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 <異世界492日目>



 おはようございます。今日はやる事が特に決まっていません。休みでも良いし、遊んでも良い。皇女にアイテムバッグを売ったので、その代金を貰ったらそろそろ皇都から離れようと思っている。ここに居続けてもしょうがないし。


 そもそも最初の目的はリンデ達の帝国観光みたいなものだから、既に目的は達成されていると言っても良いだろう。面倒な事がこれ以上起こっても鬱陶しいだけなので、さっさとガイアルム王国に戻りたい。


 皇都近くのダンジョン攻略は済んだし、帝国の他のダンジョンを攻略する気はあまり無いので放っておこうと思っている。竜の素材が欲しい訳でもなければ、今のところ必要でもない。無理にダンジョン攻略をしなければいけない状況でもないし。


 下界の邪気を減らす事とダンジョン攻略は同じじゃないからな。ダンジョン攻略をしなくても邪気を減らす事は十分に可能だ。同じダンジョンを攻略し続けても邪気は減らせるし、様々なダンジョンを攻略する必要も無い。


 時間が掛かったりする方法だが、俺達は不老長寿なので焦らなくてもいいしな。何より俺が下界に来て、まだ2年目だ。まだまだこれからだし、勾玉などのおかげで邪気はそれなりに減っている筈。


 1人が減らせる量は微々たるものかもしれないが、それでも順調に減らし続けているし、本音を言うとダンジョンぐらいは他人に任せたい。浄化魔法もゆっくりとだが広まっていく筈だし、金儲けの為に洩らす奴は必ず出る。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」


 「今日は……特に何も無いね。休みにするか、それとも何かするのか。まあ、お酒は作ってもらったし、特にやる事も無いんだけどさ。何かあったかい?」


 「いえ、特に何も無かったと思いますけど? そろそろ皇都から出てもいいんじゃないかと考えてるんですけど、その辺りはどうなのでしょうね?」


 「さあ……? 元々の依頼はリンデ達の帝国観光の様なものだし、それも何処までかは決まっていないのよね。東の端まで行くのか、それとも皇都で終わりなのかは聞いてみないと分からないわ」



 部屋の中を片付けて宿の玄関へと出る。リンデ達と合流したら食堂に行き、大銅貨10枚を支払って朝食を注文。いつもの席に座って待っていると、近くに傭兵が座り大きな声で話し始めた。



 「昨日、真っ黒な魔物を倒すって言ってた奴等、誰一人として帰ってこなかったらしいじゃねえか。だから俺達は止めとけって言ったのによ、若い奴等は人の話を聞かなくて困るぜ!」


 「俺達の様なベテランまで生きられるのは臆病な奴等ばっかりだからな。だが命が懸かってるんだから、臆病なぐらいで丁度良い。生き延びれば勇気、死ねば蛮勇って言われるんじゃな。リスクが大き過ぎる」


 「とどのつまり、生きるか死ぬかってとこまで追い詰められたら、後は運だけだからな。運が良ければ生き残れるし、悪けりゃ死ぬ。そんな運任せじゃ本物の傭兵とは言えねえって、分かんねえもんかねぇ」


 「若い奴等には分からないんだろうな。俺達だって若い頃は偉そうな事は言えなかったし、あの時のベテランどもは同じ事を思ってたんじゃないか?」


 「違えねえ」



 何とも言えない話をしているが、食堂に居る他の傭兵に言い聞かせている感じもするな。命を粗末にするなと言いたいのか、運に命を懸けるなと言っているのかは分からない。


 朝食後、宿の部屋に戻ってリンデ達を呼んだ。これからの事を話し合う為だが、帝国の全てを見たわけでもないので東に行こうとするかもしれない。依頼の範疇に入るなら別に構わないんだが、山越えが面倒なんだよ。


 送風機と冷房を設置して起動し、【冷風】を使って部屋を冷やす。まだまだ残暑厳しいが、それでも1時期よりはマシだ。そんな事を考えていたら、皆は先に解体所に行って獲物を売ってくると言って部屋を出て行った。


