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 「コイツ等は随分と頭が悪いみたいだが、帝国を滅ぼしたいのか? 最早コイツ等の命で済むような問題じゃ無くなりつつあるが、この愚か者共は理解してるのかね?」


 「あの賊の言う事に耳など貸すな! さっさとやれ!!」


 「愚か者はお前達だ! 宰相である私の前で剣を抜くなど、お前達如きがいったい何様のつもりだ!! 事と次第によっては貴様等の一族郎党を処刑するぞ!!」


 「「「「「………」」」」」


 「クッ……さっさと始末しろ!!」


 「俺が憎くてしょうがない様だが、ここにはガイアルム王国、聖王国ラグナンド、商業国家マールの王族が居ると理解してるのか? 四方八方から攻められて帝国は滅ぶぞ。どんな強大な国でも、周り全てを敵に回して生き残る事など不可能だ」


 「それ以前に、アイツは誰だって話さ。皇女や宰相の言う事も聞かないって事は皇族なのかい? まさか、ただの臣下が命を聞かないって事は無いよねえ? それは帝国という国そのものを愚弄するって事だよ?」


 「「「「「………」」」」」


 「済まぬ。アレは我が国の第6騎士団の者だ。近衛には第1騎士団から第6騎士団まであってな、あれは帝国魔剣流の者なのだ。おそらくは天才グライバが殺された事の恨みであろう」


 「ああ、暗殺などをする部隊のことですね。グライバと言えば確か、帝国を通り過ぎるだけの私達を暗殺しに来て、アルドに返り討ちにされた者だった筈。その仇討ちのつもりなのでしょうかね?」


 「こんな事をしたら帝国魔剣流の名前が更に下がりそうだけど、そういう事は考えていないのかしら? せっかく闇で終わった話だったのに、いちいち蒸し返すなんてね」


 「貴様等……絶対に許さんぞ!!」


 「止めぬか!! いったいここで何をしておる!!」



 後ろから慌てたように早歩きでやってくる人物が居るが、アレって確か公爵じゃなかったか? 皇帝の右腕と呼ばれる人物だが、城に居たんだな。近くに反応は無かったから、報告を受けて慌てて来たって感じか。



 「いったい何をしているのだ、城の中で抜剣するなど許される事ではないぞ。そのうえ敵も居らぬとなれば、そなた等を賊として始末せねばならなくなるのだが、分かっておるのか?」


 「なっ!? 我等は隊長の命に従ったまででございます」


 「そうでございます。帝城の中に賊が居るので始末せねばならぬと……」


 「姫の最初の言葉も無視しておいて、今さら左様な言い訳が通用すると思っておるのか! 恥を知れ! この愚か者どもが!!」


 「「「「「………」」」」」


 「どうしても俺を殺したいのなら、戦いを受けても良いがどうする? 一応体裁を整えるなら1対1の死合となるが、それで良ければ俺は受けてもいいぞ。ウチの女性陣も戦いたいみたいだしな」


 「ここまで敵意と憎しみを剥き出しにしてるんだ、これで何事も無く終わりとはいかないだろうさ。何より主様を殺そうとしてるんだ……殺されたって仕方がないだろう? そんなカスは」


 「……はぁ、仕方ない。せめて近衛の訓練場に行ってからにしてくれ。ここには色とりどりの花が咲いている。ここで殺し合いなどとなれば庭師が悲しむ」



 皆で一斉に近衛の訓練場とやらに行く事になった。こっちを憎んでいる男の周りには皇女と宰相と公爵が居て、勝手な事はさせまいと動けないようにしている。複数で雪崩れ込めば俺の首をとる事が出来るとでも思ったんだろうかね。甘いとしか言い様が無いが。


 帝城から少し離れた所に近衛の本部があり、そこに訓練場も併設されていた。ガイアルム王国の王城とあまり変わらない配置だが、これも古い時代に似た様なのがあったのかもしれないな。


 近衛騎士団長とやらが公爵と共にこちらに来てルールを決めた。俺と憎しみの男ことランザスの死合以外は命の奪い合いは無しという事になったが、俺としては何でもいい。強いて言えば、早く終わらせてさっさと帰りたいだけだ。


