1056
<異世界491日目>
おはようございます。今日は皇都近くのダンジョン攻略の日です。素材ダンジョンであり、かつて最高攻略階層の記録があったダンジョンなんだが、王国だったか聖王国だったかに抜かれてしまったダンジョンだな。俺達には、どうでもいいけど。
「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー!」
「今日はダンジョン攻略だけど、出来れば1度で終えたいね。何と言うか面倒臭そうな予感がするんだよ。長年の邪気が溜まってるだろうし、帝国だから綺麗にしているとは思えない。更には素材ダンジョンだろう? 先が長そうなんだよね」
「素材が多く、ダンジョンモンスターが少ないですからね。その分だけ、最奥までに時間が掛かりそうです。30層を超えてくると、あの皇女は完全に足手纏いになりますが……」
「それに関しては、真っ黒なオーガの心臓を食べさせればどうにでもなるでしょう? 問題は皇女の身を守れるかどうかよ。軽装で行く事になっているから、気を付けて守らないといけないわ」
「まあ、しょうがないね。受けたのもあるし、もう切り替えるべきだよ。世界から少しでも邪気が減るなら悪い事では無いってね。面倒な事を考えても仕方ないさ」
「それにダンジョンモンスターは浄化すると弱まるからな。浄化魔法の練習をしながら、良い値段で売れる魔物は進路上の奴だけ狩っていこう」
「それがいいね。お酒作るのに多少のお金は使っちゃったし。問題無いくらいには持ってるけど、稼いでおいて損は無いから」
「買い叩かれるというか、正しい値段で買い取られるか分かりませんけどね。長い間、最高記録に胡坐を掻いていた筈なので、強力な魔物に正しい値付けが出来るんでしょうか?」
「ああ、分からないから安値にされるって事か……。なら買い取りはさせずに持って帰ってくればいいよ。バラして素材だけにすれば別の場所で売れるだろうし」
「ま、それが無難だろうな。それより片付けは終わったから、そろそろ宿の玄関に出ようか」
部屋を出て玄関で待つと、少ししてリンデ達が出てきた。食堂へと移動し大銅貨10枚を支払って朝食を注文したら、席に座って皇女達を待つ。昨日よりも少し遅いが、皇女達は食堂に来て隣のテーブル席に座った。
雑談をしていると朝食が来たので食べ、終わったら食堂を出る。今日は皇女のみ連れて行くので女性騎士とはここで別れ、皇都の外へと向かう。門番に登録証を見せて外に出たら、近くにあるダンジョン街へと行き中に入る。
真っ直ぐに迷宮紋へと行き順番を待つ。見た感じは3チームほどなので直ぐに順番が回ってくるだろう。あっさりと俺達の番が回ってきたので迷宮紋に乗り、ダンジョンへと入った。
1層は草原で、どうやら野菜がちょこちょこ生えているらしい。新人と思しき若い子達が中腰で引っこ抜いているのが見える。……根菜かな?。
人の流れは北に向いているので、そちらに走って進んで行き2層へと移動する。2層も草原だったので北から3層へ。3層も草原だったので北から4層へと進んだ。4層は草原だ……? 何か違う気がするが、何が違うんだ?。
分からないので皇女に聞くと、どうやら採れる野菜の種類が違うらしい。心底どうでもいいと思ったが、ここからは小麦や大麦も生えているらしく、それ目当てに進んでくる者は多いそうだ。
特にスラム出身の者は、持って帰って家族で食べる為に採る者が居る。国としては浄化さえすれば好きにしていいというスタンスなんだそうだ。禁止すると間違いなくスラムが荒れるし、暴動が起きるか犯罪の温床にしかならない。
少なくとも皇都のスラムは他と比べれば遥かにマシらしいのだが、食べられて生きていけるなら暴動だったり犯罪を犯したりはしないだろうな。生きていけないから犯罪に手を染める訳で、生きていけるのに犯罪を犯す奴は少ないだろう。
4層、5層、6層を北東の転移紋を使って移動し、7層に到着した。この層は荒地みたいだが、ビッグカウとビッグボアが居るので肉エリアなんだろう。他にもビッグラビットやビッグゴートも居るので本当に肉エリアらしい。