 そういえば、昨日のダンジョンで得た獲物はまだ売ってなかったんだっけ? どのみち俺は自分のアイテムバッグには回収していないので、売りに行く必要も無い。お金も十分にあるので面倒臭いという思いがどうしても出てくる。勿体ないんだけどね。


 皆がアイテムバッグ内の獲物を売りに行った以上は暇なので、ダリアの相手をして遊んでいるとドアがノックされた。返事をすると、どうやら宿に客が来ているらしい。ドアを開けて玄関に出ると、皇女と女性騎士が居た。


 外は暑いので部屋に案内し涼みながら用件を聞くと、昨日のアイテムバッグの代金を持ってきたのと、自分を連れて行って欲しいとの事だった。何を言ってるんだと思ったが、どうも政治的な判断と皇女の要望が叶った結果だそうだ。


 皇女からアイテムバッグを売った代金である金貨3枚を受け取っていると皆が帰ってきた。皇女と女性騎士が居る事に若干驚いた様だが、特に何もなく部屋に入って涼み始める。



 「ところで、何で皇女はアタシ達の所に来たんだい? ダンジョンに連れてけって言うから連れてったけど、それ以外には何も無かった筈だろう。まだ用があるのかい?」


 「私を連れて行ってほしい。正しくは人質のようなものでもあるし、敵対しない為のものだ。それに、この事に関しては私の要望も含まれている」


 「どういう事でしょう? 自ら人質になりたいと思う者なんて居ないと思いますし、そもそも王族、皇族にある者は人質になってはマズいでしょう。私達もそうですけど……」


 「それはそうなのだが、私はもともと傭兵になりたかったのだ。私の母は側室だが、元傭兵でもある。自由な傭兵稼業の事は昔から母に聞かされて育ったのだ。だからこそ憧れはずっとあった」


 「憧れだけでやっていける程、甘くはないよ? 私もランク12の時は嫌な裏側を散々見てきたものさ。それでも傭兵という仕事は無くならないし、世の中にとって必要だとも思っているけどね」


 「それは分かっている。貴族どものドロドロした欲よりはマシだろう。それと、人質と言っているのは<凄腕の斥候>に対するものなのだ。そこだけは何としても敵に回したくないらしい」


 「まあ、それはそうだと思います。どこの国にも、竜を簡単に屠る者なんて居ませんよ。冗談でも何でも無く、人間種なんて相手にならないでしょう。そのうえ、何故か敵対した貴族が消えるようですし……」


 「うむ。陛下、宰相、叔父上の3者で意見が一致したそうだ。アレは敵に回すとマズいと。ガイアルム王国を敵に回す事になっても中立で居て貰おうと決まったらしく、その為の人質なのだ」


 「念願叶って傭兵にもなれるという事ですか。とはいえ、アルドさんが連れて行くんですか? 間違いなく足手纏いですよね?」


 「そうだな。長距離移動は無理だろうし、俺達はヤシマの国にまた行くからな。ついて来れない奴を連れて行く気も無いし、そもそも俺達と一緒に居る必要も無いだろう。リンデ達のチームに入れれば良いんじゃないか?」


 「まあ、この子達はそれぞれの国を移動しているくらいだし、丁度良いだろうね。アタシ達みたいに大陸の端まで移動したり、大森林を突破したりするチームにはついて来れないだろうさ」


 「皇女はそれで良いとして、リンデ達はどうするんだ? 元々この依頼は帝国観光のようなものだったが、一応東の端まで見に行くのか? それとも皇都で終わりか?」


 「一応東の端の辺境伯の領地までは行かないといけません。帝国観光は間違ってないのですが、依頼の大元は王太子殿下です。ちゃんと端から端まで見て回らないと」


 「という事は山越えは確定ですね。出来ればさっさと進みたいので、昼から出発しますか?」


 「そうね。お昼から出発すればドルクス山の麓までは進めるでしょうから、明日の朝から山越えかしら」



 麓でカマクラを作って野宿か。まあ、皇女もゴチャゴチャ言わないだろう。



 ▽▽▽▽▽


 1059終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨177枚

 大金貨963枚

 金貨1074枚

 大銀貨1078枚

 銀貨1458枚

 大銅貨1898枚

 銅貨462枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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