も無く不可も無く、と言えばいいのでしょうか? 上手く維持し続けているとも言われてますので、おそらく結構なやり手だと思います」


 「普通なのに、やり手なのかい? 何だかよく分からないね。………普通と言われてるのと、領地をちゃんと維持しているという事で評価が違うって事?」


 「辺境と言いますか、他国と接する領地は統治するのが難しいのです。他の領地なら普通だと大した評価にはなりませんが、辺境伯の領地は維持しているだけでも評価の対象なんですよ。それだけ難しいですから」


 「そろそろ外に出て朝食の用意をしないといけないんで、入り口を壊すぞ?」



 俺はカマクラの入り口を壊して外に出る。海産物を取り出しておき、朝は饅頭でいいかと思い生地を作っていく。中の具は魚の身と貝を、魚醤やハチミツと酒で煮込んだものになる。骨は全て外してあるので刺さる心配は無い。


 干し肉と野菜のスープはメルに任せて、俺達の方はせっせと饅頭作りだ。皮を作ったら中心に具を入れて包んでいく。1段に3個、5段の蒸篭で1度に15個だ。それが2つある。神木製の蒸篭だが……今さらか。


 神水で蒸しているのを見ていてもらい、俺は川に行って神水を補充する。満タンまで補充して戻ると、既に完成していて皆の皿に乗っていた。俺は2段の蒸篭と5個の饅頭を入れて蒸し始める。自分の分と余った分だ。


 椅子に座ってゆっくりと待っていると、食べながら辺境伯の領地の話をしていた。何でもダンジョンで成り立っている領地でもあり、エルダ海洋国にダンジョンを奪われると厳しくなるそうだ。


 エルダ海洋国との交易もあるが、それに頼ると絡め取られる可能性があるので自立出来る収入が必要となる。それがダンジョンなのだが場所が微妙であり、どちらの国に所属するかは難しい。


 今は帝国が武力で押さえているものの、隙を見せるとエルダ海洋国に奪われかねない。更には押さえる為の兵士の派遣だけで、結構な金銭を消費し続けるという厄介な状態だ。それでもダンジョンを押さえる必要がある。


 統治するっていうのも大変なもんだ。帝国側は一応海洋国の傭兵を排除してないが、海洋国に奪われたら帝国の傭兵を排除するかもしれない。そういう意味でも維持し続ける必要があるらしい。


 損切り出来れば良いんだろうが、それをしても損か得か既に分からなくなってるんだろうな。俺ならエルダ海洋国に渡すのもアリかと思うんだが……帝国の傭兵が入れなければギルドを通して抗議すれば済むし、エルダ海洋国の印象も悪く出来る。


 負担は相手に押し付けるのが基本だと思うけど、帝国国内から槍玉に挙がるんだろうな、きっと。冷静に損か得かで判断出来る奴等ばかりじゃないから、足を引っ張ろうとする間抜けは必ず居るだろう。本当に嫌なもんだ。



 「まあ、そういう輩が居るのは事実だ。それ以外にも、ダンジョンを持っているだけで我が国が上だと考える脳無しまで居る有様だ。お前の頭には少しの知恵も無いのか? そう言いたくなった事は何度もあるな」


 「自分の領地にダンジョンが無いので、運用の苦労も知らないのでしょう。我が国には2つのダンジョンしかありませんが、北の侯爵領は妬まれる事も多いのです」


 「それは我が国も変わらないさ。ダンジョンさえ在ればと思うんだろうけど、神殿や神官を誘致したり、職人を常駐させたり、解体所には腕利きを置いたり。色々やらなきゃいけない事が沢山あるんだけど、その辺りは一切見ないんだよね」


 「妬みや嫉みに塗れている者は、そもそも正しい判断も出来ませんからね。我が国にもそういう者は居ますし、そういった者は何処にでも居るのでしょう」



 それぞれの国の王族や皇族には、言いたい事が沢山あるんだろう。ただ、人前では言えない事情もあるし、言っても理解されない事もある。あの4人は同じ様な立場だからこそ、お互いに理解できるんだろう。


 朝食も終わっているし、後片付けを終えたら出発するか。皆の皿や焼き網を綺麗に【浄化】し、アイテムバッグに収納していく。その傍らでフォルに焼き場やカマクラを壊してもらい、早めに準備を終わらせた。


 全て終わると、さっそく山登りの始まりだ。それなりに勾配の厳しい山ではあるが、それでも帝国西側のロクド山よりはマシだ。俺達なら一気に登っていける。走りながら進んでいき、600メートルほど登ったら向こう側へと進む。


 あとの下りも一気に下っていくだけだ。ロクド山の山道が九十九折な所為なんだよな、向こうの山で苦労をする原因は。


 ドルクス山を越え、デンプの村、ドリムの町、エフドの村、そして領都ヴィルメルへとやって来た。既に昼を過ぎているが、ここまで一気に来たら後は宿をとれば済む。ここまでの村や街に見る場所も無いからな。


 ついでに、昔ダナを手篭めにしようとした貴族の領地だったし。



 ▽▽▽▽▽


 1061終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨177枚

 大金貨963枚

 金貨1069枚

 大銀貨1078枚

 銀貨1458枚

 大銅貨1888枚

 銅貨462枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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