俺達は面倒なので戦わず、さっさと東に走り転移紋で先へと進む。7層、8層、9層と進み、10層へと到着したが、そこは海だった。すぐに近付き【浄化】の権能を使いながら神水を補充する。
急に動いた俺に皇女が驚くが気にせず神水を作り、海産物をゲットする。凍らせて保存したら南東の転移紋で先に進もう。10層、11層、12層と進んで、問題の13層に入った。
13層は平原で見渡す限り視界を防ぐ物が無い。そんな層で一際濃い邪気を放つ存在が北西に居る。転移紋は南だが放っておく訳にもいかないので、俺だけが北西に行く事にした。都合の良い事に他の傭兵の反応は無い。
皆を南に送り出し、隠密の4つの技を使って一気に北西に行く。かなり離れていたので時間が掛かったが、発見したので【浄化】する。猛烈な勢いで浄化された真っ黒なオーガは、至極あっさりと白くなって息絶えた。
血を抜いて回収したら、全力の身体強化で皆を追い駆けた。皆は転移紋の前で待っていてくれたらしく、揃って14層へと移動する。この14層にも真っ黒なオーガが居る筈だが……。
そう思って確認すると、西の方に非常に強い呪いと8人程度の傭兵を感知した。皆にその情報を話し、ゆっくりと歩いて行く。まだ見えないが、傭兵の反応がどんどんと減ってきている。
俺は慌てて皆に走るように言って一気に進んで行くと、見えてきた時には最後の一人が殺されるところだった。黒い斧だと聞いていたが、実際に見たらペレクスじゃないか。サガリスとも言うが、ミノタウロスが持っている斧として描かれる事が多い両刃斧だ。
あんな物があるって事は、間違いなく神様が絡んでいる訳だが……。とりあえず目撃者は居ないだろうからさっさと【浄化】しよう。こっちを見つけて襲ってくる前に【浄化】したが、ペレクスの呪いは消えていない。
仕方なく前後不覚になるほど【集中】し、気付いた時には呪いは完全に消えていた。やれやれ、とにかく血抜きから始めるのと並行して、早めの昼食にしよう。
「何なのだ、先程のは!? いったい何をどうすれば真っ黒なものが真っ白に変わるのだ! どう考えてもおかしな事が起きていたぞ!!」
「まあまあ、世の中には私達の想像を超えるような事があるのですよ。私達が世の全てを知っている訳ではないのですからね」
リンデが宥めている様だが、血抜きも終わったので、もう1体の白いオーガも出して心臓を抜き出す。【念動】で浮かべたままにし、【念話】で羽交い絞めにする様に伝えるとダナとシュラが素早く動いてくれた。
ギャーギャー騒いでいる皇女の口に切った心臓を入れて無理矢理食べさせる。吐き出されては困るというか勿体ないので、【人形】を使って無理矢理に飲み込ませていく。そうやって2つの心臓を食べさせると変化があった。
今度は痛みに喚いているのだが、間違いなく身長が伸びている。もともと170近くあったのが、今は190を越えたくらいか? 相当身長が伸びたが、欠片も胸が大きくなっていないところがなんとも言えない。Aのままだ。
痛みが治まるとキッと睨みつけてきたので、身長が伸びた事も含めて魔力と闘気が増加した事も伝える。半信半疑ながら自分の魔力と闘気を感じて理解したんだろう、唖然としているのだが……胸をまさぐるのは止めなさい。
胸は大きくならず身長が190近くまで伸びた事を改めて伝えると、突然怒り出した。気持ちは分かるが、胸が大きくなるかは人によるので絶対じゃない。どうも自分の胸にコンプレックスがある様だが、文句を言われても困る。
とりあえず昼食を作ろう。
▽▽▽▽▽
1056終了時点
大白金貨44枚
白金貨177枚
大金貨963枚
金貨1071枚
大銀貨1078枚
銀貨1458枚
大銅貨1918枚
銅貨462枚
神木石の浄化槍
神石の浄化剣
神木の浄化棍棒
神木の浄化盾
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




