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 リューは開始位置で礼をして俺達の下へと戻ってきた。特に戦う事に何かある訳でもなく、帝国の者と相対しても普通に戦える様だ。まあ、裏切られて忠誠心も愛国心もとっくに無くなってるからな。当たり前か。


 リンデ達の席が騒がしいが、どうやらリューが元帝国の潜入部隊だと説明したみたいだ。情報としては知ってたんだろうがリューを見たのは初めてなのかもしれない。逆に第6騎士団の奴等からは相当の敵意がリューに飛んできている。


 バカバカしい奴等の馬鹿な差別感情なんて相手をしてやる価値も無いからな。無視でいい。それよりも次はフォルなんだが、何だか長い棒を持っているな。……ああ、訓練では槍の代わりに棒を使うのか。となると、矛の代わりだな。


 フォルが開始位置に着くと相手も出てきた。先ほどの試合と同じく体格は男の様だが、何故か宰相からの敵意が凄い事になっている。第6騎士団の者が怯えてるぞ? アレって良いのかね、一応は帝国の戦力だろうに。



 「ゴホンッ。それでは互いに命を奪う事は無いように………始め!」



 始めという声と同時に身体強化で一気に接近したフォルは、全力で棒を振り下ろした。ドガンッ! という音が相手の左肩でした直後、相手は蹲って戦う事が出来なくなる。これで3勝目か。


 こちらに戻ってきてもフォルは喜ぶ事なく淡々としている。ハッキリ言って歯応えも何も無くて詰まらないんだろう。まあ、気持ちは分かる。別に鍛錬として得る物などなく、曲芸を見ている様なものだ。そりゃ詰まらないのも当然だ。


 何故か宰相さんは大喜びだが、あの人自分の立場を絶対に忘れてるよな? 憧れのアイドルが強かった事に興奮してるんだろうが、あの姿を晒してて良いのかと、むしろこっちが心配してしまう。


 次はディルだが、刃引きされた長剣を使うらしい。幾つか置いてある武器の中で、何故アレを選んだんだろう。ディルは目立たず淡々と戦うタイプなのに、今まであまり使った事の無い目立つ武器を使うなんてな。


 向こうから出てきたのは、随分大柄なプレートアーマーだ。持ち出してきた武器もディルと同じく長剣だが、その大きい背丈には合っている。2人は開始位置に着いたので、審判が試合を始める様だ。



 「お互いに命を奪う事の無きように………始め!」



 ディルは身体強化で一気に近付くと相手に対し長剣を振り下ろした。ガンッ! という音がして弾かれた長剣を再び振り下ろす。ガンガンと音が連続し相手に剣が叩きつけられる。


 相手も横薙ぎにしてくるが、ディルは身体強化で相手の側面後方に回り、またガンガンと長剣を相手に叩きつける。ワザと手を抜いているのは明らかなのだが、誰からも文句は出ない。


 結局、散々にボコられて相手がギブアップするまでタコ殴り状態は続いた。帰ってきたディルは若干スッキリした顔をしていたのでストレスでも溜まってたんだろう。丁度良く発散できる対象があって何よりだ。


 次はアルメアなんだが、何故か素手のままだぞ? 相手を舐めている訳じゃないだろうし、これはもしかして……。


 第6騎士団の者どもから野次が飛んでくるが、アルメアは澄ました顔で無視している。ああ、間違いなく投げる気だ。プレートアーマーを着ていても地面に叩きつけられれば、関係無く衝撃は受ける。


 どうやら体格的に相手は女性の様だが、いつまで耐えられるのかは見物だな。



 「本人が納得している以上は問題無しとする。それでは互いに命を奪う事の無いように………始め!」



 試合開始と共にアルメアは真っ直ぐ歩いて行く。相手は短めの剣であり、更にはフェンシングの様に剣を持っている。珍しいスタイルだが、刺突剣が無いのでああいう形になったんだろうか?。


 アルメアが間合いに入ると分かりやすく胴を突いてきたが、半身になって避けると同時に踏み込み、相手の腕をとって背負い投げを行った。それも頭から逆さに落ちるように投げている。


 ドガッ! という音と共に相手は叩きつけられ、アルメアは即座に相手から離れた。頭を叩きつけられた相手は悶絶していたが、痛みが引いてきたのか立ち上がり再び剣を構える。