 第6騎士団こと帝国魔剣流の1人目が出てきたので、ウチはエリアから順番に出る事になった。リンデ達は持って来られた椅子に座って観戦する様だ。


 暑いからか【冷風】を使っているみたいだが、周りに居る皇女と宰相と公爵が驚いているらしい。得意気に魔法を使っているが、ちゃんと制御を安定させろよ。ドヤ顔が出来るほどの制御じゃないぞ?。


 そう思っていたら1人目が開始位置に来た。プレートアーマーとバシネットなので顔が判断出来ないが、鎧の形状から女性だと分かる。ウチからはエリアだが、まあ余裕で勝てる相手だ。折角だから帝国魔剣流を使ってくれないもんかな。


 皆にとって良い訓練になるし、アレが大して役に立たない技術だと分かる筈だ。試合用の刃引きされた青銅製の武器を持って現れたが、あれは当たり所が悪ければ死ぬぞ。後、相手は剣だが、エリアは斧だ。


 両者前に出て相対しているが、離れている距離は5メートルぐらいか。直ぐに接近出来る様な近距離からスタートするんだな。俺達にとって距離は問題じゃ無いからどうでもいいんだが……直ぐに試合は終わりそうだ。



 「それでは、互いに命を奪う事は無いように………始め!!」



 開始と同時にエリアは右手に斧を持ちながら歩いて行く。相手は剣を構えて動いてないが……いや、上段に振りかぶり、魔力を高めて振り下ろした。振り下ろしと同時に【火弾】が放たれたが、エリアはその【火弾】を左手の義手で払いのけ一気に接近する。


 相手の左肩へ刃引きされた斧を身体強化したパワーで振り下ろし、一撃で相手の骨を圧し折った。それが決め手となりエリアの勝利が確定する。まあ、プレートアーマーの上から骨を折られるとは思ってなかったのだろう。相手は痛みに呻きながら戻っていった。



 「帝国魔剣流っていうのはアレかい? 義手で払いのけられる程度の魔法って言えばそれで終わるねえ。アレじゃあ魔力を纏った腕で払いのければ済んでしまうし、放つ前に魔力が高まるから簡単に分かる。いったい何がしたいのやら」


 「アルドが前に言ってた通りだね。アレで流派とか言われても反応に困るよ。剣なら剣、魔法なら魔法。アレはどっちつかずの中途半端なものでしかない。どうも本人達は分かっていない様だけどね」


 「次はリューですか、まあ余裕で勝てるでしょう。大した相手でもなさそうですし」



 リューは試合の開始位置へと歩いて行き、立ち止まるとゆっくり相手を見ている。何か思うところがあるのかもしれないが、それを口に出したりはしないだろう。


 相手の方も出て来たが、今回は両者ともに剣だ。違うのはこちらは防具を着けていないのに対して、向こうはプレートアーマーだというぐらいか。先程のエリアも防具なんて着けてなかったからな。



 「それでは両者、命を奪う事のないように………始め!」



 リューは右手を下ろした状態で動いていない。何だか漫画なんかで見る<無形の位>のような感じだが、あれはカウンター狙いかな? リューが動かない事で相手もまた動かなくなった。自分から仕掛けたら不利だと思ったんだろう。


 それを見たリューは無造作に相手の方に歩き始めた。相手は困惑し一旦距離をとって離れるが、リューは構わず歩き続ける。意図的に体を上下に揺らさない歩法で、相手に錯覚を与えながら歩いているな。どうやら身体強化を使う気が無いらしい。


 相手が焦り、横薙ぎの大振りに合わせる形で【火弾】を放ってきた。それを避けつつ一気に接近し、唐竹割のように頭へと振り下ろした。ガンッと良い音がしたが、刃引きした剣では衝撃ぐらいで大きなダメージにはなっていない。


 相手は慌てて距離をとるも身体強化で一気に接近され、再び頭に剣を振り下ろされた。ドガンッ! という音と共に相手は後ろへ倒れ、起き上がる事は無かった。やはり身体強化を使わないと難しいか。


 プレートアーマーだし、殺してはいけないルールだから仕方ない。



 ▽▽▽▽▽


 1049終了時点


 大白金貨44枚

 白金貨177枚

 大金貨963枚

 金貨1068枚

 大銀貨1078枚

 銀貨1458枚

 大銅貨1998枚

 銅貨462枚


 神木石の浄化槍

 神石の浄化剣

 神木の浄化棍棒

 神木の浄化盾

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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