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 話し合いは終わったので、女性騎士2人は帰っていった。皇女は人質として出されるし、皇女自身が堅苦しいのとは離れたいようだ。それはどうでもいいんだが、リンデ達に言って旅の用意をさせる事にした。


 一応支度金は貰えたらしいが、皇女自身が沢山貰うのを拒んだ為に、そこまで多く持っていない様だ。俺は金貨5枚と中型のアイテムバッグを渡し、これで準備を整えてくる様に言っておいた。


 ちょっと恐縮していたが、物を持てないと却って邪魔になると言い聞かせた。他のメンバーに荷物を持ってもらうなんて迷惑だろうと言うと、納得したらしい。


 他国へと行くので皇女と呼ぶのは止めてほしいと言われたので、どう呼んでほしいのか聞いたらカイリと呼ぶ様に言ってきた。何でも母親はそう呼んでいたそうだ。今はそう呼ぶ者は居ないらしいが……。



 「別に気にしていないし、母は病で亡くなっている。毒などを盛られた訳でもないので、特にどうこうといった蟠りもない。帝国の歴史書の中には、毒を盛られたり、拷問を受けて亡くなった皇族も居るのだ。それ等に比べれば遥かにマシだと思っている」


 「その言い方だと病にさせられたと捉える事も出来ますけど? ……えっと、その可能性があるので?」


 「分からない。流行り病が広がる時期でもないのに、流行り病に罹って亡くなったからな。ただ、当時を思い返してみても怪しい者はいない。そもそも側室の1人でしかないからな、私の母は」


 「確か、皇帝は正室の他に側室が3人居た筈。これでも歴代よりは少なかったんじゃなかったかな? 我が国でも妻が多い王は7人とか居たからね。それに比べれば……」


 「そんな話より、ちゃんと買い物して準備してこい。これから東の辺境伯の所まで行くんだぞ」


 「「「「は~い」」」」



 リンデ達もカイリも成人しているが、そう思えないほど軽いな。武器だけは俺が作るのだが、カイリに聞くと剣が良いらしい。正しくは剣以外使った事が無いらしく、その剣も母親が使っていたからだそうだ。帝国軍の標準装備も剣なので丁度良かったらしい。


 言葉は悪いが、とりあえず剣なんだよな。敵を倒すだけなら何でも良い筈なんだが、やっぱり最初に挙がるのは剣だ。地球のヨーロッパでも、主武器が剣だったのは見た目の為だったという話があるくらいだし。


 実際に昔の戦争では、長槍であるパイクが使われたり、弓が使われたり、斧やメイスが使われていた訳で、決して剣じゃなければいけないなんて事は無い。にも関わらず、剣を差している人が多いんだよな。


 肖像画に残っている人なんて、腰に剣を差している人が殆どだ。剣と杖が王権と武力の象徴だったりした訳で、やっぱり剣には見た目的な魅力があったんだろう。


 日本だって刀が有名だったりするけど、実際の戦で使われていた主武器は槍や弓だ。刀が使われていない訳じゃないが、遠間から突き刺せる槍の方が有利だからな。


 相手より有利な武器で戦うなんて当たり前なんだけど、象徴にはならなかったんだろう。やっぱり見た目かね? とはいえ、槍ってそこまで見た目が悪い訳じゃないと思うんだけど、剣に勝てないのは何故なんだろう?。


 そんな下らない事を女性陣と話しながら剣を作っていると、全て完成した辺りでリンデ達も帰ってきた。タイミング的には完璧だが、偶然というのは凄いね。


 外は暑かったのか、早速部屋の中で涼んでいる。【冷風】を使って部屋の中の温度を下げつつ買い物の話を聞く。どうやら必要な雑貨や防具類は買ってきたそうだが、それ以上は無駄使いになるので止めさせたらしい。


 具体的には革鎧と剣帯とブーツだけで、残りは素材が手に入ったら作ってもらえば良いと言って説得したみたいだ。店の中でよく言ったなと思ったら、店の外に連れ出してから言ったらしい。……だろうね。


 さて、準備は出来た様だし、昼には早いがそろそろ出発しよう。部屋の中を片付けてから綺麗に【浄化】し、リンデ達の部屋も綺麗に【浄化】する。既に片付けていたので忘れ物も無い様だ。