 その後は相手が何をやってきてもカウンターで投げ、6度叩きつけられた時に相手はギブアップした。プレートアーマーを着てても衝撃は逃がせないし、場合によっては自分を傷つける鈍器にさえ成り得る。


 今回の事でプレートアーマーのイメージは落ちそうだ。別に俺達はイメージを悪くしようなどとは思っていないが、プレートアーマーで守れると考えるのは間違いだとは思う。


 刃引きした武器を使っても勝つ方法は沢山あるんだ。戦場だと魔法も大量に使われる。そんな中ではプレートアーマーの優位性なんて大して無い。元は着ている者を守る為に作られたんだろうが、もう守れないと思う方が正しい。


 地球と同じで、攻撃力が上がってくると相対的にプレートアーマーの価値は落ちていく。仕方がない事ではあるが命を守れない物に足を引っ張られるのもな。帝国の奴等を助けたい訳じゃないんだが……。


 そんな事を考えていると、メルの試合が始まるところだった。メルも武器を持ってないが嫌な予感しかしない。



 「それでは互いに命を奪わぬように………始め!」



 メルは即座に10個同時展開を行い【土弾】を乱射した。それはもう執拗に顔を狙い、兜の隙間から土を捻じ込まんとする勢いで乱射し続けた。その結果、相手はギブアップを宣言する事も出来ずに倒れてしまい全く動かない。


 慌てて審判が容態を確認すると死んでは居なかったが、呼吸が出来ずに気を失っていた。流石に10個同時展開は多かったのか、相手が怯えている気配がする。メルはたとえ相手が不慮の事故で死んでいても、多分だが気にもしないだろう。


 それが分かる戦いだったので相手も怯えているんだ。命は奪おうとしていない、不慮の事故だ。そう言われると返す言葉は無いだろう。【火弾】じゃないから殺意は無いと言われたら、確かにそうだとしか言えないからな。


 次はシュラだが、不思議な事に剣を持っている。確かにメイスとかの打撃武器は置いてはいないが、てっきり素手で戦うと思ってたんだがな……何か嫌な予感がするぞ? いったい何を考えているんだ?。



 「互いに命は奪わぬように………始め!」



 試合開始と同時に身体強化で接近したシュラは、握り方も剣筋も何も無く適当に剣を叩き付けた。身体強化をしての叩きつけは威力が高く、相手の男は「ウグッ」と声を洩らしたが、それに構わずシュラは再度叩き付けた。


 以降、相手は防戦一方でひたすらシュラの攻撃を叩きつけられ続けた。剣を鈍器としてしか扱わないシュラに対してブーイングもあったが、シュラは一切気にしないし取り合わない。


 結局ギブアップするまでタコ殴りにされた相手は、ボロボロのまま下がっていった。シュラは多少スッキリした様だが、やはり自分の手で殴っていないからか満足はしていない様だ。


 次はダナか……両手に剣を持っているが、アレって結局は叩きつけてボコボコにする為だよな? プレートアーマー相手に青銅製の武器じゃどうしようもないから仕方がないんだけどさ、それにしてもボコボコ率高くない?。


 もうちょっとマシな感じの試合に出来なかったのかね? まあ、プレートアーマー相手で試合となったらこんなもんか。泥仕合になっていないだけ良い方なんだろう、きっと。



 「互いに相手の命を奪う事の無いように………始め!」



 当然の様にダナは飛び出すが、流石に相手も反応した。ダナの突撃に合わせて突きを繰り出したが、それが彼の唯一の抵抗だった。ダナの左の剣で逸らされ、右手の剣を叩きつけられる。


 それからは相手の周りを回る様に動きながら、延々と一方的にダナが敵を叩き続けていく。ギブアップをするまで止まらない竜巻のように延々と叩かれ続け、ギブアップした時にはプレートアーマーがボコボコになっていた。


 まともに動く事も出来ないほどにボコボコにされた結果、第6騎士団の仲間に運ばれていく羽目になったようだ。ちょっと可哀想な気もしないでもないが、そこは相手が悪かったと思って諦めてほしい。


 さて、ようやく俺の番か……。



 ▽▽▽▽▽


 1050終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨177枚

 大金貨963枚

 金貨1068枚

 大銀貨1078枚

 銀貨1458枚

 大銅貨1998枚

 銅貨462枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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