 宿の従業員に出る事と返金は要らない事を言い、まずは食堂へと行く。大銅貨10枚を支払って早めの昼食を注文したら、直ぐに運ばれてきたのでさっさと食べて食堂を出た。


 次に傭兵ギルドに行き、カイリの傭兵登録をする。カイリには暴食竜の牙で作った剣と王角竜のダガーを、リヴィとキューレにも王角竜のダガーを渡した。解体などの為にも必要だからな。



 「こちらが傭兵ギルドの登録証となりますが、失くさない様にお願い致します。再発行は出来ますが、ランクは再び1からですのでお気を付け下さい。それと報告が無ければランクは上がりません、そこにも注意をお願いします」


 「ああ、分かった。分からないところは知り合いに聞くから大丈夫だ。邪魔をしたな」



 そう言って受付を後にしたので、俺達も一緒に外へ出る。皇都の門番に登録証を見せると驚いていたが、無事に出る事が出来た。門番が騒ぐと面倒な事にしかならなかったからな。


 皇都から少し離れた所で走り始めた俺達は、ディザレフト、アモズの町、メブイの村、モイズの村、そしてドルクス山の麓へと来た。まだ夕日も出ていないが、今から山登りをすれば確実に山の途中で夜を明かす事になる。


 山の北側に東西に流れる川があるので、前回と同じくここを野営場所に決めた。カマクラや焼き場を作り、テーブルと椅子を作って休んでいると、ダリアが「ニャー!ニャー!」騒いでいる。


 何かと思って近付いたら、川魚を獲るのに必死になっているらしい。川遊びもついでにしているんだろう、ダリアの近くからは魚が居なくなっていた。遊びたいのか魚が食べたいのかハッキリしてほしいところだ。


 ダリアじゃないが偶には川魚も良いかと思い、【念動】で魚を確保した。16匹確保したので1人1匹は食べられる。腹を裂き、内臓を取り出してから綺麗に【浄化】して塩を振る。


 焼き場に焼き網を設置して焼いていくと、ダリアが興奮し始めた。そんなに魚が食べたかったのか? 海の魚は食べているのに? ……よく分からないが、何かが琴線に触れたんだろう。きっと。


 それ以外にも肉を焼いたりとかしていると、早めに昼食を食べたからか皆が集まり始めた。お腹が空いていたのかとも思うが、単に魚が焼ける匂いが気になっただけかもしれない。


 【魔術】で温度を操作しながらじっくりと焼いていく。中から焼いているので外に脂が漏れにくいのだろうか? あまり滴ってはいない。もともと脂が少ない魚なのかもしれないが、見た事が無いので魔物の可能性もあるな。


 肉も薄切りにして準備しているので、普通に焼肉でもすれば良いだろう。酒を飲んでも構わないとし、飲み会という形でカイリを迎える事に決めた。魚が焼けたので全員の皿に乗せ、魚醤や香辛料を出しておく。


 好きに使って食べれば良いんだが、骨が取り辛いのか苦戦しているらしい。仕方ないので全員の魚の骨を【粉砕】して食べやすくしておいた。慣れていないと食べにくいだろうし骨も大きくないので、【粉砕】しておけば気になる程じゃない。


 やはり脂が内部に閉じ込められていた様で、思っているよりも美味しい魚だった。ダリアのテンションがやたら高いが、猫って何で魚が好きなんだろう? もちろん肉も食べるんだけどさ。本能にでも刻まれてるのか?。


 ダリアを見ていてもしょうがないので、俺も夕食を堪能しよう。夕日が出ている中での食事もオツなものだが、既に五月蝿い宴会風景と化している。皆に作った酒は度数の強い物が多いからか、撃沈する者が後を絶たない。


 既にある程度の人数をカマクラの中に突っ込んだ。未だにリンデは飲んでいるが、既にそれ以外のチームメンバーは撃沈したのでカマクラに突っ込んでいる。特に早かったのはリヴィとカイリだ。あの2人、お酒に相当弱くて直ぐに撃沈した。


 あっと言う間に主役が居なくなったな。



 ▽▽▽▽▽


 1060終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨177枚

 大金貨963枚

 金貨1069枚

 大銀貨1078枚

 銀貨1458枚

 大銅貨1888枚

 銅貨462枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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